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[28]白の中の者たち
-310-:決闘なら、すでに始まっていますよ~
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透明化した相手を追跡できる、イヌ頭たちだけをおびき寄せて、一網打尽にする作戦は見事に成功した。
取りこぼしは、しっかりとコントラストで始末しておく。
「リョーマくんがバカでなくて良かったわ」
作戦の意図を察してくれた事には心から感謝している。…つもりだけど、高砂・飛遊午に対して働いていたストーカー行為が頭から離れず、どうしても彼に対して口が悪くなってしまう。
そんなクレハに、タツローは慌てて通信回線をOffにするのが関の山だった。
「クレハさん。もうちょっと仲良くしましょうよ。元がどうであれ、今は大切な仲間じゃないですか」
和ませたいところだが、無言で頭の天辺に足を乗せられると、それ以上は何も言えない。
(もう…さっきから気に入らないコトがあれば直ぐコレなんだから。あーだこーだ言ってばかりで、ほとんど僕が操作しているじゃないか)
不満不平はあるけれど、彼女にコントロールを渡せば、何をしでかすか想像もできない。
ここは大人しく、今の状況を維持したほうが得策だ。
タツローは黙ってクレハに従った。
「それにしても、ダナさんの装備って対多数のものが多いね」
リョーマ自身が野太刀一本では戦い抜けないと自覚しているのだろう。
おかげさまで、数で圧されようが何とか劣勢を強いられることなく戦線を維持していられる。
「そろそろ何か手を打たないと、このままじゃあジリ貧ですよ」
タツローの言う通り、消耗戦になれば、こちらが圧倒的に不利だ。
相手は腐っても女王。
継戦能力は、きっと向こうの方が上だ。
「おのれぇ、鈴木・くれは」
クレハの挑発に、歯軋りしながら上空を見上げるジェレミーアの前にダナが立つ。
「ん?何だ貴様」
訊ねるジェレミーアに対して、リョーマは何も言わずに背中から野太刀を引き抜いた。
引き抜いた野太刀を道を塞ぐように横一文字に構える。
「随分と彼女にご執心なようだが、ここは騎士同士。華やかに決闘と洒落込もうじゃないか」
決闘を申し込んだ。
そんな彼らを上空から見下ろし。
「アイツ、大丈夫かよ…」
呟くも、草間・涼馬の剣の実力はイヤと言うほどに知っている。
人間では不可能と思われた超音速の剣を振り、副産物として生まれた高速切り返しに“巌流ツバメ返し”とふざけた名前を付けている。
剣技においては、彼は白側では最強だ。それは認める。
だけど、あんな重たそうな攻城戦兵装を身に着けたままで、果たして本来の剣技が発揮できるかどうか…。
相手を見下していると、足元をすくわれるぞ。
思うも、素直に助言などできず、ただイライラを募らせるばかり。
いくらジェレミーアの得物が重量武器の戦斧といえど、あの男の卑怯っぷりは筋金入りだ。
何を仕掛けてくるのか?予想もつかない。
「どうした?ジェレミーア。まさか尻尾を巻いて逃げるんじゃないだろうな?」
この男の挑発も大概だ。
ジェレミーアは悩んだ。
同時に2人から挑発を受けてしまっている。
せっかくジョーカーに取り入ってアンデスィデに参戦する事が叶ったというのに、意外にも手慣れた戦いを見せるクレハたちに後れを取ってしまっている。
ジェレミーアのプライドは砕かれるようにして傷ついた。
こんな戦争とは程遠い太平な世の中で育った少女たちに、こうまでも苦戦を強いられようとは…。
戦の場で名を上げた者にとって、これほどまでの屈辱はない。
「ジェレミーア」
背後からのオトギの声に、ジェレミーアは背筋の凍る思いをした。
「貴方は他のシャドーと違って意志を持って戦っているのですよね?なのに、他のシャドーとの違いを、私は未だ見せてもらってはいませんが」
オトギからのプレッシャーのオマケ付き。
こうなれば私怨はとりあえず置いといて、目の前の敵を叩いて、ますは結果を示せねば。
「決闘なら、すでに始まっていますよ~」
いきなり飛び出し、決闘に応じると同時に戦斧をダナ目がけて振り下ろした。
公式の剣道ならば、反則とまでは言わないが、あまり褒められた技ではない、“立ち面”のような技を放ってきた。
「アイツ…とことん性根が腐っておるな」
チェスの駒となった妲己が吐き捨てる。
一方のダナはピンポイントバリアを展開!腕に走らせたバリアで打ち下ろされた戦斧の攻撃を弾いて防いだ。
「あの男!」
あまりの卑怯ぶりに、ベルタは怒りを抑えられそうにない。
「クレハ。私たちもリョーマに加勢しましょう。ジェレミーアは何を仕出かすか予想も付かない」
だが、クレハはベルタの進言に従わない。
「このままでいるのよ。タツローくんも。リョーマくんが、あんなヤツ相手に時間を掛けるなんて考えられない」
動こうとしたタツローを止めたばかりか、クレハは傍観に徹する構えを見せた。
高さに分があるのか、リョーマの剣技をもってしても、依然ジェレミーアを圧倒するには至らない。
敵はリーチの短い戦斧といえども、高さを頼りに何度も何度も立て続けに戦斧を振り下ろしてくる。
その都度野太刀で弾くが、そろそろ刃こぼれが激しくなってきた。
「そんな細い剣で!戦いに格好などは不要!勝てば、すべて良かろうなのだぁ!」
わずかな隙を突いて一閃を走らせた野太刀であったが、その軌道上に突如として地中から躍り出たロボによって、野太刀の一撃をその身で受け止められてしまった。
「アイツ、やっぱり卑怯な手に出やがった!」
予想はしていたのだが、手段までは予想できなかった。
ダナの野太刀を折ろうともせずに、ただ相手を仕留めるべく戦斧を振り下ろす。
戦斧が振り下ろされ、ダナの体を袈裟切りにした。
一刀両断のもと、ダナの騎体が破壊されたと思われたのだが。
宙を舞ったのは、戦斧を握りしめたジェレミーアの右腕肘から先。
「惜しかったな。ジェレミーア。あと数メートル右を狙わないと、僕たちの体を斬る事は出来ないよ」
またしても!草間・涼馬は攻撃魔法の幻影を発動させて、左に数メートルほどずらせて自身の体を投影していたのだった。
「貴様を切り伏せるのに剣技なんて必要ない。加えて、貴様ごとき倒すのに、この刃こぼれ著しい廃棄寸前の野太刀で十分」
馬の胴に、今にも折れそうな野太刀をズブズブと突き刺した。
「おのれぇ!」
腰部に据えられていたジェレミーアの頭部が口を開けると、やはり火器の類いを発射するのだろうと見計らっていたダナが、拳を叩き付けて爆砕、破壊した。
我が身が大事なので、拳にピンポイントバリアを展開しておくのも忘れない。
取りこぼしは、しっかりとコントラストで始末しておく。
「リョーマくんがバカでなくて良かったわ」
作戦の意図を察してくれた事には心から感謝している。…つもりだけど、高砂・飛遊午に対して働いていたストーカー行為が頭から離れず、どうしても彼に対して口が悪くなってしまう。
そんなクレハに、タツローは慌てて通信回線をOffにするのが関の山だった。
「クレハさん。もうちょっと仲良くしましょうよ。元がどうであれ、今は大切な仲間じゃないですか」
和ませたいところだが、無言で頭の天辺に足を乗せられると、それ以上は何も言えない。
(もう…さっきから気に入らないコトがあれば直ぐコレなんだから。あーだこーだ言ってばかりで、ほとんど僕が操作しているじゃないか)
不満不平はあるけれど、彼女にコントロールを渡せば、何をしでかすか想像もできない。
ここは大人しく、今の状況を維持したほうが得策だ。
タツローは黙ってクレハに従った。
「それにしても、ダナさんの装備って対多数のものが多いね」
リョーマ自身が野太刀一本では戦い抜けないと自覚しているのだろう。
おかげさまで、数で圧されようが何とか劣勢を強いられることなく戦線を維持していられる。
「そろそろ何か手を打たないと、このままじゃあジリ貧ですよ」
タツローの言う通り、消耗戦になれば、こちらが圧倒的に不利だ。
相手は腐っても女王。
継戦能力は、きっと向こうの方が上だ。
「おのれぇ、鈴木・くれは」
クレハの挑発に、歯軋りしながら上空を見上げるジェレミーアの前にダナが立つ。
「ん?何だ貴様」
訊ねるジェレミーアに対して、リョーマは何も言わずに背中から野太刀を引き抜いた。
引き抜いた野太刀を道を塞ぐように横一文字に構える。
「随分と彼女にご執心なようだが、ここは騎士同士。華やかに決闘と洒落込もうじゃないか」
決闘を申し込んだ。
そんな彼らを上空から見下ろし。
「アイツ、大丈夫かよ…」
呟くも、草間・涼馬の剣の実力はイヤと言うほどに知っている。
人間では不可能と思われた超音速の剣を振り、副産物として生まれた高速切り返しに“巌流ツバメ返し”とふざけた名前を付けている。
剣技においては、彼は白側では最強だ。それは認める。
だけど、あんな重たそうな攻城戦兵装を身に着けたままで、果たして本来の剣技が発揮できるかどうか…。
相手を見下していると、足元をすくわれるぞ。
思うも、素直に助言などできず、ただイライラを募らせるばかり。
いくらジェレミーアの得物が重量武器の戦斧といえど、あの男の卑怯っぷりは筋金入りだ。
何を仕掛けてくるのか?予想もつかない。
「どうした?ジェレミーア。まさか尻尾を巻いて逃げるんじゃないだろうな?」
この男の挑発も大概だ。
ジェレミーアは悩んだ。
同時に2人から挑発を受けてしまっている。
せっかくジョーカーに取り入ってアンデスィデに参戦する事が叶ったというのに、意外にも手慣れた戦いを見せるクレハたちに後れを取ってしまっている。
ジェレミーアのプライドは砕かれるようにして傷ついた。
こんな戦争とは程遠い太平な世の中で育った少女たちに、こうまでも苦戦を強いられようとは…。
戦の場で名を上げた者にとって、これほどまでの屈辱はない。
「ジェレミーア」
背後からのオトギの声に、ジェレミーアは背筋の凍る思いをした。
「貴方は他のシャドーと違って意志を持って戦っているのですよね?なのに、他のシャドーとの違いを、私は未だ見せてもらってはいませんが」
オトギからのプレッシャーのオマケ付き。
こうなれば私怨はとりあえず置いといて、目の前の敵を叩いて、ますは結果を示せねば。
「決闘なら、すでに始まっていますよ~」
いきなり飛び出し、決闘に応じると同時に戦斧をダナ目がけて振り下ろした。
公式の剣道ならば、反則とまでは言わないが、あまり褒められた技ではない、“立ち面”のような技を放ってきた。
「アイツ…とことん性根が腐っておるな」
チェスの駒となった妲己が吐き捨てる。
一方のダナはピンポイントバリアを展開!腕に走らせたバリアで打ち下ろされた戦斧の攻撃を弾いて防いだ。
「あの男!」
あまりの卑怯ぶりに、ベルタは怒りを抑えられそうにない。
「クレハ。私たちもリョーマに加勢しましょう。ジェレミーアは何を仕出かすか予想も付かない」
だが、クレハはベルタの進言に従わない。
「このままでいるのよ。タツローくんも。リョーマくんが、あんなヤツ相手に時間を掛けるなんて考えられない」
動こうとしたタツローを止めたばかりか、クレハは傍観に徹する構えを見せた。
高さに分があるのか、リョーマの剣技をもってしても、依然ジェレミーアを圧倒するには至らない。
敵はリーチの短い戦斧といえども、高さを頼りに何度も何度も立て続けに戦斧を振り下ろしてくる。
その都度野太刀で弾くが、そろそろ刃こぼれが激しくなってきた。
「そんな細い剣で!戦いに格好などは不要!勝てば、すべて良かろうなのだぁ!」
わずかな隙を突いて一閃を走らせた野太刀であったが、その軌道上に突如として地中から躍り出たロボによって、野太刀の一撃をその身で受け止められてしまった。
「アイツ、やっぱり卑怯な手に出やがった!」
予想はしていたのだが、手段までは予想できなかった。
ダナの野太刀を折ろうともせずに、ただ相手を仕留めるべく戦斧を振り下ろす。
戦斧が振り下ろされ、ダナの体を袈裟切りにした。
一刀両断のもと、ダナの騎体が破壊されたと思われたのだが。
宙を舞ったのは、戦斧を握りしめたジェレミーアの右腕肘から先。
「惜しかったな。ジェレミーア。あと数メートル右を狙わないと、僕たちの体を斬る事は出来ないよ」
またしても!草間・涼馬は攻撃魔法の幻影を発動させて、左に数メートルほどずらせて自身の体を投影していたのだった。
「貴様を切り伏せるのに剣技なんて必要ない。加えて、貴様ごとき倒すのに、この刃こぼれ著しい廃棄寸前の野太刀で十分」
馬の胴に、今にも折れそうな野太刀をズブズブと突き刺した。
「おのれぇ!」
腰部に据えられていたジェレミーアの頭部が口を開けると、やはり火器の類いを発射するのだろうと見計らっていたダナが、拳を叩き付けて爆砕、破壊した。
我が身が大事なので、拳にピンポイントバリアを展開しておくのも忘れない。
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