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[21]はじめてのアンデスィデ
-217-:あんなエロい下着、AV女優しか履かないものだとオレは思っていたぜ
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ガンランチャーがピックアップしてくれたハッキング画像は、山の手から街を見下ろすアングルだった。
しかも、今いる市街地方面ではなく、反対側の田園地域。
はるか遠くに、ピーナッツか瓢箪のようなものが映っている。
あまりにも遠すぎて、対象がぼやけて映っている。
「ガスっていてハッキリと見えないなぁ」
目を細めて見ても、カタチしか捉えることができない。
「半径5キロメートルのギリギリの位置からの映像ですからねぇ。しかもそれ以上に近くと言っても、周りは畑や田んぼばかりで監視カメラなんてひとつも有りませんから」
と、仕方なさそうにガンランチャーは説明をくれる。
画像から距離を算出、20キロメートル辺り。周りの田んぼと比較して、およそ20メートルの高さはある。カタチで判断して、現代アートか何かとも考えられない事もない。
「よく分からないモノだし、別に動いている様子も無いから放っておきましょう。それよりも、リョーマくんが戦っていた相手、拡声器なんか体中に取り付けて何をするつもりなんだろう?」
これまた放っておいても、リョーマなら勝手に敵を倒してくれる。
だけど敵の能力は気になってしょうがない。
クレハたちは問題無いとした、そのオブジェは。
先ほどリョーマに敗れたアルルカンが撤退していった先にあった。
監視カメラの映像ではなく、ダナの視覚機能から直視して、ツウラの姿を確認!
「来たわね」
盤上戦騎越しには表情は掴めないが、ツウラはリョーマたちの出現に舌舐めずりをした。
「撃って来ないな。アレは見た目通りにスピーカーなのかな?射撃武器では無さそうだ」
一定の距離を保ちつつ、ツウラの周囲を回って様子をうかがう。
ツウラの右腕にピンク色の魔方陣が展開!
一瞬警戒を強めたリョーマとダナであったが、ツウラが召喚し手にしたのが射撃武器ではなく“釘バット”だったので、警戒レベルを下げた。
「あの娘…相変わらず下品な武器を手にしているな」
見た目は凶暴。一度はあの武器で殺されかけた。
リョーマはダナを中間形態から盤上戦騎形態へと変形させ、背中に背負っている野太刀を抜刀した。
「マスター、。ガトリング砲で牽制しつつ接近した方が安全かと」ダナからの進言。
「あの着せ替え人形相手に撃ったところで、また他のものに着替えられるだけだ。このまま本体ごと斬りふせてやるさ」
接近戦を挑む。
「これで、ようやくリョーマのクソ眼鏡を叩きのめしてやれるわ」
自身に満ちたツウラであったが。
コクピット内に聞こえる念仏のようなイエヤスの独り言に、彼女の気分は台無し。
「さっきから、何ブツブツ言ってんのよ?」
「あ?」
訊ねられた事に驚いているのではなく、この驚き様、どうやら独り言がツウラの耳に入っていた事に驚いている様子。
「さっきから気持ち悪いのよ。呪いを掛けられているみたいでさぁ」
戦いの前。集中力を削ぐようなマネは止して欲しい。
「お、おう!あのリョーマの野郎が気に入らなくてよォ」
ツウラには、おおよその見当は付いていた。
マスターであるイエヤス(本名:郷田・剛)よりも、正直言って敵である草間・涼馬をマスターに迎えたいところだ。
リョーマの性格は鼻持ちならないけれど、頭も良いしイケメンだし、そして何よりも人間離れした強さを誇っている。彼女にとって家柄とかは眼中に無い。
ところが、イエヤスが気に入らないのは、そんな事では無い。
「あの野郎…マスター契約を奴隷契約と勘違いしやがって、従える魔者にメイド服なんか着せていやがるんだぜ。しかも四六時中」
ツウラの目は点になった。この男は何に怒りを覚えているのか?
それに四六時中って、どういう事?イエヤスが続ける。
「しかもよぉ、あのダナってメイド。スッゲェ!エロい下着つけているんだぜ。この間、あの女が、わざわざ通るように通行禁止して誘導してよ、ゲンナイが作った送風地雷を踏ませたら」
呆れてモノが言えない。ノブナガにもらったお金を、そんなしょうもない事に費やしているなんて。しかも手間暇をいとわない上に、手下に何を作らせているのやら。
「送風地雷を踏ませたら、あの女!ガーターベルトで留めたストッキングを履いているんだぜぇ。あんなエロい下着、AV女優しか履かないものだとオレは思っていたぜ」
“送風地雷”と出た瞬間にイヤな予感はしていたが、明らかに目的からして下らなさ過ぎるこの男が、マスターでいる事が心底イヤになった。
それにしても。
我がマスターにも呆れるけれど、リョーマにも減滅した。
まさか、そんな偏ったシュミがあったなんて。
ダナが野太刀を下段に構えながら接近してくる。
「私たちが何も撃って来ないから、安心して向かって来るわ。リョーマのお・馬・鹿・さ・ん」
ツウラがダナへと向き直る。
まずは一撃を加えて、相手の体勢を崩す!ダナが先制攻撃。
両手で野太刀を握って袈裟斬りを繰り出す。
当然ながらツウラは釘バットを水平に構えて、これを受けた。
ガギン、ガギン、ガギン…。武器同士が当たった瞬間から金属の軋む音が鳴り響く。
「どうした、ダナ。パワーダウンが起きているようだが」
両手での袈裟斬りなのに、相手を押し飛ばすどころか、体勢を崩す事すらできていない。
いや、確実に体勢は崩れている。
しかし、それは攻撃を繰り出したダナの体勢が崩れていた。
ダナの全身の関節という関節がすべて、踏ん張りが利かなくなっている。
敵を前にして、ガクン!とダナの膝が折れた。
しかも、今いる市街地方面ではなく、反対側の田園地域。
はるか遠くに、ピーナッツか瓢箪のようなものが映っている。
あまりにも遠すぎて、対象がぼやけて映っている。
「ガスっていてハッキリと見えないなぁ」
目を細めて見ても、カタチしか捉えることができない。
「半径5キロメートルのギリギリの位置からの映像ですからねぇ。しかもそれ以上に近くと言っても、周りは畑や田んぼばかりで監視カメラなんてひとつも有りませんから」
と、仕方なさそうにガンランチャーは説明をくれる。
画像から距離を算出、20キロメートル辺り。周りの田んぼと比較して、およそ20メートルの高さはある。カタチで判断して、現代アートか何かとも考えられない事もない。
「よく分からないモノだし、別に動いている様子も無いから放っておきましょう。それよりも、リョーマくんが戦っていた相手、拡声器なんか体中に取り付けて何をするつもりなんだろう?」
これまた放っておいても、リョーマなら勝手に敵を倒してくれる。
だけど敵の能力は気になってしょうがない。
クレハたちは問題無いとした、そのオブジェは。
先ほどリョーマに敗れたアルルカンが撤退していった先にあった。
監視カメラの映像ではなく、ダナの視覚機能から直視して、ツウラの姿を確認!
「来たわね」
盤上戦騎越しには表情は掴めないが、ツウラはリョーマたちの出現に舌舐めずりをした。
「撃って来ないな。アレは見た目通りにスピーカーなのかな?射撃武器では無さそうだ」
一定の距離を保ちつつ、ツウラの周囲を回って様子をうかがう。
ツウラの右腕にピンク色の魔方陣が展開!
一瞬警戒を強めたリョーマとダナであったが、ツウラが召喚し手にしたのが射撃武器ではなく“釘バット”だったので、警戒レベルを下げた。
「あの娘…相変わらず下品な武器を手にしているな」
見た目は凶暴。一度はあの武器で殺されかけた。
リョーマはダナを中間形態から盤上戦騎形態へと変形させ、背中に背負っている野太刀を抜刀した。
「マスター、。ガトリング砲で牽制しつつ接近した方が安全かと」ダナからの進言。
「あの着せ替え人形相手に撃ったところで、また他のものに着替えられるだけだ。このまま本体ごと斬りふせてやるさ」
接近戦を挑む。
「これで、ようやくリョーマのクソ眼鏡を叩きのめしてやれるわ」
自身に満ちたツウラであったが。
コクピット内に聞こえる念仏のようなイエヤスの独り言に、彼女の気分は台無し。
「さっきから、何ブツブツ言ってんのよ?」
「あ?」
訊ねられた事に驚いているのではなく、この驚き様、どうやら独り言がツウラの耳に入っていた事に驚いている様子。
「さっきから気持ち悪いのよ。呪いを掛けられているみたいでさぁ」
戦いの前。集中力を削ぐようなマネは止して欲しい。
「お、おう!あのリョーマの野郎が気に入らなくてよォ」
ツウラには、おおよその見当は付いていた。
マスターであるイエヤス(本名:郷田・剛)よりも、正直言って敵である草間・涼馬をマスターに迎えたいところだ。
リョーマの性格は鼻持ちならないけれど、頭も良いしイケメンだし、そして何よりも人間離れした強さを誇っている。彼女にとって家柄とかは眼中に無い。
ところが、イエヤスが気に入らないのは、そんな事では無い。
「あの野郎…マスター契約を奴隷契約と勘違いしやがって、従える魔者にメイド服なんか着せていやがるんだぜ。しかも四六時中」
ツウラの目は点になった。この男は何に怒りを覚えているのか?
それに四六時中って、どういう事?イエヤスが続ける。
「しかもよぉ、あのダナってメイド。スッゲェ!エロい下着つけているんだぜ。この間、あの女が、わざわざ通るように通行禁止して誘導してよ、ゲンナイが作った送風地雷を踏ませたら」
呆れてモノが言えない。ノブナガにもらったお金を、そんなしょうもない事に費やしているなんて。しかも手間暇をいとわない上に、手下に何を作らせているのやら。
「送風地雷を踏ませたら、あの女!ガーターベルトで留めたストッキングを履いているんだぜぇ。あんなエロい下着、AV女優しか履かないものだとオレは思っていたぜ」
“送風地雷”と出た瞬間にイヤな予感はしていたが、明らかに目的からして下らなさ過ぎるこの男が、マスターでいる事が心底イヤになった。
それにしても。
我がマスターにも呆れるけれど、リョーマにも減滅した。
まさか、そんな偏ったシュミがあったなんて。
ダナが野太刀を下段に構えながら接近してくる。
「私たちが何も撃って来ないから、安心して向かって来るわ。リョーマのお・馬・鹿・さ・ん」
ツウラがダナへと向き直る。
まずは一撃を加えて、相手の体勢を崩す!ダナが先制攻撃。
両手で野太刀を握って袈裟斬りを繰り出す。
当然ながらツウラは釘バットを水平に構えて、これを受けた。
ガギン、ガギン、ガギン…。武器同士が当たった瞬間から金属の軋む音が鳴り響く。
「どうした、ダナ。パワーダウンが起きているようだが」
両手での袈裟斬りなのに、相手を押し飛ばすどころか、体勢を崩す事すらできていない。
いや、確実に体勢は崩れている。
しかし、それは攻撃を繰り出したダナの体勢が崩れていた。
ダナの全身の関節という関節がすべて、踏ん張りが利かなくなっている。
敵を前にして、ガクン!とダナの膝が折れた。
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