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【夢前夜】 ~はじまりの街~
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街を囲むようにして造られた、とてもとても高く巨大な壁。
高いだけでなく厚さも何十メートルもあり、その上を鎧の兵士たちが歩いている。
その鎧は銀色で長い槍を手にして、いかにも中世ヨーロッパの王族の城の門番をしていそうな物だ。
だが中に人がいるのかが疑わしい。
目元を開けているのにも関わらず、真っ暗でなにも見えないのだ。
もしかするとソレは、鎧だけで動いているリビングアーマーかもしれない。
壁の上から街を一望すると、馬車が走っているのが見える。
街路灯はランプだ。
建物の屋根は皆、赤茶色系統で統一されている。
街の中心部には一際輝くヨーロピアンな巨大な城がそびえ建っている。
だがその城は人の気配が全く感じられない。
一見すると煌めいて思えるが、もしかすると廃墟かもしれなかった。
「なあ、俺らっていつまでここでこうしてればいいの?」
鎧の兵士の一人が、隣りにいた鎧にぼんやりとした口調で話しかける。
「さあなあ、俺にも分からん。 ナイトメシア様の命令だからなあ」
気だるそうに答えた。
鎧たちは街の外側に目をやるが、微かに下から風が吹いているだけで真っ暗で何も見え無い。
ただ崖の上に立っているような感じだけはする。
「外の敵から街を守るように言われたけど、どう見ても来ないよね?」
「いやいや、街の住民が勝手に外に出ないように見張ってるんじゃないの?」
…………。
「まあ、なんでもいいか~」
鎧たちには難しいことを考える知能が欠落しているのかもしれない。
街を見ると住民は皆、楽しそうにしている。
毎日がカーニバルのように賑やかでまるで夢の国のようだった。
――この街の名は、【ネオ・ネヴァーランド】と呼ばれている――。
高いだけでなく厚さも何十メートルもあり、その上を鎧の兵士たちが歩いている。
その鎧は銀色で長い槍を手にして、いかにも中世ヨーロッパの王族の城の門番をしていそうな物だ。
だが中に人がいるのかが疑わしい。
目元を開けているのにも関わらず、真っ暗でなにも見えないのだ。
もしかするとソレは、鎧だけで動いているリビングアーマーかもしれない。
壁の上から街を一望すると、馬車が走っているのが見える。
街路灯はランプだ。
建物の屋根は皆、赤茶色系統で統一されている。
街の中心部には一際輝くヨーロピアンな巨大な城がそびえ建っている。
だがその城は人の気配が全く感じられない。
一見すると煌めいて思えるが、もしかすると廃墟かもしれなかった。
「なあ、俺らっていつまでここでこうしてればいいの?」
鎧の兵士の一人が、隣りにいた鎧にぼんやりとした口調で話しかける。
「さあなあ、俺にも分からん。 ナイトメシア様の命令だからなあ」
気だるそうに答えた。
鎧たちは街の外側に目をやるが、微かに下から風が吹いているだけで真っ暗で何も見え無い。
ただ崖の上に立っているような感じだけはする。
「外の敵から街を守るように言われたけど、どう見ても来ないよね?」
「いやいや、街の住民が勝手に外に出ないように見張ってるんじゃないの?」
…………。
「まあ、なんでもいいか~」
鎧たちには難しいことを考える知能が欠落しているのかもしれない。
街を見ると住民は皆、楽しそうにしている。
毎日がカーニバルのように賑やかでまるで夢の国のようだった。
――この街の名は、【ネオ・ネヴァーランド】と呼ばれている――。
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