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三度目の衝撃。
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遂に昂ぶった快感が弾けようとする一歩手前で、センセイは急に手を止めた。快感が逃がされて、もう少しで届きそうだった絶頂を取り上げられて、困惑した僕は泣いた。
「お仕置きだからね、気持ちよくなってごめんなさい、ってちゃんと謝らなきゃな?」
それはそれは楽しそうに残酷な台詞を吐くセンセイ。
もはや抗うことなど考えもせず、ただただ従順に従う僕。
まるで快楽による洗脳だった。初めての強烈すぎる快感を前に、僕の精神は耐える術を知らなかったのだ。
気持ちよくなってごめんなさい。
そう言うと、センセイは目を見開いてとても嬉しそうに嗤った。
それからはもう、コドモが知るべきですらない、卑猥で淫らな言葉を促されるままに口にした。
僕はいけない、はしたない子です、気持ちいいことが大好きで、イカせてください、お願いします、と懇願したら、センセイは満足そうに頷いてイカせてくれた。
とても疲れた。そして、とんでもなく気持ちよかった。こんな快感を覚えてしまったら頭がバカになる、と本気で心配になったくらい、他人から与えられる性的快感は僕の脳髄を犯して支配した。
ぱたぱた、と白く濁った液体が床にこぼれた。それをティッシュで丁寧に拭くと、センセイはようやく手を離してくれた。掴まれていた両手首には赤い指の跡がくっきりとついていた。
「じゃあ、今度はセンセイの番だね」
優しく微笑んで、つるりと僕の頬を撫でたセンセイは、まだ余韻でぼうっとしている僕の頭を掴むと、自分のベルトに手をかけてズボンを下ろし、口の中に熱い棒を一気に捩じ込んだ。
喉の奥が先端に突つかれて、おえっと嘔吐いた。お構いなしにセンセイはガンガンと腰を振り、僕の口内を容赦なく犯した。それは正しく蹂躙であり、その間僕は生理的な涙を浮かべながら、喉の奥を攻撃され続けた。
舌を絡めたり舐め上げたりすることなど出来やしない。単純に性的欲求の捌け口の穴であることを求められているだけの、一方的で暴力的な行為。
恋愛感情はおろか思慕や憧れの情すらないのに、刺激を受ければ反応して、バカみたいに腰を揺らした自分が酷く醜く思えた。猿のように腰を振り、気持ち良さそうに僕の喉を犯すセンセイも醜い。僕らは二人とも汚なくて愚かで醜い。
ようやく絶頂を迎えたセンセイは、僕の口に大量の精液を吐き出して、満足そうに携帯を取り出すとパシャリと写真を取った。
舌の上に白濁をのせて、その苦味にしかめっ面をした僕の淫らな顔に向けてシャッターを切るセンセイは、白紙みたいに表情のない顔をしていた。淡々と、まるで仕事のノルマをこなしてるみたいに、無感動に僕の口を犯したその人は、念のためだよ、と囁いた。
どこにも流したりしない、君が誰にも言わなければね、とセンセイは優しい声で僕の頭を撫でた。
飲み込めない白濁をティッシュに吐き出しながら、恐怖で震える僕の額にそっとキスをして。
「明日でお別れだなんて、淋しくてさ。君のことはずっと可愛いなって思ってたんだ」
口角をわずかに上げて、センセイは
僕を殺す爆弾を、いとも簡単に投げつけた。
「男の子でも案外悪くないな。女の子ほどではないにしろ」
それは三度目の衝撃で、今度こそ正しく、僕の息の根を止めた。
アナフィラキシーショックのように、一度目の引き金がきっかけとなって、二度目の擊鉄を起こし、三度目の正直で、死に至らしめる。
男であることを理由に失望されて歪んでしまった僕の精神は、今度こそ完膚なきまでに否定され、綺麗に砕け散った。見事なほど粉々に、後戻りできないくらいまで。
まだ、僕のことを見てくれていたのなら、僕のことが好きだったのなら、許せたかもしれない。
でも、あくまで代用品だという評価が、どこに行っても何をしても拭えない。僕は、欠陥品なのだろうか。僕は誰かの代わりにしか、なれないのだろうか。
女、女、女。
何でだ。男で何が悪い。何で比べられて貶められなければいけないんだ。僕が男なのは僕のせいじゃないじゃないか。
脆弱な少年の心は呆気なく崩壊し、僕の精神も、性癖も、これをきっかけに大きく歪んだ。
女なんて嫌い。女が好きな男も嫌い。
「お仕置きだからね、気持ちよくなってごめんなさい、ってちゃんと謝らなきゃな?」
それはそれは楽しそうに残酷な台詞を吐くセンセイ。
もはや抗うことなど考えもせず、ただただ従順に従う僕。
まるで快楽による洗脳だった。初めての強烈すぎる快感を前に、僕の精神は耐える術を知らなかったのだ。
気持ちよくなってごめんなさい。
そう言うと、センセイは目を見開いてとても嬉しそうに嗤った。
それからはもう、コドモが知るべきですらない、卑猥で淫らな言葉を促されるままに口にした。
僕はいけない、はしたない子です、気持ちいいことが大好きで、イカせてください、お願いします、と懇願したら、センセイは満足そうに頷いてイカせてくれた。
とても疲れた。そして、とんでもなく気持ちよかった。こんな快感を覚えてしまったら頭がバカになる、と本気で心配になったくらい、他人から与えられる性的快感は僕の脳髄を犯して支配した。
ぱたぱた、と白く濁った液体が床にこぼれた。それをティッシュで丁寧に拭くと、センセイはようやく手を離してくれた。掴まれていた両手首には赤い指の跡がくっきりとついていた。
「じゃあ、今度はセンセイの番だね」
優しく微笑んで、つるりと僕の頬を撫でたセンセイは、まだ余韻でぼうっとしている僕の頭を掴むと、自分のベルトに手をかけてズボンを下ろし、口の中に熱い棒を一気に捩じ込んだ。
喉の奥が先端に突つかれて、おえっと嘔吐いた。お構いなしにセンセイはガンガンと腰を振り、僕の口内を容赦なく犯した。それは正しく蹂躙であり、その間僕は生理的な涙を浮かべながら、喉の奥を攻撃され続けた。
舌を絡めたり舐め上げたりすることなど出来やしない。単純に性的欲求の捌け口の穴であることを求められているだけの、一方的で暴力的な行為。
恋愛感情はおろか思慕や憧れの情すらないのに、刺激を受ければ反応して、バカみたいに腰を揺らした自分が酷く醜く思えた。猿のように腰を振り、気持ち良さそうに僕の喉を犯すセンセイも醜い。僕らは二人とも汚なくて愚かで醜い。
ようやく絶頂を迎えたセンセイは、僕の口に大量の精液を吐き出して、満足そうに携帯を取り出すとパシャリと写真を取った。
舌の上に白濁をのせて、その苦味にしかめっ面をした僕の淫らな顔に向けてシャッターを切るセンセイは、白紙みたいに表情のない顔をしていた。淡々と、まるで仕事のノルマをこなしてるみたいに、無感動に僕の口を犯したその人は、念のためだよ、と囁いた。
どこにも流したりしない、君が誰にも言わなければね、とセンセイは優しい声で僕の頭を撫でた。
飲み込めない白濁をティッシュに吐き出しながら、恐怖で震える僕の額にそっとキスをして。
「明日でお別れだなんて、淋しくてさ。君のことはずっと可愛いなって思ってたんだ」
口角をわずかに上げて、センセイは
僕を殺す爆弾を、いとも簡単に投げつけた。
「男の子でも案外悪くないな。女の子ほどではないにしろ」
それは三度目の衝撃で、今度こそ正しく、僕の息の根を止めた。
アナフィラキシーショックのように、一度目の引き金がきっかけとなって、二度目の擊鉄を起こし、三度目の正直で、死に至らしめる。
男であることを理由に失望されて歪んでしまった僕の精神は、今度こそ完膚なきまでに否定され、綺麗に砕け散った。見事なほど粉々に、後戻りできないくらいまで。
まだ、僕のことを見てくれていたのなら、僕のことが好きだったのなら、許せたかもしれない。
でも、あくまで代用品だという評価が、どこに行っても何をしても拭えない。僕は、欠陥品なのだろうか。僕は誰かの代わりにしか、なれないのだろうか。
女、女、女。
何でだ。男で何が悪い。何で比べられて貶められなければいけないんだ。僕が男なのは僕のせいじゃないじゃないか。
脆弱な少年の心は呆気なく崩壊し、僕の精神も、性癖も、これをきっかけに大きく歪んだ。
女なんて嫌い。女が好きな男も嫌い。
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