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102. 明日に向けて
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「お兄ちゃん一体どうするの?」
ティティルナはティルミオが古いパンをどうやって売り物にするのかが分からずに、不思議そうな顔でティルミオに尋ねた。
するとティルミオは、自信満々に妹たちに説明を始めたのだった。
「うちでは残ったパンはパン粥にする事が殆どだったけど、昔母さんが作ってくれた物があって……まぁ、作ってみるから食べてみてよ。」
そう言うとティルミオは、より正確に再現する為に、裏からカチカチに固くなった昨日の売れ残ったパンを持ってきて、それをスライスすると、牛乳と卵と砂糖を混ぜ合わせた液体に浸した。
「こうやって一日中経って硬くなったパンを液にしっかりと浸して柔らかくして……そしてフライパンで焼くんだ。」
ティルミオは説明しながら実際に調理して見せて、焼き上がったパンをみんなに振る舞った。
程よく焦げ目が付いて綺麗に焼けたパンは、カチカチだったのが嘘の様にふんわりと柔らかく、一口食べると優しい甘さがじんわりと口の中に広がっていった。
「わっ!柔らかいしほのかに甘くて……美味しい!!」
「あぁ、美味いなこれ!!」
一口食べてみたティティルナとジェラミーは、共に顔を綻ばせて感嘆の声を上げた。
その様子にティルミオは得意げになってフィオネに話しかけた。
「どうだ?これなら売り物にも出来るだろ?明日朝から頑張って焼けば数は用意できると思うし、これで明日は何とかなるんじゃないかな。」
「確かに……これならアカデミーで販売しても問題ありませんわ。」
フィオネもティルミオが手を加えた硬いパンを一口食べると、納得したようにそう答えた。
「よし、じゃあ明日はこれで足りない分の商品を補おう!」
「良かった!これでお店も、アカデミーでの販売も何とかなるね!」
ティルミオはフィオネのお眼鏡に適ったことでホッと胸を撫で下ろし、ティティルナもこれで何とかなりそうで笑顔を浮かべた。
しかし、皆が安堵する中でフィオンだけは難しい顔をしてティルミオに痛いところを突いたのだった。
「ティオ、これ他のパンと同じ値段で売るなら原価率高そうだけど……良いのか?」
「う……まぁ、背に腹は変えられないし、売れ残りのパンを有効活用出来るから損はないよ。」
フィオンからの指摘に、ティルミオは歯切れ悪く答えた。
確かに指摘通り、このアレンジ方法は普通のパンに更に材料を足して手を加えているので、そのままの値段では利益はほとんど見込めず、手間賃を考えると赤字であったのだ。
しかし、店舗での通常営業もアカデミーでの販売も、どちらも両立する事が店の為になると思って、ティルミオはある程度の損失は止む無しと判断したのだった。
「うーん。まぁ、長い目で見たら確かにそうか。」
「そうそう。今はとにかく、多少の痛手があってもお客さんに来て貰わないといけないからね。」
ティルミオの考えにフィオンも納得して、これでとりあえず明日の見込みは立った。
けれども、これで問題が全部解決した訳では無かったのであった。
「でもそれでも、二日目、三日目が困りましたわね。明日はギリギリの数しか作れませんから前日のパンの余りが出ませんわ。」
フィオネが頬に手を当てて、困った風につぶやいた。彼女の言う通り、今言った方法が出来るのは、売れ残りが出る明日だけなのだ。
だから二日目、三日目をどうやって乗り越えるかは、引き続き考えなければいけないのだが、そんな時にティルミオは、不意にあることを思い出したのだった。
「あ、そうだ。マナポーションだ。全部飲まなかったから後一個残ってるんだ。コレで何とかならないか?」
そう言ってティルミオは、鞄の中から使わなかったマナポーションを取り出した。これを使えばいつも以上にパンを錬成する事が可能になるのだが、ティティルナは渋い顔でそれを否定したのだった。
「お兄ちゃん、それはダメだよ。勿体無いよ。それに一個じゃ二日分は用意出来ないでしょう?なら、他の方法を考えるべきだよ!」
ティティルナはマナポーションが物凄く不味い事を知っているから、飲みたくなくて必死だった。
けれども、そんな彼女の気持ちなど察していないジェラミーが、横から余計なことを言ったのだった。
「2回に分けて飲めば良いんじゃ無いか?そうすりゃ、いつもの半分の量はパン作れるだろう?」
それは当たり前のことであったが、誰も口にしなかった盲点であった。
「……確かに、一度に飲み切る必要無いもんな……」
ジェラミーの発言に納得して、ティルミオはマナポーションを2回に分けて飲む事で話を進めようとした。
するとティティルナは、余計な事を言ったジェラミーに恨みがましい目を向けてから、ティルミオに抗議の声を上げたのだった。
「お兄ちゃん!あんまり無茶言わないでよ!マナポーションは凄く不味んだよ?!」
「知ってる。俺も飲んだし!」
「そんな物を、後二回も飲めというの?お兄ちゃん酷いよ!!」
飲みたくなくてティティルナは必死に抵抗してみたが、しかし、この場にティティルナの味方は居なかった。
「ティナ、そんな事で音を上げるなんて軟弱ですわ!!」
「えー……私軟弱だもん……」
「ティニャ、頑張るにゃ。このお店はティニャに掛かってるにゃ!」
「うぅ……」
「マナポーションがどれ程不味いかは僕は分からないけど、ほら、飴あげるから飲んだ後これで口直ししたらどうだい?」
「飴で何とか出来るレベルの不味さじゃ無いのに……」
みんなから期待の目を向けられて、ティティルナは渋々とマナポーションの使用に同意する他無かったのだった。
「分かったよ……泣きながら飲んでやる……」
こうして、アカデミーでの販売に向けた計画は一応の着地点が見えて、なんとか達成できる見込みがたったのであった。
「さぁ、皆様明日からやりますわよ!カーステン商店のパンが世界一だってこと、広く知らしめますわよ!!」
自分が初めて取り付けた仕事にフィオネはやる気に満ち溢れていて、意気揚々とした声を上げて皆を鼓舞すると、それぞれが思い思いにうなづいて、明日に向けて気持ちを一つにしたのだった。
———
#完全にストック無くなった&書いてる時間が取れないので、次の更新いつもより期間が空きます
ティティルナはティルミオが古いパンをどうやって売り物にするのかが分からずに、不思議そうな顔でティルミオに尋ねた。
するとティルミオは、自信満々に妹たちに説明を始めたのだった。
「うちでは残ったパンはパン粥にする事が殆どだったけど、昔母さんが作ってくれた物があって……まぁ、作ってみるから食べてみてよ。」
そう言うとティルミオは、より正確に再現する為に、裏からカチカチに固くなった昨日の売れ残ったパンを持ってきて、それをスライスすると、牛乳と卵と砂糖を混ぜ合わせた液体に浸した。
「こうやって一日中経って硬くなったパンを液にしっかりと浸して柔らかくして……そしてフライパンで焼くんだ。」
ティルミオは説明しながら実際に調理して見せて、焼き上がったパンをみんなに振る舞った。
程よく焦げ目が付いて綺麗に焼けたパンは、カチカチだったのが嘘の様にふんわりと柔らかく、一口食べると優しい甘さがじんわりと口の中に広がっていった。
「わっ!柔らかいしほのかに甘くて……美味しい!!」
「あぁ、美味いなこれ!!」
一口食べてみたティティルナとジェラミーは、共に顔を綻ばせて感嘆の声を上げた。
その様子にティルミオは得意げになってフィオネに話しかけた。
「どうだ?これなら売り物にも出来るだろ?明日朝から頑張って焼けば数は用意できると思うし、これで明日は何とかなるんじゃないかな。」
「確かに……これならアカデミーで販売しても問題ありませんわ。」
フィオネもティルミオが手を加えた硬いパンを一口食べると、納得したようにそう答えた。
「よし、じゃあ明日はこれで足りない分の商品を補おう!」
「良かった!これでお店も、アカデミーでの販売も何とかなるね!」
ティルミオはフィオネのお眼鏡に適ったことでホッと胸を撫で下ろし、ティティルナもこれで何とかなりそうで笑顔を浮かべた。
しかし、皆が安堵する中でフィオンだけは難しい顔をしてティルミオに痛いところを突いたのだった。
「ティオ、これ他のパンと同じ値段で売るなら原価率高そうだけど……良いのか?」
「う……まぁ、背に腹は変えられないし、売れ残りのパンを有効活用出来るから損はないよ。」
フィオンからの指摘に、ティルミオは歯切れ悪く答えた。
確かに指摘通り、このアレンジ方法は普通のパンに更に材料を足して手を加えているので、そのままの値段では利益はほとんど見込めず、手間賃を考えると赤字であったのだ。
しかし、店舗での通常営業もアカデミーでの販売も、どちらも両立する事が店の為になると思って、ティルミオはある程度の損失は止む無しと判断したのだった。
「うーん。まぁ、長い目で見たら確かにそうか。」
「そうそう。今はとにかく、多少の痛手があってもお客さんに来て貰わないといけないからね。」
ティルミオの考えにフィオンも納得して、これでとりあえず明日の見込みは立った。
けれども、これで問題が全部解決した訳では無かったのであった。
「でもそれでも、二日目、三日目が困りましたわね。明日はギリギリの数しか作れませんから前日のパンの余りが出ませんわ。」
フィオネが頬に手を当てて、困った風につぶやいた。彼女の言う通り、今言った方法が出来るのは、売れ残りが出る明日だけなのだ。
だから二日目、三日目をどうやって乗り越えるかは、引き続き考えなければいけないのだが、そんな時にティルミオは、不意にあることを思い出したのだった。
「あ、そうだ。マナポーションだ。全部飲まなかったから後一個残ってるんだ。コレで何とかならないか?」
そう言ってティルミオは、鞄の中から使わなかったマナポーションを取り出した。これを使えばいつも以上にパンを錬成する事が可能になるのだが、ティティルナは渋い顔でそれを否定したのだった。
「お兄ちゃん、それはダメだよ。勿体無いよ。それに一個じゃ二日分は用意出来ないでしょう?なら、他の方法を考えるべきだよ!」
ティティルナはマナポーションが物凄く不味い事を知っているから、飲みたくなくて必死だった。
けれども、そんな彼女の気持ちなど察していないジェラミーが、横から余計なことを言ったのだった。
「2回に分けて飲めば良いんじゃ無いか?そうすりゃ、いつもの半分の量はパン作れるだろう?」
それは当たり前のことであったが、誰も口にしなかった盲点であった。
「……確かに、一度に飲み切る必要無いもんな……」
ジェラミーの発言に納得して、ティルミオはマナポーションを2回に分けて飲む事で話を進めようとした。
するとティティルナは、余計な事を言ったジェラミーに恨みがましい目を向けてから、ティルミオに抗議の声を上げたのだった。
「お兄ちゃん!あんまり無茶言わないでよ!マナポーションは凄く不味んだよ?!」
「知ってる。俺も飲んだし!」
「そんな物を、後二回も飲めというの?お兄ちゃん酷いよ!!」
飲みたくなくてティティルナは必死に抵抗してみたが、しかし、この場にティティルナの味方は居なかった。
「ティナ、そんな事で音を上げるなんて軟弱ですわ!!」
「えー……私軟弱だもん……」
「ティニャ、頑張るにゃ。このお店はティニャに掛かってるにゃ!」
「うぅ……」
「マナポーションがどれ程不味いかは僕は分からないけど、ほら、飴あげるから飲んだ後これで口直ししたらどうだい?」
「飴で何とか出来るレベルの不味さじゃ無いのに……」
みんなから期待の目を向けられて、ティティルナは渋々とマナポーションの使用に同意する他無かったのだった。
「分かったよ……泣きながら飲んでやる……」
こうして、アカデミーでの販売に向けた計画は一応の着地点が見えて、なんとか達成できる見込みがたったのであった。
「さぁ、皆様明日からやりますわよ!カーステン商店のパンが世界一だってこと、広く知らしめますわよ!!」
自分が初めて取り付けた仕事にフィオネはやる気に満ち溢れていて、意気揚々とした声を上げて皆を鼓舞すると、それぞれが思い思いにうなづいて、明日に向けて気持ちを一つにしたのだった。
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