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閑話. sideミハイル(王太子殿下の婚約者発表前日)
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##この話は、本編が始まる前日の話となります。
———
(明日の夜会の準備でやらなくてはいけない事が沢山あるというのに、どうしてこう忙しい時に限ってあの人は呼び出しをかけるのか……)
ミハイルは、顔に非難の色などを一切出さないが、明日までにやらなくてはいけない仕事が沢山残る中で急に王太子殿下の私室に呼びつけられた事に、いささか不満を抱いていた。
見ると、自分だけでなく他の側近二人も、彼と同様にレオンハルトの私室に呼びつけられていたのだ。
(三人とも呼び寄せるなんて一体何が始まると言うのだ?)
ミハイルは、呼びつけられた理由がろくでもない事ではないかと、そんな気がしてならなかった。
そんな側近たちの胸中など知らない王太子殿下は、のんびりと話し始める。
「ラウル、内定は既に出してあるんだよね?」
「はい。父を通じて既に本人にも話は伝わっています。」
王太子レオンハルトの側近の一人であるラウルが質問に答えた。
彼の妹であるアストラ公爵家の令嬢レスティアが、王太子レオンハルトの婚約者に正式に決まったのだ。
そして、明日の夜会で大々的にその事を発表する手筈となっていた。
その為ミハイルを含む側近たちは、普段の夜会よりも事前に行わなくてはならない事が多かったのだ。
「そうか。根回し有難う。」
レオンハルトはラウルの返答に短く答えると、いつもどおりの穏やかな笑みを浮かべて、ミハイルともう一人の側近マキシムに向き合い本題に入った。
「ところでね、お前達に集まって貰ったのは他でもない、レスティア嬢以外の他の私の婚約者候補であった御令嬢方について話があるんだ。」
レオンハルトは和かに話し始めたが、ミハイルは嫌な予感しかしなかった。
レオンハルトに長く仕えているから分かるが、殿下についての嫌な予感は大抵当たるのだ。
そしてその予感は、今回も例に漏れずに的中したのだった。
「お前達の中で、マキシムとミハイルはたしか婚約者がまだ居なかったよね。どうだろうか、私の婚約者候補であった御令嬢方から選んでみないか?」
レオンハルトは笑顔でとんでもない事を言い出したのだ。
この人は何を言っているのだろうか。
毎度の事ながら、突拍子もない事を言い出すレオンハルトの言動にミハイルもマキシムも、真顔のまま顔の筋肉が硬直してしまったようだった。
「王室としてもね、今迄私の婚約者候補として責務を全うしてくれた御令嬢方を無下には出来ないと思っているんだよ。なので彼女達には、これまでの功績を労わなくてはと思ってるんだけれどもそれにはどの様な物が良いかと考えてみたんだ。」
固まったまま何も反応を示さない側近二人の様子を気にすることもなく、レオンハルトは自論を展開していく。
ミハイルとマキシムの二人は、ただ能面の様な顔で黙って彼の話を聞いているのだった。
「今まで彼女たちは、私との婚約を信じていたのだから、私と同等な位の身分の婚約者を用意するのが良いのではないかと思ってね。お前たちなら、家柄も良いし私の側近として将来も約束されているので自信を持ってお薦めできるって訳だよ。」
得意満面にレオンハルトは言った。
自身のこのアイディアが真に素晴らしいものであると彼は本気で思っていたのだ。
「貴方は一体何を言っているのですか?」
先に声を上げたのはマキシムの方だった。彼の視線も声も、まるで凍てついたように冷たかった。
「我々には人権というものがまるで無いですね。」
ミハイルも肩をすくめて同調する。
この状況下に婚約者が居ることで一人無傷で居られるラウルは、隅の方で笑いを堪えるのに必死であった。
「でもお前達にとっても悪い話では無いだろう?彼女たちの家柄は申し分ないし、揃いも揃って見目も麗しい。それに王城での今迄の彼女たちの振る舞いはお前たちも一緒に見ていただろう?いずれも皆聡明で素敵な女性じゃないか。」
レオンハルトは悪びれる様子もなく、自身のアイディアを押し通そうとしていた。
そんなレオンハルトに対して、マキシムは不敬ともとられかねない発言を浴びせるのであった。
「失礼ですが殿下には人の心というのが足りないかと思います。」
氷のような視線をレオンハルトに向けて、マキシムは言った。
付き合いが長い為、王太子であるレオンハルトに対して、多少当たりを強くしても許されていたのだ。
しかし、そのようなマキシムの苦言を、レオンハルトは毎回の事ながら実に巧妙に受け流すのであった。
「そうかな?だからと言って今までの暮らしの中で困った事は特に無いけど。まぁご忠告ありがとう。」
「貴方が今まで困っていないのは、我々のフォローがあったからですよ!」
「そうなのか、有難う。では、これからもよろしくね。」
分かってやっているのか、それとも素で言っているのか、おそらくは前者であるが、このような惚けたやり取りの所為で、大抵は毒気を抜かれてしまうのであった。
捉え所のないレオンハルトに、マキシムが頭を抱えて黙ってしまったので、今度はミハイルがレオンハルトに苦言を呈する。
「殿下は本気でそのような事をお考えなのですか?それはあまりにも御令嬢方のお気持ちを蔑ろにしていると私は思います。」
ミハイルは、急に新しい婚約者だと言って自分やマキシムが宛てがわれたとして、彼女たちが本気でそれを喜ぶとは到底思えなかったのだ。
「彼女たちの気持ちなど、私の婚約者候補に挙げられた時から、既に顧みられていなかったと思うけどね。」
さらりと返したレオンハルトの言葉に、ミハイルはハッとした。
時々、真に正論を述べるから尚の事この人はたちが悪い。と彼は思った。
彼女たちは、訳もわからぬ幼少期の頃に王太子殿下の婚約者候補として半ば強制的に集められて、彼女達の意向など確認される事なく今日まで婚約者候補として縛り付けられていたのだ。
殿下の言う通り、彼女たちの気持ちなど、今まで全く考慮されていなかったと気づかされ、ミハイルもレオンハルトを戒める次の言葉に詰まってしまったのだった。
「で、実際のところどうなの?気に入っている御令嬢が居るのならば配慮するよ?」
次の言葉が出てこない側近二人を、和かに眺めながら、レオンハルトは楽しそうに言った。
「お気遣いなく。間に合っています。」
眉間に皺を寄せ、険しい表情でマキシムは即答した。
「そうか。ミハイルはどうなの?」
そう問われて、ミハイルは一瞬詰まってしまった。
実は彼には婚約者候補であった御令嬢の中に想いを寄せている人が居るのだが、この場でそれを明かすかどうかを迷い、そして一瞬で判断をした。
「自分の事は、自分で対処致しますので。殿下はお気になさらずに。」
だからこれ以上余計な考えを起こさないでくださいね。
と、目だけ笑っていない笑顔で、レオンハルトに進言したのであった。
今この場でアイリーシャの名前を出せば、恐らくは確実に彼女と婚約を結べたであろうと思う。しかし、ミハイルはその選択をしなかったのだ。
彼はアイリーシャの気持ちを大切にしたかったし、何よりレオンハルトに自分がアイリーシャの事を想っている事を知られたくないと思ったからだ。
(バレたら絶対に余計な事をするだろうからね、この人は……。)
レオンハルトが有能である事は認めているものの、それと同時に彼がトラブルメーカーである事も今までの経験上嫌と言うほど思い知らされてきたので、ミハイルは殿下にアイリーシャの事は絶対に悟らせまいと決めたのだった。
「いや、だけど折角部下を気遣って独り身の君たちに素晴らしい御令嬢を紹介しようと思ったのに、ここまで固辞するとはなぁ……。」
レオンハルトは本気でこの案を良案だと思っていたので、側近二人に蔑ろにされて心なしか気落ちしていた。
「気遣いになってないし、本当に我々を気遣う気持ちがあるのならばもっと他の事で気遣って欲しいですね。例えば、休みの日を増やすとか、無駄な事でいちいち招集をかけないとか。」
マキシムの正論に、ミハイルもラウルも揃って強く同意をしたが、レオンハルトは都合の悪いことは聴こえなくなるという便利な耳を持っていた為、この訴えは華麗に無視されて、そして言いたい事を言い終えたレオンハルトは、側近達を解放したのだった。
「一体コレは何の茶番だったのか……この忙しい時に……」
王太子殿下の私室を出た三人は、揃いも揃って大きな溜息をついたのだった。
「お前たちはまだいいよ。私なんか本当に何で呼ばれたのか……あの場に私が居る意味あったか?」
婚約者が居ることで一人完全に蚊帳の外だったラウルは心底無駄な時間であったと嘆いていた。
毎回の事ではあるが、レオンハルトに振り回された側近たち三人は、ひとしきり不満を述べるとお互いの持ち場へと戻っていったのだった。
ミハイルも自分の持ち場へと戻り、途中だった作業を再開した。
そして勤めをしながら、彼はある事を考えたのだった。
アイリーシャが、王太子殿下の正式な婚約者に選ばれなかった事で、彼女に気兼ねなく堂々と、ミハイルとして話しかける事が出来る立場になったのだと、先程のレオンハルトとのやり取りで気づいたのだ。
ミハイルとして彼女と親しくなり、彼女の想いを手に入れたい。
その為にはまず彼女との接触を増やさなくてはいけないが、一体どのようにして自然な感じで近づけるだろうか。
そのような思惑を一人巡らせながら、ミハイルは夜会の準備を進めていった。
明日の夜会で、アイリーシャと予期せぬ形で接触する事を、この時はまだ、知らなかった。
———
(明日の夜会の準備でやらなくてはいけない事が沢山あるというのに、どうしてこう忙しい時に限ってあの人は呼び出しをかけるのか……)
ミハイルは、顔に非難の色などを一切出さないが、明日までにやらなくてはいけない仕事が沢山残る中で急に王太子殿下の私室に呼びつけられた事に、いささか不満を抱いていた。
見ると、自分だけでなく他の側近二人も、彼と同様にレオンハルトの私室に呼びつけられていたのだ。
(三人とも呼び寄せるなんて一体何が始まると言うのだ?)
ミハイルは、呼びつけられた理由がろくでもない事ではないかと、そんな気がしてならなかった。
そんな側近たちの胸中など知らない王太子殿下は、のんびりと話し始める。
「ラウル、内定は既に出してあるんだよね?」
「はい。父を通じて既に本人にも話は伝わっています。」
王太子レオンハルトの側近の一人であるラウルが質問に答えた。
彼の妹であるアストラ公爵家の令嬢レスティアが、王太子レオンハルトの婚約者に正式に決まったのだ。
そして、明日の夜会で大々的にその事を発表する手筈となっていた。
その為ミハイルを含む側近たちは、普段の夜会よりも事前に行わなくてはならない事が多かったのだ。
「そうか。根回し有難う。」
レオンハルトはラウルの返答に短く答えると、いつもどおりの穏やかな笑みを浮かべて、ミハイルともう一人の側近マキシムに向き合い本題に入った。
「ところでね、お前達に集まって貰ったのは他でもない、レスティア嬢以外の他の私の婚約者候補であった御令嬢方について話があるんだ。」
レオンハルトは和かに話し始めたが、ミハイルは嫌な予感しかしなかった。
レオンハルトに長く仕えているから分かるが、殿下についての嫌な予感は大抵当たるのだ。
そしてその予感は、今回も例に漏れずに的中したのだった。
「お前達の中で、マキシムとミハイルはたしか婚約者がまだ居なかったよね。どうだろうか、私の婚約者候補であった御令嬢方から選んでみないか?」
レオンハルトは笑顔でとんでもない事を言い出したのだ。
この人は何を言っているのだろうか。
毎度の事ながら、突拍子もない事を言い出すレオンハルトの言動にミハイルもマキシムも、真顔のまま顔の筋肉が硬直してしまったようだった。
「王室としてもね、今迄私の婚約者候補として責務を全うしてくれた御令嬢方を無下には出来ないと思っているんだよ。なので彼女達には、これまでの功績を労わなくてはと思ってるんだけれどもそれにはどの様な物が良いかと考えてみたんだ。」
固まったまま何も反応を示さない側近二人の様子を気にすることもなく、レオンハルトは自論を展開していく。
ミハイルとマキシムの二人は、ただ能面の様な顔で黙って彼の話を聞いているのだった。
「今まで彼女たちは、私との婚約を信じていたのだから、私と同等な位の身分の婚約者を用意するのが良いのではないかと思ってね。お前たちなら、家柄も良いし私の側近として将来も約束されているので自信を持ってお薦めできるって訳だよ。」
得意満面にレオンハルトは言った。
自身のこのアイディアが真に素晴らしいものであると彼は本気で思っていたのだ。
「貴方は一体何を言っているのですか?」
先に声を上げたのはマキシムの方だった。彼の視線も声も、まるで凍てついたように冷たかった。
「我々には人権というものがまるで無いですね。」
ミハイルも肩をすくめて同調する。
この状況下に婚約者が居ることで一人無傷で居られるラウルは、隅の方で笑いを堪えるのに必死であった。
「でもお前達にとっても悪い話では無いだろう?彼女たちの家柄は申し分ないし、揃いも揃って見目も麗しい。それに王城での今迄の彼女たちの振る舞いはお前たちも一緒に見ていただろう?いずれも皆聡明で素敵な女性じゃないか。」
レオンハルトは悪びれる様子もなく、自身のアイディアを押し通そうとしていた。
そんなレオンハルトに対して、マキシムは不敬ともとられかねない発言を浴びせるのであった。
「失礼ですが殿下には人の心というのが足りないかと思います。」
氷のような視線をレオンハルトに向けて、マキシムは言った。
付き合いが長い為、王太子であるレオンハルトに対して、多少当たりを強くしても許されていたのだ。
しかし、そのようなマキシムの苦言を、レオンハルトは毎回の事ながら実に巧妙に受け流すのであった。
「そうかな?だからと言って今までの暮らしの中で困った事は特に無いけど。まぁご忠告ありがとう。」
「貴方が今まで困っていないのは、我々のフォローがあったからですよ!」
「そうなのか、有難う。では、これからもよろしくね。」
分かってやっているのか、それとも素で言っているのか、おそらくは前者であるが、このような惚けたやり取りの所為で、大抵は毒気を抜かれてしまうのであった。
捉え所のないレオンハルトに、マキシムが頭を抱えて黙ってしまったので、今度はミハイルがレオンハルトに苦言を呈する。
「殿下は本気でそのような事をお考えなのですか?それはあまりにも御令嬢方のお気持ちを蔑ろにしていると私は思います。」
ミハイルは、急に新しい婚約者だと言って自分やマキシムが宛てがわれたとして、彼女たちが本気でそれを喜ぶとは到底思えなかったのだ。
「彼女たちの気持ちなど、私の婚約者候補に挙げられた時から、既に顧みられていなかったと思うけどね。」
さらりと返したレオンハルトの言葉に、ミハイルはハッとした。
時々、真に正論を述べるから尚の事この人はたちが悪い。と彼は思った。
彼女たちは、訳もわからぬ幼少期の頃に王太子殿下の婚約者候補として半ば強制的に集められて、彼女達の意向など確認される事なく今日まで婚約者候補として縛り付けられていたのだ。
殿下の言う通り、彼女たちの気持ちなど、今まで全く考慮されていなかったと気づかされ、ミハイルもレオンハルトを戒める次の言葉に詰まってしまったのだった。
「で、実際のところどうなの?気に入っている御令嬢が居るのならば配慮するよ?」
次の言葉が出てこない側近二人を、和かに眺めながら、レオンハルトは楽しそうに言った。
「お気遣いなく。間に合っています。」
眉間に皺を寄せ、険しい表情でマキシムは即答した。
「そうか。ミハイルはどうなの?」
そう問われて、ミハイルは一瞬詰まってしまった。
実は彼には婚約者候補であった御令嬢の中に想いを寄せている人が居るのだが、この場でそれを明かすかどうかを迷い、そして一瞬で判断をした。
「自分の事は、自分で対処致しますので。殿下はお気になさらずに。」
だからこれ以上余計な考えを起こさないでくださいね。
と、目だけ笑っていない笑顔で、レオンハルトに進言したのであった。
今この場でアイリーシャの名前を出せば、恐らくは確実に彼女と婚約を結べたであろうと思う。しかし、ミハイルはその選択をしなかったのだ。
彼はアイリーシャの気持ちを大切にしたかったし、何よりレオンハルトに自分がアイリーシャの事を想っている事を知られたくないと思ったからだ。
(バレたら絶対に余計な事をするだろうからね、この人は……。)
レオンハルトが有能である事は認めているものの、それと同時に彼がトラブルメーカーである事も今までの経験上嫌と言うほど思い知らされてきたので、ミハイルは殿下にアイリーシャの事は絶対に悟らせまいと決めたのだった。
「いや、だけど折角部下を気遣って独り身の君たちに素晴らしい御令嬢を紹介しようと思ったのに、ここまで固辞するとはなぁ……。」
レオンハルトは本気でこの案を良案だと思っていたので、側近二人に蔑ろにされて心なしか気落ちしていた。
「気遣いになってないし、本当に我々を気遣う気持ちがあるのならばもっと他の事で気遣って欲しいですね。例えば、休みの日を増やすとか、無駄な事でいちいち招集をかけないとか。」
マキシムの正論に、ミハイルもラウルも揃って強く同意をしたが、レオンハルトは都合の悪いことは聴こえなくなるという便利な耳を持っていた為、この訴えは華麗に無視されて、そして言いたい事を言い終えたレオンハルトは、側近達を解放したのだった。
「一体コレは何の茶番だったのか……この忙しい時に……」
王太子殿下の私室を出た三人は、揃いも揃って大きな溜息をついたのだった。
「お前たちはまだいいよ。私なんか本当に何で呼ばれたのか……あの場に私が居る意味あったか?」
婚約者が居ることで一人完全に蚊帳の外だったラウルは心底無駄な時間であったと嘆いていた。
毎回の事ではあるが、レオンハルトに振り回された側近たち三人は、ひとしきり不満を述べるとお互いの持ち場へと戻っていったのだった。
ミハイルも自分の持ち場へと戻り、途中だった作業を再開した。
そして勤めをしながら、彼はある事を考えたのだった。
アイリーシャが、王太子殿下の正式な婚約者に選ばれなかった事で、彼女に気兼ねなく堂々と、ミハイルとして話しかける事が出来る立場になったのだと、先程のレオンハルトとのやり取りで気づいたのだ。
ミハイルとして彼女と親しくなり、彼女の想いを手に入れたい。
その為にはまず彼女との接触を増やさなくてはいけないが、一体どのようにして自然な感じで近づけるだろうか。
そのような思惑を一人巡らせながら、ミハイルは夜会の準備を進めていった。
明日の夜会で、アイリーシャと予期せぬ形で接触する事を、この時はまだ、知らなかった。
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