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18. 相談
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「あら、アンナがこの時間に家に居るのは珍しいわね。」
「いらっしゃいエミリア。今日は仕事が早く終わったのよ。」
予定より随分と早くギルドの仕事が終わったアンナは自宅で1人、頼れるお姉さんであるエミリアが来るのを待っていた。
エミリアは舞台が休みの日は必ずアンナの家に顔を出しており、そして、都合よく今日が舞台の休演日であった為、アンナは自分一人では到底処理することの出来ないこの感情について、彼女に話を聞いてもらいたかったのだ。
「そうなんだ。それは良い事だわ。アンナはもっと休むべきだものね。ところでエヴァンが居ないのも珍しいわね?」
「ちょっとお使いに行ってもらってるの。
その……エミリアと二人で話がしたくって。」
これからエミリアに話すことは、なんとなく弟には聞かれたくないなと思って、アンナはエヴァンには事前にお使いを頼んで外に出てもらっていたのだ。
「んんー?一体どうしたの?何かあったの??」
「その……前に話してた彼の事なんだけど……」
気恥ずかしさから目線を逸らし、アンナはしどろもどろに話を切り出したのだが……
「どうしたの?!何かあったの?!!」
何かを察知したエミリアが、食い気味に質問をかぶせてきたのだった。
「何もない!なんにもないからそれは!!ただね……」
あまりのエミリアの食い付きぶりに慌てるも、アンナはここ数日に起こった出来事や、自分の中でざわつく感情を彼女にゆっくりと吐露していった。
そして途中で話の腰を折ることもなく、エミリアは黙ってアンナの話に聞き入って、一通りの話を聞き終わると、真面目な顔で断言したのだった。
「ずばり、それは恋ね。」
あまりの直球な回答に、アンナは一瞬固まってしまった。
「そ……そうかな……?」
「そうよっ!!」
彼女の見解をそのまま素直に受け止められずに動揺してはぐらかしてみるも、エミリアに力強く肯定されてしまった。
「だってアンナは自分のために彼が怒ってくれたことが嬉しかったんでしょう?一緒に行動するのも楽しくって、お話しする時間が心地よいんでしょう?そして何より、抱きしめられてドキドキしたんでしょう?!」
「あああああーっ!もうやめてっ!」
恥ずかしさのあまり、アンナは真っ赤になって耳を塞いだ。
他人の口から改めて聞かされると、自分がいかに彼に心を揺り動かされていたのかを実感させられてしまったのだ。
「……でも私、そう言った感情を今まで持ったことがないから、正直良く分からないの……」
そういった事に憧れが全く無いわけでは無かったが、今まで自分は恋愛というものをしたことがないし、弟のエヴァンに爵位を取り戻す事が最優先で、これから先も恋などすることもないと思っていたのだ。
「それじゃあ、もっとシンプルに考えましょう?彼と一緒にいるのは楽しい?」
「それは、勿論そう。」
「ずっと一緒に居たいと思う?」
「それは……思う……わ……」
「じゃあ、ある日突然、彼に会えなくなってしまったらどう思う?」
「それは……とても……嫌……だと思う……」
一つづつ丁寧にアンナの気持ちを聞き出して、エミリアは優しい目を向けて微笑みながら黙って彼女を見つめている。
するとアンナはふぅーっと深く息を吐くと、目を閉じて、観念したのだった。
「私はどうやら、彼の事を……好き……なんだと思う……」
アンナは消え入りそうな声で、ついに自分の感情を認めた。
そんな彼女の様子を見て、エミリアは目を輝かせて喜んだのだった。
「アンナ!私は嬉しいわ!!貴女もやっとそういう事に目を向けれるようになったのね!凄い進歩だわっ!!」
そう言うと、エミリアは嬉しそうにアンナに飛びついた。彼女は妹分のこの変化を、心から喜んだのだ。
けれどもアンナは、大喜びしているエミリアをたじろぎながら受け止めると、それから少し困った様に言葉を続けたのだった。
「でも、だからと言って、どうこうするわけではないわ。」
アンナがまるで自分に言い聞かせるように冷静にそう呟くと、エミリアは驚いて動きを止めえアンナを見返した。
「えぇっ?!どうして?!」
エミリアは納得いかないといった表情でアンナの顔を覗き込んでいる。恋多きエミリアには、彼女のこの決断は到底理解できないかったのだ。
「だって、彼といっしょに仕事をすると約束してるのは後一ヶ月だけだし、その一ヶ月後に私が無事に爵位を引き継げたならば私たちは領地へ帰るし……。そうなると、平民である彼とはもう会う事も無いんじゃないかな……」
男爵領を取り返す。それが姉弟の悲願なのだ。
だから好きだと自覚したからといって、どうにもならないのよと、アンナは力なく笑ってみせたのだった。
悲しそうに笑うアンナを目の前にして、エミリアは何とかして彼女の気持ちを尊重したいと、今の状況に思案を巡らせた。
「そもそも、その彼は本当に平民なのかな……?」
エミリアは真面目な顔でポツリと呟いた。
ルーフェスに会った事がなくアンナの話だけでしか知らないが、前からどうにも腑に落ちなかったのだ。
「だって、高位貴族にしか使えないって言われている魔法を使うことが出来るんでしょう?それならば、本当は貴族の身分なんじゃないの?」
「それは、どこかの高位貴族の血を引いているんだと思うけれども、でも、だからと言って認知されていなければ、平民なのよ。」
アンナがそう説明するも、それでもまだ納得いかないといった表情でエミリアは考え込んでいる。
「……じゃあ例えば、そのどこかの高位貴族様の跡取りが、何らかの事情で居なくなって、急に彼が認知されたりとかあるかもよ?」
諦めきれないエミリアは、突飛な展開を主張してみせたが、アンナは冷静にそれを否定する。
「いや、無いでしょう……」
「うーん、無いかぁ……」
何度頭を捻ってみても、これといった妙案は浮かんで来くる事はなく、二人は暗い顔のまま頭を抱えた。
「平民と貴族かぁ……。身分差って、面倒くさいわね。」
「そうね……。今迄はそんな事を考えた事も無かったけどね。」
「でも、今は違うと。」
肯定も否定もせずに、アンナは複雑な表情で儚い笑みを口元に浮かべて黙ってエミリアを見返した。
そんな彼女の様子に、エミリアは手を伸ばしてアンナの顔を両手で挟むと自身の顔を寄せて、おでことおでこをくっつけたのだった。
「私は、アンナには諦めないでほしいな!爵位も、恋も両方を。」
これは、子供の時からよくやっている、エミリアがアンナを励ます時の動作だった。
「そんなの無理よ。でも……そんな方法がもし合ったのなら……教えてほしいなぁ……」
アンナは、少し寂しそうな表情で本音を漏らした。
「そうね……」
この可愛い妹分の初めて自覚した恋心を大切にしてやりたいと、エミリアも真剣に考える。
そしてボソリと呟いた。
「……最悪、アンナが男爵になったら男妾にするとか……」
「……それは、本当に最悪すぎるわね……」
なんの解決策も見出せず、二人ははぁーっと大きな溜息を吐いて頭を垂れたのだった。
「でも、身分差でちゃんと結ばれる事が難しくても、そばにいて欲しいって言えば案外一緒に居てくれるかもよ?」
「どうかな……?そもそも、ただの仕事上の相方なだけであって、向こうが私のことをどう思ってるかは分からないわ……」
不安げにそう答えたが、重要なのはそこである。実際彼がアンナの事をどう思っているかは、分からないのだ。
「じゃあ、残り一ヶ月で勝負しなさいよ。」
「勝負って何を……」
「アンナと、これからもずっと一緒に居たい。仕事以外でも一緒に居たいって思ってもらえるように行動するのよ。」
エミリアの言葉に、アンナは目を丸くして驚いていた。そんな事を考えもしなかったからだ。
「でも、一体どうやって……?」
「そうね……。とりあえずうちの公演チケットをあげるわ。これで彼を誘いなさい。とにかく、仕事以外でも一緒に居る機会を増やすのよ。」
だからまずはデートに誘いなさい。
そう言ってエミリアはチケットをアンナに握らせると、最高の演目を見せてあげるから絶対に二人で見に来てねとウィンクをしてみせたのだった。
「いらっしゃいエミリア。今日は仕事が早く終わったのよ。」
予定より随分と早くギルドの仕事が終わったアンナは自宅で1人、頼れるお姉さんであるエミリアが来るのを待っていた。
エミリアは舞台が休みの日は必ずアンナの家に顔を出しており、そして、都合よく今日が舞台の休演日であった為、アンナは自分一人では到底処理することの出来ないこの感情について、彼女に話を聞いてもらいたかったのだ。
「そうなんだ。それは良い事だわ。アンナはもっと休むべきだものね。ところでエヴァンが居ないのも珍しいわね?」
「ちょっとお使いに行ってもらってるの。
その……エミリアと二人で話がしたくって。」
これからエミリアに話すことは、なんとなく弟には聞かれたくないなと思って、アンナはエヴァンには事前にお使いを頼んで外に出てもらっていたのだ。
「んんー?一体どうしたの?何かあったの??」
「その……前に話してた彼の事なんだけど……」
気恥ずかしさから目線を逸らし、アンナはしどろもどろに話を切り出したのだが……
「どうしたの?!何かあったの?!!」
何かを察知したエミリアが、食い気味に質問をかぶせてきたのだった。
「何もない!なんにもないからそれは!!ただね……」
あまりのエミリアの食い付きぶりに慌てるも、アンナはここ数日に起こった出来事や、自分の中でざわつく感情を彼女にゆっくりと吐露していった。
そして途中で話の腰を折ることもなく、エミリアは黙ってアンナの話に聞き入って、一通りの話を聞き終わると、真面目な顔で断言したのだった。
「ずばり、それは恋ね。」
あまりの直球な回答に、アンナは一瞬固まってしまった。
「そ……そうかな……?」
「そうよっ!!」
彼女の見解をそのまま素直に受け止められずに動揺してはぐらかしてみるも、エミリアに力強く肯定されてしまった。
「だってアンナは自分のために彼が怒ってくれたことが嬉しかったんでしょう?一緒に行動するのも楽しくって、お話しする時間が心地よいんでしょう?そして何より、抱きしめられてドキドキしたんでしょう?!」
「あああああーっ!もうやめてっ!」
恥ずかしさのあまり、アンナは真っ赤になって耳を塞いだ。
他人の口から改めて聞かされると、自分がいかに彼に心を揺り動かされていたのかを実感させられてしまったのだ。
「……でも私、そう言った感情を今まで持ったことがないから、正直良く分からないの……」
そういった事に憧れが全く無いわけでは無かったが、今まで自分は恋愛というものをしたことがないし、弟のエヴァンに爵位を取り戻す事が最優先で、これから先も恋などすることもないと思っていたのだ。
「それじゃあ、もっとシンプルに考えましょう?彼と一緒にいるのは楽しい?」
「それは、勿論そう。」
「ずっと一緒に居たいと思う?」
「それは……思う……わ……」
「じゃあ、ある日突然、彼に会えなくなってしまったらどう思う?」
「それは……とても……嫌……だと思う……」
一つづつ丁寧にアンナの気持ちを聞き出して、エミリアは優しい目を向けて微笑みながら黙って彼女を見つめている。
するとアンナはふぅーっと深く息を吐くと、目を閉じて、観念したのだった。
「私はどうやら、彼の事を……好き……なんだと思う……」
アンナは消え入りそうな声で、ついに自分の感情を認めた。
そんな彼女の様子を見て、エミリアは目を輝かせて喜んだのだった。
「アンナ!私は嬉しいわ!!貴女もやっとそういう事に目を向けれるようになったのね!凄い進歩だわっ!!」
そう言うと、エミリアは嬉しそうにアンナに飛びついた。彼女は妹分のこの変化を、心から喜んだのだ。
けれどもアンナは、大喜びしているエミリアをたじろぎながら受け止めると、それから少し困った様に言葉を続けたのだった。
「でも、だからと言って、どうこうするわけではないわ。」
アンナがまるで自分に言い聞かせるように冷静にそう呟くと、エミリアは驚いて動きを止めえアンナを見返した。
「えぇっ?!どうして?!」
エミリアは納得いかないといった表情でアンナの顔を覗き込んでいる。恋多きエミリアには、彼女のこの決断は到底理解できないかったのだ。
「だって、彼といっしょに仕事をすると約束してるのは後一ヶ月だけだし、その一ヶ月後に私が無事に爵位を引き継げたならば私たちは領地へ帰るし……。そうなると、平民である彼とはもう会う事も無いんじゃないかな……」
男爵領を取り返す。それが姉弟の悲願なのだ。
だから好きだと自覚したからといって、どうにもならないのよと、アンナは力なく笑ってみせたのだった。
悲しそうに笑うアンナを目の前にして、エミリアは何とかして彼女の気持ちを尊重したいと、今の状況に思案を巡らせた。
「そもそも、その彼は本当に平民なのかな……?」
エミリアは真面目な顔でポツリと呟いた。
ルーフェスに会った事がなくアンナの話だけでしか知らないが、前からどうにも腑に落ちなかったのだ。
「だって、高位貴族にしか使えないって言われている魔法を使うことが出来るんでしょう?それならば、本当は貴族の身分なんじゃないの?」
「それは、どこかの高位貴族の血を引いているんだと思うけれども、でも、だからと言って認知されていなければ、平民なのよ。」
アンナがそう説明するも、それでもまだ納得いかないといった表情でエミリアは考え込んでいる。
「……じゃあ例えば、そのどこかの高位貴族様の跡取りが、何らかの事情で居なくなって、急に彼が認知されたりとかあるかもよ?」
諦めきれないエミリアは、突飛な展開を主張してみせたが、アンナは冷静にそれを否定する。
「いや、無いでしょう……」
「うーん、無いかぁ……」
何度頭を捻ってみても、これといった妙案は浮かんで来くる事はなく、二人は暗い顔のまま頭を抱えた。
「平民と貴族かぁ……。身分差って、面倒くさいわね。」
「そうね……。今迄はそんな事を考えた事も無かったけどね。」
「でも、今は違うと。」
肯定も否定もせずに、アンナは複雑な表情で儚い笑みを口元に浮かべて黙ってエミリアを見返した。
そんな彼女の様子に、エミリアは手を伸ばしてアンナの顔を両手で挟むと自身の顔を寄せて、おでことおでこをくっつけたのだった。
「私は、アンナには諦めないでほしいな!爵位も、恋も両方を。」
これは、子供の時からよくやっている、エミリアがアンナを励ます時の動作だった。
「そんなの無理よ。でも……そんな方法がもし合ったのなら……教えてほしいなぁ……」
アンナは、少し寂しそうな表情で本音を漏らした。
「そうね……」
この可愛い妹分の初めて自覚した恋心を大切にしてやりたいと、エミリアも真剣に考える。
そしてボソリと呟いた。
「……最悪、アンナが男爵になったら男妾にするとか……」
「……それは、本当に最悪すぎるわね……」
なんの解決策も見出せず、二人ははぁーっと大きな溜息を吐いて頭を垂れたのだった。
「でも、身分差でちゃんと結ばれる事が難しくても、そばにいて欲しいって言えば案外一緒に居てくれるかもよ?」
「どうかな……?そもそも、ただの仕事上の相方なだけであって、向こうが私のことをどう思ってるかは分からないわ……」
不安げにそう答えたが、重要なのはそこである。実際彼がアンナの事をどう思っているかは、分からないのだ。
「じゃあ、残り一ヶ月で勝負しなさいよ。」
「勝負って何を……」
「アンナと、これからもずっと一緒に居たい。仕事以外でも一緒に居たいって思ってもらえるように行動するのよ。」
エミリアの言葉に、アンナは目を丸くして驚いていた。そんな事を考えもしなかったからだ。
「でも、一体どうやって……?」
「そうね……。とりあえずうちの公演チケットをあげるわ。これで彼を誘いなさい。とにかく、仕事以外でも一緒に居る機会を増やすのよ。」
だからまずはデートに誘いなさい。
そう言ってエミリアはチケットをアンナに握らせると、最高の演目を見せてあげるから絶対に二人で見に来てねとウィンクをしてみせたのだった。
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