上 下
62 / 123
クララの明治日記超訳版 総集編その壱

ラノベ風に明治文明開化事情を読もう-クララの明治日記超訳版 総集編その壱

しおりを挟む
「というわけで、前回予告していた通り今回は総集編なのだけど、以前にもこんな企画、やりませんでしたの?」
「うん、でも前回は殆ど反響呼ばなかったのよねー。
 と云うわけで、今回は“読みやすさを徹底的に重視”と云うことで、まずいま流行りの“携帯小説風に”総集編をやってみようかと」
「いま流行りの……って、とっくに廃れているでしょうに!
 それにしても本当に一体なんでしたのでしょうね、あの突発的な乱痴気騒ぎは?」
「ブームなんて去ってみればそんなものよ。私たちの時代――つまり明治十一年のことだけど――少し前の兎の飼育大ブームが去って一転、野に放たれた兎を狩っての“兎鍋”が大流行だものね」
「……流石にそれは笑えないというか、人間のエゴの醜さが露わになりますわね。。。」
「まあまあ、今回はそっちが本題じゃないから置いておいて。
と云うわけで、クララの明治日記超訳版 携帯小説バージョン、始まりです」

【クララの明治日記  超訳版 総集編-携帯小説風】
───アタシの名前はクララ・ホイットニー。
家族と一緒に日本にやってきたアメリカ少女。
ふっくらぽっちゃりで神様体質の信仰ガール♪
アタシがつるんでる友達は勝提督の娘であるお逸、
昔の将軍様の義理の孫に当たるおやおさん、
清国生まれでアメリカ人牧師の義理の娘になってるユウメイ。
友達がいてもやっぱり神なきニッポン暮らしはタイクツ。
今日もお逸と日本の迷信について口喧嘩になった。
信仰を巡る争いだとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆
そんな時アタシは一人で神様を讃える歌を歌うことにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ?
神様の僕らしさの演出とも言うかな!
「あー我らの偉大な宗教はなんて高貴ですぐれたものだろう!」
そんなことをつぶやきながらしつこい群衆を軽くあしらう。
「トウジンオンナだー! トウジンオンナーだ!」
どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
日本人の大半は善良だけど外国人を一緒くたに扱うのはキライだ。
もっと等身大のアタシを見て欲しい。
「すいません・・。」・・・またか、とアタシは思った。
シカトするつもりだったけど、チラっと呼びかけた男の子の顔を見た。
「・・!!」
・・・チガウ・・・今までの日本人とはなにかが決定的に違う。
スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを駆け巡った・・。
「・・(可愛い・・!!・・これって運命・・?)」
男の子は勝提督の子供だった。
勝家に連れていかれて歓待された。
「キャーアリガトウゴザイマス!」
アタシは嫁になった。スイーツ(笑)

「よっし! これで来週から読者倍増間違いなしよねっ! ちょっと時間軸を先送りして、我が弟まで本格登場させて、恋愛物要素までぶち込んだんだし」
「お逸、良かったですわね、クララの子孫が皆アメリカにいて。ネットとはいえ、流石にこんなところまで目が届かないでしょうし」
「…………我が事ながらとっても“痛い”んだから、突っ込んでよ。。。」
「ですけれども、大筋で間違っていないところがもっと怖いですわ。
そもそも意外とこのコピペ、汎用性がありますのね。侮れませんわ」
「……感心するところが根本的に間違ってるよ、メイ。。。」
「と、冗談はこれくらいにして」
「冗談だったの!?」
「真面目な総集編、まずは人物関係の整理などを……と思ったのですけれども、予想以上に時間がかかりそうなので、また次回お送りしますわ」
「今日記録が残されている人だけで、楽に五十人以上いるものね」
「アップ後に詳細な経歴が分かった方もみえるので、しばしお待ち下さいましな」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

和ませ屋仇討ち始末

志波 連
歴史・時代
山名藩家老家次男の三沢新之助が学問所から戻ると、屋敷が異様な雰囲気に包まれていた。 門の近くにいた新之助をいち早く見つけ出した安藤久秀に手を引かれ、納戸の裏を通り台所から屋内へ入っる。 久秀に手を引かれ庭の見える納戸に入った新之助の目に飛び込んだのは、今まさに切腹しようとしている父長政の姿だった。 父が正座している筵の横には変わり果てた長兄の姿がある。 「目に焼き付けてください」 久秀の声に頷いた新之助だったが、介錯の刀が振り下ろされると同時に気を失ってしまった。 新之助が意識を取り戻したのは、城下から二番目の宿場町にある旅籠だった。 「江戸に向かいます」 同行するのは三沢家剣術指南役だった安藤久秀と、新之助付き侍女咲良のみ。 父と兄の死の真相を探り、その無念を晴らす旅が始まった。 他サイトでも掲載しています 表紙は写真ACより引用しています R15は保険です

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

袖振り縁に多生の理

みお
歴史・時代
仇討ちに燃える浪人と、百鬼夜行において行かれた妖怪「袖引き」が共に長屋で暮らす時代物、疑似家族小説です。 連載小説ですが、春夏秋冬、その季節ごとにアップし、正月~暮れの一年間を描きました。 完結済み。 なろうでも同じ小説をアップしています。

武田義信は謀略で天下取りを始めるようです ~信玄「今川攻めを命じたはずの義信が、勝手に徳川を攻めてるんだが???」~

田島はる
歴史・時代
桶狭間の戦いで今川義元が戦死すると、武田家は外交方針の転換を余儀なくされた。 今川との婚姻を破棄して駿河侵攻を主張する信玄に、義信は待ったをかけた。 義信「此度の侵攻、それがしにお任せください!」 領地を貰うとすぐさま侵攻を始める義信。しかし、信玄の思惑とは別に義信が攻めたのは徳川領、三河だった。 信玄「ちょっ、なにやってるの!?!?!?」 信玄の意に反して、突如始まった対徳川戦。義信は持ち前の奇策と野蛮さで織田・徳川の討伐に乗り出すのだった。 かくして、武田義信の敵討ちが幕を開けるのだった。

旧式戦艦はつせ

古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。

北海帝国の秘密

尾瀬 有得
歴史・時代
 十一世紀初頭。  幼い頃の記憶を失っているデンマークの農場の女ヴァナは、突如としてやってきた身体が動かないほどに年老いた戦士、トルケルの側仕えとなった。  ある日の朝、ヴァナは暇つぶしにと彼の考えたという話を聞かされることになる。  それは現イングランド・デンマークの王クヌートは偽物で、本当は彼の息子であるという話だった。  本物のクヌートはどうしたのか?  なぜトルケルの子が身代わりとなったのか?  そして、引退したトルケルはなぜ農場へやってきたのか?  トルケルが与太話と嘯きつつ語る自分の半生と、クヌートの秘密。  それは決して他言のできない歴史の裏側。

鈍亀の軌跡

高鉢 健太
歴史・時代
日本の潜水艦の歴史を変えた軌跡をたどるお話。

処理中です...