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あるソート師の誕生

魔女レイラとの戦い

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 私は、また、何日も何日もバンドルから、魂をサニーに送り続けていた。
 私は、コミーに言った。
「果てしないな。本当に……」
「ジェロ。仕方ないさ、それがソート師の使命だ」
「そうだな。使命だからな」

 私は、テレポートサークルを作り、コミーと中に入ると、道の真ん中で、しゃがみこんですすり泣いているバンドルに出会った。
ー魔女なら、すすり泣くことは、ないだろう。おそらく、人間の魂だろうなー

 でも、念のため、ルーペで覗いてみた。
すると、黒い霧やモヤのようなものが、かかっていた。
私は、コミーに言った。
「コミー、このバンドルは、魔女だ」
コミーは、頷いたが、腑に落ちない様子だった。
「すすり泣いているとは、相当、変わった魔女だ」

 でも、何で、魔女がすすり泣いているのかわからず、私は、聞き耳を立てていた。
ーいや、この魔女、すすり泣いているのでは、ない。せせら笑っているのだー
「ウフフッ!目障りなマデリンが消えた。実に喜ばしい」
 コミーは、私に、こっそり言った。
「あの魔女、笑ってたのか。私としたことが……」

 私は、その魔女に近付いた。
「お前、マデリンが消えたのは、ヘルへ行ったからだぞ。同じ魔女として、悲しくないのか」
「ハッハッハ!! そうか。ヘルへ行ったか。更に、喜ばしいことだ。それにしても、お前は、誰だ? 私は、魔女の〈レイラ〉だ」
「私は、魔女を捕まえるソート師ジェロだ!!」

 すぐに、レイラは、手のひらから光線を出した。
私は、黒いマントを顔まで覆い、光線を避けた。
そして、マインアイで、魔女の動きを読み、木の後ろに隠れた。

 すると、キョロキョロと光線を出さずに、レイラは、私を探した。
 コミーは、小さな声で言った。
「今だ。ジェロ。シャックルだ」

 私は、急いで空に八の字を描いた。
レイラは、手と足が拘束され、倒れ込んだ。
黒いマントを見るとまた、一部が焦げていた。

 ーやはり、凄いな。光線の威力ー

 私は、テレポートサークルを作り、レイラを持ち上げて、サークルの中に放り込み、私とコミーも中に入った。

 ディヴァイド師サニーは、私達が来ると、私に言った。
「今回は、随分、速く片付けたな」

 そう言うと、名簿とペンに手を翳した。
そして、レイラの手中に収めさせ、呪文を唱えた。
「ドラクイエ、ドラクイエ……」
すると、レイラの指は、勝手に動き、名簿にサインさせた。
〈レイラ〉
「レイラ。さぁ、ヘルへ行け!!」
そして、テレポートサークルを作り、レイラに手を翳し、浮かし、サークルの中に放り込んだ。
「クソー!! マデリンと同じくヘルへ行くとは!!」

 レイラがヘルへ堕ちると、私は、コミーに言った。
「コミー、私に光線を出す方法を教えてくれ!!」
コミーは、喜んだ。
「ようやく、みずから、新しい術を覚える気になったか。嬉しいぞ! ジェロ。その術は、ライラインというのだ。レイラを速く捕まえたお陰で、今、少し、時間がある。教えてやるぞ!!」
「どうすれば、いい?」
「では、あの木に向かって、まず、手を翳せ。精神を集中させて、念を送るのだ!!」
「わかった! やってみる!!」

 私は、手を翳し、しばらく、木に向かって、念を送ったが、全く、光線は、出なかった。

 コミーが言った。
「もう一回、精神を集中し直して、念を送ってみろ!!」
 私は、もう一回、集中して、木に向かって光線を出そうとしたが、やはり、駄目だった。

 何回か、繰り返した後で、コミーは、溜め息をついた。
「もう、そろそろ、また、バンドルを探しに行かねばならぬ。またの機会だ」
「わかったよ。コミー」
私は、項垂れた。

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