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抗う者五
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確認事項がある。
これは、確かめなければならない。
「あのぅ、今流れている噂は、それだけですかね?」
つい敬語で話してしまった。
しかし二✖️は、御愁傷様といった顔で、腕をクロスさせてバツを作る。
「M氏の目撃談によれば、中学生くらいの美少女に勝負下着を履かせていた」
「僕が頼んだわけじゃ」
「同じくM氏の証言をよれば、図書館でコスプレ美少女のスカートの中を覗こうとしていた」
「覗こうとしてないよ!」
もう殺してくれ、生きていく自信がない。
二✖️が肩をポンポンと叩いて、優しく慰めてくれた。
スライムみたいに、ぷるぷる小刻みに震える彼方。そこに追い討ちをかける一言。
「おー、変態紳士発見」
「僕は変態じゃなーい。何だよ変態紳士って」
「潔く認めろよ。このド変態。それが事故だと言うならば、その場所変われ」
「変態はお前だ。ってかお前誰だ?」
二つ後ろの座席から身を乗り出して、話しかけてきたのは、ブルーアッシュの髪色の七三分けの髪型で眼鏡をかけた青年だった。
「あいつは、モテたいからヒーローを目指している、
残念坊やの足立震往だな」
「残念言うなし」
「へぇー、君が変態王子君か」
騒ぎを聞きつけて、左側の一番前の席から声がかかる。
声の主は、幼さの残る少女だった。
顔を座席からちょこんと出して、手をゆるゆると振っている。
何かどんどん増えてくるな(汗)。
「その銀白色の美少女は、分析屋の檜垣万利。その筋では有名人やで」
何だか、みんな凄そうな人ばっかりというか、キャラが濃ゆい。
「ご紹介に与りましたマリだよー。気軽にマリちゃんって呼んでね♥️」
「まーりちゃん♥️」
「キモッ」
「ありがとうございます」
キモがられてお礼を言うコイツは、本物だ。本物の変態だ。
表面的に欲望丸出しな足立、女性陣からの白い目が怖い。
「それよりも、私は変態王子さんに興味津々かなー?」
足立にギロって睨まれた……僕は、なにもしてないのに。
「変態王子さんを調べれば調べるほど、周りに美少女ばっかりで、どこのラブコメ主人公だよって突っ込みたくなるのー」
足立が、凄い形相でこっちを睨んでる。だから僕はなにもしてないのに(汗)。
それにしても噂の発端のM氏って、万利のことじゃ?
そんなことを考えていると、ぱーんっと二✖️が手を叩いた。
「お前らわかっていると思うが、今日は筆記試験だからな、仲良しごっこはこの辺りで終わりや。俺は絶対に負けないで」
「ふん、いわれなくてもわかってるさ。今回の試験で、美少女と俺さえ受かればそれでいい」
コイツは全くぶれないな、言われてみればその通りだ。僕はヒーローになるためにここにいるんだ。
「まぁ、噂は適当に誤魔化しといてやるから。安心しときや」
ここに神がいた。しかし今後は……行動を慎重にせねば。あらぬ噂を立てられては、身が持たない。
万利がウィンクを僕に向けて飛ばしてきたが、苦笑いで返した。
これは、確かめなければならない。
「あのぅ、今流れている噂は、それだけですかね?」
つい敬語で話してしまった。
しかし二✖️は、御愁傷様といった顔で、腕をクロスさせてバツを作る。
「M氏の目撃談によれば、中学生くらいの美少女に勝負下着を履かせていた」
「僕が頼んだわけじゃ」
「同じくM氏の証言をよれば、図書館でコスプレ美少女のスカートの中を覗こうとしていた」
「覗こうとしてないよ!」
もう殺してくれ、生きていく自信がない。
二✖️が肩をポンポンと叩いて、優しく慰めてくれた。
スライムみたいに、ぷるぷる小刻みに震える彼方。そこに追い討ちをかける一言。
「おー、変態紳士発見」
「僕は変態じゃなーい。何だよ変態紳士って」
「潔く認めろよ。このド変態。それが事故だと言うならば、その場所変われ」
「変態はお前だ。ってかお前誰だ?」
二つ後ろの座席から身を乗り出して、話しかけてきたのは、ブルーアッシュの髪色の七三分けの髪型で眼鏡をかけた青年だった。
「あいつは、モテたいからヒーローを目指している、
残念坊やの足立震往だな」
「残念言うなし」
「へぇー、君が変態王子君か」
騒ぎを聞きつけて、左側の一番前の席から声がかかる。
声の主は、幼さの残る少女だった。
顔を座席からちょこんと出して、手をゆるゆると振っている。
何かどんどん増えてくるな(汗)。
「その銀白色の美少女は、分析屋の檜垣万利。その筋では有名人やで」
何だか、みんな凄そうな人ばっかりというか、キャラが濃ゆい。
「ご紹介に与りましたマリだよー。気軽にマリちゃんって呼んでね♥️」
「まーりちゃん♥️」
「キモッ」
「ありがとうございます」
キモがられてお礼を言うコイツは、本物だ。本物の変態だ。
表面的に欲望丸出しな足立、女性陣からの白い目が怖い。
「それよりも、私は変態王子さんに興味津々かなー?」
足立にギロって睨まれた……僕は、なにもしてないのに。
「変態王子さんを調べれば調べるほど、周りに美少女ばっかりで、どこのラブコメ主人公だよって突っ込みたくなるのー」
足立が、凄い形相でこっちを睨んでる。だから僕はなにもしてないのに(汗)。
それにしても噂の発端のM氏って、万利のことじゃ?
そんなことを考えていると、ぱーんっと二✖️が手を叩いた。
「お前らわかっていると思うが、今日は筆記試験だからな、仲良しごっこはこの辺りで終わりや。俺は絶対に負けないで」
「ふん、いわれなくてもわかってるさ。今回の試験で、美少女と俺さえ受かればそれでいい」
コイツは全くぶれないな、言われてみればその通りだ。僕はヒーローになるためにここにいるんだ。
「まぁ、噂は適当に誤魔化しといてやるから。安心しときや」
ここに神がいた。しかし今後は……行動を慎重にせねば。あらぬ噂を立てられては、身が持たない。
万利がウィンクを僕に向けて飛ばしてきたが、苦笑いで返した。
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