115 / 253
2章 第4部 尋ね人との再会
111話 制御権の破壊
しおりを挟む
アリスに続いて結月たちも巫女の間へとたどり着く。
内部ではすでにレイジとアリスが、アーネストと激闘を繰り広げていた。森羅とリネットは事前の話通り、後方で巫女の制御権の破壊作業をしているようだ。彼女たちが触れている巨大な水晶の中には、結月の親友であるカノンの姿が。おそらくあの水晶そのものが今回のターゲットである制御権なのだろう。
(さっき久遠くんが、カノンの名前をさけんでた気がしたんだけど、あれはいったい……)
ここに駆けつける前、レイジがなぜかカノンの名前を呼んでいたような気がした。彼がカノンの名前を知っていたのは、那由他辺りに聞いたかもしれないのでまだわかる。しかしあそこまで切実に名前を叫ぶだろうか。まるでずっと会いたかったみたいに。
「十六夜タワーの件では活躍できなかった分、ここで汚名を返上してやるー! そしてあのいけ好かない幻惑の人形師を、今度こそぶちのめしてやるもん! まな! いくぞぉ!」
不思議に思っていると、ゆきがやる気十分といった感じに前へ。実は十六夜タワーの一件後、森羅たちの計画をあまり妨害できずすごく悔しがっていたのだ。なので今回はリベンジに燃えているのだろう。
「はい、ゆきねえさま、エデンの巫女の力で、必ずや巫女の制御権を破壊してみせますぅ!」
白い子猫のガーディアンとゆきは周りにいくつもの画面を表示し、改ざんを始めた。
「よぉし、まずはあの制御権との間にラインを作ったから、ここから災禍の魔女たちの改ざんに割り込むよぉ。なゆた、いけるー?」
「ふっふっふっ、お任せあれ! 美少女エージェント那由他ちゃんのチートが火を噴きますよー! 制御権へ強制アクセス! これでゆきちゃんもシステムをいじれるはずなのでお願いします!」
二人は作戦通り、巫女の制御権の破壊を開始したようだ。
ちなみに今回の件が終わるまで、アポルオンの巫女であるカノンがこの場所に来ることはない。本来なら彼女がエデンにリンクするとあの水晶から出てくる感じになるらしいが、今は制御権に森羅と那由他たちが干渉しているため入ってこれないとか。
結月は後方に注意を払いながら、今回の作戦を振り返った。
「じゃあ、ここからはエデンの巫女の協力を得て、レイジくんたちが無事巫女の間にたどり着けた時の話をするね!」
場所は一昨日アリスと会った廃ビルの屋上。
ゆきがこちら側に足を踏み入れることを決断してから、森羅は事前準備であるエデンの巫女やルナへの交渉の話をおえ、いよいよ作戦の本筋部分を説明しだした。
「今回の作戦のかなめはエデンの巫女の力。だけど相手は巫女の制御権というセフィロトのシステムの中でも、特に厳重なセキュリティがほどこされてる存在。だから破壊するとなると、彼女一人ではさすがに厳しいと思うの。そこで森羅ちゃんや、剣閃の魔女、そして柊那由他の出番よ!」
「ゆきはわかるが、那由他もなのか?」
「ええ、柊那由他も森羅ちゃんには及ばないけど、それなりのチートじみた力を持ってるからね! 」
どうやら那由他も森羅に近しい力を持っているらしい。
確かに普段の彼女を見ていると、チートの一つや二つ持っていてもおかしくなさそうなので妙に納得してしまう自分がいた。
「そんなあの子だからこそ、今回の作戦が成り立つの! ほら、本来リネットも剣閃の魔女も、セフィロトのおおもとのシステムに干渉なんてできないでしょ?」
「まぁ、人が神のさだめた法則に手を出すようなものだからねぇ。どれだけの電子の導き手を集めたとしても不可能な話ー。ほんとその力うらやましいかぎりだよぉ」
電子の導き手の改ざんは、セフィロトがさだめた制約そのものに干渉することができないといわれている。なんでもセフィロト自身が敷いている絶対不可侵のセキュリティにより、触れることさえ叶わないそうだ。ゆえにゆきみたいな高ランクの電子の導き手が何人協力しようと、まったく歯がたたないのである。
「リネットがアビスエリア解放の件で、セフィロトのシステムをいじれていたのは森羅ちゃんのおかげ。だから今回剣閃の魔女は柊那由他の力を使ってセフィロトのシステムに干渉し、リネットと制御権の所有権を奪い合ってもらうね!」
実はゆきが十六夜タワーの戦いにおいて裏で細工ができたのは、森羅がリネットのために作ったラインに割り込んだから。そのため本来できるはずがないセフィロトのシステムに、干渉することができたらしい。
「そういうことかぁ。ようは奪い合うことでシステムそのものに負荷をかけまくり、ショート寸前のところをエデンの巫女の力で一気にたたくってことだろぉ?」
ゆきは両手をポン合わせ納得を。
本来制御権に干渉するなど不可能。だが森羅の災禍の魔女の力といったチートを使い、無理やり改ざんを可能にしているのだ。そのためシステム内部では相当の負荷がかかっているに違いない。しかも今回森羅だけでなく、那由他も同じことを。二人がかりで強制的にアクセスされ、さらには所有件を書き換え合うとなるとその負荷の規模は計り知れないだろう。
もはやそれだけでも破壊できそうなのに、そこへエデンの巫女の力が襲う。多大な負荷によってセキュリティが弱まっているところに、破壊するためのとどめの一撃をお見舞いするのが今回の流れというわけだ。
「くす、これならエデンの巫女も破壊しやすいでしょ! 問題は剣閃の魔女と柊那由他が、あたしとリネットのコンビに太刀打ちできるかね。森羅ちゃんは立場的な問題もあるから、全力で阻止しにいかないといけないし」
今回できるだけ負荷をかけるためにも、所有権の書き換え合いが拮抗するのがベスト。あっさりリネットに負けてしまえば負荷を限界まで与えられず、マナの破壊工作がうまくいかなくなってしまう恐れが。なのでゆきと那由他には彼女たちに打ち勝つほどの勢いで、事に当たってもらわなければならなかった。
「ふん、剣閃の魔女であるゆきの腕を舐なめるなよぉ。相手が幻惑の人形師や災禍の魔女であろうと、まとめてひねり潰してあげるもん!」
そんな森羅の徴発じみた発言に、ゆきは胸に手を当て自信ありげに言い放つ。
「くす、それなら安心ね。制御権にできるだけ負荷をかけるためにも、森羅ちゃんの力をフルに使った方がいいから、手加減はなしよ!」
「望むところだぁ! これまでお前らには好き勝手やられてるから、今度こそ目にものをみせてあげるー! 首を洗って待っていやがれぇ!」
不敵に笑う森羅に、ゆきは手をにぎりしめながら反対の手の指を突き付け宣言を。
(ここまではすべて順調ね。ゆきと那由他ならたぶんいけると思うから、あとは……)
アーネストと激し戦闘を繰り広げているレイジとアリスに視線を移す。
残る問題はレイジとアリスがアーネストを止められ続けるかどうか。もし突破されれば、彼との戦闘で制御権の破壊どころではなくなってしまうはず。ゆえにレイジたちにこの戦いの命運がかかっているといっていい。
「がんばってね、久遠くん、アリス……」
結月はレイジたちの勝利をただただ願うのであった。
内部ではすでにレイジとアリスが、アーネストと激闘を繰り広げていた。森羅とリネットは事前の話通り、後方で巫女の制御権の破壊作業をしているようだ。彼女たちが触れている巨大な水晶の中には、結月の親友であるカノンの姿が。おそらくあの水晶そのものが今回のターゲットである制御権なのだろう。
(さっき久遠くんが、カノンの名前をさけんでた気がしたんだけど、あれはいったい……)
ここに駆けつける前、レイジがなぜかカノンの名前を呼んでいたような気がした。彼がカノンの名前を知っていたのは、那由他辺りに聞いたかもしれないのでまだわかる。しかしあそこまで切実に名前を叫ぶだろうか。まるでずっと会いたかったみたいに。
「十六夜タワーの件では活躍できなかった分、ここで汚名を返上してやるー! そしてあのいけ好かない幻惑の人形師を、今度こそぶちのめしてやるもん! まな! いくぞぉ!」
不思議に思っていると、ゆきがやる気十分といった感じに前へ。実は十六夜タワーの一件後、森羅たちの計画をあまり妨害できずすごく悔しがっていたのだ。なので今回はリベンジに燃えているのだろう。
「はい、ゆきねえさま、エデンの巫女の力で、必ずや巫女の制御権を破壊してみせますぅ!」
白い子猫のガーディアンとゆきは周りにいくつもの画面を表示し、改ざんを始めた。
「よぉし、まずはあの制御権との間にラインを作ったから、ここから災禍の魔女たちの改ざんに割り込むよぉ。なゆた、いけるー?」
「ふっふっふっ、お任せあれ! 美少女エージェント那由他ちゃんのチートが火を噴きますよー! 制御権へ強制アクセス! これでゆきちゃんもシステムをいじれるはずなのでお願いします!」
二人は作戦通り、巫女の制御権の破壊を開始したようだ。
ちなみに今回の件が終わるまで、アポルオンの巫女であるカノンがこの場所に来ることはない。本来なら彼女がエデンにリンクするとあの水晶から出てくる感じになるらしいが、今は制御権に森羅と那由他たちが干渉しているため入ってこれないとか。
結月は後方に注意を払いながら、今回の作戦を振り返った。
「じゃあ、ここからはエデンの巫女の協力を得て、レイジくんたちが無事巫女の間にたどり着けた時の話をするね!」
場所は一昨日アリスと会った廃ビルの屋上。
ゆきがこちら側に足を踏み入れることを決断してから、森羅は事前準備であるエデンの巫女やルナへの交渉の話をおえ、いよいよ作戦の本筋部分を説明しだした。
「今回の作戦のかなめはエデンの巫女の力。だけど相手は巫女の制御権というセフィロトのシステムの中でも、特に厳重なセキュリティがほどこされてる存在。だから破壊するとなると、彼女一人ではさすがに厳しいと思うの。そこで森羅ちゃんや、剣閃の魔女、そして柊那由他の出番よ!」
「ゆきはわかるが、那由他もなのか?」
「ええ、柊那由他も森羅ちゃんには及ばないけど、それなりのチートじみた力を持ってるからね! 」
どうやら那由他も森羅に近しい力を持っているらしい。
確かに普段の彼女を見ていると、チートの一つや二つ持っていてもおかしくなさそうなので妙に納得してしまう自分がいた。
「そんなあの子だからこそ、今回の作戦が成り立つの! ほら、本来リネットも剣閃の魔女も、セフィロトのおおもとのシステムに干渉なんてできないでしょ?」
「まぁ、人が神のさだめた法則に手を出すようなものだからねぇ。どれだけの電子の導き手を集めたとしても不可能な話ー。ほんとその力うらやましいかぎりだよぉ」
電子の導き手の改ざんは、セフィロトがさだめた制約そのものに干渉することができないといわれている。なんでもセフィロト自身が敷いている絶対不可侵のセキュリティにより、触れることさえ叶わないそうだ。ゆえにゆきみたいな高ランクの電子の導き手が何人協力しようと、まったく歯がたたないのである。
「リネットがアビスエリア解放の件で、セフィロトのシステムをいじれていたのは森羅ちゃんのおかげ。だから今回剣閃の魔女は柊那由他の力を使ってセフィロトのシステムに干渉し、リネットと制御権の所有権を奪い合ってもらうね!」
実はゆきが十六夜タワーの戦いにおいて裏で細工ができたのは、森羅がリネットのために作ったラインに割り込んだから。そのため本来できるはずがないセフィロトのシステムに、干渉することができたらしい。
「そういうことかぁ。ようは奪い合うことでシステムそのものに負荷をかけまくり、ショート寸前のところをエデンの巫女の力で一気にたたくってことだろぉ?」
ゆきは両手をポン合わせ納得を。
本来制御権に干渉するなど不可能。だが森羅の災禍の魔女の力といったチートを使い、無理やり改ざんを可能にしているのだ。そのためシステム内部では相当の負荷がかかっているに違いない。しかも今回森羅だけでなく、那由他も同じことを。二人がかりで強制的にアクセスされ、さらには所有件を書き換え合うとなるとその負荷の規模は計り知れないだろう。
もはやそれだけでも破壊できそうなのに、そこへエデンの巫女の力が襲う。多大な負荷によってセキュリティが弱まっているところに、破壊するためのとどめの一撃をお見舞いするのが今回の流れというわけだ。
「くす、これならエデンの巫女も破壊しやすいでしょ! 問題は剣閃の魔女と柊那由他が、あたしとリネットのコンビに太刀打ちできるかね。森羅ちゃんは立場的な問題もあるから、全力で阻止しにいかないといけないし」
今回できるだけ負荷をかけるためにも、所有権の書き換え合いが拮抗するのがベスト。あっさりリネットに負けてしまえば負荷を限界まで与えられず、マナの破壊工作がうまくいかなくなってしまう恐れが。なのでゆきと那由他には彼女たちに打ち勝つほどの勢いで、事に当たってもらわなければならなかった。
「ふん、剣閃の魔女であるゆきの腕を舐なめるなよぉ。相手が幻惑の人形師や災禍の魔女であろうと、まとめてひねり潰してあげるもん!」
そんな森羅の徴発じみた発言に、ゆきは胸に手を当て自信ありげに言い放つ。
「くす、それなら安心ね。制御権にできるだけ負荷をかけるためにも、森羅ちゃんの力をフルに使った方がいいから、手加減はなしよ!」
「望むところだぁ! これまでお前らには好き勝手やられてるから、今度こそ目にものをみせてあげるー! 首を洗って待っていやがれぇ!」
不敵に笑う森羅に、ゆきは手をにぎりしめながら反対の手の指を突き付け宣言を。
(ここまではすべて順調ね。ゆきと那由他ならたぶんいけると思うから、あとは……)
アーネストと激し戦闘を繰り広げているレイジとアリスに視線を移す。
残る問題はレイジとアリスがアーネストを止められ続けるかどうか。もし突破されれば、彼との戦闘で制御権の破壊どころではなくなってしまうはず。ゆえにレイジたちにこの戦いの命運がかかっているといっていい。
「がんばってね、久遠くん、アリス……」
結月はレイジたちの勝利をただただ願うのであった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
NPCが俺の嫁~リアルに連れ帰る為に攻略す~
ゆる弥
SF
親友に誘われたVRMMOゲーム現天獄《げんてんごく》というゲームの中で俺は運命の人を見つける。
それは現地人(NPC)だった。
その子にいい所を見せるべく活躍し、そして最終目標はゲームクリアの報酬による願い事をなんでも一つ叶えてくれるというもの。
「人が作ったVR空間のNPCと結婚なんて出来るわけねーだろ!?」
「誰が不可能だと決めたんだ!? 俺はネムさんと結婚すると決めた!」
こんなヤバいやつの話。
決戦の夜が明ける ~第3堡塁の側壁~
独立国家の作り方
SF
ドグミス国連軍陣地に立て籠もり、全滅の危機にある島民と共に戦おうと、再上陸を果たした陸上自衛隊警備中隊は、条約軍との激戦を戦い抜き、遂には玉砕してしまいます。
今より少し先の未来、第3次世界大戦が終戦しても、世界は統一政府を樹立出来ていません。
南太平洋の小国をめぐり、新世界秩序は、新国連軍とS条約同盟軍との拮抗状態により、4度目の世界大戦を待逃れています。
そんな最中、ドグミス島で警備中隊を率いて戦った、旧陸上自衛隊1等陸尉 三枝啓一の弟、三枝龍二は、兄の志を継ぐべく「国防大学校」と名称が変更されたばかりの旧防衛大学校へと進みます。
しかし、その弟で三枝家三男、陸軍工科学校1学年の三枝昭三は、駆け落ち騒動の中で、共に協力してくれた同期生たちと、駐屯地の一部を占拠し、反乱を起こして徹底抗戦を宣言してしまいます。
龍二達防大学生たちは、そんな状況を打破すべく、駆け落ちの相手の父親、東京第1師団長 上条中将との交渉に挑みますが、関係者全員の軍籍剥奪を賭けた、訓練による決戦を申し出られるのです。
力を持たない学生や生徒達が、大人に対し、一歩に引くことなく戦いを挑んで行きますが、彼らの選択は、正しかったと世論が認めるでしょうか?
是非、ご一読ください。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ヒトの世界にて
ぽぽたむ
SF
「Astronaut Peace Hope Seek……それが貴方(お主)の名前なのよ?(なんじゃろ?)」
西暦2132年、人々は道徳のタガが外れた戦争をしていた。
その時代の技術を全て集めたロボットが作られたがそのロボットは戦争に出ること無く封印された。
そのロボットが目覚めると世界は中世時代の様なファンタジーの世界になっており……
SFとファンタジー、その他諸々をごった煮にした冒険物語になります。
ありきたりだけどあまりに混ぜすぎた世界観でのお話です。
どうぞお楽しみ下さい。
鉄錆の女王機兵
荻原数馬
SF
戦車と一体化した四肢無き女王と、荒野に生きる鉄騎士の物語。
荒廃した世界。
暴走したDNA、ミュータントの跳梁跋扈する荒野。
恐るべき異形の化け物の前に、命は無残に散る。
ミュータントに攫われた少女は
闇の中で、赤く光る無数の目に囲まれ
絶望の中で食われ死ぬ定めにあった。
奇跡か、あるいはさらなる絶望の罠か。
死に場所を求めた男によって助け出されたが
美しき四肢は無残に食いちぎられた後である。
慈悲無き世界で二人に迫る、甘美なる死の誘惑。
その先に求めた生、災厄の箱に残ったものは
戦車と一体化し、戦い続ける宿命。
愛だけが、か細い未来を照らし出す。
【完結】勇者学園の異端児は強者ムーブをかましたい
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、pixivにも投稿中。
※小説家になろうでは最新『勇者祭編』の中盤まで連載中。
※アルファポリスでは『オスカーの帰郷編』まで公開し、完結表記にしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる