上 下
113 / 253
2章 第4部 尋ね人との再会

109話 アイギスメンバー

しおりを挟む
 レイジたちは最奥の巫女のに向かうため、駆け抜ける。
 このアポルオンの巫女が隔離かくりされている場所は、神殿しんでん風の内装がほどこされたセキリュティゾーンといった感じだ。ダンジョンのように張りめぐらされた通路を進みながら、ところどころに配置された敵を倒していく。

「この先の広い空間にデュエルアバターが三人、ゼロアバターが八人待ち構えてるよぉ」

 ゆきが改ざんであたりを索敵し、報告してくれる。

「わかった。アリス、行くぞ」
「フフフ、任せてちょうだい」

 アリスに声をかけ、レイジは駆ける速度上げた。
 目標は敵集団。後ろにはアリスを引きつれ敵本陣に真っ向から突っ込む。

「敵が来たぞ、迎え撃て!」

 相手側の配置は主戦力であるデュエルアバター三人が前衛を務め、残りのゼロアバターは後方から援護えんごする陣形のようだ。
 デュエルアバター三人は、いち早く向かってくるレイジとアリスを止めようと前に。前二人が剣とおのを持った近接タイプ、残りの一人は武器を持っていないところを見るとアビリティ重視のタイプらしい。ゆえに真っ先に片付けるのは。
 アリスに目配せしようと後ろを振り返るが、すでに彼女はいなかった。気の早いアリスのことなので、打ち合わせもせず真っ先に突っ込んでいってしまったようだ。

(ほんとアリスの方は平常運転だな。戦いになると我先と突っんでいくんだから)

 なつかしさのあまり、思わず笑ってしまう。

「じゃあ、昔のように、危なっかしい困った戦友の後ろにつくとするか」

 レイジはアリスの動きを予測し、行動を開始した。
 次の瞬間重力アビリティによって流星と化した斬撃が、上空から降りそそぐ。アリスの狙いはアビリティ重視で戦うであろう、デュエルアバター使い。上空からゆえ、前衛を無視しての攻撃だ。さすがに接近戦タイプのデュエルアバターでないため対処できず、彼女の暴虐ぼうぎゃくの剣に斬り裂かれた。

「くっ、まだ!」

 しかし相手を強制ログアウトしきれなかったようだ。相手は大ダメージを受けながらも、アビリティで反撃に打ってでようと。

「させないさ。これでおわりだ」

 だがアリスのすぐ後ろにはレイジの姿が。レイジはあれから前衛二人の攻撃を刀で受け止めかいくぐり、そのままアビリティタイプのデュエルアバター使いまで間合いを詰めていたのだ。
 レイジの剣閃がきらめき、敵をまたたく間にち斬った。
 タイミングはまさに完璧。アリスの攻撃後即座にくり出された一撃だ。たとえ初撃で仕留めきれなくても、二撃目でしとめきる。もし倒しきれなくてもアリスの攻撃後の隙を狙わせない、見事なコンビネーション。言葉で説明すると簡単だが、よほど息が合っていないとできない芸当である。
 一人目が強制ログアウトしたのを確認し、レイジとアリスは背中合わせに剣をかまえる。せまりくるデュエルアバター使い二人を迎え撃つために。

「やられたか……、こうなれば我ら二人でなんとしてでも止めるぞ」

 相手が間合いに入ったと瞬間、レイジとアリスは剣を振るう。互いの動きを熟知しているからこそできる、完璧な連携でだ。

「その程度の戦力でオレたち黒い双翼のやいばを」
「止められると思ってるのかしら?」

 そして黒い双翼の刃の剣舞が乱れ咲き、敵を容赦ようしゃなく斬り込んでいった。
 これで勝負がついたのは確かだが、当然敵は彼ら三人だけではない。すでにゼロアバター使いの集団がガーディアンや銃器を使い、レイジたちに攻撃を仕掛けようと。今だ敵デュエルアバター使いと戦っているレイジとアリスを狙い、八体のガーディアンとショットガン持ちのゼロアバター使い二人が殺到する。

「まったくー、好き放題突っ込みやがってぇ。これだから脳筋どもはぁ。ほら、剣閃の魔女直々じきじきの援護だぁ。ありがたく思ってよねぇ」

 だがレイジたちの後方には、すでにこの場に到着していたゆきたちの姿が。ゆきは文句を言いつつも、念動力のアビリティで八本の装飾された剣を操作。指揮者のごとく手を振りかざしたと同時に、八本の剣が縦横無尽に駆けめぐり敵を次々につらぬきしとめていく。
 ゆきの演算力は電子の導き手SSランクから分かる通り、世界トップクラス。そんな彼女だからこそ操る剣舞の操作精度はもはや神業かみわざレベル。標的がどれだけ回避や防御をためそうが、おかまいなしに食らいつくといっていい。もはや彼女のかなでる剣閃は、Aランクの腕があったとしても対処するのが難しいほどなので、彼らがかなう道理はなかった。
 すでに前衛側は壊滅状態に近いため、後方にいたゼロアバターたちはあわてて銃器の引き金を引こうとするが。

「おっと! 横やりは入れさせませんよー! 那由他ちゃんの華麗かれいなる銃さばきに見惚みほれながら、退場してくださいねー!」
「私たちは一刻も早くその先に向かわないといけないの。だからそこをどいて」

 那由他と結月が彼らに告げる。
 次の瞬間精確無慈悲の銃弾と、いかなるものも串刺しにするといわんばかりの氷杭ひょうこうが、ゼロアバター使いの集団に降り注ぎ撃破していった。

「――くそ、こんな奴ら止められるはずが……」

 那由他と結月の攻撃に、かろうじて生き残ったゼロアバター使いは一人だけ。彼はよろめきながらなんとか立ち上がり、絶望の言葉をこぼす。レイジたち五人の圧倒的戦力に、戦意を完全に喪失そうしつしたようだ。

「うわぁぁぁぁ!?」

 そんな最後に残った一人であったが、レイジとアリスにすれ違いざまに斬られ強制ログアウトしていくのであった。

「アリス、その左腕で本当にいけるのか? 破損してるせいで思うように動かせないだろ?」

 戦闘をおえレイジは隣で走っているアリスに、気になっていたことをたずねた。
 実は彼女のデュエルアバターはレイジとの戦いで大ダメージをっただけでなく、左腕の内部データが破損したらしいのだ。外側の傷ならば自己修復でふさぐことが可能だが、内部の破損となると自然回復か改ざんによる修復の二択。
 今回自然回復に任せるには圧倒的に時間が足りない。一応ゆきや那由他に改ざんで修復を頼む手はあるのだが、彼女たちはこれから巫女の制御権の破壊のため改ざんをフルに使わなくてはならず、できるだけ精神的負担を避けた方がいい。そのため現状のデュエルアバターの状態で、事に当たらないといけないのであった。

「フフフ、問題ないわ! なんたって今はレージがいるんだもの! アタシ一人ならさすがにマズイけど、頼りになる戦友さんがフォローしてくれるはずでしょ? これまでみたいに背中を預けられるレージがいれば、なにも心配せず思う存分に戦えるんだから!」

 高ランクのデュエルアバター戦において、片腕に支障があるのは大きなハンデを背負っているも同じ。ここに来るまでの敵はそこまで手強い相手ではなかったため特に問題はなかったが、アーネスト・ウェルベリック相手だと一気に不利になったといっていい。にも関わらずアリスはあっけからんに、大丈夫だと言い張った。戦友としてレイジのことを信頼しきっているがゆえに。

「ははは、オレもアリスとの戦いで結構ボロボロなんだが、そこまで言われるとこたえないわけにはいかないな」
「フフフ、期待してるわよ。二人で力を合わせれば相手がアーネスト・ウェルベリックだろうと、そう簡単に遅れは取らないはず。アタシたち黒い双翼の刃の力、とくと見せてあげましょう!」
「ああ、昔みたいにいっちょう派手にやるとするか」

 互いのこぶしをあわせ合い、不敵に笑い合う。
 ともに連戦によるダメージでボロボロだが、黒い双翼の刃としてのコンビネーションでカバーすればなんとかなるはず。これまでもこういった修羅場を何度もくぐり抜けてきたのだ。ギリギリの戦いなど、もはや慣れっこであった。

「それで結月の方は大丈夫なのか? デュエルアバターのダメージもそうだけど、連戦による精神的負担も相当だろ?」
「――あはは……、少し厳しいかな……。ここまで来たのはいいけど、消耗しょうもう具合からそこまで戦力になれそうにないかも……」

 結月は目をふせ、力なく笑った。
 なんでも十六夜いざよいタワーの内部空間の戦闘でかなり無茶をしたらしく、今後の戦闘に支障をきたすかもしれないと聞いていたのだ。

「十六夜タワーの戦いでゆきが裏で手を打つ関係上、ゆづきには前線で頑張ってもらったからなぁ。その分、今回は後方でゆっくりしといた方がいいと思うよぉ」
「では結月にはわたしとゆきちゃんの護衛についていてもらいましょうかねー。巫女の制御権の破壊工作に集中するため、身動きが取れなくなるでしょうし!」

 今回那由他とゆきは改ざんで巫女の制御権に干渉するため、戦闘に参加せず作業に専念するとのこと。そのため作業を邪魔させないように、彼女たちを守る人間が必要になってくるというわけだ。前方はレイジたちが受け持つが、後方からシャロンたちが増援として駆けつける可能性が。よって常に護衛しつつ、後ろを警戒してもらうのが得策であろう。

「そういうことでアーネストさんの相手は、レイジとアリス・レイゼンベルトでお願いします! こちらの邪魔をさせないよう、時間を稼いでくれるだけでいいので!」

 今回巫女の制御権さえ破壊出来ればこちらの勝利。別にアーネストを倒す必要がないのである。さすがに倒すのは今の状況的に厳しいが、時間を稼ぐというのなら話は別。十分勝ち目のある戦いであった。

「わかった。オレとアリスでなんとしてでも、くい止めてみせるさ」

 拳をグッとにぎり、気合いを入れる。

「フフフ、時間稼ぎと言わず、どうせなら倒してあげようかしらね」

 ほおに手を当て、ニヤリと笑うアリス。

「よぉし、この先が最奥の巫女の間みたいだぁ。向こうについて安全を確保しだい、始めるからぁ。マナも準備の方はいいかぁ?」
「いつでもいけますよぉ、ゆきねえさま!」

 白い子猫型のガーディアンから、マナのやる気に満ちた声が。
 ちなみにこれはゆきが、ワシのガーディアンを通して話していたのと同じ原理。改ざんで通信を無理やりつなげ、スピーカー状態にしているそうだ。

「さぁ、段取りが整ったところで乗り込みますよー! 約一名アリス・レイゼンベルトとかいう変なのがまざっていますが、アイギスメンバー出撃です!」

 那由他はいよいよ大詰めということで、元気いっぱいに宣言する。ただ一人に対してはさらっととげのある言い方でだが。
 すると聞きづてならないと、ゆきが指を突き付け抗議を入れてきた。

「おい、こらぁ、なゆた。その言い方だと、ゆきもアイギスに入ってることにならないかぁ?」
「あはは、まあまあ、ゆきちゃん、細かいことは気にしたら負けですよー! ここは流れに任せてですねー」
「いいね、それ! もうここまで来たら、ゆきもアイギスに入ってしまおうよ!」

 那由他が楽しそうにゆきのアイギス入りを押しているの見て、結月もノリノリでその話に乗っかり始めた。

「いろいろ手を貸してあげるとはいったけど、そこまでしてられるかぁ! ゆきのゆうがな電子の導き手ライフが、アイギスの仕事で埋まって台無しになるだろうがぁ!」 
「あら、抗議なら、ひどい言われようしてるアタシもしたいわ。こう見えてアタシ、アイギスのメンバー候補なのよ。レイジとこうして戦えるなら案外わるくないって思えてきたし、もしかするとアイギスにお世話になるかもしれないんだから」

 ゆきのアイギス入りをめぐって那由他たち三人が盛り上がっていると、アリスまで話に加わりだす。
 結月の推薦すいせんの話は断る気だと思っていたが、アリスの中ではまだ検討中だったらしい。アリスがアイギスに入るとなると戦力的に大幅アップであり、レイジの彼女に対する心残りもかなり軽減されるだろう。それは嬉しいのだが、レイジをめぐって那由他と争いに発展し、事務所がカオスな状況になるような気がして止まない。レイジの精神的負担がさらに増えそうであった。

「はぁ? 一体この女はなにを言ってるんですかねー。――あはは……、きっと那由他ちゃんの聞き間違いですよねー……。レイジにつきまとうアリス・レイゼンベルトが入ってきたら、もはや悪夢どころではありません。ええ、なにかの間違いのはず……」

 アリスのどこか勝ち誇ったような発言に、那由他はレイジと同じような感想を抱いたのだろう。彼女は信じたくないのか、笑って現実逃避を。

「――はぁ……、もう着くんだから、おしゃべりはあとだ。ほら、先にいってるぞ」

 せっかく引き締めた空気がゆるくなり始めたので、彼女たちに注意をうながす。そして走る速度を上げて、どんどん前へ。

「――あっ、待ってくださいってばー! レイジ!」

 那由他の静止の声に止まらず、レイジは一足先に巫女の間へとつながる通路を走り抜けるのであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

トモコパラドクス

武者走走九郎or大橋むつお
SF
姉と言うのは年上ときまったものですが、友子の場合はちょっと……かなり違います。

NPCが俺の嫁~リアルに連れ帰る為に攻略す~

ゆる弥
SF
親友に誘われたVRMMOゲーム現天獄《げんてんごく》というゲームの中で俺は運命の人を見つける。 それは現地人(NPC)だった。 その子にいい所を見せるべく活躍し、そして最終目標はゲームクリアの報酬による願い事をなんでも一つ叶えてくれるというもの。 「人が作ったVR空間のNPCと結婚なんて出来るわけねーだろ!?」 「誰が不可能だと決めたんだ!? 俺はネムさんと結婚すると決めた!」 こんなヤバいやつの話。

決戦の夜が明ける ~第3堡塁の側壁~

独立国家の作り方
SF
 ドグミス国連軍陣地に立て籠もり、全滅の危機にある島民と共に戦おうと、再上陸を果たした陸上自衛隊警備中隊は、条約軍との激戦を戦い抜き、遂には玉砕してしまいます。  今より少し先の未来、第3次世界大戦が終戦しても、世界は統一政府を樹立出来ていません。  南太平洋の小国をめぐり、新世界秩序は、新国連軍とS条約同盟軍との拮抗状態により、4度目の世界大戦を待逃れています。  そんな最中、ドグミス島で警備中隊を率いて戦った、旧陸上自衛隊1等陸尉 三枝啓一の弟、三枝龍二は、兄の志を継ぐべく「国防大学校」と名称が変更されたばかりの旧防衛大学校へと進みます。  しかし、その弟で三枝家三男、陸軍工科学校1学年の三枝昭三は、駆け落ち騒動の中で、共に協力してくれた同期生たちと、駐屯地の一部を占拠し、反乱を起こして徹底抗戦を宣言してしまいます。  龍二達防大学生たちは、そんな状況を打破すべく、駆け落ちの相手の父親、東京第1師団長 上条中将との交渉に挑みますが、関係者全員の軍籍剥奪を賭けた、訓練による決戦を申し出られるのです。  力を持たない学生や生徒達が、大人に対し、一歩に引くことなく戦いを挑んで行きますが、彼らの選択は、正しかったと世論が認めるでしょうか?  是非、ご一読ください。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ヒトの世界にて

ぽぽたむ
SF
「Astronaut Peace Hope Seek……それが貴方(お主)の名前なのよ?(なんじゃろ?)」 西暦2132年、人々は道徳のタガが外れた戦争をしていた。 その時代の技術を全て集めたロボットが作られたがそのロボットは戦争に出ること無く封印された。 そのロボットが目覚めると世界は中世時代の様なファンタジーの世界になっており…… SFとファンタジー、その他諸々をごった煮にした冒険物語になります。 ありきたりだけどあまりに混ぜすぎた世界観でのお話です。 どうぞお楽しみ下さい。

鉄錆の女王機兵

荻原数馬
SF
戦車と一体化した四肢無き女王と、荒野に生きる鉄騎士の物語。 荒廃した世界。 暴走したDNA、ミュータントの跳梁跋扈する荒野。 恐るべき異形の化け物の前に、命は無残に散る。 ミュータントに攫われた少女は 闇の中で、赤く光る無数の目に囲まれ 絶望の中で食われ死ぬ定めにあった。 奇跡か、あるいはさらなる絶望の罠か。 死に場所を求めた男によって助け出されたが 美しき四肢は無残に食いちぎられた後である。 慈悲無き世界で二人に迫る、甘美なる死の誘惑。 その先に求めた生、災厄の箱に残ったものは 戦車と一体化し、戦い続ける宿命。 愛だけが、か細い未来を照らし出す。

【完結】勇者学園の異端児は強者ムーブをかましたい

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、pixivにも投稿中。 ※小説家になろうでは最新『勇者祭編』の中盤まで連載中。 ※アルファポリスでは『オスカーの帰郷編』まで公開し、完結表記にしています。

処理中です...