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第31話:やっと昔の関係に戻れた~ルドルフ視点~
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「ルドルフ、よかったわね。グリーズ様とアメリナちゃん、特に恋仲ではなかった様で。おかしいと思ったのよ。メリーヌもそんな話は聞いていないと首をかしげていたから」
「確かにその点は良かったが、あんな公衆の面前で、グリーズ殿に詰め寄るのは良くないぞ。そのせいで騒ぎが大きくなってしまったではないか」
「あら、ファンタム侯爵もクレステイード伯爵も笑って許して下さったら、いいじゃない。それにしても、まさかアメリナちゃんがルドルフに嫌われていると思っていただなんて。そもそも、あなたの態度、酷かったもの。これからはアメリナちゃんを大切にしなさいよ」
「分かっていますよ。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」
日に日にやつれていく俺を心配した両親に、俺は全て話したのだ。その結果、父上も母上もアメリナの両親に色々と働きかけてくれたらしい。今日アメリナが着てくれていたドレスも、母上がアメリナの母上にお願いして、着せてもらったとの事。
俺は両親にまで迷惑をかけてしまったのだな。
それにしても、本当によかった。もしこのまま、アメリナを失っていたら俺は、きっと生きて行けなかっただろう。いいや…俺はアメリナを取り戻すために、犯罪に手を染めていだろう。
密かにアメリナを誘拐し、2人で暮らすための準備を行って来た。俺は侯爵家にある隠し部屋を密かに改造し、そこにアメリナを監禁しておく部屋を準備していた。ほとぼりが冷めた頃に、アメリナを連れて他国に逃げようと考えていたのだが、その計画も不要だったようだ。
いいや…
アメリナが別の男を好きになり、再び俺から離れてしまうかもしれない。そう考えると、気が気ではないのだ。そのせいかその日の夜、相手は分からなくなったが、またあの夢を見た。アメリナが別の男と一緒に、どこかに行ってしまう夢を…
このままではダメだ。一刻も早く、アメリナが逃げないようにしないと!
翌日、俺はアメリナの家を訪れていた。もう1秒だってアメリナから離れたくはない。そんな思いで、迎えに行ったのだ。でも、もしまた俺を拒絶したら…考えただけで、恐怖が支配する。
…俺はいつまで怯えているつもりだ。たとえ拒絶されたとしても、もう逃げる訳にはいかないのだ。もう二度とアメリナを失うかもしれないという恐怖を抱えながら過ごす日々は御免だ!
よし!
気合を入れ直し、アメリナを待つ。すると、制服を着たアメリナがやって来たのだ。俺を見ても特に嫌そうな顔はしていない。よし、いけるぞ!
勢い付いた俺は、アメリナを連れ、馬車へと乗り込んだ。久しぶりに触れるアメリナの手。いつの間にかすっかり大きくなってしまった。またこうやってアメリナに触れられるだなんて…嬉しくて涙が溢れそうになるのを必死に堪えた。
それにアメリナも、昨日までとは打って変わって、俺を避ける事もなく、穏やかな表情を浮かべ、時折笑顔を見せてくれるのだ。
昔はこんな風にアメリナに接していたな。一気に昔の自分を思い出した俺は、あの頃と同じようにアメリナに自分の気持ちをぶつけた。大丈夫だ、アメリナはあの頃の俺が大好きだったと言っていた。きっと大丈夫。それにアメリナも、心なしか嬉しそうだし。
そうか、最初からこうすればよかったんだな。
なんだかアメリナとの蟠りも解消できてきている気がする。それが嬉しくてたまらない。アメリナはもう俺のものだ。誰にも渡さない。特にあの男、グリーズ殿。サーラ嬢が好きなくせに、アメリナとも仲良くして…
グリーズ殿の事を考えただけで、体中から怒りが沸き上がって来る。アメリナをあの男の瞳に映したくない。このままアメリナをどこかに連れ去ってしまおうか…そんな黒い感情が沸き上がる。
俺は何を考えているのだ。アメリナが怯えているじゃないか。とにかく落ち着かないと!
気を取り直してアメリナと一緒に馬車を降りると、あの女が待ち伏せしていた。この女、俺とアメリナの邪魔ばかりして。本当に憎らしい女だ。きつめの口調でクレア嬢をあしらったが、どうやらアメリナを睨んでいる。あの女がもしアメリナに何かしたら…
考えただけで怒りがこみあげてくる。そもそも、あの女が俺に付きまとっていたせいで、アメリナから変な誤解をされてしまったのだ。
あの女はどれだけはっきりと俺の気持ちを伝えても、全く動じない本当に面倒な女なのだ。あの女がアメリナに手を出さないように、気を付けないと!
教室に着くと、サーラ嬢とグリーズ殿が待っていた。グリーズ殿…彼の顔を見た瞬間、ぎゅっとアメリナを抱き寄せた。頭では分かっている。でも、どうしてもグリーズ殿を見ると、アメリナを失うかもしれないという恐怖に襲われるのだ。
相変わらずアメリナに馴れ馴れしく話しかけてくるグリーズ殿。どうしてこの男は好きな令嬢がいるのに、他の令嬢と馴れ馴れしく話すのだろう。
サーラ嬢も嫌ではないのか?この男の考えが全く理解できないが、これ以上アメリナを近づかせるつもりはない!
そんな思いから、この日はずっとアメリナの傍にいた。やっぱり俺は、アメリナが大好きだ。アメリナも今までみたいに俺を避けることなく、傍にいてくれる。それが幸せでたまらない。この幸せを絶対に誰にも壊されたくはない。絶対に!
「確かにその点は良かったが、あんな公衆の面前で、グリーズ殿に詰め寄るのは良くないぞ。そのせいで騒ぎが大きくなってしまったではないか」
「あら、ファンタム侯爵もクレステイード伯爵も笑って許して下さったら、いいじゃない。それにしても、まさかアメリナちゃんがルドルフに嫌われていると思っていただなんて。そもそも、あなたの態度、酷かったもの。これからはアメリナちゃんを大切にしなさいよ」
「分かっていますよ。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした」
日に日にやつれていく俺を心配した両親に、俺は全て話したのだ。その結果、父上も母上もアメリナの両親に色々と働きかけてくれたらしい。今日アメリナが着てくれていたドレスも、母上がアメリナの母上にお願いして、着せてもらったとの事。
俺は両親にまで迷惑をかけてしまったのだな。
それにしても、本当によかった。もしこのまま、アメリナを失っていたら俺は、きっと生きて行けなかっただろう。いいや…俺はアメリナを取り戻すために、犯罪に手を染めていだろう。
密かにアメリナを誘拐し、2人で暮らすための準備を行って来た。俺は侯爵家にある隠し部屋を密かに改造し、そこにアメリナを監禁しておく部屋を準備していた。ほとぼりが冷めた頃に、アメリナを連れて他国に逃げようと考えていたのだが、その計画も不要だったようだ。
いいや…
アメリナが別の男を好きになり、再び俺から離れてしまうかもしれない。そう考えると、気が気ではないのだ。そのせいかその日の夜、相手は分からなくなったが、またあの夢を見た。アメリナが別の男と一緒に、どこかに行ってしまう夢を…
このままではダメだ。一刻も早く、アメリナが逃げないようにしないと!
翌日、俺はアメリナの家を訪れていた。もう1秒だってアメリナから離れたくはない。そんな思いで、迎えに行ったのだ。でも、もしまた俺を拒絶したら…考えただけで、恐怖が支配する。
…俺はいつまで怯えているつもりだ。たとえ拒絶されたとしても、もう逃げる訳にはいかないのだ。もう二度とアメリナを失うかもしれないという恐怖を抱えながら過ごす日々は御免だ!
よし!
気合を入れ直し、アメリナを待つ。すると、制服を着たアメリナがやって来たのだ。俺を見ても特に嫌そうな顔はしていない。よし、いけるぞ!
勢い付いた俺は、アメリナを連れ、馬車へと乗り込んだ。久しぶりに触れるアメリナの手。いつの間にかすっかり大きくなってしまった。またこうやってアメリナに触れられるだなんて…嬉しくて涙が溢れそうになるのを必死に堪えた。
それにアメリナも、昨日までとは打って変わって、俺を避ける事もなく、穏やかな表情を浮かべ、時折笑顔を見せてくれるのだ。
昔はこんな風にアメリナに接していたな。一気に昔の自分を思い出した俺は、あの頃と同じようにアメリナに自分の気持ちをぶつけた。大丈夫だ、アメリナはあの頃の俺が大好きだったと言っていた。きっと大丈夫。それにアメリナも、心なしか嬉しそうだし。
そうか、最初からこうすればよかったんだな。
なんだかアメリナとの蟠りも解消できてきている気がする。それが嬉しくてたまらない。アメリナはもう俺のものだ。誰にも渡さない。特にあの男、グリーズ殿。サーラ嬢が好きなくせに、アメリナとも仲良くして…
グリーズ殿の事を考えただけで、体中から怒りが沸き上がって来る。アメリナをあの男の瞳に映したくない。このままアメリナをどこかに連れ去ってしまおうか…そんな黒い感情が沸き上がる。
俺は何を考えているのだ。アメリナが怯えているじゃないか。とにかく落ち着かないと!
気を取り直してアメリナと一緒に馬車を降りると、あの女が待ち伏せしていた。この女、俺とアメリナの邪魔ばかりして。本当に憎らしい女だ。きつめの口調でクレア嬢をあしらったが、どうやらアメリナを睨んでいる。あの女がもしアメリナに何かしたら…
考えただけで怒りがこみあげてくる。そもそも、あの女が俺に付きまとっていたせいで、アメリナから変な誤解をされてしまったのだ。
あの女はどれだけはっきりと俺の気持ちを伝えても、全く動じない本当に面倒な女なのだ。あの女がアメリナに手を出さないように、気を付けないと!
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相変わらずアメリナに馴れ馴れしく話しかけてくるグリーズ殿。どうしてこの男は好きな令嬢がいるのに、他の令嬢と馴れ馴れしく話すのだろう。
サーラ嬢も嫌ではないのか?この男の考えが全く理解できないが、これ以上アメリナを近づかせるつもりはない!
そんな思いから、この日はずっとアメリナの傍にいた。やっぱり俺は、アメリナが大好きだ。アメリナも今までみたいに俺を避けることなく、傍にいてくれる。それが幸せでたまらない。この幸せを絶対に誰にも壊されたくはない。絶対に!
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