5 / 35
第5話:ジャクソン様は格好いいです
しおりを挟む
その日の夜、通信機がなった。
“やあ、ティアラ。元気にしているかい?”
通信の相手はもちろん殿下だ。
「はい、お陰様で。テオも見違えるように元気になりましたし、本当にありがとうございます」
“それはよかった。それで明日なのだが、君と僕が恋人同士だという事を、皆に伝えたくてね。明日校門の前で待っているから、一緒に教室まで行ってくれるかい?”
「もちろんです。殿下にはこんなにも良くしてもらったのですから、必ず殿下の望み通りの働きをさせていただきますわ」
“ありがとう。それは助かるよ。それから、僕たちは恋人同士なんだ。殿下ではなく、名前で呼んでくれ。それじゃあ、また明日”
そう言うと、通信が切れた。名前でか…確かに恋人同士なのに、殿下は変よね。明日から、ジャクソン様とお呼びしないと。それにしても、学院内でも恋人として振舞うなんて、私、令嬢たちに殺されないかしら?
一抹の不安を抱きながら、眠りについた。
翌日
私の為に準備された馬車に乗り込み、学院へと向かう。そう言えば、こうやって伯爵家の馬車に乗り込んで学院に通うのは初めてね。なんだか不思議な感じがしながらも、嬉しくてつい笑みがこぼれる。
学院に着き、馬車から降りると、打ち合わせ通りジャクソン様が待っていた。
「おはようございます、ジャクソン様」
「おはよう、ティアラ。それじゃあ、行こうか」
近くで見ると物凄く格好いいジャクソン様に手を引かれ、教室を目指す。案の定、周りからは悲鳴が聞こえる。やっぱり私、刺されるかもしれないわね…そんな不安が頭をよぎったその時だった。
「ギャーギャーうるさいサルどもめ…」
えっ?今ジャクソン様、何か言った?びっくりしてジャクソン様の方を見たのだが、変わらない笑顔だ。きっと私の聞き間違いね。そうよ、ジャクソン様があんなに汚い口をきくわけがないわ。きっと気のせいだろう。
そんな事を考えている間に、教室に着いた。
「それじゃあ、ティアラ。また放課後迎えに来るからね」
そう言うと、笑顔で去っていったジャクソン様。その瞬間。
「ちょっと、ティアラ。どういう事?あなたいつから第二王子と付き合っていたの?」
やって来たのは、リリアナだ。他の令嬢たちも興味津々でこちらを見ている。
「実は少し前から付き合っていて…」
例えリリアナだとしても、私たちが契約で付き合っているなんて事が知られてはまずい。とにかく、バレない様に濁しておいた。
そんな中迎えたお昼休み。リリアナと一緒に、いつもの様に中庭にやって来た。
「テオから聞いたわ。テオの手術代も伯爵家の借金も、全て第二王子が肩代わりしてくれたってね。でもね、やっぱり私、納得いかないのよ。ティアラは今まで、全くと言っていいほど第二王子と接点がなかったでしょう?それなのに、急に付き合うだなんて。もしかして、何か事情があるのではないかって思って」
さすがリリアナ、鋭いわ。でも、私たちの関係は話してはダメと言われているし。どうしよう…
「は~、ティアラが話したくないならまあいいわ。でも、もし困ったことがあったら、すぐに相談してよ。あなたは少し無理をするところがあるから、心配なのよ。さあ、お昼ご飯を食べましょう」
どうやら、これ以上は詮索してこない様だ。よかったわ。さすがリリアナね。早速2人でお弁当を広げ、いつもの様に食べた。ちょうど食べ終わった頃
「あなたがティアラ嬢ね」
やって来たのは、令嬢4人組だ。きっと私に文句を言いに来たのだろう。確か真ん中にいるのが、ミートン侯爵家の令嬢だわ。
「伯爵令嬢の分際で、一体どうやって殿下を口説いたのよ。殿下は私が狙っていたのよ。それなのに、この前まで貧乏だったくせに殿下に近づくなんて、図々しい。どうせ殿下に取り入って、お金を工面してもらったのでしょう?優しい殿下を利用するなんて、本当に許せないわ」
私に向かって真っ赤な顔をして怒鳴る令嬢。泣きついて頼んだわけではないが、大方合っているので文句は言えない。とにかく相手の怒りが収まるまでやり過ごそう。
「何とか言いなさいよ。この貧乏令嬢が!」
黙っていた事に腹を立てたのか、カバンを大きく振りかぶった。これは殴られるわね。でも5億ゼニーを出してくれたジャクソン様の為だ。大人しく殴られよう。そう思って目を閉じたのだが…
あれ?殴られない?ゆっくり目を開けると、そこにはミートン侯爵令嬢の腕を掴んでいるヴァン様。さらに近くにはジャクソン様の姿が。
「僕の可愛いティアラに暴力をふるうのは止めてくれるかい?」
にっこり笑ってそう言うと、私を守るように立ったジャクソン様。さらに
「この学院では、いかなる理由があろうとイジメは禁止されているはずだ。今の映像、ばっちり録画したから、今から学院長先生に提出してくる。もちろん、侯爵家にも報告させてもらうから」
はっきりとそう告げたのはヴァン様だ。
「お待ちください。どうかご慈悲を」
「何の罪もない令嬢に言いがかりをつけ、カバンで殴ろうとした人間が、何を言っているんだ。とにかく、この映像は今から提出してくる。それでは殿下、私は学院長室に行ってまいりますので」
「ああ、よろしく頼むよ。君たち、ここは貴族学院だ。身分で人をイジメてはいけないと、一番初めに習っただろう。とにかく今回の件は見逃せないから、そのつもりで。さあ、もう行きなさい」
ジャクソン様がそう言うと、泣きながら去っていった4人。まさか助けて下さるなんて、増々ジャクソン様を見直したわ。
「ティアラ、怪我はないかい?君が怪我をしたら大変だからね。さあ、教室まで送っていこう。君は確か、リリアナ嬢だったね。君にも怖い思いをさせて悪かったね。ティアラの事、これからもよろしく頼むよ」
なぜかリリアナにまで気遣いを見せるジャクソン様。本当にできた人間だわ。リリアナもジャクソン様の対応に、目を輝かせている。
その後はジャクソン様に教室まで送ってもらった。
「ちょっとティアラ。何なのあの王子様。やることなすことメチャクチャ格好いいじゃない。ティアラ、変な誤解をしてごめんなさい。あなたが殿下を好きになる理由が分かったわ。これからもきっと、令嬢たちから嫌がらせされるかもしれないけれど、きっと殿下が守ってくださるわ。あぁ、ついにティアラにも春が来たのね」
そう言って1人で物凄く盛り上がっていた。確かにさっきのジャクソン様、格好良かったな。これから半年間、なんだか楽しみになって来たわ。
“やあ、ティアラ。元気にしているかい?”
通信の相手はもちろん殿下だ。
「はい、お陰様で。テオも見違えるように元気になりましたし、本当にありがとうございます」
“それはよかった。それで明日なのだが、君と僕が恋人同士だという事を、皆に伝えたくてね。明日校門の前で待っているから、一緒に教室まで行ってくれるかい?”
「もちろんです。殿下にはこんなにも良くしてもらったのですから、必ず殿下の望み通りの働きをさせていただきますわ」
“ありがとう。それは助かるよ。それから、僕たちは恋人同士なんだ。殿下ではなく、名前で呼んでくれ。それじゃあ、また明日”
そう言うと、通信が切れた。名前でか…確かに恋人同士なのに、殿下は変よね。明日から、ジャクソン様とお呼びしないと。それにしても、学院内でも恋人として振舞うなんて、私、令嬢たちに殺されないかしら?
一抹の不安を抱きながら、眠りについた。
翌日
私の為に準備された馬車に乗り込み、学院へと向かう。そう言えば、こうやって伯爵家の馬車に乗り込んで学院に通うのは初めてね。なんだか不思議な感じがしながらも、嬉しくてつい笑みがこぼれる。
学院に着き、馬車から降りると、打ち合わせ通りジャクソン様が待っていた。
「おはようございます、ジャクソン様」
「おはよう、ティアラ。それじゃあ、行こうか」
近くで見ると物凄く格好いいジャクソン様に手を引かれ、教室を目指す。案の定、周りからは悲鳴が聞こえる。やっぱり私、刺されるかもしれないわね…そんな不安が頭をよぎったその時だった。
「ギャーギャーうるさいサルどもめ…」
えっ?今ジャクソン様、何か言った?びっくりしてジャクソン様の方を見たのだが、変わらない笑顔だ。きっと私の聞き間違いね。そうよ、ジャクソン様があんなに汚い口をきくわけがないわ。きっと気のせいだろう。
そんな事を考えている間に、教室に着いた。
「それじゃあ、ティアラ。また放課後迎えに来るからね」
そう言うと、笑顔で去っていったジャクソン様。その瞬間。
「ちょっと、ティアラ。どういう事?あなたいつから第二王子と付き合っていたの?」
やって来たのは、リリアナだ。他の令嬢たちも興味津々でこちらを見ている。
「実は少し前から付き合っていて…」
例えリリアナだとしても、私たちが契約で付き合っているなんて事が知られてはまずい。とにかく、バレない様に濁しておいた。
そんな中迎えたお昼休み。リリアナと一緒に、いつもの様に中庭にやって来た。
「テオから聞いたわ。テオの手術代も伯爵家の借金も、全て第二王子が肩代わりしてくれたってね。でもね、やっぱり私、納得いかないのよ。ティアラは今まで、全くと言っていいほど第二王子と接点がなかったでしょう?それなのに、急に付き合うだなんて。もしかして、何か事情があるのではないかって思って」
さすがリリアナ、鋭いわ。でも、私たちの関係は話してはダメと言われているし。どうしよう…
「は~、ティアラが話したくないならまあいいわ。でも、もし困ったことがあったら、すぐに相談してよ。あなたは少し無理をするところがあるから、心配なのよ。さあ、お昼ご飯を食べましょう」
どうやら、これ以上は詮索してこない様だ。よかったわ。さすがリリアナね。早速2人でお弁当を広げ、いつもの様に食べた。ちょうど食べ終わった頃
「あなたがティアラ嬢ね」
やって来たのは、令嬢4人組だ。きっと私に文句を言いに来たのだろう。確か真ん中にいるのが、ミートン侯爵家の令嬢だわ。
「伯爵令嬢の分際で、一体どうやって殿下を口説いたのよ。殿下は私が狙っていたのよ。それなのに、この前まで貧乏だったくせに殿下に近づくなんて、図々しい。どうせ殿下に取り入って、お金を工面してもらったのでしょう?優しい殿下を利用するなんて、本当に許せないわ」
私に向かって真っ赤な顔をして怒鳴る令嬢。泣きついて頼んだわけではないが、大方合っているので文句は言えない。とにかく相手の怒りが収まるまでやり過ごそう。
「何とか言いなさいよ。この貧乏令嬢が!」
黙っていた事に腹を立てたのか、カバンを大きく振りかぶった。これは殴られるわね。でも5億ゼニーを出してくれたジャクソン様の為だ。大人しく殴られよう。そう思って目を閉じたのだが…
あれ?殴られない?ゆっくり目を開けると、そこにはミートン侯爵令嬢の腕を掴んでいるヴァン様。さらに近くにはジャクソン様の姿が。
「僕の可愛いティアラに暴力をふるうのは止めてくれるかい?」
にっこり笑ってそう言うと、私を守るように立ったジャクソン様。さらに
「この学院では、いかなる理由があろうとイジメは禁止されているはずだ。今の映像、ばっちり録画したから、今から学院長先生に提出してくる。もちろん、侯爵家にも報告させてもらうから」
はっきりとそう告げたのはヴァン様だ。
「お待ちください。どうかご慈悲を」
「何の罪もない令嬢に言いがかりをつけ、カバンで殴ろうとした人間が、何を言っているんだ。とにかく、この映像は今から提出してくる。それでは殿下、私は学院長室に行ってまいりますので」
「ああ、よろしく頼むよ。君たち、ここは貴族学院だ。身分で人をイジメてはいけないと、一番初めに習っただろう。とにかく今回の件は見逃せないから、そのつもりで。さあ、もう行きなさい」
ジャクソン様がそう言うと、泣きながら去っていった4人。まさか助けて下さるなんて、増々ジャクソン様を見直したわ。
「ティアラ、怪我はないかい?君が怪我をしたら大変だからね。さあ、教室まで送っていこう。君は確か、リリアナ嬢だったね。君にも怖い思いをさせて悪かったね。ティアラの事、これからもよろしく頼むよ」
なぜかリリアナにまで気遣いを見せるジャクソン様。本当にできた人間だわ。リリアナもジャクソン様の対応に、目を輝かせている。
その後はジャクソン様に教室まで送ってもらった。
「ちょっとティアラ。何なのあの王子様。やることなすことメチャクチャ格好いいじゃない。ティアラ、変な誤解をしてごめんなさい。あなたが殿下を好きになる理由が分かったわ。これからもきっと、令嬢たちから嫌がらせされるかもしれないけれど、きっと殿下が守ってくださるわ。あぁ、ついにティアラにも春が来たのね」
そう言って1人で物凄く盛り上がっていた。確かにさっきのジャクソン様、格好良かったな。これから半年間、なんだか楽しみになって来たわ。
15
お気に入りに追加
985
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
【R18】出来損ないの魔女なので殿下の溺愛はお断りしたいのですが!? 気づいたら女子力高めな俺様王子の寵姫の座に収まっていました
深石千尋
恋愛
バーベナはエアネルス王国の三大公爵グロー家の娘にもかかわらず、生まれながらに魔女としての資質が低く、家族や使用人たちから『出来損ない』と呼ばれ虐げられる毎日を送っていた。
そんな中成人を迎えたある日、王族に匹敵するほどの魔力が覚醒してしまう。
今さらみんなから認められたいと思わないバーベナは、自由な外国暮らしを夢見て能力を隠すことを決意する。
ところが、ひょんなことから立太子を間近に控えたディアルムド王子にその力がバレて――
「手短に言いましょう。俺の妃になってください」
なんと求婚される事態に発展!! 断っても断ってもディアルムドのアタックは止まらない。
おまけに偉そうな王子様の、なぜか女子力高めなアプローチにバーベナのドキドキも止まらない!?
やむにやまれぬ事情から条件つきで求婚を受け入れるバーベナだが、結婚は形だけにとどまらず――!?
ただの契約妃のつもりでいた、自分に自信のないチートな女の子 × ハナから別れるつもりなんてない、女子力高めな俺様王子
────────────────────
○Rシーンには※マークあり
○他サイトでも公開中
────────────────────
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福
ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨ 読んで下さる皆様のおかげです🧡
〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。
完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話に加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は是非ご一読下さい🤗
ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン♥️
※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。
赤貧令嬢の借金返済契約
夏菜しの
恋愛
大病を患った父の治療費がかさみ膨れ上がる借金。
いよいよ返す見込みが無くなった頃。父より爵位と領地を返還すれば借金は国が肩代わりしてくれると聞かされる。
クリスタは病床の父に代わり爵位を返還する為に一人で王都へ向かった。
王宮の中で会ったのは見た目は良いけど傍若無人な大貴族シリル。
彼は令嬢の過激なアプローチに困っていると言い、クリスタに婚約者のフリをしてくれるように依頼してきた。
それを条件に父の医療費に加えて、借金を肩代わりしてくれると言われてクリスタはその契約を承諾する。
赤貧令嬢クリスタと大貴族シリルのお話です。
二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち
ぺきぺき
恋愛
Side A:エリーは、代々海馬を使役しブルテン国が誇る海軍を率いるアーチボルト侯爵家の末娘だった。兄たちが続々と海馬を使役する中、エリーが相棒にしたのは白い毛のジャーマン・スピッツ…つまりは犬だった。
Side B:エリーは貧乏なロンズデール伯爵家の長女として、弟妹達のために学園には通わずに働いて家を守っていた。17歳になったある日、ブルテン国で最も権力を持つオルグレン公爵家の令息が「妻になってほしい」とエリーを訪ねてきた。
ーーーー
章ごとにエリーAとエリーBの話が進みます。
ヒーローとの恋愛展開は最後の最後まで見当たらないですが、ヒーロー候補たちは途中でじゃんじゃん出すので誰になるのか楽しみにしてください。
スピンオフ作品として『理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました』があります。
全6章+エピローグ
完結まで執筆済み。
一日二話更新。第三章から一日四話更新。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる