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第14話:幸せすぎて怖いです
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沢山の人に祝福され、2人で頬を赤くする。
「そろそろホテルに戻ろうか」
「そうですわね」
まだ温かな拍手が送られる中、周りの人に挨拶をして2人で手を繋いで丘を下りる。行きも手を繋いできたのに、気持ちが通じ合ったと思うとなんだか恥ずかしいわね。アダム様も同じ事を思ったのか、無言で歩いている。丘を下り馬車に乗ってホテル近くまで向かう。
「フローラ、少し冷えて来たね。風邪を引くと大変だ、こっちにおいで」
アダム様に引き寄せられ、ギューッと抱きしめられた。アダム様の温もりが、ダイレクトに感じられる。とても幸せなはずなのに…
今回の馬車は相乗り。丘で私たちの様子を見ていた人たちもたくさん乗っており、周りから生暖かい視線が送られる。さすがに恥ずかしいわ…真っ赤な顔のまま馬車に揺られ、目的地へと到着した。
「2人共幸せにな!」
「おめでとう!」
改めて皆から祝福の言葉を頂いた。なんだか恥ずかしいわ。その後近くのお店で食事を済ませ、ホテルに戻って来た。部屋に入った瞬間、後ろからアダム様に抱きしめられる。
「フローラ、俺の気持ちに答えてくれてありがとう。まさかフローラが、俺の気持ちに答えてくれるなんて思わなかったよ。これからは、ずっと一緒にいられるね」
「はい、ずっと一緒です!」
アダム様の方を見て笑顔で答えた。これからはずっとアダム様と一緒にいられる。そう思ったら嬉しくてたまらない。私はこれからこの人と、新しい家庭を築いて行く。お兄様やお姉様が出来なかった事を!2人の分まで必ず幸せになって見せる!
そう心に誓った。その時だった。アダム様の顔がゆっくり近づいてきて、唇に柔らかくて温かいものが…
「フローラ、ごめん。気持ちが抑えられなくてつい…」
「大丈夫ですわ。私もアダム様に触れられるのは、嬉しいので…」
って、私は何を言っているのかしら!これじゃあまるで私から求めているみたいじゃない!恥ずかしくて、つい俯いてしまった。
「フローラ!ありがとう。春になったら、ささやかながら2人の結婚式を挙げよう。もちろん、街の人も呼んで!」
「まあ、結婚式ですか!素敵ですね。それなら早速ドレスを縫わないと!それからブーケも作らないといけませんわ!それから他には…」
「フローラは気が早いね。でもよく考えると、あまり時間がないな!急いで準備しないとね」
そう言って嬉しそうに笑ったアダム様。早速帰ったら、ドレスの生地を買いに行かないと!そうだわ、明日王都で生地を買って帰ろう。王都の方が種類もたくさんあるものね!
「アダム様、明日帰る前に少し王都で買い物をしてもよろしいですか?せっかくなら、ウエディングドレスの生地を買いたいので」
「ああ、構わないよ!必要なものを色々と買って行くといい!そう簡単に来られる場所ではないからね」
確かにそう簡単に来られないものね!よし、明日は色々と見て回ろう!その為には、今日は早く寝ないとね。
眠る支度をして、ベッドに入った。すると、なぜか私のベッドに入りこんで来るアダム様。
「フローラ、一緒に寝よう。結婚式を挙げるまでは手を出さないから、安心して!こうやってフローラを抱きしめて眠るのが夢だったんだ」
そう言って私をギューッと抱きしめてくれた。誰かに抱きしめられて眠るのは、いつぶりだろう。その温もりが気持ちよくて、あっという間に眠ってしまったのであった。
翌日
早速お店を回り、ドレスの生地やブーケに使うレースなどを購入した。さすが王都、私たちが住んでいる街とは比べ物にならない程、種類が豊富だ。他にも、街の人へのお土産も買った。
そして、沢山の荷物を持って馬車に乗り込んだ。もう王都ともさよならなのね。なんだか寂しいわ…
そんな私に気が付いたのか
「片道1日あれば来られるから、また来よう!」
そう言ってくれたアダム様。
「はい、また必ず来ましょうね!それから私を王都に連れて来て下さり、ありがとうございました。アダム様が連れて来てくれなければ、王都やこの国の素晴らしさを知る事は一生なかったと思います」
アダム様に出会わなければ、きっと一生来る事の無かった王都。今回来られて本当に良かった。
「フローラは大げさだね。でも、喜んでもらえて良かったよ」
嬉しそうに笑ったアダム様を見たら、私もなんだか嬉しくなった。ああ、なんて幸せなのかしら…
6歳で全てを奪われ、今まで必死に生きて来た。もちろんカミラさんが側にいてくれたので、そこまで寂しくはなかった。だけど心のどこかで、ずっと孤独を抱えて生きて来た。でも今は、大好きなアダム様と一緒だ。
正直幸せすぎて怖い…
6歳の誕生日の時の様に、急に誰かに幸せを奪われたりはしないかしら…
ついそんな事を考えてしまう。
「そんなに不安そうな顔をして、どうしたんだい?」
心配そうに顔を覗き込むアダム様。私ったら、ついネガティブな事を考えてしまったわ。大丈夫よ、散々辛い思いをして来たのですもの!きっとこれからは、幸せになれるはず!
「何でもありませんわ!それよりも、今日はどの街に泊まるのですか?」
「そうだね、行きとは別の街に泊まろうと思っているよ。その方が楽しいだろう?」
「まあ、別の街ですか!それは楽しみです!」
馬車に揺られながら、2人仲良く肩を寄せ合い、今日泊まる予定の街を相談するのであった。
~あとがき~
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
第1話を除いて、ほのぼのした話が続いて参りましたが、次話からシリアスな内容になって行く予定です。
引き続き、よろしくお願いいたしますm(__)m
「そろそろホテルに戻ろうか」
「そうですわね」
まだ温かな拍手が送られる中、周りの人に挨拶をして2人で手を繋いで丘を下りる。行きも手を繋いできたのに、気持ちが通じ合ったと思うとなんだか恥ずかしいわね。アダム様も同じ事を思ったのか、無言で歩いている。丘を下り馬車に乗ってホテル近くまで向かう。
「フローラ、少し冷えて来たね。風邪を引くと大変だ、こっちにおいで」
アダム様に引き寄せられ、ギューッと抱きしめられた。アダム様の温もりが、ダイレクトに感じられる。とても幸せなはずなのに…
今回の馬車は相乗り。丘で私たちの様子を見ていた人たちもたくさん乗っており、周りから生暖かい視線が送られる。さすがに恥ずかしいわ…真っ赤な顔のまま馬車に揺られ、目的地へと到着した。
「2人共幸せにな!」
「おめでとう!」
改めて皆から祝福の言葉を頂いた。なんだか恥ずかしいわ。その後近くのお店で食事を済ませ、ホテルに戻って来た。部屋に入った瞬間、後ろからアダム様に抱きしめられる。
「フローラ、俺の気持ちに答えてくれてありがとう。まさかフローラが、俺の気持ちに答えてくれるなんて思わなかったよ。これからは、ずっと一緒にいられるね」
「はい、ずっと一緒です!」
アダム様の方を見て笑顔で答えた。これからはずっとアダム様と一緒にいられる。そう思ったら嬉しくてたまらない。私はこれからこの人と、新しい家庭を築いて行く。お兄様やお姉様が出来なかった事を!2人の分まで必ず幸せになって見せる!
そう心に誓った。その時だった。アダム様の顔がゆっくり近づいてきて、唇に柔らかくて温かいものが…
「フローラ、ごめん。気持ちが抑えられなくてつい…」
「大丈夫ですわ。私もアダム様に触れられるのは、嬉しいので…」
って、私は何を言っているのかしら!これじゃあまるで私から求めているみたいじゃない!恥ずかしくて、つい俯いてしまった。
「フローラ!ありがとう。春になったら、ささやかながら2人の結婚式を挙げよう。もちろん、街の人も呼んで!」
「まあ、結婚式ですか!素敵ですね。それなら早速ドレスを縫わないと!それからブーケも作らないといけませんわ!それから他には…」
「フローラは気が早いね。でもよく考えると、あまり時間がないな!急いで準備しないとね」
そう言って嬉しそうに笑ったアダム様。早速帰ったら、ドレスの生地を買いに行かないと!そうだわ、明日王都で生地を買って帰ろう。王都の方が種類もたくさんあるものね!
「アダム様、明日帰る前に少し王都で買い物をしてもよろしいですか?せっかくなら、ウエディングドレスの生地を買いたいので」
「ああ、構わないよ!必要なものを色々と買って行くといい!そう簡単に来られる場所ではないからね」
確かにそう簡単に来られないものね!よし、明日は色々と見て回ろう!その為には、今日は早く寝ないとね。
眠る支度をして、ベッドに入った。すると、なぜか私のベッドに入りこんで来るアダム様。
「フローラ、一緒に寝よう。結婚式を挙げるまでは手を出さないから、安心して!こうやってフローラを抱きしめて眠るのが夢だったんだ」
そう言って私をギューッと抱きしめてくれた。誰かに抱きしめられて眠るのは、いつぶりだろう。その温もりが気持ちよくて、あっという間に眠ってしまったのであった。
翌日
早速お店を回り、ドレスの生地やブーケに使うレースなどを購入した。さすが王都、私たちが住んでいる街とは比べ物にならない程、種類が豊富だ。他にも、街の人へのお土産も買った。
そして、沢山の荷物を持って馬車に乗り込んだ。もう王都ともさよならなのね。なんだか寂しいわ…
そんな私に気が付いたのか
「片道1日あれば来られるから、また来よう!」
そう言ってくれたアダム様。
「はい、また必ず来ましょうね!それから私を王都に連れて来て下さり、ありがとうございました。アダム様が連れて来てくれなければ、王都やこの国の素晴らしさを知る事は一生なかったと思います」
アダム様に出会わなければ、きっと一生来る事の無かった王都。今回来られて本当に良かった。
「フローラは大げさだね。でも、喜んでもらえて良かったよ」
嬉しそうに笑ったアダム様を見たら、私もなんだか嬉しくなった。ああ、なんて幸せなのかしら…
6歳で全てを奪われ、今まで必死に生きて来た。もちろんカミラさんが側にいてくれたので、そこまで寂しくはなかった。だけど心のどこかで、ずっと孤独を抱えて生きて来た。でも今は、大好きなアダム様と一緒だ。
正直幸せすぎて怖い…
6歳の誕生日の時の様に、急に誰かに幸せを奪われたりはしないかしら…
ついそんな事を考えてしまう。
「そんなに不安そうな顔をして、どうしたんだい?」
心配そうに顔を覗き込むアダム様。私ったら、ついネガティブな事を考えてしまったわ。大丈夫よ、散々辛い思いをして来たのですもの!きっとこれからは、幸せになれるはず!
「何でもありませんわ!それよりも、今日はどの街に泊まるのですか?」
「そうだね、行きとは別の街に泊まろうと思っているよ。その方が楽しいだろう?」
「まあ、別の街ですか!それは楽しみです!」
馬車に揺られながら、2人仲良く肩を寄せ合い、今日泊まる予定の街を相談するのであった。
~あとがき~
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
第1話を除いて、ほのぼのした話が続いて参りましたが、次話からシリアスな内容になって行く予定です。
引き続き、よろしくお願いいたしますm(__)m
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