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第13話:クラウド様と初めてのデートをします【前編】
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グラディス先生の助手をする事になって、数日が経った。いよいよ今日は週末だ。そう、以前クラウド様と約束していた、街にお団子を食べに行く日だ。
有難い事に、グラディス先生に借りた通信機で、昨日もクラウド様と通信をした。貴族学院で話してもいいのだけれど、せっかく通信機があるのだ。通信機でもクラウド様とお話したいものね。
ファリアに準備を手伝ってもらい、着替えて行く。今日はクラウド様と初めてのデートだ。朝から湯あみを済ませ、バラの匂いがする香油をそれとなく付けた。このほのかに香る感じが良いのよね。
そして、クラウド様の瞳の色と同じ、赤いワンピースを着た。少し派手かとも思ったが
「お嬢様によくお似合いですよ!」
そうファリアに褒められたので、そのまま赤いワンピースを着て行くことにした。日焼けしない様に帽子もしっかり準備したし、歩きやすいローヒールの靴も履いた。
最後に姿鏡で全身をチェックする。よし、おかしなところはないわね!
コンコン
「お嬢様、クラウド殿下がお見えになりましたよ」
おっと、もうそんな時間なのね。急いで玄関へと向かう。玄関に向かうと、クラウド様を見つけた。どうやら、お父様やお兄様と話をしている様だ!黒のズボンに白のシャツを着ているクラウド様。私服姿も素敵だわ!って、見とれている場合じゃない。
「お待たせしてごめんなさい!さあ、参りましょうか?」
クラウド様の側に行き、すかさず手を取った。
「クラウド殿下、どうか娘をよろしくお願いします」
「こちらこそ、ミレニア嬢をお借りいたします」
お父様とクラウド様が、互いに頭を下げている。なんだか不思議な光景ね。家族に見送られながら、2人で馬車に乗り込んだ。さすが王家の馬車だ。物凄く立派ね。ちなみに今回のデートは、お忍びとは言え第二王子と公爵令嬢が街に出るとあって、護衛騎士が4人も付いて来ている。
せっかく2人きりでデートできると思ったのに!これだから公爵令嬢って嫌なのよね。
「ミレニア嬢、そんな難しい顔をしてどうしたんだい?」
不安そうに話しかけてきたのは、クラウド様だ。しまった、どうやら顔に出ていたみたいね。
「何でもありませんわ。ただ…せっかくのデートなのに、護衛騎士が4人も付いて来るのが少し不満なのです。2人きりで街を回りたかったなって思って」
正直に自分の気持ちを伝えた。すると、クラウド様はなぜか顔を赤くして口を押えた。
「そうか…やっぱりデートだったんだな…デートか…」
さらに、小声でブツブツ呟いている。
「どうかされましたか?」
私の言葉で我に返ったクラウド様。
「いいや、何でもない!護衛騎士は遠くから見守っているだけだから、2人きりで出掛ける事には変わりないよ。今日は、デ…デート…を、た…楽しもうね」
なぜか最後の方がしどろもどろになっている。一体どうしたのかしら?
しばらく馬車を走らせると、街が見えて来た。相変わらず賑わっているわね。クラウド様のエスコートで馬車を降りた。そうだ、帽子を被らないと。急いで帽子を被ると、クラウド様も同じように帽子を被っていた。
「それじゃあ行こうか」
クラウド様に手を引かれ、街を見て回る。そうだわ、せっかくだから、買い物もしましょう。
「クラウド様、まずはショッピングを楽しみましょう!」
クラウド様を連れて、近くの洋服店に入った。どうやら貴族御用達の洋服店で、多くの貴族が服を買いに来ている。
私たちも洋服を選ぶ。もちろん、クラウド様の洋服をだ!
「このズボン、クラウド様によく似合いそうですわね。こっちのシャツも素敵だわ!」
次々と手に取り、クラウド様に合わせていく。
「ミレニア嬢、僕のじゃなくて君の服を見たらどうだい?」
私がクラウド様の服を選んでいると気付くと、急に慌てだしたクラウド様。
「お気持ちは有り難いのですが、私は先日服を新調したばかりですの。だから、今日はクラウド様の服を私に選ばせていただけませんか?私、服を選ぶのが大好きですの」
「そうか、それならお願いするよ!」
クラウド様から許可が下りたところで、再び服選び開始だ。
「お客様、どのような洋服をお探しですか?」
若い定員が声を掛けて来た。
「彼の服を探しているの!あなたはこっちとこっち、どっちがいいと思う?」
店員に話しかけた瞬間、なぜか真っ青な顔をして
「少々お待ちください!」
そう言うと、猛スピードで奥に入って行った。クラウド様と顔を見合わせつつ、再び服選びを開始したその時だった。
「まあ、ミレニア様!いらしていたのなら、お声を掛けて下さればよかったのに!こちらの方は、クラウド殿下ですね。さあ、こちらへ!」
どうやらさっきの店員は、私が公爵令嬢と気づき、オーナーに言いに行ったようだ!そう言えば、我が家はこのお店のお得意さんだったわね。いつもはオーナーが家に来てくれているから、気が付かなかったわ。
「オーナー、申し訳ないのですが、今日は一般客として買い物がしたいと思っていますの。それで、こっちとこっち、どちらがクラウド様に似合うと思いますか?」
私の言葉に一瞬目を大きく見開いたオーナーだったが、すぐにいつもの営業スマイルに戻った。
「そうですね、クラウド殿下はスタイルがよろしいので、こちらの方がお似合いかと」
さすがオーナー、的確にアドバイスをくれる。その後もオーナーにアドバイスを貰い、結局5着の服を購入した。
ただ支払い時に、どちらがお金を払うかで揉めた。
「初デートの記念に、私にプレゼントさせてほしい!」
そう言い切った私に譲渡してくれたクラウド様のおかげで、支払いは私がした。
でも
「オーナー、次は僕が彼女にプレゼントしたいから、彼女に似合う服を選んでくれるかい?」
とう言ってオーナーに詰め寄り、結局私も5着の洋服をクラウド様からプレゼントされた。
最初は苦笑いしていたオーナーだったが、最後は笑顔で見送ってくれた。
結局ショッピングで随分と時間を使ってしまったわ。
「クラウド様、そろそろお昼ですね。お昼ご飯にしましょう。色々と調べたのですが、どうやら創作料理を出してくれるお店があるそうなのです。そこに行って見ませんか?」
メイドたちにマッサージを行うついでに、情報を仕入れたのだ。多くのメイドが、“あのお店の創作料理は美味しい”と言っていたので、多分間違いないだろう。
「創作料理か、それは楽しみだね。早速行こう!」
再びクラウド様の手を握り、お店へと向かった。お昼時という事もあり、お客さんで随分と賑わっていた。
メイドたちに聞いたおすすめの料理をいくつか頼み、2人でシェアして食べる。
「ミレニア嬢、このじゃがいもを潰してあげた料理、とても美味しいね。こっちの餡かけと呼ばれるタレに浸してある魚も物凄く美味しいよ!」
「確かに美味しいですわね!こんなお料理、初めて食べましたわ!」
前世では似たような見た目の料理があったが、味付けが全く違う!もちろん、今世では見た事も無い食べ物だ。なんだか異国に来た様だわ!それに、物凄く美味しい。さすが情報通のメイドたちおすすめの店ね。
お腹もいっぱいになったところで、さあお団子!という訳にもいかない。クラウド様と一緒に、街を見て回る事にした。
「ミレニア嬢、ここは人が多いから、普通に手を繋ぐだけでは、はぐれてしまうかもしれない」
そう言うと、クラウド様が指と指を絡ませる、いわゆる“恋人繋ぎ”で手を繋ぎ始めたのだ。
まさかクラウド様から恋人繋ぎをしてくれるだなんて!嬉しくてニヤニヤが止まらない。ある程度ウィンドウショッピングを楽しんだ後は、いよいよお団子屋さんに向かう事にした。
有難い事に、グラディス先生に借りた通信機で、昨日もクラウド様と通信をした。貴族学院で話してもいいのだけれど、せっかく通信機があるのだ。通信機でもクラウド様とお話したいものね。
ファリアに準備を手伝ってもらい、着替えて行く。今日はクラウド様と初めてのデートだ。朝から湯あみを済ませ、バラの匂いがする香油をそれとなく付けた。このほのかに香る感じが良いのよね。
そして、クラウド様の瞳の色と同じ、赤いワンピースを着た。少し派手かとも思ったが
「お嬢様によくお似合いですよ!」
そうファリアに褒められたので、そのまま赤いワンピースを着て行くことにした。日焼けしない様に帽子もしっかり準備したし、歩きやすいローヒールの靴も履いた。
最後に姿鏡で全身をチェックする。よし、おかしなところはないわね!
コンコン
「お嬢様、クラウド殿下がお見えになりましたよ」
おっと、もうそんな時間なのね。急いで玄関へと向かう。玄関に向かうと、クラウド様を見つけた。どうやら、お父様やお兄様と話をしている様だ!黒のズボンに白のシャツを着ているクラウド様。私服姿も素敵だわ!って、見とれている場合じゃない。
「お待たせしてごめんなさい!さあ、参りましょうか?」
クラウド様の側に行き、すかさず手を取った。
「クラウド殿下、どうか娘をよろしくお願いします」
「こちらこそ、ミレニア嬢をお借りいたします」
お父様とクラウド様が、互いに頭を下げている。なんだか不思議な光景ね。家族に見送られながら、2人で馬車に乗り込んだ。さすが王家の馬車だ。物凄く立派ね。ちなみに今回のデートは、お忍びとは言え第二王子と公爵令嬢が街に出るとあって、護衛騎士が4人も付いて来ている。
せっかく2人きりでデートできると思ったのに!これだから公爵令嬢って嫌なのよね。
「ミレニア嬢、そんな難しい顔をしてどうしたんだい?」
不安そうに話しかけてきたのは、クラウド様だ。しまった、どうやら顔に出ていたみたいね。
「何でもありませんわ。ただ…せっかくのデートなのに、護衛騎士が4人も付いて来るのが少し不満なのです。2人きりで街を回りたかったなって思って」
正直に自分の気持ちを伝えた。すると、クラウド様はなぜか顔を赤くして口を押えた。
「そうか…やっぱりデートだったんだな…デートか…」
さらに、小声でブツブツ呟いている。
「どうかされましたか?」
私の言葉で我に返ったクラウド様。
「いいや、何でもない!護衛騎士は遠くから見守っているだけだから、2人きりで出掛ける事には変わりないよ。今日は、デ…デート…を、た…楽しもうね」
なぜか最後の方がしどろもどろになっている。一体どうしたのかしら?
しばらく馬車を走らせると、街が見えて来た。相変わらず賑わっているわね。クラウド様のエスコートで馬車を降りた。そうだ、帽子を被らないと。急いで帽子を被ると、クラウド様も同じように帽子を被っていた。
「それじゃあ行こうか」
クラウド様に手を引かれ、街を見て回る。そうだわ、せっかくだから、買い物もしましょう。
「クラウド様、まずはショッピングを楽しみましょう!」
クラウド様を連れて、近くの洋服店に入った。どうやら貴族御用達の洋服店で、多くの貴族が服を買いに来ている。
私たちも洋服を選ぶ。もちろん、クラウド様の洋服をだ!
「このズボン、クラウド様によく似合いそうですわね。こっちのシャツも素敵だわ!」
次々と手に取り、クラウド様に合わせていく。
「ミレニア嬢、僕のじゃなくて君の服を見たらどうだい?」
私がクラウド様の服を選んでいると気付くと、急に慌てだしたクラウド様。
「お気持ちは有り難いのですが、私は先日服を新調したばかりですの。だから、今日はクラウド様の服を私に選ばせていただけませんか?私、服を選ぶのが大好きですの」
「そうか、それならお願いするよ!」
クラウド様から許可が下りたところで、再び服選び開始だ。
「お客様、どのような洋服をお探しですか?」
若い定員が声を掛けて来た。
「彼の服を探しているの!あなたはこっちとこっち、どっちがいいと思う?」
店員に話しかけた瞬間、なぜか真っ青な顔をして
「少々お待ちください!」
そう言うと、猛スピードで奥に入って行った。クラウド様と顔を見合わせつつ、再び服選びを開始したその時だった。
「まあ、ミレニア様!いらしていたのなら、お声を掛けて下さればよかったのに!こちらの方は、クラウド殿下ですね。さあ、こちらへ!」
どうやらさっきの店員は、私が公爵令嬢と気づき、オーナーに言いに行ったようだ!そう言えば、我が家はこのお店のお得意さんだったわね。いつもはオーナーが家に来てくれているから、気が付かなかったわ。
「オーナー、申し訳ないのですが、今日は一般客として買い物がしたいと思っていますの。それで、こっちとこっち、どちらがクラウド様に似合うと思いますか?」
私の言葉に一瞬目を大きく見開いたオーナーだったが、すぐにいつもの営業スマイルに戻った。
「そうですね、クラウド殿下はスタイルがよろしいので、こちらの方がお似合いかと」
さすがオーナー、的確にアドバイスをくれる。その後もオーナーにアドバイスを貰い、結局5着の服を購入した。
ただ支払い時に、どちらがお金を払うかで揉めた。
「初デートの記念に、私にプレゼントさせてほしい!」
そう言い切った私に譲渡してくれたクラウド様のおかげで、支払いは私がした。
でも
「オーナー、次は僕が彼女にプレゼントしたいから、彼女に似合う服を選んでくれるかい?」
とう言ってオーナーに詰め寄り、結局私も5着の洋服をクラウド様からプレゼントされた。
最初は苦笑いしていたオーナーだったが、最後は笑顔で見送ってくれた。
結局ショッピングで随分と時間を使ってしまったわ。
「クラウド様、そろそろお昼ですね。お昼ご飯にしましょう。色々と調べたのですが、どうやら創作料理を出してくれるお店があるそうなのです。そこに行って見ませんか?」
メイドたちにマッサージを行うついでに、情報を仕入れたのだ。多くのメイドが、“あのお店の創作料理は美味しい”と言っていたので、多分間違いないだろう。
「創作料理か、それは楽しみだね。早速行こう!」
再びクラウド様の手を握り、お店へと向かった。お昼時という事もあり、お客さんで随分と賑わっていた。
メイドたちに聞いたおすすめの料理をいくつか頼み、2人でシェアして食べる。
「ミレニア嬢、このじゃがいもを潰してあげた料理、とても美味しいね。こっちの餡かけと呼ばれるタレに浸してある魚も物凄く美味しいよ!」
「確かに美味しいですわね!こんなお料理、初めて食べましたわ!」
前世では似たような見た目の料理があったが、味付けが全く違う!もちろん、今世では見た事も無い食べ物だ。なんだか異国に来た様だわ!それに、物凄く美味しい。さすが情報通のメイドたちおすすめの店ね。
お腹もいっぱいになったところで、さあお団子!という訳にもいかない。クラウド様と一緒に、街を見て回る事にした。
「ミレニア嬢、ここは人が多いから、普通に手を繋ぐだけでは、はぐれてしまうかもしれない」
そう言うと、クラウド様が指と指を絡ませる、いわゆる“恋人繋ぎ”で手を繋ぎ始めたのだ。
まさかクラウド様から恋人繋ぎをしてくれるだなんて!嬉しくてニヤニヤが止まらない。ある程度ウィンドウショッピングを楽しんだ後は、いよいよお団子屋さんに向かう事にした。
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