10 / 51
第10話:オニキスが好きすぎて…~ブライン視点~
しおりを挟む
無事オニキスと婚約できた僕。婚約が決まり、正式にお披露目をしてからは、毎日オニキスが王宮へと王妃教育を受けにやって来るのだ。
オニキスは非常に優秀で、教えられた事をどんどんマスターしていく。さらに誰にでも優しく、気遣いが出来るオニキスは、王宮内でも人気急上昇だ。
特に母上がオニキスを相当気に入り、事あるごとにお茶に誘っている。オニキスも嬉しそうにお茶を楽しんでいる。母上め、オニキスは僕の婚約者なのに!
もちろん、僕も毎日オニキスとお茶を楽しんでいる。ただ…僕はオニキスの美しい顔を見ると、どうしても興奮して鼻血が出てしまうのだ。その為、極力顔を見ない様にして、会話も最低限になってしまうのだ。
それでも僕に話しかけてきてくれるオニキスを、どんどん僕は好きになっていった。1分1秒でもオニキスの様子が知りたくて、公爵家のオニキスの部屋に盗撮機を付けようとしたが、公爵に見つかってしまった。
公爵からは
「殿下、何を考えているのですか?娘の部屋に盗撮機を付けるだなんて!」
と、猛抗議を受けたが
「オニキスは僕の婚約者だ。僕はオニキスが普段どうしているか心配でたまらないんだ。これじゃあ、公務も手に付かない。だから頼む、オニキスの様子を監視できるようにして欲しい」
そう公爵に泣きつき、実際に1週間公務も放棄した。するとさすがの公爵も折れてくれ
「分かりました…ただし、着替えなどは見られない様、調節させていただきます」
そう言われた。その為、オニキスの着替えシーンなどは、通信が途絶えるのだ。それでも毎日オニキスの様子をチェックする。
さらに絵師を呼び、オニキスの絵をこれでもかというくらい書かせた。そしてその絵を、部屋中にはった。
オニキスが使ったストローやスプーンなどは、僕の大切なコレクションとして取ってある。もちろん、オニキスが僕の為にくれたプレゼントは、金庫に入れて厳重に保管している。
またある時は、公爵夫人経由でメイドに頼んで、オニキスの使いたてのほやほやのシーツを取り寄せてもらった。早速においをかぐ。あぁ…オニキスの匂い…あれ?なんだかオヤジ臭くないか?そう思っていると…
「殿下、またその様な物を公爵家から取り寄せて!いい加減にしてください!」
すかさずヴァンが僕に文句を言いに来た。もちろん、止める気はない。無視して匂いを楽しんでいると…
「殿下、申し訳ございません。そちらは公爵様のシーツでした。こちらがオニキス様のものです!」
メイドが血相を変えてやって来たのだ。なんだと?このシーツは公爵のものだと!だからオヤジ臭かったのか。おえぇぇ、なんだか気持ち悪くなってきた。
「おい、僕にオヤジのシーツの臭いなんてかがせないでくれ!早くオニキスのシーツを」
メイドからオニキスのシーツを奪い取り、早速においを堪能する。あぁ…甘くていい匂いだ…あぁ、僕のオニキス…
「殿下…非常に気持ち悪いので、お止めください…それよりも、今日の資料はどうされたのですか?」
あきれ顔のヴァンが、僕に話しかけてきた。
「それならもうとっくに終わったよ。ほら、そこに積んであるだろう?僕は今、オニキスの匂いを堪能しているんだ。邪魔しないでくれ」
オニキスのシーツを片手に、書類の山を指でさして教えてやった。
「あの書類を片付けたのですか?本当だ…終わっている。殿下、あなた、本当に人間ですか?」
目を大きく見開いて驚いているヴァン。僕はこれでも王太子だ。それくらいの資料、どうってことない。特にオニキスと婚約をしてからは、少しでもオニキスに尊敬してもらいたくて、必死に勉学も武術も励んでいるのだ。それもこれも、オニキスと幸せになる為…
「殿下、また変な妄想をしましたね。鼻血が出ておりますよ!本当にどうしようもない人ですね」
はぁ~と、ため息を付くヴァン。この男に何を言われようと、もう特に気にしない。
そんな日々を送っているうちに、僕たちは貴族学院に入学した。貴族学院は令息どもの宝庫だ。万が一オニキスを狙う奴がいると大変だ。どさくさに紛れて、オニキスの制服に居場所が特定できる機械と盗聴器、さらにメイドに映像録画機を渡した。
再び公爵から抗議が来たが、また公務をやらないと駄々をこね、難を逃れた。なんだかんだ言って、公爵は僕に甘いのだ。
今日もオニキスが使ったストローやスプーンのコレクションを眺めて過ごす。夜になると、オニキスをモデルに作らせたぬいぐるみを抱いて寝る。ちなみにぬいぐるみが着ている服は、昔オニキスが着ていたドレスをリメイクしたものだ。
そして毎日の日課になっている映像をモニターで確認する。どうやらオニキスももう寝る様だ。オニキスの寝間着姿、可愛いな…
今度はあの寝間着を取り寄せよう。きっといい匂いがするんだろうな…
「殿下…鼻血が出ております…その気持ち悪い笑い、どうにかなりませんか?」
せっかく僕が幸せに浸っている時に、ヴァンが邪魔をする。本当にこの男は…
ヴァンなんか無視して、再び映像を見ると、可愛い顔で眠っているオニキスの姿が。
「オニキス、お休み」
映像に移るオニキスに口づけをして、僕も眠る。あぁ、幸せだ…たとえヴァンやメイド、両親から引かれても、この生活は止められない。
でも…僕がこんな人間だとオニキスにバレたら、きっと引かれて僕から離れていくかもしれない。何が何でも、バレない様にしないと!
オニキスは非常に優秀で、教えられた事をどんどんマスターしていく。さらに誰にでも優しく、気遣いが出来るオニキスは、王宮内でも人気急上昇だ。
特に母上がオニキスを相当気に入り、事あるごとにお茶に誘っている。オニキスも嬉しそうにお茶を楽しんでいる。母上め、オニキスは僕の婚約者なのに!
もちろん、僕も毎日オニキスとお茶を楽しんでいる。ただ…僕はオニキスの美しい顔を見ると、どうしても興奮して鼻血が出てしまうのだ。その為、極力顔を見ない様にして、会話も最低限になってしまうのだ。
それでも僕に話しかけてきてくれるオニキスを、どんどん僕は好きになっていった。1分1秒でもオニキスの様子が知りたくて、公爵家のオニキスの部屋に盗撮機を付けようとしたが、公爵に見つかってしまった。
公爵からは
「殿下、何を考えているのですか?娘の部屋に盗撮機を付けるだなんて!」
と、猛抗議を受けたが
「オニキスは僕の婚約者だ。僕はオニキスが普段どうしているか心配でたまらないんだ。これじゃあ、公務も手に付かない。だから頼む、オニキスの様子を監視できるようにして欲しい」
そう公爵に泣きつき、実際に1週間公務も放棄した。するとさすがの公爵も折れてくれ
「分かりました…ただし、着替えなどは見られない様、調節させていただきます」
そう言われた。その為、オニキスの着替えシーンなどは、通信が途絶えるのだ。それでも毎日オニキスの様子をチェックする。
さらに絵師を呼び、オニキスの絵をこれでもかというくらい書かせた。そしてその絵を、部屋中にはった。
オニキスが使ったストローやスプーンなどは、僕の大切なコレクションとして取ってある。もちろん、オニキスが僕の為にくれたプレゼントは、金庫に入れて厳重に保管している。
またある時は、公爵夫人経由でメイドに頼んで、オニキスの使いたてのほやほやのシーツを取り寄せてもらった。早速においをかぐ。あぁ…オニキスの匂い…あれ?なんだかオヤジ臭くないか?そう思っていると…
「殿下、またその様な物を公爵家から取り寄せて!いい加減にしてください!」
すかさずヴァンが僕に文句を言いに来た。もちろん、止める気はない。無視して匂いを楽しんでいると…
「殿下、申し訳ございません。そちらは公爵様のシーツでした。こちらがオニキス様のものです!」
メイドが血相を変えてやって来たのだ。なんだと?このシーツは公爵のものだと!だからオヤジ臭かったのか。おえぇぇ、なんだか気持ち悪くなってきた。
「おい、僕にオヤジのシーツの臭いなんてかがせないでくれ!早くオニキスのシーツを」
メイドからオニキスのシーツを奪い取り、早速においを堪能する。あぁ…甘くていい匂いだ…あぁ、僕のオニキス…
「殿下…非常に気持ち悪いので、お止めください…それよりも、今日の資料はどうされたのですか?」
あきれ顔のヴァンが、僕に話しかけてきた。
「それならもうとっくに終わったよ。ほら、そこに積んであるだろう?僕は今、オニキスの匂いを堪能しているんだ。邪魔しないでくれ」
オニキスのシーツを片手に、書類の山を指でさして教えてやった。
「あの書類を片付けたのですか?本当だ…終わっている。殿下、あなた、本当に人間ですか?」
目を大きく見開いて驚いているヴァン。僕はこれでも王太子だ。それくらいの資料、どうってことない。特にオニキスと婚約をしてからは、少しでもオニキスに尊敬してもらいたくて、必死に勉学も武術も励んでいるのだ。それもこれも、オニキスと幸せになる為…
「殿下、また変な妄想をしましたね。鼻血が出ておりますよ!本当にどうしようもない人ですね」
はぁ~と、ため息を付くヴァン。この男に何を言われようと、もう特に気にしない。
そんな日々を送っているうちに、僕たちは貴族学院に入学した。貴族学院は令息どもの宝庫だ。万が一オニキスを狙う奴がいると大変だ。どさくさに紛れて、オニキスの制服に居場所が特定できる機械と盗聴器、さらにメイドに映像録画機を渡した。
再び公爵から抗議が来たが、また公務をやらないと駄々をこね、難を逃れた。なんだかんだ言って、公爵は僕に甘いのだ。
今日もオニキスが使ったストローやスプーンのコレクションを眺めて過ごす。夜になると、オニキスをモデルに作らせたぬいぐるみを抱いて寝る。ちなみにぬいぐるみが着ている服は、昔オニキスが着ていたドレスをリメイクしたものだ。
そして毎日の日課になっている映像をモニターで確認する。どうやらオニキスももう寝る様だ。オニキスの寝間着姿、可愛いな…
今度はあの寝間着を取り寄せよう。きっといい匂いがするんだろうな…
「殿下…鼻血が出ております…その気持ち悪い笑い、どうにかなりませんか?」
せっかく僕が幸せに浸っている時に、ヴァンが邪魔をする。本当にこの男は…
ヴァンなんか無視して、再び映像を見ると、可愛い顔で眠っているオニキスの姿が。
「オニキス、お休み」
映像に移るオニキスに口づけをして、僕も眠る。あぁ、幸せだ…たとえヴァンやメイド、両親から引かれても、この生活は止められない。
でも…僕がこんな人間だとオニキスにバレたら、きっと引かれて僕から離れていくかもしれない。何が何でも、バレない様にしないと!
2
お気に入りに追加
2,142
あなたにおすすめの小説
麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
婚姻初日、「好きになることはない」と宣言された公爵家の姫は、英雄騎士の夫を翻弄する~夫は家庭内で私を見つめていますが~
扇 レンナ
恋愛
公爵令嬢のローゼリーンは1年前の戦にて、英雄となった騎士バーグフリートの元に嫁ぐこととなる。それは、彼が褒賞としてローゼリーンを望んだからだ。
公爵令嬢である以上に国王の姪っ子という立場を持つローゼリーンは、母譲りの美貌から『宝石姫』と呼ばれている。
はっきりと言って、全く釣り合わない結婚だ。それでも、王家の血を引く者として、ローゼリーンはバーグフリートの元に嫁ぐことに。
しかし、婚姻初日。晩餐の際に彼が告げたのは、予想もしていない言葉だった。
拗らせストーカータイプの英雄騎士(26)×『宝石姫』と名高い公爵令嬢(21)のすれ違いラブコメ。
▼掲載先→アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ
【完結】私たち白い結婚だったので、離婚してください
楠結衣
恋愛
田舎の薬屋に生まれたエリサは、薬草が大好き。薬草を摘みに出掛けると、怪我をした一匹の子犬を助ける。子犬だと思っていたら、領主の息子の狼獣人ヒューゴだった。
ヒューゴとエリサは、一緒に薬草採取に出掛ける日々を送る。そんなある日、魔王復活の知らせが世界を駆け抜け、神託によりヒューゴが勇者に選ばれることに。
ヒューゴが出立の日、エリサは自身の恋心に気づいてヒューゴに告白したところ二人は即結婚することに……!
「エリサを泣かせるなんて、絶対許さない」
「エリサ、愛してる!」
ちょっぴり鈍感で薬草を愛するヒロインが、一途で愛が重たい変態風味な勇者に溺愛されるお話です。
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
ヒロイン転生〜ざまあお断り!私はモブとして幸せになりたいのです〜
みおな
恋愛
乙女ゲーム『薔薇の乙女は月に恋われる』
薔薇の乙女と呼ばれるヒロインが、家族に虐げられながらも健気に頑張って生きていく中、攻略対象達と出会い、恋を深めていく話である。
私はこのゲームのヒロインが嫌いだ。家族に虐げられる?父親は放蕩していたが、母親はヒロインを育てるために父親の暴力にも耐えていたのに?
攻略対象と恋を深める?いやいや、婚約者のいる相手と何してるの?単なるビッチでしょ?それ。
なのに、事故で転生したと思ったら、ヒロイン転生?冗談じゃない!
こう言う場合、悪役令嬢に転生して、ヒロインにざまあするんじゃないの?なんで、事もあろうに嫌いなヒロインなのよ!
こうなったら、攻略対象や家族なんてどうでもいい!モブ扱いでお願いします。
魔法の解けた姫様
しーしび
恋愛
──ああ、魔法が解けてしまった
成り行きで勇者達と旅をしていた、一国の姫であるステファニア。
旅の途中に生まれ故郷に訪れた事をきっかけに、“彼”のいる勇者一行と別れ、自国に留まる事を選んだ。
ステファニアと別れた後、魔王討伐を目的とした勇者達の旅は、人間や他の種族の欲や陰謀が渦巻いていており、次第に世界を巻き込む大戦争へと発展していった。
それはステファニアの国も例外ではなく、国内外の争いと向き合いながらステファニアも勇者軍として助力し、──1年後、魔王討伐と1つの帝国の滅亡により戦いは幕を閉じることとなる。
そうして、世界は平和への一歩を踏み出し始めた。
しかし、戦が残した傷はあまりにも深く、国の為にステファニアは“彼”ではない他の人との結婚を決意する。
男勝りな姫様が恋を知り立場に翻弄されながら自分の道を探る物語。
*****
※ゆるふあ設定の為、あまり深く突っ込まないでいただきたいです。
※誤字脱字を何故か見つけられない病なので、ご容赦ください。努力はします。
※日本語の勘違いもよくあります。方言もよく分かっていない田舎っぺです。
虜囚の王女は言葉が通じぬ元敵国の騎士団長に嫁ぐ
あねもね
恋愛
グランテーレ国の第一王女、クリスタルは公に姿を見せないことで様々な噂が飛び交っていた。
その王女が和平のため、元敵国の騎士団長レイヴァンの元へ嫁ぐことになる。
敗戦国の宿命か、葬列かと見紛うくらいの重々しさの中、民に見守られながら到着した先は、言葉が通じない国だった。
言葉と文化、思いの違いで互いに戸惑いながらも交流を深めていく。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる