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第15話:アレックスとかわした約束~ディアン視点~
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僕には物心ついた時から、大好きな幼馴染がいた。その子は伯爵令嬢の、ユーリだ。エメラルドグリーンの髪に青い瞳をしたユーリ。いつも僕の事を気遣ってくれる優しい子だ。
体が弱くすぐに熱を出す僕を心配して、いつもお見舞いに来てくれていた。
「ディアン、大丈夫?苦しそうね。私が看病をしてあげる」
そう言って甲斐甲斐しく僕の世話を焼いてくれるユーリ。彼女が世話を焼いてくれると、なぜか熱もすぐに下がるのだ。いつも明るくて元気で、そんなユーリの傍にいるだけで、僕は幸せだった。
でもユーリの傍には、僕以外にも幼馴染のアレックスがいた。彼もユーリに好意がある様で、事あるごとに僕と張り合おうとしてくる。ユーリをアレックスに取られたくはない、だからこそ、必死にユーリに振り向いてもらえる様に頑張って来た。
ただ…
「ディアン、あなたの体なのだけれど、お医者様とも相談した結果、空気の綺麗な領地で一度治療を受けた方がいいとの事なの。だから、領地でしばらく暮らしましょう」
両親がそんな事を言いだしたのだ。確かに僕は体が弱い。空気の綺麗な領地の方が、僕の体にはいいだろう。でも僕は、ユーリと離れたくない。それに僕が領地に行っている間に、アレックスにユーリを取られてしまうかもしれない。
そう思ったら、どうしても僕は、領地に行くという決断が出来なかった。そんな中、事件は起きたのだ。
「ディアン、実は私、アレックスの事が好きなの。アレックスは私の事、どう思っているのかしら?」
頬を赤くして、僕に話しをして来たユーリ。その瞬間、鈍器で殴られたような衝撃を受けた。そうか、ユーリはアレックスが好きなのか…僕がいくらユーリを思っても、意味がないのだね。
今までユーリに振り向いて欲しくて、色々と頑張って来た。でもユーリが選んだのは、アレックス。その現実に僕は、打ちひしがれた。
僕はユーリが好きなんだよ、だからどうか、アレックスではなく、僕を見て欲しい。そう伝えたいが、そんな事をすればユーリが困るだろう。でも僕は、ユーリが大好きなんだ。
その日僕は、ショックでどうやって屋敷に帰って来たのか覚えていない。
アレックスは、ユーリの事をどう思っているのだろう。僕の見た限りでは、アレックスもユーリの事が好きなのだと思う。でも、まだ本人に直接聞いたわけではないし…
僕は翌日、アレックスに会いに行った。
「ディアン、君が来るなんて珍しいね。どうしたのだい?」
「アレックス、その…君に聞きたい事があって…」
「改まってどうしたんだい?聞きたい事とは?」
不思議そうな顔で問いかけてくるアレックス。僕はゆっくり深呼吸をした。そして
「僕はユーリの事が大好きだ。出来ればユーリと結婚したいと思っていた。ねえ、アレックス、君はどう思っているのだい?」
意を決して、アレックスにユーリの事を聞いた。
「君がユーリの事を好きな事は知っていたよ。僕にとっても、ユーリは大切な子だからね。僕もユーリが好きだ。ディアンには渡したくない」
僕の目を見て、はっきりそう告げたのだ。そうか、やっぱりアレックスも、ユーリが好きだったのか…
「アレックス、僕は近々領地に行く事になったんだ。綺麗な空気の領地で生活した方がいいだろうって事で。アレックス、僕はユーリの事を諦める。だから、どうかユーリの事を幸せにしてやって欲しい」
アレックスがユーリの事を好きだとわかった今、もう僕に勝ち目はない。それなら大好きな幼馴達の幸せを願おう。
ただ、僕は2人が幸せになる姿を傍で見守れるほど、強くはない。だからユーリの事は綺麗さっぱり諦め、領地に行こう。この時そう決めた。ただ、どうしてもユーリには幸せになって欲しい。だから、アレックスに必ずユーリを幸せにすると、約束して欲しかったのだ。
「そうか、ディアンは体が弱いから、空気の綺麗な領地で生活をした方がいいものね。わかったよ、僕がディアンの分まで、ユーリを大切にするから安心して」
「絶対だよ。絶対にユーリの事、幸せにしてあげてよ!」
「分かっているよ。そんなに心配しなくても大丈夫だ。ディアンは安心して、領地での生活を楽しんでくれよ」
そう言って胸を叩いているアレックス。きっとアレックスなら、ユーリを幸せにしてくれる。僕は遠くで、2人の幸せを願おう。
こうして僕は、幼馴染でもあり親友のアレックスにユーリを託して、領地に向かう事になったのだった。
体が弱くすぐに熱を出す僕を心配して、いつもお見舞いに来てくれていた。
「ディアン、大丈夫?苦しそうね。私が看病をしてあげる」
そう言って甲斐甲斐しく僕の世話を焼いてくれるユーリ。彼女が世話を焼いてくれると、なぜか熱もすぐに下がるのだ。いつも明るくて元気で、そんなユーリの傍にいるだけで、僕は幸せだった。
でもユーリの傍には、僕以外にも幼馴染のアレックスがいた。彼もユーリに好意がある様で、事あるごとに僕と張り合おうとしてくる。ユーリをアレックスに取られたくはない、だからこそ、必死にユーリに振り向いてもらえる様に頑張って来た。
ただ…
「ディアン、あなたの体なのだけれど、お医者様とも相談した結果、空気の綺麗な領地で一度治療を受けた方がいいとの事なの。だから、領地でしばらく暮らしましょう」
両親がそんな事を言いだしたのだ。確かに僕は体が弱い。空気の綺麗な領地の方が、僕の体にはいいだろう。でも僕は、ユーリと離れたくない。それに僕が領地に行っている間に、アレックスにユーリを取られてしまうかもしれない。
そう思ったら、どうしても僕は、領地に行くという決断が出来なかった。そんな中、事件は起きたのだ。
「ディアン、実は私、アレックスの事が好きなの。アレックスは私の事、どう思っているのかしら?」
頬を赤くして、僕に話しをして来たユーリ。その瞬間、鈍器で殴られたような衝撃を受けた。そうか、ユーリはアレックスが好きなのか…僕がいくらユーリを思っても、意味がないのだね。
今までユーリに振り向いて欲しくて、色々と頑張って来た。でもユーリが選んだのは、アレックス。その現実に僕は、打ちひしがれた。
僕はユーリが好きなんだよ、だからどうか、アレックスではなく、僕を見て欲しい。そう伝えたいが、そんな事をすればユーリが困るだろう。でも僕は、ユーリが大好きなんだ。
その日僕は、ショックでどうやって屋敷に帰って来たのか覚えていない。
アレックスは、ユーリの事をどう思っているのだろう。僕の見た限りでは、アレックスもユーリの事が好きなのだと思う。でも、まだ本人に直接聞いたわけではないし…
僕は翌日、アレックスに会いに行った。
「ディアン、君が来るなんて珍しいね。どうしたのだい?」
「アレックス、その…君に聞きたい事があって…」
「改まってどうしたんだい?聞きたい事とは?」
不思議そうな顔で問いかけてくるアレックス。僕はゆっくり深呼吸をした。そして
「僕はユーリの事が大好きだ。出来ればユーリと結婚したいと思っていた。ねえ、アレックス、君はどう思っているのだい?」
意を決して、アレックスにユーリの事を聞いた。
「君がユーリの事を好きな事は知っていたよ。僕にとっても、ユーリは大切な子だからね。僕もユーリが好きだ。ディアンには渡したくない」
僕の目を見て、はっきりそう告げたのだ。そうか、やっぱりアレックスも、ユーリが好きだったのか…
「アレックス、僕は近々領地に行く事になったんだ。綺麗な空気の領地で生活した方がいいだろうって事で。アレックス、僕はユーリの事を諦める。だから、どうかユーリの事を幸せにしてやって欲しい」
アレックスがユーリの事を好きだとわかった今、もう僕に勝ち目はない。それなら大好きな幼馴達の幸せを願おう。
ただ、僕は2人が幸せになる姿を傍で見守れるほど、強くはない。だからユーリの事は綺麗さっぱり諦め、領地に行こう。この時そう決めた。ただ、どうしてもユーリには幸せになって欲しい。だから、アレックスに必ずユーリを幸せにすると、約束して欲しかったのだ。
「そうか、ディアンは体が弱いから、空気の綺麗な領地で生活をした方がいいものね。わかったよ、僕がディアンの分まで、ユーリを大切にするから安心して」
「絶対だよ。絶対にユーリの事、幸せにしてあげてよ!」
「分かっているよ。そんなに心配しなくても大丈夫だ。ディアンは安心して、領地での生活を楽しんでくれよ」
そう言って胸を叩いているアレックス。きっとアレックスなら、ユーリを幸せにしてくれる。僕は遠くで、2人の幸せを願おう。
こうして僕は、幼馴染でもあり親友のアレックスにユーリを託して、領地に向かう事になったのだった。
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