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第45話:一件落着です
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「皆の者、見苦しい姿を晒してしまい、本当に申し訳なかった。近々あ奴らの処分について話し合いたいと思っている。その時は、よろしく頼む。それでは引き続き、パーティーを楽しんでくれ」
お父様の言葉で、再びパーティーが再会された。
「リサ、あなた、いつの間に公爵夫人になったの?全然知らなかったわ。でもおめでとう」
近くに控えていたリサに声を掛ける。
「私の様な人間が貴族だなんて…そう思ったのですが、旦那様から“どうかこれからは、貴族としてレアンヌを支えてやって欲しい”と言われて。確かにレアンヌ様を守るためには、ある程度の爵位は必要かと思いまして。アレクスリア王国では、公爵夫人として、娘たちと一緒にあなた様を支えますわ」
「それじゃあ、娘さんも一緒に来てくれるの?」
「ええ、一家で移り住む予定です。レアンヌ様が快適に暮らせるように、メイドたちの教育も私が行う予定でございます。ですので、どうかレアンヌ様は何も心配なさらず」
そう言ってほほ笑んでくれたリサ。ちなみに、その後初めてリサの旦那様にもご挨拶をしたが、とても優しそうな男性だった。
そして無事、パーティーも終わった。
「レアンヌ、今日は疲れただろう。早く帰ろうか?」
確かに疲れた。でも…
ふとお父様の方を見る。初めて親子として心が通じ合ったのだ。王妃様やカトレナ王女もいないし、ゆっくりお父様と話がしたい。私の視線に気が付いたのか、お父様がこちらにやって来た。
「レアンヌ、君には本当に辛い思いばかりさせてしまってすまなかった。父親として何もしてやれなかった事が、とても不甲斐ない。それでだな…その…もしよければ、今日は王宮に泊って行かないか?レアンヌは隣国に行ってしまう事が決まっている。そうなると、その…中々会えなくなるだろう?」
お父様自ら、そう言ってくれたのだ。
「私もお父様と話がしたいですわ。でも…」
旦那様の方を見る。すると
「わかったよ。この国の王妃殿下やカトレナ殿下の裁きも見届けたいし、しばらく王宮でお世話になろう。よろしいですか?陛下」
「もちろんだ。そうだ、今日は皆で夕食を頂こう。レアンヌは、カロイドに会った事がなかったよな。カロイドも紹介したいし」
カロイド殿下、王妃様とお父様の息子で、カトレナ王女の弟君だ。
「あの…カロイド殿下は私には会いたくないのでは…」
「大丈夫だ。カロイドはあの2人とは比べ物にならない程、まともに育っているから。我が儘で傲慢な母親や姉の事を嫌っている」
そう教えてくれた。それでも正直不安だったが、私の姿を見たカロイド殿下は
「あなたが僕の姉上なのですね。初めまして、レアンヌの姉上、それから、義兄上も、どうか今後ともよろしくお願いします」
そう言って笑顔で挨拶をしてくれたのだ。さらに、旦那様には戦争の話を、私には動物の話で盛り上がっていた。本当に王妃様の息子で、カトレナ王女の弟なの?と思うほど、素直でいい子だった。
旦那様も
「カロイド殿下は、王妃の子供とは思えない程優秀でいい子に育っているね。あの子なら、この国の将来安泰だろう」
そう言って笑っていた。カロイド殿下は、母親や姉が私にした事は、到底許される事ではなく、厳しく処罰するべきだと考えている様で、何度も私に謝ってくれた。本当にいい子だ。
きっとカロイド殿下が、今後はお父様をしっかり支えてくれるだろう。私はそう確信している。
さすがに今日は色々とありすぎて疲れた。
旦那様と一緒に部屋に戻ってくると、急いで湯あみを済ませ、ベッドに入る。
「レアンヌ、今日は色々とあったね。まさか精霊がここまで来るとは思わなかったよ。それに、君に口づけまでして…本当に油断も隙も無いのだから」
そう言うと、私のおでこに何度も口づけをする旦那様。あぁ、やっぱり今日の事、怒っているのね。
「あの…ごめんなさい…でもきっと、動物たちもミハイル様も、私を守ろうとして来てくれたのです。ですから…」
「分かっているよ。ただ…ちょっと気に入らなかっただけだ。本当はアレクスリア王国で暮らし始めてからにしようと思っていたが…今日あの精霊の姿を見て、我慢できなくなった。レアンヌ、愛している。その…いいかな?」
あっ…もしかして…
「私も旦那様を愛しております。もう覚悟は出来ております。ですので、旦那様のお好きな様になさってください」
ここ最近、この日をずっと待っていたのだ。やっと、旦那様と結ばれるのね。
「ありがとう、レアンヌ」
そう言うと、一気に唇を塞がれた。そしてその後は…
疲れなんて吹っ飛ぶくらい、幸せな時間を過ごしたのだった。
お父様の言葉で、再びパーティーが再会された。
「リサ、あなた、いつの間に公爵夫人になったの?全然知らなかったわ。でもおめでとう」
近くに控えていたリサに声を掛ける。
「私の様な人間が貴族だなんて…そう思ったのですが、旦那様から“どうかこれからは、貴族としてレアンヌを支えてやって欲しい”と言われて。確かにレアンヌ様を守るためには、ある程度の爵位は必要かと思いまして。アレクスリア王国では、公爵夫人として、娘たちと一緒にあなた様を支えますわ」
「それじゃあ、娘さんも一緒に来てくれるの?」
「ええ、一家で移り住む予定です。レアンヌ様が快適に暮らせるように、メイドたちの教育も私が行う予定でございます。ですので、どうかレアンヌ様は何も心配なさらず」
そう言ってほほ笑んでくれたリサ。ちなみに、その後初めてリサの旦那様にもご挨拶をしたが、とても優しそうな男性だった。
そして無事、パーティーも終わった。
「レアンヌ、今日は疲れただろう。早く帰ろうか?」
確かに疲れた。でも…
ふとお父様の方を見る。初めて親子として心が通じ合ったのだ。王妃様やカトレナ王女もいないし、ゆっくりお父様と話がしたい。私の視線に気が付いたのか、お父様がこちらにやって来た。
「レアンヌ、君には本当に辛い思いばかりさせてしまってすまなかった。父親として何もしてやれなかった事が、とても不甲斐ない。それでだな…その…もしよければ、今日は王宮に泊って行かないか?レアンヌは隣国に行ってしまう事が決まっている。そうなると、その…中々会えなくなるだろう?」
お父様自ら、そう言ってくれたのだ。
「私もお父様と話がしたいですわ。でも…」
旦那様の方を見る。すると
「わかったよ。この国の王妃殿下やカトレナ殿下の裁きも見届けたいし、しばらく王宮でお世話になろう。よろしいですか?陛下」
「もちろんだ。そうだ、今日は皆で夕食を頂こう。レアンヌは、カロイドに会った事がなかったよな。カロイドも紹介したいし」
カロイド殿下、王妃様とお父様の息子で、カトレナ王女の弟君だ。
「あの…カロイド殿下は私には会いたくないのでは…」
「大丈夫だ。カロイドはあの2人とは比べ物にならない程、まともに育っているから。我が儘で傲慢な母親や姉の事を嫌っている」
そう教えてくれた。それでも正直不安だったが、私の姿を見たカロイド殿下は
「あなたが僕の姉上なのですね。初めまして、レアンヌの姉上、それから、義兄上も、どうか今後ともよろしくお願いします」
そう言って笑顔で挨拶をしてくれたのだ。さらに、旦那様には戦争の話を、私には動物の話で盛り上がっていた。本当に王妃様の息子で、カトレナ王女の弟なの?と思うほど、素直でいい子だった。
旦那様も
「カロイド殿下は、王妃の子供とは思えない程優秀でいい子に育っているね。あの子なら、この国の将来安泰だろう」
そう言って笑っていた。カロイド殿下は、母親や姉が私にした事は、到底許される事ではなく、厳しく処罰するべきだと考えている様で、何度も私に謝ってくれた。本当にいい子だ。
きっとカロイド殿下が、今後はお父様をしっかり支えてくれるだろう。私はそう確信している。
さすがに今日は色々とありすぎて疲れた。
旦那様と一緒に部屋に戻ってくると、急いで湯あみを済ませ、ベッドに入る。
「レアンヌ、今日は色々とあったね。まさか精霊がここまで来るとは思わなかったよ。それに、君に口づけまでして…本当に油断も隙も無いのだから」
そう言うと、私のおでこに何度も口づけをする旦那様。あぁ、やっぱり今日の事、怒っているのね。
「あの…ごめんなさい…でもきっと、動物たちもミハイル様も、私を守ろうとして来てくれたのです。ですから…」
「分かっているよ。ただ…ちょっと気に入らなかっただけだ。本当はアレクスリア王国で暮らし始めてからにしようと思っていたが…今日あの精霊の姿を見て、我慢できなくなった。レアンヌ、愛している。その…いいかな?」
あっ…もしかして…
「私も旦那様を愛しております。もう覚悟は出来ております。ですので、旦那様のお好きな様になさってください」
ここ最近、この日をずっと待っていたのだ。やっと、旦那様と結ばれるのね。
「ありがとう、レアンヌ」
そう言うと、一気に唇を塞がれた。そしてその後は…
疲れなんて吹っ飛ぶくらい、幸せな時間を過ごしたのだった。
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