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第28話:旦那様の仮面がありません
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旦那様が屋敷に戻ってきた翌朝、私が目を覚めると既に動物たちが窓の外で待ってくれていた。
「おはよう、わざわざ迎えに来てくれたの?ありがとう。でも、いくらなんでも早すぎない?」
“早くレアンヌを森に連れて行きたくてさ。でも、あの仮面男も来るんだよね…何とか来ない様に説得できない?”
どうやら動物たちは、旦那様が一緒についてくることが不満な様だ。
「旦那様は私の事を心配して付いて来てくださるのだから、さすがに来ないで欲しいなんて言えないわ」
“でもあの仮面男、今回の戦いでとても疲れていると思うんだ。昨日帰って来たばかりだろう?さすがに疲れている人間を、森に連れて行くのは可哀そうだよ”
確かにそうよね。旦那様は昨日やっと帰って来たのだ。今日はゆっくり過ごして欲しい。
「分かったわ。旦那様にはそう伝えるわ。とにかく、朝食を食べないと」
“それじゃあ、僕たちも行くよ。ここの果物は美味しいからね”
動物たちと一緒に、食堂へと向かう。
「おはよう、レアンヌ。なんだ、動物たちも一緒か」
銀色の髪に緑色の瞳をした男性が、嬉しそうにこちらにやって来る。この人は?
「レアンヌ、どうしたんだい?固まって」
この声は!
「もしかして、旦那様ですか?仮面はどうされたのですか?」
どんな時でも仮面を被っていたのに、急にどうしたのだろう。それにしても旦那様って、こんな顔をしていたのね。カトレナ王女が獣人だ!なんていうから、てっきり私は獣人の様な勇ましい顔をしていると思っていたわ。
「仮面なのだが、もう私には必要ないと思って外したんだ。それに、いつまでも妻である君に、素顔を見せないのもどうかと思ってね」
そう言ってにっこり微笑んだ旦那様。
「確かに素顔の方が、旦那様の表情もよくわかりますわ。でも、仮面姿になれてしまっておりますので、なんだか別人の様な気がして…」
正直いつもの仮面姿の方が落ち着くのだけれど…そんな事はもちろん言えない。
「それじゃあ、私の顔に早く慣れてもらう様に、これからは極力一緒に過ごそう。さあ、朝食を食べようか」
そう言うと、いつもの様に向かいに座った旦那様。やっぱり仮面を被っていないせいか、落ち着かない。
“レアンヌ、あの仮面男、仮面を外すとあんな顔をしているのだね。結構カッコいいじゃないか”
“確かに美形ね。それよりもレアンヌ、森の件、早く話してよ”
そうだったわ、旦那様に森の件を話さないと。
「旦那様、改めてお疲れ様でした。旦那様もお疲れでしょう。どうか今日は、屋敷でゆっくり休んでください。森には私と動物たちで行って参りますので」
そう笑顔で伝えたのだが…今まで穏やかな表情だった旦那様の顔が、見る見る険しくなっていった。そして
「レアンヌ、森の動物たちにそう言えとでも言われたのかい?昨日ゆっくり休んだから、私は元気だよ。それから、君1人なら森にはいかせないよ。分かったかい?」
ギロリと睨まれ、はっきりと告げられた。今までは仮面で表情が見えなかったが、今ははっきりと見える。はっきり言って怖いわ。
「ごめんなさい、旦那様と一緒で大丈夫です」
「それなら良かった。それじゃあ、食後早速森に行って、さっさと帰ってこよう」
旦那様が再び穏やかな表情に戻った。旦那様って、意外と表情が豊かなのね。今までは仮面で表情が見えなかったから、気が付かなかったわ。でも…ある意味表情が分からなかった仮面姿の方が良かったかも…
食事が終わると、着替えのため一旦自室に戻ってきた。
「ねえ、リサ。旦那様、急に仮面を外して一体どうしたのかしら?仮面姿ばかり見ていたせいか、なんだか落ち着かなくて」
「旦那様もいつまでも仮面を被っていては良くないと思ったのでしょう。それに、レアンヌ様に素顔を見て欲しいとも…最初は慣れないかもしれませんが、きっとそのうち慣れますわ」
そう言ってリサが笑っていた。そのうち慣れるか…そう言われても、なんだか変な感じがするのよね。
「今日は森にお出掛けになるのでしょう?早く着替えないと、動物たちに怒られますわ」
そうだったわ。今から森に行くのだった。
急いで着替えを済ませ、旦那様の待つ玄関へと向かった。
「今日は私も一緒に馬車で行くよ。さあレアンヌ、行こうか」
やっぱり仮面を被っていない旦那様が待っていた。馬車に乗り込み、森を目指す。素顔の旦那様の姿に慣れず、つい見つめてしまった。
「レアンヌ、私の顔に何か付いているかい?そんなにじっと見つめられると、なんだか照れ臭いな」
「申し訳ございません。旦那様の素顔に、まだ慣れなくて…」
「もう私は仮面を被るつもりはないから、きっとそのうち慣れるよ。それよりもレアンヌ、いいかい?森は危険がいっぱいだ。絶対に私から離れてはいけないよ。動物たちに何を言われてもだ。いいね、分かったね」
旦那様ってこんな真剣な顔をなさるのね。やっぱり慣れないわ…
「レアンヌ、聞いているのかい?」
「ごめんなさい、分かりましたわ」
やっぱり慣れない旦那様の顔を見つめながら、とりあえず頷いたのだった。
「おはよう、わざわざ迎えに来てくれたの?ありがとう。でも、いくらなんでも早すぎない?」
“早くレアンヌを森に連れて行きたくてさ。でも、あの仮面男も来るんだよね…何とか来ない様に説得できない?”
どうやら動物たちは、旦那様が一緒についてくることが不満な様だ。
「旦那様は私の事を心配して付いて来てくださるのだから、さすがに来ないで欲しいなんて言えないわ」
“でもあの仮面男、今回の戦いでとても疲れていると思うんだ。昨日帰って来たばかりだろう?さすがに疲れている人間を、森に連れて行くのは可哀そうだよ”
確かにそうよね。旦那様は昨日やっと帰って来たのだ。今日はゆっくり過ごして欲しい。
「分かったわ。旦那様にはそう伝えるわ。とにかく、朝食を食べないと」
“それじゃあ、僕たちも行くよ。ここの果物は美味しいからね”
動物たちと一緒に、食堂へと向かう。
「おはよう、レアンヌ。なんだ、動物たちも一緒か」
銀色の髪に緑色の瞳をした男性が、嬉しそうにこちらにやって来る。この人は?
「レアンヌ、どうしたんだい?固まって」
この声は!
「もしかして、旦那様ですか?仮面はどうされたのですか?」
どんな時でも仮面を被っていたのに、急にどうしたのだろう。それにしても旦那様って、こんな顔をしていたのね。カトレナ王女が獣人だ!なんていうから、てっきり私は獣人の様な勇ましい顔をしていると思っていたわ。
「仮面なのだが、もう私には必要ないと思って外したんだ。それに、いつまでも妻である君に、素顔を見せないのもどうかと思ってね」
そう言ってにっこり微笑んだ旦那様。
「確かに素顔の方が、旦那様の表情もよくわかりますわ。でも、仮面姿になれてしまっておりますので、なんだか別人の様な気がして…」
正直いつもの仮面姿の方が落ち着くのだけれど…そんな事はもちろん言えない。
「それじゃあ、私の顔に早く慣れてもらう様に、これからは極力一緒に過ごそう。さあ、朝食を食べようか」
そう言うと、いつもの様に向かいに座った旦那様。やっぱり仮面を被っていないせいか、落ち着かない。
“レアンヌ、あの仮面男、仮面を外すとあんな顔をしているのだね。結構カッコいいじゃないか”
“確かに美形ね。それよりもレアンヌ、森の件、早く話してよ”
そうだったわ、旦那様に森の件を話さないと。
「旦那様、改めてお疲れ様でした。旦那様もお疲れでしょう。どうか今日は、屋敷でゆっくり休んでください。森には私と動物たちで行って参りますので」
そう笑顔で伝えたのだが…今まで穏やかな表情だった旦那様の顔が、見る見る険しくなっていった。そして
「レアンヌ、森の動物たちにそう言えとでも言われたのかい?昨日ゆっくり休んだから、私は元気だよ。それから、君1人なら森にはいかせないよ。分かったかい?」
ギロリと睨まれ、はっきりと告げられた。今までは仮面で表情が見えなかったが、今ははっきりと見える。はっきり言って怖いわ。
「ごめんなさい、旦那様と一緒で大丈夫です」
「それなら良かった。それじゃあ、食後早速森に行って、さっさと帰ってこよう」
旦那様が再び穏やかな表情に戻った。旦那様って、意外と表情が豊かなのね。今までは仮面で表情が見えなかったから、気が付かなかったわ。でも…ある意味表情が分からなかった仮面姿の方が良かったかも…
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そう言ってリサが笑っていた。そのうち慣れるか…そう言われても、なんだか変な感じがするのよね。
「今日は森にお出掛けになるのでしょう?早く着替えないと、動物たちに怒られますわ」
そうだったわ。今から森に行くのだった。
急いで着替えを済ませ、旦那様の待つ玄関へと向かった。
「今日は私も一緒に馬車で行くよ。さあレアンヌ、行こうか」
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「もう私は仮面を被るつもりはないから、きっとそのうち慣れるよ。それよりもレアンヌ、いいかい?森は危険がいっぱいだ。絶対に私から離れてはいけないよ。動物たちに何を言われてもだ。いいね、分かったね」
旦那様ってこんな真剣な顔をなさるのね。やっぱり慣れないわ…
「レアンヌ、聞いているのかい?」
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やっぱり慣れない旦那様の顔を見つめながら、とりあえず頷いたのだった。
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