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第48話:なぜこんな事になったのですか?
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馬車に揺られる事1時間、やっと孤児院が見えてきた。かなり大きな孤児院の様で、何棟もの建屋が並んでいる。王都の外れの様で、家もまばらだ。それでも私が住んでいた村よりも栄えている。
「さあ、着きましたよ。既に話は通してありますから、どうぞ中へ」
レオナルド様に連れられ、孤児院の中に入って行く。すると、男性が待っていた。
「ようこそいらっしゃいました。エレフセリア王国の王太子殿下、それにオリビア殿下にミシュラーノ公爵令息様。私はこの孤児院の院長、グラージュと申します」
「急に押しかけてしまい、申し訳ございません。王太子殿下が、我が国の孤児院をご覧になりたいという事でしたので」
「私どもは大歓迎でございます。さあ、中へどうぞ」
グラージュさんに案内され、中に入って行く。
「我が国の孤児院は少し特殊でして、全部で10棟の施設があります。その棟には約50名程度、合計で500名程度の孤児たちが生活をしております。ただ…近年孤児が増えており、今増築しているところです」
「まあ、そんなに孤児がいるのですか?私、何も知りませんでしたわ」
「この地域では唯一の孤児院ですので。後この国にはここ以外には西の地方に1つ、東の地方に1つの、計3つの孤児院があります。有難い事に、今の国王陛下に変わられてから、随分と経営も楽になりました。子供たちにも学びの場を与えて下さっており、本当に感謝しております」
「それは良かったですわ。孤児院は子供たちが安心して暮らせる場所でないと、いけませんものね」
お父様ったら、ああ見えてきちんと仕事をしているのね。
「確かにとても綺麗な建物だね。しっかり設備も整っているし。孤児院を1か所に集める事で、必要経費もある程度抑えられる。我が国は色々な場所に孤児院があるから、きめられた経費をあちこちに配っている為、どうしても1つの施設の取り分が少なくなってしまうんだよね」
「我が国も昔は色々なところに施設がありました。それこそ、王都の街の中心にも。でも、王都の中心部は物価が高いですし、色々な施設でガタが来て、あちこちで修繕依頼が来るのですが、どうしても対応できなくて。それで、施設を1か所にまとめる事にしたのですよ」
すかさずレオナルド様が話に入っている。さすがね。私なんて、話しを聞く事しか出来ないわ。
その後も施設の状況や子供たちの様子を見学させてもらった。私達にも笑顔を振りまいてくれる子供たちを見ていたら、なんだか私まで嬉しくなった。
お父様が作り上げたこの国を、私も自分の目でもっと見てみたい。そう強く思った。
施設の見学を終えると、もう夕方になっていた。そろそろ帰らないと、夜になってしまう。
急いで馬車に乗り込む。すると、なぜかレオナルド様の顔色が良くない。
「レオナルド様、なんだか顔色が悪いですわ。どうしたのですか?」
「すまない…なんだか急にお腹が痛くなってしまって。すぐに戻るから、待っていてくれるかい?」
そう言うと馬車から降り、再び孤児院に入って行った。レオナルド様ったら、何か悪いものでも食べたのかしら?
「レオナルド様、大丈夫でしょうか?」
「きっと腹でも下したのだろう。そうだ、せっかくだから、少し孤児院の周りを散歩しよう。ここは自然が豊かな感じだし」
そう言うと私の手を引き、馬車から出たグレース殿下。
「でも、レオナルド様もすぐに戻ってくると思いますので…」
「少しくらいならいいだろう?それに戻ってきたら、戻ればいい。さあ、行こう」
グレース殿下に連れられ、周りを散歩する。田舎なうえ夕暮れ時という事もあり、人はほとんどいない。
「ねえ、オリビア殿下、俺はやっぱり君が欲しい。一緒にエレフセリア王国に来てくれないかい?」
急に私の方を振り向くと、グレース殿下がそんな事を言いだしたのだ。
「あの…申し訳ございません。私は、レオナルド様をお慕いしておりますので、殿下と一緒にエレフセリア王国には行けません」
まさかこのタイミングでそんな事を言われるなんて思っていなかった。それでも、しっかり断った。と、次の瞬間。
「君は嫌でも、俺は連れて帰るよ」
そう言うと、グレース殿下が何やら合図を送っている。すると次の瞬間、5人の男が現れ、私を捕まえると、そのまま馬に乗せたのだ。
「イヤ!助けて!」
必死に叫ぶ。すると。
「オリビア殿下から離れろ」
グレース殿下が私を助けようとやってきてくれたが、男たちに阻まれ、来ることが出来ない。
異変に気が付いた護衛騎士たちがこちらにやってくるが、一気に馬を走らせた男たち。
「オリビア殿下!」
必死に後を追う護衛騎士だが、あっという間に引き離されてしまった。まさかこのタイミングで、誘拐されるだなんて…
「さあ、着きましたよ。既に話は通してありますから、どうぞ中へ」
レオナルド様に連れられ、孤児院の中に入って行く。すると、男性が待っていた。
「ようこそいらっしゃいました。エレフセリア王国の王太子殿下、それにオリビア殿下にミシュラーノ公爵令息様。私はこの孤児院の院長、グラージュと申します」
「急に押しかけてしまい、申し訳ございません。王太子殿下が、我が国の孤児院をご覧になりたいという事でしたので」
「私どもは大歓迎でございます。さあ、中へどうぞ」
グラージュさんに案内され、中に入って行く。
「我が国の孤児院は少し特殊でして、全部で10棟の施設があります。その棟には約50名程度、合計で500名程度の孤児たちが生活をしております。ただ…近年孤児が増えており、今増築しているところです」
「まあ、そんなに孤児がいるのですか?私、何も知りませんでしたわ」
「この地域では唯一の孤児院ですので。後この国にはここ以外には西の地方に1つ、東の地方に1つの、計3つの孤児院があります。有難い事に、今の国王陛下に変わられてから、随分と経営も楽になりました。子供たちにも学びの場を与えて下さっており、本当に感謝しております」
「それは良かったですわ。孤児院は子供たちが安心して暮らせる場所でないと、いけませんものね」
お父様ったら、ああ見えてきちんと仕事をしているのね。
「確かにとても綺麗な建物だね。しっかり設備も整っているし。孤児院を1か所に集める事で、必要経費もある程度抑えられる。我が国は色々な場所に孤児院があるから、きめられた経費をあちこちに配っている為、どうしても1つの施設の取り分が少なくなってしまうんだよね」
「我が国も昔は色々なところに施設がありました。それこそ、王都の街の中心にも。でも、王都の中心部は物価が高いですし、色々な施設でガタが来て、あちこちで修繕依頼が来るのですが、どうしても対応できなくて。それで、施設を1か所にまとめる事にしたのですよ」
すかさずレオナルド様が話に入っている。さすがね。私なんて、話しを聞く事しか出来ないわ。
その後も施設の状況や子供たちの様子を見学させてもらった。私達にも笑顔を振りまいてくれる子供たちを見ていたら、なんだか私まで嬉しくなった。
お父様が作り上げたこの国を、私も自分の目でもっと見てみたい。そう強く思った。
施設の見学を終えると、もう夕方になっていた。そろそろ帰らないと、夜になってしまう。
急いで馬車に乗り込む。すると、なぜかレオナルド様の顔色が良くない。
「レオナルド様、なんだか顔色が悪いですわ。どうしたのですか?」
「すまない…なんだか急にお腹が痛くなってしまって。すぐに戻るから、待っていてくれるかい?」
そう言うと馬車から降り、再び孤児院に入って行った。レオナルド様ったら、何か悪いものでも食べたのかしら?
「レオナルド様、大丈夫でしょうか?」
「きっと腹でも下したのだろう。そうだ、せっかくだから、少し孤児院の周りを散歩しよう。ここは自然が豊かな感じだし」
そう言うと私の手を引き、馬車から出たグレース殿下。
「でも、レオナルド様もすぐに戻ってくると思いますので…」
「少しくらいならいいだろう?それに戻ってきたら、戻ればいい。さあ、行こう」
グレース殿下に連れられ、周りを散歩する。田舎なうえ夕暮れ時という事もあり、人はほとんどいない。
「ねえ、オリビア殿下、俺はやっぱり君が欲しい。一緒にエレフセリア王国に来てくれないかい?」
急に私の方を振り向くと、グレース殿下がそんな事を言いだしたのだ。
「あの…申し訳ございません。私は、レオナルド様をお慕いしておりますので、殿下と一緒にエレフセリア王国には行けません」
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そう言うと、グレース殿下が何やら合図を送っている。すると次の瞬間、5人の男が現れ、私を捕まえると、そのまま馬に乗せたのだ。
「イヤ!助けて!」
必死に叫ぶ。すると。
「オリビア殿下から離れろ」
グレース殿下が私を助けようとやってきてくれたが、男たちに阻まれ、来ることが出来ない。
異変に気が付いた護衛騎士たちがこちらにやってくるが、一気に馬を走らせた男たち。
「オリビア殿下!」
必死に後を追う護衛騎士だが、あっという間に引き離されてしまった。まさかこのタイミングで、誘拐されるだなんて…
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