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第57話:私にできる事をするまでです
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公爵家で食事を頂いた後、屋敷に帰って来た。そして改めてお父様の日記を読む。
「お父様ったら、こんな小さな出来事まで覚えていたのね。あら?これは…」
そこにはカルロス様が私と結婚したいと言いただした事について書かれていた。どうやらお父様は、冗談のつもりで言ったそうだが、すっかり真に受けてしまった様だ。
必死に訓練に励むカルロス様に、今更冗談だったとは言えない…でも、可愛いルミナスを嫁になんてやりたくない…どうしよう…
そう書かれていた。お父様ったら…
それにカルロス様も、お父様の冗談を真に受けて、必死に騎士団長になれる様訓練に励んできたのね。何年もの間も…
「私、こんなにも愛されていたのね…2人の騎士団長(予定)に…」
よく考えたら、カルロス様ってなんだかお父様によく似ているのよね。不器用なところがあるけれど、それでも誰よりも私を愛してくれるところとか…
そう思ったら、無性にカルロス様に会いたくなった。そっとカルロス様と街に出た時に買った、赤い髪の狼を取り出した。本当に見れば見るほど、カルロス様によく似ている。
これをカルロス様だと思って、これから持ち歩こう。
ふとカルロス様が、私にそっくりなぬいぐるみを持ち歩いていたことを思い出した。あの時カルロス様の事を、失礼ながら気持ち悪いと思ってしまったが、私もカルロス様に似た狼のブローチを彼だと思って持ち歩こうとしているのだから、ある意味同類ね。
ふとあの締まりのない顔が脳裏をよぎる。
「カルロス様…会いたいです…」
気が付くとそんな事を呟いていた。カルロス様はきっと今頃、魔物たちと必死に戦っているのだろう。私が弱音を吐いていたらダメ…
そうよ、出来る事を私もやって行かないと!
翌日から、貴族学院に通い始めた。
「ルミナス、よかった。心配していたのよ。その…カルロス様が魔物討伐に参加したのですってね」
「大丈夫よ、カルロス様はとてもお強いのですもの。きっと元気に帰っていらっしゃるわ」
どうやら皆、心配してくれている様だ。
「皆、ありがとう。でも私は大丈夫よ。いずれカルロス様は、騎士団長になるのだから、どんと構えていないといけないでしょう。それに彼は、私たちの為に戦ってくれているのだから…」
「あら?随分と大人な事を言っているじゃない。ついこの前までは、不安でたまらないといった顔をしていたのに」
「まあね、実は私、カルロス様に酷い暴言を吐いてしまったの…最後のお見送りも拒否してしまって。本当に後悔しているのよ」
そう、本当に消え去りたいほどカルロス様に酷い暴言を吐いたのだ。
「そうらしいわね、実は昨日、あなたの家に気になって行ったのよ。そしたらあなたのお母様が、色々と教えてくれたわ」
お母様ったら、マリーヌたちに色々と話をしていたのね。もう、おしゃべりなのだから。
「とりあえずルミナスが気持ちを切り替えてくれてよかったわ。後はカルロス様が、無事に帰って来るのを待つだけね。それで、来週の卒業認定試験はどうするの?」
「ええ、もちろん受けるわ。2年で卒業して、カルロス様と結婚するのだから」
そう、私は来週卒業認定試験がある。その為に今日から猛勉強開始だ。
卒業認定試験に合格しなければ話にならない。カルロス様の事は心配だが、とにかく必死に勉強に打ち込んだ。そして1週間後、無事認定試験に合格したのだった。
「ルミナス、卒業認定試験、おめでとう。ルミナスが2年で卒業してしまうのは悲しいけれど、仕方ないわね。卒業しても、私たちはずっと友達よ」
「ありがとう。卒業まではまだ2ヶ月以上あるのよ。それまで、沢山思い出を作りましょう。皆、今まで未熟な私を支えてくれてありがとう。私、皆のお陰で辛い事も乗り越えてこれたの。本当に感謝しているわ」
「もう、改まっちゃって。そうだわ、今日は皆で、ルミナスの卒業認定試験合格のお祝いをしましょう。今人気のレストランを貸し切りにして」
「それいいわね。ルミナスとは後2ヶ月程度しか一緒にいられないのだし、今日は目いっぱい話をしましょう」
皆が私の為に、お祝いをしてくれると言ってくれたのだ。それが嬉しくてたまらない。
「ルミナスもいいでしょう?」
「もちろんよ、皆、本当にありがとう。今日は目いっぱい楽しませてもらおうかしら」
その時だった。
「ルミナス・カリオスティーノ嬢、今すぐ侯爵家に帰る様にとの連絡が入りました。至急帰宅してください」
先生が血相を変えてやって来たのだ。一体何があったのだろう…
「お父様ったら、こんな小さな出来事まで覚えていたのね。あら?これは…」
そこにはカルロス様が私と結婚したいと言いただした事について書かれていた。どうやらお父様は、冗談のつもりで言ったそうだが、すっかり真に受けてしまった様だ。
必死に訓練に励むカルロス様に、今更冗談だったとは言えない…でも、可愛いルミナスを嫁になんてやりたくない…どうしよう…
そう書かれていた。お父様ったら…
それにカルロス様も、お父様の冗談を真に受けて、必死に騎士団長になれる様訓練に励んできたのね。何年もの間も…
「私、こんなにも愛されていたのね…2人の騎士団長(予定)に…」
よく考えたら、カルロス様ってなんだかお父様によく似ているのよね。不器用なところがあるけれど、それでも誰よりも私を愛してくれるところとか…
そう思ったら、無性にカルロス様に会いたくなった。そっとカルロス様と街に出た時に買った、赤い髪の狼を取り出した。本当に見れば見るほど、カルロス様によく似ている。
これをカルロス様だと思って、これから持ち歩こう。
ふとカルロス様が、私にそっくりなぬいぐるみを持ち歩いていたことを思い出した。あの時カルロス様の事を、失礼ながら気持ち悪いと思ってしまったが、私もカルロス様に似た狼のブローチを彼だと思って持ち歩こうとしているのだから、ある意味同類ね。
ふとあの締まりのない顔が脳裏をよぎる。
「カルロス様…会いたいです…」
気が付くとそんな事を呟いていた。カルロス様はきっと今頃、魔物たちと必死に戦っているのだろう。私が弱音を吐いていたらダメ…
そうよ、出来る事を私もやって行かないと!
翌日から、貴族学院に通い始めた。
「ルミナス、よかった。心配していたのよ。その…カルロス様が魔物討伐に参加したのですってね」
「大丈夫よ、カルロス様はとてもお強いのですもの。きっと元気に帰っていらっしゃるわ」
どうやら皆、心配してくれている様だ。
「皆、ありがとう。でも私は大丈夫よ。いずれカルロス様は、騎士団長になるのだから、どんと構えていないといけないでしょう。それに彼は、私たちの為に戦ってくれているのだから…」
「あら?随分と大人な事を言っているじゃない。ついこの前までは、不安でたまらないといった顔をしていたのに」
「まあね、実は私、カルロス様に酷い暴言を吐いてしまったの…最後のお見送りも拒否してしまって。本当に後悔しているのよ」
そう、本当に消え去りたいほどカルロス様に酷い暴言を吐いたのだ。
「そうらしいわね、実は昨日、あなたの家に気になって行ったのよ。そしたらあなたのお母様が、色々と教えてくれたわ」
お母様ったら、マリーヌたちに色々と話をしていたのね。もう、おしゃべりなのだから。
「とりあえずルミナスが気持ちを切り替えてくれてよかったわ。後はカルロス様が、無事に帰って来るのを待つだけね。それで、来週の卒業認定試験はどうするの?」
「ええ、もちろん受けるわ。2年で卒業して、カルロス様と結婚するのだから」
そう、私は来週卒業認定試験がある。その為に今日から猛勉強開始だ。
卒業認定試験に合格しなければ話にならない。カルロス様の事は心配だが、とにかく必死に勉強に打ち込んだ。そして1週間後、無事認定試験に合格したのだった。
「ルミナス、卒業認定試験、おめでとう。ルミナスが2年で卒業してしまうのは悲しいけれど、仕方ないわね。卒業しても、私たちはずっと友達よ」
「ありがとう。卒業まではまだ2ヶ月以上あるのよ。それまで、沢山思い出を作りましょう。皆、今まで未熟な私を支えてくれてありがとう。私、皆のお陰で辛い事も乗り越えてこれたの。本当に感謝しているわ」
「もう、改まっちゃって。そうだわ、今日は皆で、ルミナスの卒業認定試験合格のお祝いをしましょう。今人気のレストランを貸し切りにして」
「それいいわね。ルミナスとは後2ヶ月程度しか一緒にいられないのだし、今日は目いっぱい話をしましょう」
皆が私の為に、お祝いをしてくれると言ってくれたのだ。それが嬉しくてたまらない。
「ルミナスもいいでしょう?」
「もちろんよ、皆、本当にありがとう。今日は目いっぱい楽しませてもらおうかしら」
その時だった。
「ルミナス・カリオスティーノ嬢、今すぐ侯爵家に帰る様にとの連絡が入りました。至急帰宅してください」
先生が血相を変えてやって来たのだ。一体何があったのだろう…
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