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第2話:貴族学院に入学します
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急いで自室に戻ると、制服を持ったファリサが待っていた。早速制服に袖を通す。
「お嬢様、とてもよく似合っていらっしゃいますよ。サイズもぴったりですわね」
鏡に映る自分を確認する。確かによく似合っている。こうやって制服を着ると、高校の時を思い出すわね。
鏡に映る自分を見て、ふと疑問を抱く。
「ねえ、ファリサ。私の顔って、どうなのかしら?やっぱりアニメ顔?」
「はっ?何を訳の分からない事をおっしゃっているのですか?お嬢様は奥様やジャスミンお嬢様に似て、とてもお美しいですよ。ですから、こんな緩んだズボンを履くのはお止めください!」
私がさっきまで履いていたジャージを掴み、叫んでいる。う~ん、お母様とお姉様によく似ていると言われればそうだけれど…結局皆同じ様な顔に見えるのよね…
「いいですか、お嬢様、貴族学院には、たくさんのご貴族様がいらっしゃるのです。既に変り者令嬢として認識されているお嬢様ですが、ここは汚名返上のチャンスです。貴族学院では、しっかり令嬢として振舞ってくださいね」
汚名返上って…別に変人なら変人でいいのだけれど…
そういえば私、お茶会にもあまり出ていないから、お友達って少ないのよね。前世ではよく友達たちと一緒に、放課後遊んだわ。あの時は楽しかったな…
せっかく貴族学院に行くのですもの。友達をいっぱい作ろう。なんだか楽しみになってきたわね。
夜、いつもの様に食事をとる為、食堂へと向かう。既に両親やお兄様、お姉様が待っていた。ちなみにお兄様とお姉様は、3つ年上の双子だ。
「ジュリア、あなた今日もたるんだズボンを履いていたでしょう。いい加減にしなさい!」
私が来るなり、早速文句を言うお母様。
「お母様、ジュリアに何を言っても無駄ですわ。それよりもあなた、来週から貴族学院に入学するでしょう?大丈夫なの?あなた、少し変わっているし、お茶会もあまり出ていないから、友達もいないでしょう?心配だわ」
「そうだな。万が一ジュリアが令嬢たちにイジメられたらと思うと。いいか、誰からにイジメられたら、すぐに俺かジャスミンに言うんだぞ。すぐに駆け付けるからな」
「ありがとうございます。お兄様、お姉様。でも、大丈夫ですわ。きっと何とかなります」
ちなみに貴族学院は4年制。お兄様とお姉様は、最終学年になる。そして、なぜか私の事をとても心配してくれているのだ。
そもそも私は前世から数えると、40歳を超えている。それなりに人生経験も積んでいるし、問題ない。そう思っているのだが…
「ジャンとジャスミンがいるから大丈夫だろうが、ジュリア。万が一誰かに酷い事をされたら、すぐに報告をするんだよ。いいね」
なぜかお父様にまでそう言われてしまった。
「もう、あなた達はジュリアに甘いのだから。いい、ジュリア!今年は第二王子様と公爵令嬢で王太子殿下の婚約者、マリアナ嬢も入学するのよ。いいわね、くれぐれも、無礼を働かないようにするのよ!わかったわね」
そういえば、公爵令嬢のマリアナ様と第二王子も入学するのよね。私たちより2歳年上の王太子殿下は、それはそれはマリアナ様を寵愛されていると聞いたことがある。
どうしてよりにもよって、そんな高貴な身分の人が2人も同じ学年にいるのかしら?お兄様とお姉様の学年は、侯爵以下しかいないと言うのに…
とにかく、自分より高貴な身分の人と万が一関わって、面倒な事に巻き込まれるのは御免だわ。出来るだけ、近づかないようにしないと。
そしてあっという間に1週間が過ぎ、いよいよ今日は、貴族学院入学の日。朝早くから起こされ、お母様に呼び出された。
「いい、ジュリア、くれぐれもマリアナ嬢とリュカ殿下に無礼を働いてはいけませんよ。それから、あなたはただでさえ変り者令嬢として注目されているのです。出来るだけ目立たない様に過ごすのですよ。お父様やジャン、ジャスミンはすぐにあなたを甘やかすけれど、あなたの行動一つで、侯爵家の名に傷がつく事もあるのですからね!」
何度も何度もそう言い聞かせるお母様。
「お母様、確かに私は他の令嬢たちに比べると、少し変わっているかもしれません。でも、これでも侯爵令嬢なのです。一応マナーレッスンもしっかり受けておりますし、先生からは太鼓判を押していただいておりますわ。ですから、ご安心ください」
そもそもお母様がうるさいから、令嬢として恥ずかしくない様マナーは身につけているのだ。それに私は子供ではないのだから、そんなにギャーギャー言わなくてもわかっている。そう伝えたのだが…
「安心できないから言っているのよ!とにかく、自分の行動には、十分気を付けるのよ。万が一何かやらかしたら、このたるんだズボンは没収しますからね!」
そう言って去って行った。ジャージを没収されてはたまらない。とにかくマリアナ嬢と第二王子には近づかなければいいのね。よし!
早速制服に袖を通し、学院に行く準備をする。制服なんて、何年ぶりかしら?やっぱり制服っていいわね。
赤いチェックのスカートに、赤いリボン。さらに紺色のブレザー。貴族学院の制服って結構可愛いのだ。ドレスよりずっと動きやすいし、制服なら毎日着ても苦にならないわね。
着替えを済まし、朝食を食べた後は、いよいよ出発だ。なんだかドキドキしてきたわ。
「お嬢様、とてもよく似合っていらっしゃいますよ。サイズもぴったりですわね」
鏡に映る自分を確認する。確かによく似合っている。こうやって制服を着ると、高校の時を思い出すわね。
鏡に映る自分を見て、ふと疑問を抱く。
「ねえ、ファリサ。私の顔って、どうなのかしら?やっぱりアニメ顔?」
「はっ?何を訳の分からない事をおっしゃっているのですか?お嬢様は奥様やジャスミンお嬢様に似て、とてもお美しいですよ。ですから、こんな緩んだズボンを履くのはお止めください!」
私がさっきまで履いていたジャージを掴み、叫んでいる。う~ん、お母様とお姉様によく似ていると言われればそうだけれど…結局皆同じ様な顔に見えるのよね…
「いいですか、お嬢様、貴族学院には、たくさんのご貴族様がいらっしゃるのです。既に変り者令嬢として認識されているお嬢様ですが、ここは汚名返上のチャンスです。貴族学院では、しっかり令嬢として振舞ってくださいね」
汚名返上って…別に変人なら変人でいいのだけれど…
そういえば私、お茶会にもあまり出ていないから、お友達って少ないのよね。前世ではよく友達たちと一緒に、放課後遊んだわ。あの時は楽しかったな…
せっかく貴族学院に行くのですもの。友達をいっぱい作ろう。なんだか楽しみになってきたわね。
夜、いつもの様に食事をとる為、食堂へと向かう。既に両親やお兄様、お姉様が待っていた。ちなみにお兄様とお姉様は、3つ年上の双子だ。
「ジュリア、あなた今日もたるんだズボンを履いていたでしょう。いい加減にしなさい!」
私が来るなり、早速文句を言うお母様。
「お母様、ジュリアに何を言っても無駄ですわ。それよりもあなた、来週から貴族学院に入学するでしょう?大丈夫なの?あなた、少し変わっているし、お茶会もあまり出ていないから、友達もいないでしょう?心配だわ」
「そうだな。万が一ジュリアが令嬢たちにイジメられたらと思うと。いいか、誰からにイジメられたら、すぐに俺かジャスミンに言うんだぞ。すぐに駆け付けるからな」
「ありがとうございます。お兄様、お姉様。でも、大丈夫ですわ。きっと何とかなります」
ちなみに貴族学院は4年制。お兄様とお姉様は、最終学年になる。そして、なぜか私の事をとても心配してくれているのだ。
そもそも私は前世から数えると、40歳を超えている。それなりに人生経験も積んでいるし、問題ない。そう思っているのだが…
「ジャンとジャスミンがいるから大丈夫だろうが、ジュリア。万が一誰かに酷い事をされたら、すぐに報告をするんだよ。いいね」
なぜかお父様にまでそう言われてしまった。
「もう、あなた達はジュリアに甘いのだから。いい、ジュリア!今年は第二王子様と公爵令嬢で王太子殿下の婚約者、マリアナ嬢も入学するのよ。いいわね、くれぐれも、無礼を働かないようにするのよ!わかったわね」
そういえば、公爵令嬢のマリアナ様と第二王子も入学するのよね。私たちより2歳年上の王太子殿下は、それはそれはマリアナ様を寵愛されていると聞いたことがある。
どうしてよりにもよって、そんな高貴な身分の人が2人も同じ学年にいるのかしら?お兄様とお姉様の学年は、侯爵以下しかいないと言うのに…
とにかく、自分より高貴な身分の人と万が一関わって、面倒な事に巻き込まれるのは御免だわ。出来るだけ、近づかないようにしないと。
そしてあっという間に1週間が過ぎ、いよいよ今日は、貴族学院入学の日。朝早くから起こされ、お母様に呼び出された。
「いい、ジュリア、くれぐれもマリアナ嬢とリュカ殿下に無礼を働いてはいけませんよ。それから、あなたはただでさえ変り者令嬢として注目されているのです。出来るだけ目立たない様に過ごすのですよ。お父様やジャン、ジャスミンはすぐにあなたを甘やかすけれど、あなたの行動一つで、侯爵家の名に傷がつく事もあるのですからね!」
何度も何度もそう言い聞かせるお母様。
「お母様、確かに私は他の令嬢たちに比べると、少し変わっているかもしれません。でも、これでも侯爵令嬢なのです。一応マナーレッスンもしっかり受けておりますし、先生からは太鼓判を押していただいておりますわ。ですから、ご安心ください」
そもそもお母様がうるさいから、令嬢として恥ずかしくない様マナーは身につけているのだ。それに私は子供ではないのだから、そんなにギャーギャー言わなくてもわかっている。そう伝えたのだが…
「安心できないから言っているのよ!とにかく、自分の行動には、十分気を付けるのよ。万が一何かやらかしたら、このたるんだズボンは没収しますからね!」
そう言って去って行った。ジャージを没収されてはたまらない。とにかくマリアナ嬢と第二王子には近づかなければいいのね。よし!
早速制服に袖を通し、学院に行く準備をする。制服なんて、何年ぶりかしら?やっぱり制服っていいわね。
赤いチェックのスカートに、赤いリボン。さらに紺色のブレザー。貴族学院の制服って結構可愛いのだ。ドレスよりずっと動きやすいし、制服なら毎日着ても苦にならないわね。
着替えを済まし、朝食を食べた後は、いよいよ出発だ。なんだかドキドキしてきたわ。
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