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第33話:ミシェルに会えないのは想像以上に辛い~レオ視点~
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ミシェルが領地に旅立ってから、1ヶ月が経った。既に会いたくてたまらない。手紙を読む限りでは、ミシェルは領地を堪能している様で、乗馬の練習をしたり、犬まで飼い始めた様だ。
クソ、ミシェルの奴、結局は領地で楽しい思いをしているのか。俺はこんなにミシェルに会いたくてたまらないのに…
こうなったら騎士団の稽古を休んで、ミシェルに会いに行くか。そうだ、ミシェルに会いに行こう。早速休みの申請を出しに行かないと。
そう思って事務所に向かおうとした時だった。
「やあレオ、どうしたんだい?そんなに急いで」
ユーグラテスが声を掛けて来た。そもそも、こいつのせいでミシェルは領地に行く羽目になったんだ。そう思うと、どうしても怒りが込み上げてくる。
「別に、ちょっと事務所に用があって行こうと思っていたんだ」
「ふ~ん、まさか休暇の申請じゃないよね」
何なんだよこいつ、別に俺が休暇申請しようが関係ないだろ!
「ねえ、レオ。君だけミシェル嬢に会いに行くなんて、ずるいと思わないかい?僕だって、ミシェル嬢に会いに行きたいよ。でも、父上と兄上がダメだって言うからさ。でももし君が行くなら、僕も付いて行くよ。だって、君だけミシェル嬢に会うなんてフェアじゃないでしょ!」
にっこり笑うユーグラテス。
何なんだよこいつ!
「とにかく、レオが長期休みを取るようなら、僕も取るからそのつもりで」
にっこり笑って去っていくユーグラテス。
ふざけやがって!これじゃあ、ミシェルに会いに行けないじゃないか!そもそもミシェルのいる領地まで行くのに、丸2日かかる。往復だけで4日。滞在の事を考えても、最低でも1週間はいる。
ユーグラテスにバレずに行く事は不可能だ!仕方ない。とにかくユーグラテスが諦めるまで、ミシェルに会う事は出来ないな。
頼むから早く諦めてくれ、ユーグラテス。
俺の願いとは裏腹に、一向に諦める様子のないユーグラテス。俺はミシェルに会えない寂しさを紛らわすように、今まで以上に稽古に精を出した。
そんな時、アレックス兄さんからある提案をされた。
「レオ、ミシェルと結婚したいなら、少しはミューティング公爵家の領地について知っておいた方がいいぞ。ほら、資料を準備しておいてやったから目を通しておけ。後これ。領地経営に関する本だよ。一通り目を通しておくといい」
確かにミシェルとの婚約が決まった時、1から覚えるより今から覚えておいた方が効率がいい。
早速アレックス兄さんに渡された資料に目を通す。思った以上に資料が多く、読むのに大変だ。領地経営に関する本も読み始めたが、量が膨大なうえ難しくて理解するのに時間が掛かる。
俺は時間を見つけては、本を読んだ。騎士団の休憩中も本を読んでいると
「あれ、レオ。何の本を読んでいるんだい?」
またお前かよ、ユーグラテス!
「別に。お前には関係ないだろ!」
ユーグラテスに背を向け、再び本を読みだす。なんとなく何の本を読んでいるか周りに知られたくない。ただ本にカバーを掛けてあるから、何を読んでいるかはバレないはずだ。
「ふ~ん」
そう言って去って行った。
そんなある日、ジルが話しかけて来た。
「ようレオ。相変わらず殺気立っているな」
「何だよジル。幸せアピールなら向こうに行け」
こいつはガーディアン嬢と婚約して以来、ずっと彼女にべったりだ。茶会なども、必ず2人で参加している。俺はずっとミシェルに会えていないのに!
「落ち着けよレオ。この前シュミナがミシェル嬢に会いに行ったから、報告してやろうと思ったのに」
そう言えば、ガーディアン嬢がミシェルのところに行っていると言っていたな。
「それで、ミシェルの様子は?」
「随分楽しそうに過ごしている様だぞ。完璧に馬にも乗りこなしているし。そうそう、孤児院にも頻繁に足を運んでいる様で、随分子供たちは懐いている様だ」
そう言えば、孤児院にも通っていると手紙に書いてあったな。ミシェルの一声で、今ミューティング公爵が領地の改革を行っていると言っていた。
「ジル、孤児院にはミシェルくらいの歳の男共もいるのだろう?ミシェルは大丈夫なのか?」
ミシェルは美しい。そんな美しいミシェルを、男共が放っておく訳がないはずだ!
「落ち着けよ。ミシェル嬢に男の影は一切ない!それにしても、孤児院の男にまで嫉妬するなんて、お前って…」
「うるさいな。俺はずっとミシェルに会えていないんだ!心配して何が悪い!」
俺の発言に、完全に引いているジル。
相変わらずユーグラテスが諦める事はなく、ずっとミシェルに会えない日々が続いた。
そして月日は流れ、ついに来週ミシェルが帰ってくることになった。13歳になったミシェルは、きっと美しく成長している事だろう。早く会いたい。
俺は1人部屋で領地経営に関する本を読んでいた。
コンコン
「坊ちゃま、旦那様がお呼びです」
父上が?
「わかった、すぐに行く」
急いで父上の待つ居間へと向かった。そこにはミシェルの両親も来ていた。
「レオ、呼び出してすまないね。来週ミシェルが帰って来る事は知っているだろう。その話を嗅ぎつけ、既に王家が動き出しているんだ。ミシェルが王都に帰って来たタイミングで、家に結婚の申し込みをしてくるつもりの様だ」
そう言ってため息を付く公爵。
「それでだ、レオ。一足先にお前とミシェルを婚約させようと考えている。ただ、第二王子がお前を監視している為、騎士団の稽古を休ませるわけにはいかない。そこでだ!ミシェルが帰ってくる時に泊まるホテルで、お前たちの婚約を結ぼうと思っているんだ」
父上が俺に詳しく説明してくれた。という事は、俺とミシェルの婚約は決定って事か?
「おい、勝手なことを言うな。とにかく、ホテルでミシェルの意見を聞いてから、婚約を結ばせるからな!」
チッ!やっぱりそう言う話かよ。
「わかったよ、とにかくユーグラテスより早く俺がミシェルと婚約するって言う話でいいんだよな」
「…少し違うが、まあいい」
腑に落ちない顔の公爵。女性陣はクスクス笑っている。
とにかく、来週にはミシェルに会える。ミシェルを脅してでも、絶対に婚約しよう。ユーグラテスにだけは、絶対に渡さない!
クソ、ミシェルの奴、結局は領地で楽しい思いをしているのか。俺はこんなにミシェルに会いたくてたまらないのに…
こうなったら騎士団の稽古を休んで、ミシェルに会いに行くか。そうだ、ミシェルに会いに行こう。早速休みの申請を出しに行かないと。
そう思って事務所に向かおうとした時だった。
「やあレオ、どうしたんだい?そんなに急いで」
ユーグラテスが声を掛けて来た。そもそも、こいつのせいでミシェルは領地に行く羽目になったんだ。そう思うと、どうしても怒りが込み上げてくる。
「別に、ちょっと事務所に用があって行こうと思っていたんだ」
「ふ~ん、まさか休暇の申請じゃないよね」
何なんだよこいつ、別に俺が休暇申請しようが関係ないだろ!
「ねえ、レオ。君だけミシェル嬢に会いに行くなんて、ずるいと思わないかい?僕だって、ミシェル嬢に会いに行きたいよ。でも、父上と兄上がダメだって言うからさ。でももし君が行くなら、僕も付いて行くよ。だって、君だけミシェル嬢に会うなんてフェアじゃないでしょ!」
にっこり笑うユーグラテス。
何なんだよこいつ!
「とにかく、レオが長期休みを取るようなら、僕も取るからそのつもりで」
にっこり笑って去っていくユーグラテス。
ふざけやがって!これじゃあ、ミシェルに会いに行けないじゃないか!そもそもミシェルのいる領地まで行くのに、丸2日かかる。往復だけで4日。滞在の事を考えても、最低でも1週間はいる。
ユーグラテスにバレずに行く事は不可能だ!仕方ない。とにかくユーグラテスが諦めるまで、ミシェルに会う事は出来ないな。
頼むから早く諦めてくれ、ユーグラテス。
俺の願いとは裏腹に、一向に諦める様子のないユーグラテス。俺はミシェルに会えない寂しさを紛らわすように、今まで以上に稽古に精を出した。
そんな時、アレックス兄さんからある提案をされた。
「レオ、ミシェルと結婚したいなら、少しはミューティング公爵家の領地について知っておいた方がいいぞ。ほら、資料を準備しておいてやったから目を通しておけ。後これ。領地経営に関する本だよ。一通り目を通しておくといい」
確かにミシェルとの婚約が決まった時、1から覚えるより今から覚えておいた方が効率がいい。
早速アレックス兄さんに渡された資料に目を通す。思った以上に資料が多く、読むのに大変だ。領地経営に関する本も読み始めたが、量が膨大なうえ難しくて理解するのに時間が掛かる。
俺は時間を見つけては、本を読んだ。騎士団の休憩中も本を読んでいると
「あれ、レオ。何の本を読んでいるんだい?」
またお前かよ、ユーグラテス!
「別に。お前には関係ないだろ!」
ユーグラテスに背を向け、再び本を読みだす。なんとなく何の本を読んでいるか周りに知られたくない。ただ本にカバーを掛けてあるから、何を読んでいるかはバレないはずだ。
「ふ~ん」
そう言って去って行った。
そんなある日、ジルが話しかけて来た。
「ようレオ。相変わらず殺気立っているな」
「何だよジル。幸せアピールなら向こうに行け」
こいつはガーディアン嬢と婚約して以来、ずっと彼女にべったりだ。茶会なども、必ず2人で参加している。俺はずっとミシェルに会えていないのに!
「落ち着けよレオ。この前シュミナがミシェル嬢に会いに行ったから、報告してやろうと思ったのに」
そう言えば、ガーディアン嬢がミシェルのところに行っていると言っていたな。
「それで、ミシェルの様子は?」
「随分楽しそうに過ごしている様だぞ。完璧に馬にも乗りこなしているし。そうそう、孤児院にも頻繁に足を運んでいる様で、随分子供たちは懐いている様だ」
そう言えば、孤児院にも通っていると手紙に書いてあったな。ミシェルの一声で、今ミューティング公爵が領地の改革を行っていると言っていた。
「ジル、孤児院にはミシェルくらいの歳の男共もいるのだろう?ミシェルは大丈夫なのか?」
ミシェルは美しい。そんな美しいミシェルを、男共が放っておく訳がないはずだ!
「落ち着けよ。ミシェル嬢に男の影は一切ない!それにしても、孤児院の男にまで嫉妬するなんて、お前って…」
「うるさいな。俺はずっとミシェルに会えていないんだ!心配して何が悪い!」
俺の発言に、完全に引いているジル。
相変わらずユーグラテスが諦める事はなく、ずっとミシェルに会えない日々が続いた。
そして月日は流れ、ついに来週ミシェルが帰ってくることになった。13歳になったミシェルは、きっと美しく成長している事だろう。早く会いたい。
俺は1人部屋で領地経営に関する本を読んでいた。
コンコン
「坊ちゃま、旦那様がお呼びです」
父上が?
「わかった、すぐに行く」
急いで父上の待つ居間へと向かった。そこにはミシェルの両親も来ていた。
「レオ、呼び出してすまないね。来週ミシェルが帰って来る事は知っているだろう。その話を嗅ぎつけ、既に王家が動き出しているんだ。ミシェルが王都に帰って来たタイミングで、家に結婚の申し込みをしてくるつもりの様だ」
そう言ってため息を付く公爵。
「それでだ、レオ。一足先にお前とミシェルを婚約させようと考えている。ただ、第二王子がお前を監視している為、騎士団の稽古を休ませるわけにはいかない。そこでだ!ミシェルが帰ってくる時に泊まるホテルで、お前たちの婚約を結ぼうと思っているんだ」
父上が俺に詳しく説明してくれた。という事は、俺とミシェルの婚約は決定って事か?
「おい、勝手なことを言うな。とにかく、ホテルでミシェルの意見を聞いてから、婚約を結ばせるからな!」
チッ!やっぱりそう言う話かよ。
「わかったよ、とにかくユーグラテスより早く俺がミシェルと婚約するって言う話でいいんだよな」
「…少し違うが、まあいい」
腑に落ちない顔の公爵。女性陣はクスクス笑っている。
とにかく、来週にはミシェルに会える。ミシェルを脅してでも、絶対に婚約しよう。ユーグラテスにだけは、絶対に渡さない!
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