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第2話:家族にも説得されました
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あまりにも幸せそうな2人を目の当たりした私は、そのままフラフラと校門までやって来た。
私、ハイエナ令嬢と呼ばれていたなんて…
確かに私は、今までエディソン様の事を考えずに、毎日毎日押しかけていた。最近特に私の事を避けている事はわかっていたけれど…
まさかエディソン様に、最愛の人がいたなんて…
あまりのショックに、放心状態のまま馬車に乗り込もうとした時だった。
「アンリお嬢様、そちらは他の方の馬車です」
御者が慌てて私を連れ戻した。いくらショックだったからと言って、まさか他の人の馬車に乗り込もうとするなんて。私ったら、何をしているのかしら…
「ごめんなさい!」
急いで間違えて乗り込みそうになった馬車の御者に頭を下げ、自分の馬車へと乗り込んだ。そうだわ、こんな日は!
「丘に向かってくれる?」
「丘でございますか?わかりました」
辛い事や悲しい事があったら、校舎裏で泣く。それでもダメなときは、王都の外れにある小さな丘へと向かうのだ。丘に着くと、早速近くにあった木に登った。4年間、自然豊かな領地で過ごした私は、木登りや川遊びをして育った。生憎王都には自然があまりない。ただこの丘にだけは、少しだけ緑があるのだ。
木の枝に腰を下ろし、王都の街の眺める。この丘から見る領地の街並みが好きなのだ。
王都に戻って来て1年半。私はずっとエディソン様を追いかけてきた。もちろん、その事に後悔はない。でも…
これ以上エディソン様を追いかけても、エディソン様はもちろん、恋人のネリア様にも迷惑が掛かる事になる。
それに何より、今まで散々令嬢たちに嫌味や暴言を吐かれて来た。さすがにもう疲れてしまった。そろそろ、潮時なのかもしれないわね。
そんな事を考えていると、街が夕焼けで真っ赤に染まっていた。
「綺麗な夕焼け…そういえば領地に旅立つ前に、ここで男の子と一緒に過ごしたのよね。あの子、今頃どうしているのかしら?」
懐かしい記憶が蘇る。いい加減私も、前に進まないとね!
美しい夕焼けを見ていたら、なんだか前に進めそうな気がして来た。再び馬車に乗り込み、家に帰って来た。着替えを済ませ、夕食を頂くため食堂へと向かう。
「アンリ、お前まだエディソン様を追い回しているらしいな。今日、令嬢たちから俺の元に抗議が来たよ。いい加減諦めろ。お前がいくらエディソン様にまとわりついたとしても、迷惑に思われるだけだ。そもそも、俺の身にもなってくれ。お前みたいな妹を持ったせいで、俺まで令嬢たちに文句を言われるんだぞ」
私が席に付くなり、すぐに文句を言うお兄様。1学年上のお兄様は、エディソン様と同級生。私がエディソン様を追い回すことを快く思っておらず、事あるごとに文句を言ってくるのだ。
「あなた、まだマッキーノ侯爵令息を追い掛け回してるの?この前、公衆の面前でダンスを断られていたじゃない。いい加減諦めなさい。マッキーノ侯爵夫人からも “これ以上息子に関わらないで欲しい”と言われているのですよ。そもそも伯爵令嬢が、侯爵令息を追い回すなんて、何を考えているの?もし正式にマッキーノ侯爵家から抗議文が届いたら、どうするつもりよ」
「アンリの気持ちはわかる。でも、マッキーノ侯爵令息は、スカーディス侯爵家のネリア譲と近々婚約を結ぶという噂だ。これ以上お前が頑張っても、もう無理だ。諦めなさい」
お父様やお母様からも、諦めろと言われてしまった。それにお父様にまでエディソン様とネリア様が婚約するという話が耳に入っているのなら、きっと事実なのだろう。
「分かりましたわ…もう、諦めます…」
どう頑張っても無理だものね。それにもう疲れたし…
「やっとわかってくれたか!よかった。それじゃあ、明日からもう3年棟には絶対来るなよ。いいな、分かったな!もし来たら、ただじゃ置かないからな」
お兄様に念押しされる。お兄様ったら、昔は優しかったのに。でも、私のせいでお兄様にも沢山迷惑を掛けてしまったのよね…
「お兄様、今までごめんなさい。もう二度と3年棟には行かないから、安心して」
「わ…わかってくれたらいいんだ。とにかく、食事にしよう」
素直に私が謝ったものだから、急にお兄様が焦り出した。
「アンリ、あなたは少し暴走してしまう事があるけれど、大人しくしていればとても魅力的な令嬢よ。そうだわ、あなたもそろそろ婚約者を決めないとね。婚約者が出来れば、きっとあなたも落ち着くわ」
婚約者か…
私の場合、貴族学院だけでなく夜会でもエディソン様を追い回していた。そんな私を嫁に貰ってくれるという、物好きは現れるのかしら…
とにかく今は、エディソン様を忘れる事に専念しないと。
でも、忘れる事なんて出来るのかしら…
私、ハイエナ令嬢と呼ばれていたなんて…
確かに私は、今までエディソン様の事を考えずに、毎日毎日押しかけていた。最近特に私の事を避けている事はわかっていたけれど…
まさかエディソン様に、最愛の人がいたなんて…
あまりのショックに、放心状態のまま馬車に乗り込もうとした時だった。
「アンリお嬢様、そちらは他の方の馬車です」
御者が慌てて私を連れ戻した。いくらショックだったからと言って、まさか他の人の馬車に乗り込もうとするなんて。私ったら、何をしているのかしら…
「ごめんなさい!」
急いで間違えて乗り込みそうになった馬車の御者に頭を下げ、自分の馬車へと乗り込んだ。そうだわ、こんな日は!
「丘に向かってくれる?」
「丘でございますか?わかりました」
辛い事や悲しい事があったら、校舎裏で泣く。それでもダメなときは、王都の外れにある小さな丘へと向かうのだ。丘に着くと、早速近くにあった木に登った。4年間、自然豊かな領地で過ごした私は、木登りや川遊びをして育った。生憎王都には自然があまりない。ただこの丘にだけは、少しだけ緑があるのだ。
木の枝に腰を下ろし、王都の街の眺める。この丘から見る領地の街並みが好きなのだ。
王都に戻って来て1年半。私はずっとエディソン様を追いかけてきた。もちろん、その事に後悔はない。でも…
これ以上エディソン様を追いかけても、エディソン様はもちろん、恋人のネリア様にも迷惑が掛かる事になる。
それに何より、今まで散々令嬢たちに嫌味や暴言を吐かれて来た。さすがにもう疲れてしまった。そろそろ、潮時なのかもしれないわね。
そんな事を考えていると、街が夕焼けで真っ赤に染まっていた。
「綺麗な夕焼け…そういえば領地に旅立つ前に、ここで男の子と一緒に過ごしたのよね。あの子、今頃どうしているのかしら?」
懐かしい記憶が蘇る。いい加減私も、前に進まないとね!
美しい夕焼けを見ていたら、なんだか前に進めそうな気がして来た。再び馬車に乗り込み、家に帰って来た。着替えを済ませ、夕食を頂くため食堂へと向かう。
「アンリ、お前まだエディソン様を追い回しているらしいな。今日、令嬢たちから俺の元に抗議が来たよ。いい加減諦めろ。お前がいくらエディソン様にまとわりついたとしても、迷惑に思われるだけだ。そもそも、俺の身にもなってくれ。お前みたいな妹を持ったせいで、俺まで令嬢たちに文句を言われるんだぞ」
私が席に付くなり、すぐに文句を言うお兄様。1学年上のお兄様は、エディソン様と同級生。私がエディソン様を追い回すことを快く思っておらず、事あるごとに文句を言ってくるのだ。
「あなた、まだマッキーノ侯爵令息を追い掛け回してるの?この前、公衆の面前でダンスを断られていたじゃない。いい加減諦めなさい。マッキーノ侯爵夫人からも “これ以上息子に関わらないで欲しい”と言われているのですよ。そもそも伯爵令嬢が、侯爵令息を追い回すなんて、何を考えているの?もし正式にマッキーノ侯爵家から抗議文が届いたら、どうするつもりよ」
「アンリの気持ちはわかる。でも、マッキーノ侯爵令息は、スカーディス侯爵家のネリア譲と近々婚約を結ぶという噂だ。これ以上お前が頑張っても、もう無理だ。諦めなさい」
お父様やお母様からも、諦めろと言われてしまった。それにお父様にまでエディソン様とネリア様が婚約するという話が耳に入っているのなら、きっと事実なのだろう。
「分かりましたわ…もう、諦めます…」
どう頑張っても無理だものね。それにもう疲れたし…
「やっとわかってくれたか!よかった。それじゃあ、明日からもう3年棟には絶対来るなよ。いいな、分かったな!もし来たら、ただじゃ置かないからな」
お兄様に念押しされる。お兄様ったら、昔は優しかったのに。でも、私のせいでお兄様にも沢山迷惑を掛けてしまったのよね…
「お兄様、今までごめんなさい。もう二度と3年棟には行かないから、安心して」
「わ…わかってくれたらいいんだ。とにかく、食事にしよう」
素直に私が謝ったものだから、急にお兄様が焦り出した。
「アンリ、あなたは少し暴走してしまう事があるけれど、大人しくしていればとても魅力的な令嬢よ。そうだわ、あなたもそろそろ婚約者を決めないとね。婚約者が出来れば、きっとあなたも落ち着くわ」
婚約者か…
私の場合、貴族学院だけでなく夜会でもエディソン様を追い回していた。そんな私を嫁に貰ってくれるという、物好きは現れるのかしら…
とにかく今は、エディソン様を忘れる事に専念しないと。
でも、忘れる事なんて出来るのかしら…
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