123 / 264
地獄のタワーディフェンス編
陥落寸前と苛烈な二日目
しおりを挟む
俺は仮眠室から飛び出した。
「もう起きたのか? まだ寝てても大丈夫だぞ。特に戦況は変化が無」
「ミラン、すぐサンドンの所に行って」
「どういう事だ?」
俺の様子にミランは厳しい表情を浮かべる。
「カタリナに王都や王立学校の監視を頼んでいたの。両方とも陥落寸前だよ」
「黒い炎にか?」
俺は頷き、言葉を続ける。
「サンドンに助けをお願いして」
「アバンセには?」
「王都が陥落寸前なら他の所も不味い可能性がある。例えば交易都市。そして帝都。交易都市にはアバンセ、帝都方向にはお願いしてパルに行ってもらう」
「……済まないが頼む」
すぐにミランはサンドンの所へと走るのだ。
そして俺も体育教師ホイッスルですぐにアバンセとパルを呼び出す。
さすがアバンセ。ホイッスルを吹いて数分、隠れるようにチビ竜姿で登場。
「おおっ、シノブ!! ついに俺の助けが必要か!! 任せろ、この不死身のアバンセが黒い炎など」
「交易都市に行って」
「ん? 交易都市? どういう事だ?」
「陥落しそうな可能性があるの」
「交易都市は城壁で囲まれた都市だぞ。黒い炎程度で陥落する都市ではない」
「王都と王立学校が危ないの。そっちはサンドンに頼んだけど、交易都市も同じようになってる可能性がある」
「シノブ。ならばこのエルフの町がそうなる可能性もある。そうなった時に俺が助けに来られないかも知れないぞ」
前世で俺が目指したのは小説家。その時にファンタジー戦記物を書こうとして実際に歴史で調べて知った事がある。
「……もしこのまま交易都市が簡単に陥落したら、住人の人達は地理的に近いエルフの町にもいっぱい流れて来るよ。もしエルフの町が無事だったとしても、交易都市の人達を受け入れる程に余裕は無い。そうなったら人と人で争う事になる。交易都市を護る事はエルフの町を護る事にもなるんだよ」
歴史上、難民が生きる為に略奪行為へ走る事は少なくない。
俺は言葉を続ける。
「でも……もし私が笛を吹いたら……すぐに戻って」
それでも、もし助ける為にどちらかを選ぶような事態になったのなら、俺は故郷を選ぶ。そういう事。
「……ああ。分かった」
アバンセは飛び立つ。
さらに数分後。
パルがやっぱりチビ竜姿で登場。
「おおっ、シノブ!! ついに俺の助けが必要か!! 任せろ、この轟竜パルが黒い炎など」
「帝都に行って」
「ん? 帝都? どういう事だ?」
反応がアバンセと同じで笑えるんだけど?
俺はアバンセにした説明をパルにも伝える。
「ちっ、まぁ、シノブが言うなら、やってるやるけどな。それよりお前、最近はアバンセと随分仲が良いようだな?」
「そんな事は無いけど」
「あのクソ野郎とベッドの上で何やらやったらしいじゃねぇか」
「はっ!!?」
そ、それは聖なる日の性なる夜の話か!!?
「ちょ、な、何でその事を……」
「アバンセのクソが自慢に来んだよ!! やっただの何だのとよ!!」
あのエロ竜が!! 余計な事を!!
「やってない!! 最後までやってない!!」
「じゃあ、どこまでやったんだよ!!?」
「……と、途中までだけど……」
俺は顔を逸らす。
「殺す。アバンセは殺す」
「ね、ねぇ、パル、今はそれどころじゃ」
「……同じ事を俺にもさせろ」
「パル?」
「約束をしないなら俺は動かんぞ!! 例え殺されてもだ!!」
「殺さないよ!!」
くっ、この大変な時に……しかしパルの戦闘力はどうしても欲しい。
「……もうっ……帝国内、全てをお願い」
「お、お前、帝国がどれくらい広いか分かってんのか?」
「私とエッチな事がしたいなら、それぐらいやれやぁ!! やるのか、やらんのか、どっちだ、ああんっ!!?」
「やってやらぁ!! この轟竜パルの力を見せてやる!! 待ってろよ、シノブ、この野郎!!」
そう言い残し、パルも飛び立つ。
とんでもねぇ約束をしてしまったが、これで帝国が救われるならば……
ミランが戻る。
元々サンドンは王立学校に向かうつもりだったそうだ。と言うのも、リアーナの持つ体育教師ホイッスルが吹かれていた。
王立学校と王都はサンドンの翼ならば近い。王都もどうにか護ってくれるだろう。
そうして夜が明ける。
より苛烈な二日目が始まるのである。
★★★
すでに休める状態じゃない。
全員が出払い、ギリギリで町を護っている状態。どこか一つでも崩れれば、そのままエルフの町は攻め落とされる。
俺とシャーリーを背中に乗せたヴォルフラムが町の中を駆ける。目の前には黒い炎、それは巨躯の獣人の姿だった。猪とも豚とも言える顔をしたオーク。
指先をクルクルと回すシャーリー。放たれた魔弾がオークの胴体を貫く。
見える範囲、行く手を遮りそうな黒い炎にシャーリーが魔弾を撃ち込んでいく。魔弾が間に合わなければヴォルフラムが牙と爪とで引き裂いた。霧散する黒い炎。
「ベルベッティア、アリエリ!!」
そこはエルフの町の入口、大通りの正面。
相変わらず酷い12時方向。
大量に現れる黒い炎を、ベルベッティアが指揮するアリエリ、そして警備隊員と有志で耐えていた。
「シノブ、黒い炎の勢いが止まらない」
ベルベッティアは俺の姿を見付けて肩に駆け上がる。
「アリエリ一人で押さえられる?」
酷い状況なのは分かっている。それでもだ。
「……分かった。危ないと感じたらすぐ報告するわ」
「お願い」
アリエリの所から引き抜いた警備隊員と有志を連れてミランの所へ。
「ミラン、タカさん!!」
「状況は!!?」
ミランは盾で黒い炎を弾き返し間合いを取る。そして剣で一閃、黒い炎を縦に叩き斬る。
「酷くなりそうな所があるの、二人は先にそっち行って。ここは他の人達に任せて大丈夫だから」
「ははっ、大忙しだね」
そんな中でもタカニャは笑う。
「二人とも気を付けて」
「ああ。任せろ」
そんな感じで、あっちの人員をこっちへ、こっちの人員をそっちへ、そっちの人員をあっちへ、絶妙な人員調整を繰り広げる。
「シノブ!! 指が攣りそうなんだけど!!」
「足の指とかじゃ駄目なの!!?」
「やった事あるけど無理!!」
「やった事があったの!!? だったら仕方無いけど頑張って!!」
「でもキリが無いよ、マジで!!」
ああ、マジでキリが無い。
シャーリーが魔弾を何発、何十発と撃っても黒い炎は減ったように見えない。
そして目の前、黒い炎に飲み込まれそうな警備隊員と有志の人達の姿が。
「シャーリー!! 飛び降りるよ!! ヴォルはそのまま突っ込んで!!」
「えっ? うわっ!!」
俺はシャーリーを抱えて飛び降り、ヴォルフラムはそのまま黒い炎の中へと飛び込んだ。そしてその中で縦横無尽に暴れ回る。
鋭い牙を突き立て、刃のような爪が黒い炎を切り裂く。そして突進して黒い炎を弾き飛ばす。
「痛ぁっ……シノブ、無茶し過ぎ。ってか、ヴォルはホント凄いね」
「余裕が無かったんだから仕方無いじゃん。でも他の人は大丈夫でしょ」
「みたいだけど」
俺は警備隊員と有志の人達に駆け寄り声を掛ける。
「みなさん、大丈夫ですか?」
「シノブか、助かったよ」
「おかげで大した怪我は無いけど……これいつまで続くんだ?」
「先にこっちが力尽きちまうぞ」
「大丈夫なのか、シノブ、これで?」
「俺達も避難した方が良いんじゃないか?」
「町を見捨てろって言うのか!!?」
「だって仕方無いだろこれじゃ!!」
仲間内で争いが始まりそう。
「待ってください!! 現状ではまだ充分に対処はできています。もし町を放棄する必要があるなら、それは私がちゃんと判断します。だから今は私の指示に従ってください。お願いします」
みんなが顔を見合す。
「シノブがそう言うなら……なんせ救国の小女神様だからな」
「今、ヴォルフラムが黒い炎を減らします。そうしたら、また対処をお願いします。すぐに応援の人員を寄越しますので、それまで耐えてください」
「分かった」
「任せてくれ」
「でもシノブちゃんもあまり無理するんじゃないぞ」
なんて声が返って来る。
そして俺はその時に気付く。
「あれ……テト?」
初等学校時代の同級生、何かと俺に突っ掛かって来たクソ野郎。テトじゃないか!! パッと見は良い感じの男前になりやがって!!
「テトだよね? テトも有志として参加していたなんて、全く気付かなかったよー」
しかしテトは俺を無視。
そんな様子を見てシャーリーは言う。
「誰? 知り合い?」
「まぁね。初等学校の時の同級生。昔っから嫌な奴でね」
「ふーん、嫌な奴ねぇ……」
シャーリーはテトの後姿を見詰めていた。
そこにヴォルフラムが戻って来る。
「シノブ、かなり数を減らしたぞ」
「ありがと、ヴォル。じゃあ、次行くよ。ほらシャーリーも!!」
「あっ、うん」
そうして俺達はまた町中を駆け回るのだった。
「もう起きたのか? まだ寝てても大丈夫だぞ。特に戦況は変化が無」
「ミラン、すぐサンドンの所に行って」
「どういう事だ?」
俺の様子にミランは厳しい表情を浮かべる。
「カタリナに王都や王立学校の監視を頼んでいたの。両方とも陥落寸前だよ」
「黒い炎にか?」
俺は頷き、言葉を続ける。
「サンドンに助けをお願いして」
「アバンセには?」
「王都が陥落寸前なら他の所も不味い可能性がある。例えば交易都市。そして帝都。交易都市にはアバンセ、帝都方向にはお願いしてパルに行ってもらう」
「……済まないが頼む」
すぐにミランはサンドンの所へと走るのだ。
そして俺も体育教師ホイッスルですぐにアバンセとパルを呼び出す。
さすがアバンセ。ホイッスルを吹いて数分、隠れるようにチビ竜姿で登場。
「おおっ、シノブ!! ついに俺の助けが必要か!! 任せろ、この不死身のアバンセが黒い炎など」
「交易都市に行って」
「ん? 交易都市? どういう事だ?」
「陥落しそうな可能性があるの」
「交易都市は城壁で囲まれた都市だぞ。黒い炎程度で陥落する都市ではない」
「王都と王立学校が危ないの。そっちはサンドンに頼んだけど、交易都市も同じようになってる可能性がある」
「シノブ。ならばこのエルフの町がそうなる可能性もある。そうなった時に俺が助けに来られないかも知れないぞ」
前世で俺が目指したのは小説家。その時にファンタジー戦記物を書こうとして実際に歴史で調べて知った事がある。
「……もしこのまま交易都市が簡単に陥落したら、住人の人達は地理的に近いエルフの町にもいっぱい流れて来るよ。もしエルフの町が無事だったとしても、交易都市の人達を受け入れる程に余裕は無い。そうなったら人と人で争う事になる。交易都市を護る事はエルフの町を護る事にもなるんだよ」
歴史上、難民が生きる為に略奪行為へ走る事は少なくない。
俺は言葉を続ける。
「でも……もし私が笛を吹いたら……すぐに戻って」
それでも、もし助ける為にどちらかを選ぶような事態になったのなら、俺は故郷を選ぶ。そういう事。
「……ああ。分かった」
アバンセは飛び立つ。
さらに数分後。
パルがやっぱりチビ竜姿で登場。
「おおっ、シノブ!! ついに俺の助けが必要か!! 任せろ、この轟竜パルが黒い炎など」
「帝都に行って」
「ん? 帝都? どういう事だ?」
反応がアバンセと同じで笑えるんだけど?
俺はアバンセにした説明をパルにも伝える。
「ちっ、まぁ、シノブが言うなら、やってるやるけどな。それよりお前、最近はアバンセと随分仲が良いようだな?」
「そんな事は無いけど」
「あのクソ野郎とベッドの上で何やらやったらしいじゃねぇか」
「はっ!!?」
そ、それは聖なる日の性なる夜の話か!!?
「ちょ、な、何でその事を……」
「アバンセのクソが自慢に来んだよ!! やっただの何だのとよ!!」
あのエロ竜が!! 余計な事を!!
「やってない!! 最後までやってない!!」
「じゃあ、どこまでやったんだよ!!?」
「……と、途中までだけど……」
俺は顔を逸らす。
「殺す。アバンセは殺す」
「ね、ねぇ、パル、今はそれどころじゃ」
「……同じ事を俺にもさせろ」
「パル?」
「約束をしないなら俺は動かんぞ!! 例え殺されてもだ!!」
「殺さないよ!!」
くっ、この大変な時に……しかしパルの戦闘力はどうしても欲しい。
「……もうっ……帝国内、全てをお願い」
「お、お前、帝国がどれくらい広いか分かってんのか?」
「私とエッチな事がしたいなら、それぐらいやれやぁ!! やるのか、やらんのか、どっちだ、ああんっ!!?」
「やってやらぁ!! この轟竜パルの力を見せてやる!! 待ってろよ、シノブ、この野郎!!」
そう言い残し、パルも飛び立つ。
とんでもねぇ約束をしてしまったが、これで帝国が救われるならば……
ミランが戻る。
元々サンドンは王立学校に向かうつもりだったそうだ。と言うのも、リアーナの持つ体育教師ホイッスルが吹かれていた。
王立学校と王都はサンドンの翼ならば近い。王都もどうにか護ってくれるだろう。
そうして夜が明ける。
より苛烈な二日目が始まるのである。
★★★
すでに休める状態じゃない。
全員が出払い、ギリギリで町を護っている状態。どこか一つでも崩れれば、そのままエルフの町は攻め落とされる。
俺とシャーリーを背中に乗せたヴォルフラムが町の中を駆ける。目の前には黒い炎、それは巨躯の獣人の姿だった。猪とも豚とも言える顔をしたオーク。
指先をクルクルと回すシャーリー。放たれた魔弾がオークの胴体を貫く。
見える範囲、行く手を遮りそうな黒い炎にシャーリーが魔弾を撃ち込んでいく。魔弾が間に合わなければヴォルフラムが牙と爪とで引き裂いた。霧散する黒い炎。
「ベルベッティア、アリエリ!!」
そこはエルフの町の入口、大通りの正面。
相変わらず酷い12時方向。
大量に現れる黒い炎を、ベルベッティアが指揮するアリエリ、そして警備隊員と有志で耐えていた。
「シノブ、黒い炎の勢いが止まらない」
ベルベッティアは俺の姿を見付けて肩に駆け上がる。
「アリエリ一人で押さえられる?」
酷い状況なのは分かっている。それでもだ。
「……分かった。危ないと感じたらすぐ報告するわ」
「お願い」
アリエリの所から引き抜いた警備隊員と有志を連れてミランの所へ。
「ミラン、タカさん!!」
「状況は!!?」
ミランは盾で黒い炎を弾き返し間合いを取る。そして剣で一閃、黒い炎を縦に叩き斬る。
「酷くなりそうな所があるの、二人は先にそっち行って。ここは他の人達に任せて大丈夫だから」
「ははっ、大忙しだね」
そんな中でもタカニャは笑う。
「二人とも気を付けて」
「ああ。任せろ」
そんな感じで、あっちの人員をこっちへ、こっちの人員をそっちへ、そっちの人員をあっちへ、絶妙な人員調整を繰り広げる。
「シノブ!! 指が攣りそうなんだけど!!」
「足の指とかじゃ駄目なの!!?」
「やった事あるけど無理!!」
「やった事があったの!!? だったら仕方無いけど頑張って!!」
「でもキリが無いよ、マジで!!」
ああ、マジでキリが無い。
シャーリーが魔弾を何発、何十発と撃っても黒い炎は減ったように見えない。
そして目の前、黒い炎に飲み込まれそうな警備隊員と有志の人達の姿が。
「シャーリー!! 飛び降りるよ!! ヴォルはそのまま突っ込んで!!」
「えっ? うわっ!!」
俺はシャーリーを抱えて飛び降り、ヴォルフラムはそのまま黒い炎の中へと飛び込んだ。そしてその中で縦横無尽に暴れ回る。
鋭い牙を突き立て、刃のような爪が黒い炎を切り裂く。そして突進して黒い炎を弾き飛ばす。
「痛ぁっ……シノブ、無茶し過ぎ。ってか、ヴォルはホント凄いね」
「余裕が無かったんだから仕方無いじゃん。でも他の人は大丈夫でしょ」
「みたいだけど」
俺は警備隊員と有志の人達に駆け寄り声を掛ける。
「みなさん、大丈夫ですか?」
「シノブか、助かったよ」
「おかげで大した怪我は無いけど……これいつまで続くんだ?」
「先にこっちが力尽きちまうぞ」
「大丈夫なのか、シノブ、これで?」
「俺達も避難した方が良いんじゃないか?」
「町を見捨てろって言うのか!!?」
「だって仕方無いだろこれじゃ!!」
仲間内で争いが始まりそう。
「待ってください!! 現状ではまだ充分に対処はできています。もし町を放棄する必要があるなら、それは私がちゃんと判断します。だから今は私の指示に従ってください。お願いします」
みんなが顔を見合す。
「シノブがそう言うなら……なんせ救国の小女神様だからな」
「今、ヴォルフラムが黒い炎を減らします。そうしたら、また対処をお願いします。すぐに応援の人員を寄越しますので、それまで耐えてください」
「分かった」
「任せてくれ」
「でもシノブちゃんもあまり無理するんじゃないぞ」
なんて声が返って来る。
そして俺はその時に気付く。
「あれ……テト?」
初等学校時代の同級生、何かと俺に突っ掛かって来たクソ野郎。テトじゃないか!! パッと見は良い感じの男前になりやがって!!
「テトだよね? テトも有志として参加していたなんて、全く気付かなかったよー」
しかしテトは俺を無視。
そんな様子を見てシャーリーは言う。
「誰? 知り合い?」
「まぁね。初等学校の時の同級生。昔っから嫌な奴でね」
「ふーん、嫌な奴ねぇ……」
シャーリーはテトの後姿を見詰めていた。
そこにヴォルフラムが戻って来る。
「シノブ、かなり数を減らしたぞ」
「ありがと、ヴォル。じゃあ、次行くよ。ほらシャーリーも!!」
「あっ、うん」
そうして俺達はまた町中を駆け回るのだった。
0
お気に入りに追加
187
あなたにおすすめの小説
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
直球キャラゆえに婚約破棄された令嬢、腹黒住民が集う排他的な辺境に嫁ぎます。愛しいダーリンと共に、その住民根性叩き直してみせますわ!
花房ジュリー②
ファンタジー
※第17回ファンタジー小説大賞エントリー中。応援お願いします!
公爵令嬢シャルロッテは、その『ハキハキした物言い』ゆえに、王太子から婚約破棄を言い渡される。
おまけに濡れ衣を着せられるわ、国一番の女たらしと噂の辺境伯・レオとの結婚を命じられるわと、まさに踏んだり蹴ったり。
それでも前向きに辺境地エクスクルブルクへ乗り込むシャルロッテだったが、そこは超排他的で、陰険な領民たちの集まりだった。
旧王都であることを誇りにし、神官シュトレーゼマン一族を異様に信奉する彼らから、迫害を受けるシャルロッテ。
だが、夫レオは、シャルロッテの直球な性格を気に入った様子。
一緒に領民たちの根性を叩き直そうと、二人はエクスクルブルクの改革を決意する。
だがその矢先、シュトレーゼマン一族が王都を『奪還』しようと、とんでもない計画を立てているとの情報が!
計画阻止に奔走するシャルロッテとレオだが、領民たちは一癖も二癖もあり、一筋縄ではいかない。さらにはレオにも、何やら秘密があるようで……!?
※このお話はフィクションです。実在の人物、地名等とは一切関係ありません。
※小説家になろう様にも掲載しています。
いじめられていた俺は自宅ダンジョンで世界最強になっていた 陰キャ高校生いじめっ子をボコボコにできるようになりました
木嶋隆太
ファンタジー
いじめられ、引きこもりがちの高校生である俺の家に、ダンジョンが出現した。世界初のダンジョンを発見した俺は、そのダンジョンの攻略を開始する。RPG大好きな俺はゲーム感覚で迷宮攻略を行っていった俺は、ステータスを鍛え、レベルを爆速で上げていく。異世界の美少女妖精サリアとともに、いじめっ子をボコボコにすることを目標に俺は迷宮攻略を行っていく。そして、気づけばいじめっ子なんて目ではないほどの最強になっていた。
異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
すばらしい新世界
阿波野治
ホラー
教師に嫌な目に遭わされ、悪友と喧嘩をした昼下り、小学六年生のイナがうたた寝から目を覚まさすと、世界から人が消えていた。検証の結果、どうやら世界を意のままに操る能力を得たらしい。力を使って好き放題しようと目論むイナだったが……。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる