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崩壊編

廃村と性行為をしないと出られない部屋

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「隠し事を見抜く能力なんて無いのよね?」
 ベルベッティアの言葉に俺は笑う。
「無い無い。そんなのあるわけ無いじゃん。まぁ、これからみんなに説明するって」

 フォリオとタカニャも戻る。
 どうやら周囲に伏兵などの姿は無いらしい。
 そして俺は全員を集めて、ママトエトエとの会話で分かった事をみんなに伝える。
「まず今回の件の黒幕は三つ首竜じゃない。多分だけどアイザックが本当の黒幕の可能性が高い」
「どういう事? あれだけの会話で分かるの?」
 ベルベッティアの質問に俺は頷く。
「ベルベッティアは私とママトエトエの会話に違和感無かった?」
「会話の流れに変な所は無かったと思うけど……」
「だから逆に変なの。今回の事態に多くのゴーレムが関わっているから黒幕を三つ首竜と考えるのは当然だよね? だけどドレミドの反応を見て、違う可能性もあると考えた。だからママトエトエの会話では黒幕を別の誰かとして話をしていたんだよ」
 俺は説明を続ける。
 黒幕が三つ首竜なら、俺が発言した『別の誰か』が意味を成さない。
 それに俺は『アナタ達の指揮官がどんな人物かは分からない』とも言った。しかし三つ首竜の存在は有名だし、俺とは一度直接戦っている。黒幕が三つ首竜なら、ママトエトエがそれを知らないとは考えられない。
 よって黒幕は三つ首竜ではない可能性が高い。
「……つまりあの会話がすんなりと流れに違和感が無いなら、それは黒幕が別にいるからだよ」
「それだと根拠が少し弱くない? ママトエトエが適当に付き合っていただけの可能性もあるし、シノブのその考えに気付いて演技をしていた可能性だってある」
 ベルベッティアの言う事にも一理ある。
「だから次に出したのがアイザックの名前。それと僕の嘘能力」
 そもそもゴーレムという技術についてタックルベリーもアルタイルも三つ首竜独自のモノという見解だった。しかしその特殊過ぎる能力は神々の手である可能性の方が高いのではないか?
 そこで俺はアイザックの名前を出し、さらに秘密を見抜く能力があるとカマを掛けた。
「もし全てが的外れならママトエトエは僕のハッタリを見抜けただろうけど」
「合っていたから無視も出来なかった……」
「そうだね。だから今回は退くしかなかったんだよ。まぁ、情報を引き出しつつ、相手を撤退させるという名采配だったわけだ。どうだ、褒め称え給え!!」
「ねぇ、シノブちゃん、もし全てが的外れで相手が退かなかったらどうするつもりだったの?」
 と、リアーナ。
「そりゃねぇ……勝とうと思うから、こっちにも被害が出るわけで、負けないよう防衛しながら撤退すれば被害も少なく離脱出来るでしょ。まぁ、最後は僕の能力もあるわけだし」
 戦力が拮抗しているのは向こうも分かっているだろうから無駄追いも無いだろ。
「でも今回は良かったけど、絶対的な勝算を何か手に入れないとね」
 当然だが負け戦なんざしたくねぇ。
 ん?
「どうしたの? 僕への賞賛は?」
 呆れたように言うのはロザリンドだった。
「分かってはいたけど、何て言うか……少ない会話の中でそこまで考えていたのは凄いと思う……でも、何故かシノブだと悪知恵が働くと言うか、ズル賢いと言うか、そんな印象になるのが不思議だわ」
「ちょっとぉぉぉっ!!」
「分かる」
「ベルベッティアまで!!」
「わ、わわ、私はそんな事、お、思わないです!! シ、シノブさんは凄いです!!」
「キオは良い子だね。みんな、キオを見習って!!」
「シノブ様は所々で暴言が目立ちますから、そこを直して頂けたら」
 そう言うのはホーリー。
「だって基本的に嫌な奴は小馬鹿にしたい」
「そういう所ですシノブ様」
「まぁ、らしいって言えばシノブらしいけどな」
 タックルベリーの言葉にみんな笑うのだった。

★★★

 そんなわけで大陸の新しい地図を作るかの如く、アイザックを探して大陸を進んで行くわけだが……どうしてこんな事に……
 たまたま立ち寄った廃村だった。
 崩れ落ちる寸前の建物が並ぶ中、その建物だけは比較的しっかりと形が残っていた。もしかしたら誰かいるのかと足を踏み入れた瞬間だった。
 空間は歪み、周囲の景色は消失する。一瞬だけ目の前は闇に包まれ、気付くと別の一室に俺達はいた。
 俺、リアーナ、ロザリンド、タックルベリー、リコリス、ユリアン、キオ。この七人。
 見た事のある机に椅子、鏡台、そしてベッド……これって……
「僕の部屋じゃん!!」
 そう、それはエルフの町の実家である俺の部屋じゃねぇか!!
 窓から見える景色も一緒。
「そうなの?」
 と、ロザリンド。リアーナも頷く。
「うん、確かにシノブちゃんの部屋だよね」
「どういう事なのかしら? わたくし達はシノブの部屋に転送されたという事?」
 リコリスの言葉にユリアンは言う。
「サンドンの所みたいな装置がここにもあるなんて考えられないって」
「そうだな、ここは本当のシノブの部屋じゃないな」
 タックルベリーはドアノブに手を掛けていた。そして戸を押したり引いたり。
「だって開かないぞ」
 じゃあ、窓は……開かねぇ。
「ちょっとみんな離れてて」
 俺は椅子を手にして……ドガッと窓を殴り付ける。窓ガラスは全く割れない。
「キオ。ちょっと周りを見て」
「は、はい」
 キオのカトブレパスの瞳なら何か分かるかも知れない……と思ったが……
「だ、駄目です……外の様子も、な、何も見えません」
「ベリー、どう思う?」
「まぁ、一種の結界。竜の罠と同じ、魔法の類だと思うけどな」
「どうする? 僕の能力で一気に吹き飛ばす?」
「止めろ。例えば、シノブが強力な魔法を使うだろ。それに耐えられる強度がこの部屋にあったら、その魔法の威力で僕達は全滅する恐れがある」
「じゃあ、とりあえず部屋を調べるだけ調べようか。外ではアルタイルえもん辺りが色々と考えてくれるだろうし」
 まぁ、本当にどうにもならないようなら、危ないけど俺の能力を使うしかねぇか。
 そんな感じで部屋の中を調べてみるのだが、とんでもないモノを発見しちまったぜ。
 それは机の引き出しの中に入れられていた一枚の紙。
 そこに書かれていたのは……

『性行為をしないと出られない部屋』

 あらやだ、これ漫画で見た事あるぅ!!
「シノブちゃん? どうしたの? 何かあった?」
「ま、まぁ、あったと言えばあったんだけど……」
 リアーナは俺が手に持つ紙を覗き込んだ。
「……シノブちゃん……ふざけてるの?」
「ち、違うって……机の中に入っていたの。もちろん僕が書いたもんじゃないよ」
「どうしたの、一体?」
 俺とリアーナの様子に気付いたロザリンド。ロザリンドも紙を覗き込む。
「……シノブ……ふざけているの?」
「だから違うって!!」
「ん? 何かあったのか? どんな些細なモノでもみんなに教えろよ。重要な事かも知れないからな」
 た、確かにタックルベリーの言う通りであるんだが……し、仕方ねぇ……みんなに見せるか。
 俺は改めて発見したその紙をみんなに見せるのだった。
「あ、あの、あの、シ、シノブさん、こ、ここ、これって……あの、そ、その……せ、せせ……」
「キオは知らないのかしら? わたくしは知っていますわ」
「も、もも、もももしかして、リコリスちゃんはすでに、け、経験が?」
 キオは反射的にユリアンへ視線を向けた。
「ち、違っ、こっちを見るなよ」
「経験はありませんわ。でも知識として持っているのは当然でしょう。もう何も知らない子供じゃないのよ」
「ねぇ、シノブ、本当にこれはシノブが書いたものではないのね?」
「こんな時にそんな事はしないって」
 ロザリンドの言葉に俺は答える。
「じゃあ、誰がこんな悪ふざけを」
「いや、これを実行する事により、ここから出られる可能性は高いな」
 リアーナの言葉を遮るようにタックルベリーは言う。そして続けた。
「まずここが誰かに作られた空間である事は間違いない。その紙に書かれた内容、実際にみんな書いている余裕なんて無かっただろうし、そう考えるとこの空間を作った誰かが残したものと考えるのが当然だろう。わざわざ密室を作って残したんだ。それを実行する事により、ここから出られる可能性は高いと僕は考える。もちろん意にそぐわない行為である事は重々に分かっているが、ここを出る為に絶対必要だと思う」
 そう言うタックルベリーであるが……
「何、笑ってんの?」
「笑っていませんけど」
「笑ってたじゃん!! しかもニヤニヤと!!」
「ニヤニヤしていませんけど」
「してたよ!! このドスケベが!!」
「ドスケベじゃありませんけど。だってここを出る為に必要なんですから」
「うるさい、馬鹿!! 絶対に別の方法を見付けるからね!!」
「無いと思うな~僕は~」
「死ね!!」
 そんなワケで別の方法を探してみる事に……

 どれぐらい経っただろうか……ここを脱出する術が一向に見付からない。
「ね、ねぇ……本当にここから出る方法が無かったら……シノブちゃん……どうするの?」
 リアーナは小さく言う。
「ど、どうするって……」
 本当にそれしか手段が無いなら……俺が全体の指揮官であり責任者だ……もし本当に必要だったら俺しかいないだろ……
「もちろん……僕がするよ……」
「……した事あるの?」
「無いけど仕方無いじゃん。リアーナは男性経験あるの?」
「わ、私も無いよ」
「ロザリンドは?」
「……無いわ」
「キオは……まぁ、聞くまでも無いか」
「は、はい……」
「でも最初がベリーかぁ……いやぁ、まぁ、ベリー自体はカッコイイんだけど……やっぱり変態馬鹿野郎の印象が強くてねぇ~」
「でもベリー君、学校では人気があるんだよ」
「そうなの?」
「だよね、ロザリンドちゃん」
「そうね。色んな女性にお付き合いを申し込まれているけど、全部断っているみたいだわ」
「だからきっとシノブちゃんの事が好きなんだと思っていたけど」
「ベリーが僕の事を? 違うよ、きっと僕が一番手近な異性だったんだよ。あの年頃の男は相手が女なら基本的に誰でも良いんだから」
「そういうものなの?」
「確かに恋愛的に好き嫌いの感覚はあるけど、それと性欲はまた別の話なんだよ。好きな相手じゃなくても、エッチが出来そうなら誰でも良いみたいな」
「シノブちゃん、詳しいね。本当に男の子みたい」
「べ、勉強になります……は、はい……」
 まぁ、中身は元・男ですからね。
「でも、だったらお付き合いを受けたら良かったんじゃないかしら? その方が深い関係になれるでしょう?」
「甘いね、ロザリンド。それを受けたら恋人同士になっちゃうでしょ? 恋人は好きな人が良いんだよ。だからベリーが探しているのはエッチが出来そうな女の子。今回なんか最大のチャンスじゃん。見逃すわけないよ」
「最低……ベリー君、最低な男の子だったんだね」
「つまりベリーは自分の性欲を発散させる為ならシノブでもリアーナでも、キオやリコリスでも良いって事なのね……」
「で、でも、リコリスちゃんには、ユリアン君がいるのに……ベリーさん、酷いです……酷過ぎます……」
 なんて話していると。
「うおぉぉぉぉぉい!! 聞こえてんだよ!! 全部、聞こえてんだよ!! 勝手な想像で解釈入れるを止めろぉ!!」
「でも当たってるでしょーよ!!」
「当たってねーよ!! 僕はこの状況から脱出する為に必要だから言ってんだよ!!」
「それで誰としたいのさ?」
「えっ、誰と?」
 ……タックルベリーの視線はリアーナに向かう。
「うっ……凄く胸を見られている気がするよ……」
 リアーナは小さく声を漏らす。
 そしてタックルベリーの視線はロザリンド、キオ、リコリスと順に向けられた。
「場合によっては斬り捨てるしか無いわ」
「ううっ……」
「わたくしが魅力的なのは分かるけど」
 最後は俺を見る。
「今、選んでいたよね? 選んでいたって事は誰でも良いって事でしょう? つまりやっぱりベリーはエッチが出来るなら誰とでも良いんだよ!!」
「……まぁ、そうだけどね」
「開き直りやがった!!?」
「男って奴はな!! 可愛い子となら何人とでもエロエロしたいもんなんだよ!! そうだろ、ユリアン!!?」
「えっ、そこで俺に話を振るの!!?」
 全員の視線がユリアンに集中する。
「あっ……気持ちは分からなくないけど……でも、やっぱり……それは相手に失礼だと思う。俺はそういう事……やっぱり本当に好きな相手としか……」
「でもユリアンはシノブを尊敬しているだろ? そのシノブがここを出る為に必要だからって言われたらどうする?」
「それは……」
 言い淀むユリアン。
「ほら、男はそういう所があるんだよ!!」
「異議あり!! ユリアンの場合は仕方なくその行為に及ぶのであって、行為そのものを目的としたベリーと一緒にするのは不適切だよ!!」
「あ、心配するな。シノブはその対象に入ってないから」
「何でこの僕が!!? 最高級に可愛いのに意味分からん!!」
「だって幼児体型は好きじゃない」
「死にさらせボケ!!」
 俺はタックルベリーに殴り掛かるのだった。
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