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学園編
お久しぶりです
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ケーキ屋での騒動があった翌日。いよいよシュゼット帝国学園の試験当日となり、俺たちは屋敷の前で両親たちに見送られていた。
「3人とも頑張ってくるのよ」
「大丈夫だと思うが、筆記は特に見直しとかするのだぞ」
「だってよシュヴィーナ」
「ん。シュヴィ気をつけて」
「なんで私だけ?!」
俺たちはシュヴィーナのことを揶揄いながら笑っている、馬車の用意が済んだようで御者が声をかけてくる。
「はは。さぁ、おふざけはこのくらいにして、気をつけて行ってくるんだぞ」
「あなたたちならきっと大丈夫よ。頑張ってきなさい」
「はい」
「わかりました!」
「ん。がんばります」
「ミリアも、ルイスたちのことをよろしくね」
「お任せください」
ミリアは俺たちのサポートをするため、試験会場であるシュゼット帝国学園へと一緒に向かうことになっており、父上たちに挨拶を済ませると、俺たちと一緒に馬車へと乗り込む。
「馬車で行くっていうことは、学園は遠いのかしら」
それからしばらく、俺は馬車の窓から街を眺めながらぼんやりしていると、シュヴィーナがそんなことを尋ねてきた。
「そこまで遠くはない。馬車で30分ほどだ」
「それなら、私たちなら走った方が早かったんじゃないかしら」
「ん。混む道をわざわざ馬車で行くのはめんどう」
フィエラとシュヴィーナの意見は尤もで、俺自身も可能であれば走ってさっさと行きたいところだが、それができない理由がある。
「俺もそうしたいところだが、貴族だから無理なんだ」
「どうして?」
「貴族は爵位が高いほど貴族としての品位を求められる。男爵家であればそこまで気に留められないから歩きでもいいが、俺みたいな公爵家はむしろ馬車で行かない方が他の貴族に舐められるんだ」
「そういうことなのね」
「本当にめんどうではあるが、俺のような貴族は身分にあった振る舞いをしないといけないってことだな」
貴族は常に他の貴族に目をつけられており、少しでもミスや至らない点があれば容赦なくそこを攻撃してくる。
そんな汚くて醜い世界に夢をみる平民も多くいるようだが、俺から言わせれば貴族社会なんて生きづらいだけで、冒険者として自由に生きていく方が楽だと言える。
「皆様。そろそろ到着いたします」
俺たちがそんな話をしていると、どうやら学園が見えてきたようで、ミリアが窓の外を眺めながら声をかけてきた。
「うわぁ。随分と大きいわね」
「ん。それに人も多い」
学園の入り口近くで馬車を降りた俺たちは、門の前にいる多くの人たちと、さらにその奥に見える城のような巨大な学園に目を向けた。
「人が多いのは当然だ。大陸各地からいろんな人たちが試験を受けにきているからな」
「どれくらいいるの?」
「さぁな。例年だと1000人は超えるらしいが、今年はもっといそうな気もするな」
毎年1000人以上の受験者がいると言われるシュゼット帝国学園の試験だが、合格者は200人ほどとなっており、難易度としてはかなり高いと言えるだろう。
「私、緊張してきたわ」
「ん。私も」
「フィエラもか?珍しいな」
「私も緊張はする」
「ふーん。まぁ、俺が教えたことを忘れてなければ大丈夫だ」
「頑張る」
「皆様。私はこれより中へは入れませんので、こちらでお帰りをお待ちしております」
緊張しているフィエラやシュヴィーナと話をしながら門の前まで近づくと、ミリアはそう言って歩みを止めた。
門より先へと入れるの試験を受けにきた者たちだけで、付き添いの者はそれ以上先へは入ることができない決まりとなっている。
そのため、ここまでついてきたミリアも当然中へと入ることはできず、ここで一旦、彼女とは別行動となるのだ。
「あぁ、わかった」
「頑張ってくる」
「いってきます!」
「いってらっしゃいませ」
ミリアに見送られて彼女と別れた後、俺たちはまずは受付へと向かい、手続きを済ませてから指定された教室へと向かう。
「俺はAクラスだが、お前たちは?」
「私はB」
「私もBね」
「なら、今日一日は別行動だな」
「お昼の時はそっちに行く」
「了解。俺は教室で待ってるよ」
試験は二つの組に分かれて行われることになっており、まず筆記試験でAクラスとBクラスに分かれ、その後Aクラスは最初に実技試験を行い、その間にBクラスが面接を行うのだ。
そして、お互いの試験が終了後は実技と面接を入れ替えて行い、それが終われば試験終了ということになる。
「んじゃ、俺はこっちだから」
「ん。またあとで」
フィエラたちと別れた後、俺は指定されたAクラスへと向かい、割り当てられた席へと座ろうとするが、そこで後ろから近づいてくる人の気配を感じた。
「ルイス様。お久しぶりです」
「アイリス」
振り返ってそちらを見てみると、そこには最後に会った時よりもさらに美しくなり、少し大人びた雰囲気のある婚約者が立っていた。
「ふふ。本当にお久しぶりですね」
「あぁ、久しぶり。元気そうだな」
「はい。ルイス様もお元気そうですよかったです。最後にお会いしたのはキングキメラから助けていただいた時でしたね。あの時は冒険者のエイル様としてでしたが、こうして本当のお姿のルイス様にお会いできてとても嬉しいです」
「そうか」
俺は彼女が嬉しそうに話しているのを聞き流しながら、忘れていたその時の状況を思い出し、彼女がその場にいたことも思い出した。
(興味が無さすぎてすっかり忘れてたな。キングキメラもヒュドラの方が印象が強すぎて忘れてたくらいだし、仕方ないか)
「そういえば、こちらにはいつ頃お戻りになられたのですか?」
「公爵領に戻ってきたのは1ヶ月ほど前だね。それから半月は屋敷で過ごして、その後に帝都に来たんだ」
「そうだったのですね。またお会いできて本当に嬉しいです」
アイリスは何が嬉しいのか分からないが、そう言って昔と変わらず花が咲いたように笑った。
「ところで、一つお尋ねしたいのですが、フィエラさんはどうされたのですか?」
「あぁ、あいつなら一緒に試験を受けにきてるよ。Bクラスにいる」
「そうなんですね。では、あとでご挨拶しなければいけませんね」
フィエラの話をした瞬間、アイリスの目が一瞬だけ敵を睨むように鋭くなるが、すぐに先ほどと同じ笑顔へと戻る。
(何か一瞬だけ背筋がゾワっとしたような。気のせいか?)
それからしばらくの間、会わなかった二年間について1人で語るアイリスに適当に話を合わせていると、視界の端に白い修道服を着てピンクブロンドの髪を揺らした少女が映った。
(は?今のはまさか)
まだ距離はあるが、それは確かに聖女の姿であり、その近くがざわついていることからも彼女であることは間違いないだろう。
「アイリス。一つ聞きたいことがある」
「はい。何ですか?」
「もしかして、今年って聖女も受けるのか?」
「あら。ご存知なかったのですか?今年は何故かわかりませんが、特別にということで聖女様も入学試験をお受けになるそうですよ」
(まじかよ)
聖女の年齢は俺の一つ下であり、本来であれば入学試験を受けるのは来年のはずである。
しかし、何が目的なのかは知らないが、アイリスが言うように彼女は今年の試験を受けるためシュゼット帝国学園へと来ており、今は前の方の席に座ってじっとしていた。
聖女のことを話終えた後、試験もそろそろ始まる時間となり、アイリスも自分の席へと戻っていく。
(なんか、いろいろとおかしくなってるな)
俺は1人になると、フィエラとの出会いや女神の存在、それに聖女の謎の行動など、これまでの前世では無かったことの連続に少しだけ疑問を感じるが、すぐにそれら全てがどうでも良くなる。
(けど、俺の目指すところは変わらない。早く永遠に死にたいな)
何があろうと、何が変わろうと、俺の目指すところは変わらない。
俺が望むのは永遠に死ぬこと。その方法を手に入れるまでは、やりたいことだけをやって生きていく。
ただそれだけなのだから。
その後、試験官の教師が3人ほど教室へと入ってくると、ようやく入学試験が始まるのであった。
「3人とも頑張ってくるのよ」
「大丈夫だと思うが、筆記は特に見直しとかするのだぞ」
「だってよシュヴィーナ」
「ん。シュヴィ気をつけて」
「なんで私だけ?!」
俺たちはシュヴィーナのことを揶揄いながら笑っている、馬車の用意が済んだようで御者が声をかけてくる。
「はは。さぁ、おふざけはこのくらいにして、気をつけて行ってくるんだぞ」
「あなたたちならきっと大丈夫よ。頑張ってきなさい」
「はい」
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「お任せください」
ミリアは俺たちのサポートをするため、試験会場であるシュゼット帝国学園へと一緒に向かうことになっており、父上たちに挨拶を済ませると、俺たちと一緒に馬車へと乗り込む。
「馬車で行くっていうことは、学園は遠いのかしら」
それからしばらく、俺は馬車の窓から街を眺めながらぼんやりしていると、シュヴィーナがそんなことを尋ねてきた。
「そこまで遠くはない。馬車で30分ほどだ」
「それなら、私たちなら走った方が早かったんじゃないかしら」
「ん。混む道をわざわざ馬車で行くのはめんどう」
フィエラとシュヴィーナの意見は尤もで、俺自身も可能であれば走ってさっさと行きたいところだが、それができない理由がある。
「俺もそうしたいところだが、貴族だから無理なんだ」
「どうして?」
「貴族は爵位が高いほど貴族としての品位を求められる。男爵家であればそこまで気に留められないから歩きでもいいが、俺みたいな公爵家はむしろ馬車で行かない方が他の貴族に舐められるんだ」
「そういうことなのね」
「本当にめんどうではあるが、俺のような貴族は身分にあった振る舞いをしないといけないってことだな」
貴族は常に他の貴族に目をつけられており、少しでもミスや至らない点があれば容赦なくそこを攻撃してくる。
そんな汚くて醜い世界に夢をみる平民も多くいるようだが、俺から言わせれば貴族社会なんて生きづらいだけで、冒険者として自由に生きていく方が楽だと言える。
「皆様。そろそろ到着いたします」
俺たちがそんな話をしていると、どうやら学園が見えてきたようで、ミリアが窓の外を眺めながら声をかけてきた。
「うわぁ。随分と大きいわね」
「ん。それに人も多い」
学園の入り口近くで馬車を降りた俺たちは、門の前にいる多くの人たちと、さらにその奥に見える城のような巨大な学園に目を向けた。
「人が多いのは当然だ。大陸各地からいろんな人たちが試験を受けにきているからな」
「どれくらいいるの?」
「さぁな。例年だと1000人は超えるらしいが、今年はもっといそうな気もするな」
毎年1000人以上の受験者がいると言われるシュゼット帝国学園の試験だが、合格者は200人ほどとなっており、難易度としてはかなり高いと言えるだろう。
「私、緊張してきたわ」
「ん。私も」
「フィエラもか?珍しいな」
「私も緊張はする」
「ふーん。まぁ、俺が教えたことを忘れてなければ大丈夫だ」
「頑張る」
「皆様。私はこれより中へは入れませんので、こちらでお帰りをお待ちしております」
緊張しているフィエラやシュヴィーナと話をしながら門の前まで近づくと、ミリアはそう言って歩みを止めた。
門より先へと入れるの試験を受けにきた者たちだけで、付き添いの者はそれ以上先へは入ることができない決まりとなっている。
そのため、ここまでついてきたミリアも当然中へと入ることはできず、ここで一旦、彼女とは別行動となるのだ。
「あぁ、わかった」
「頑張ってくる」
「いってきます!」
「いってらっしゃいませ」
ミリアに見送られて彼女と別れた後、俺たちはまずは受付へと向かい、手続きを済ませてから指定された教室へと向かう。
「俺はAクラスだが、お前たちは?」
「私はB」
「私もBね」
「なら、今日一日は別行動だな」
「お昼の時はそっちに行く」
「了解。俺は教室で待ってるよ」
試験は二つの組に分かれて行われることになっており、まず筆記試験でAクラスとBクラスに分かれ、その後Aクラスは最初に実技試験を行い、その間にBクラスが面接を行うのだ。
そして、お互いの試験が終了後は実技と面接を入れ替えて行い、それが終われば試験終了ということになる。
「んじゃ、俺はこっちだから」
「ん。またあとで」
フィエラたちと別れた後、俺は指定されたAクラスへと向かい、割り当てられた席へと座ろうとするが、そこで後ろから近づいてくる人の気配を感じた。
「ルイス様。お久しぶりです」
「アイリス」
振り返ってそちらを見てみると、そこには最後に会った時よりもさらに美しくなり、少し大人びた雰囲気のある婚約者が立っていた。
「ふふ。本当にお久しぶりですね」
「あぁ、久しぶり。元気そうだな」
「はい。ルイス様もお元気そうですよかったです。最後にお会いしたのはキングキメラから助けていただいた時でしたね。あの時は冒険者のエイル様としてでしたが、こうして本当のお姿のルイス様にお会いできてとても嬉しいです」
「そうか」
俺は彼女が嬉しそうに話しているのを聞き流しながら、忘れていたその時の状況を思い出し、彼女がその場にいたことも思い出した。
(興味が無さすぎてすっかり忘れてたな。キングキメラもヒュドラの方が印象が強すぎて忘れてたくらいだし、仕方ないか)
「そういえば、こちらにはいつ頃お戻りになられたのですか?」
「公爵領に戻ってきたのは1ヶ月ほど前だね。それから半月は屋敷で過ごして、その後に帝都に来たんだ」
「そうだったのですね。またお会いできて本当に嬉しいです」
アイリスは何が嬉しいのか分からないが、そう言って昔と変わらず花が咲いたように笑った。
「ところで、一つお尋ねしたいのですが、フィエラさんはどうされたのですか?」
「あぁ、あいつなら一緒に試験を受けにきてるよ。Bクラスにいる」
「そうなんですね。では、あとでご挨拶しなければいけませんね」
フィエラの話をした瞬間、アイリスの目が一瞬だけ敵を睨むように鋭くなるが、すぐに先ほどと同じ笑顔へと戻る。
(何か一瞬だけ背筋がゾワっとしたような。気のせいか?)
それからしばらくの間、会わなかった二年間について1人で語るアイリスに適当に話を合わせていると、視界の端に白い修道服を着てピンクブロンドの髪を揺らした少女が映った。
(は?今のはまさか)
まだ距離はあるが、それは確かに聖女の姿であり、その近くがざわついていることからも彼女であることは間違いないだろう。
「アイリス。一つ聞きたいことがある」
「はい。何ですか?」
「もしかして、今年って聖女も受けるのか?」
「あら。ご存知なかったのですか?今年は何故かわかりませんが、特別にということで聖女様も入学試験をお受けになるそうですよ」
(まじかよ)
聖女の年齢は俺の一つ下であり、本来であれば入学試験を受けるのは来年のはずである。
しかし、何が目的なのかは知らないが、アイリスが言うように彼女は今年の試験を受けるためシュゼット帝国学園へと来ており、今は前の方の席に座ってじっとしていた。
聖女のことを話終えた後、試験もそろそろ始まる時間となり、アイリスも自分の席へと戻っていく。
(なんか、いろいろとおかしくなってるな)
俺は1人になると、フィエラとの出会いや女神の存在、それに聖女の謎の行動など、これまでの前世では無かったことの連続に少しだけ疑問を感じるが、すぐにそれら全てがどうでも良くなる。
(けど、俺の目指すところは変わらない。早く永遠に死にたいな)
何があろうと、何が変わろうと、俺の目指すところは変わらない。
俺が望むのは永遠に死ぬこと。その方法を手に入れるまでは、やりたいことだけをやって生きていく。
ただそれだけなのだから。
その後、試験官の教師が3人ほど教室へと入ってくると、ようやく入学試験が始まるのであった。
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