51 / 225
冒険編
モンスターハウス
しおりを挟む
ダンジョンに入ってから二時間ほど経った頃、俺たちはようやく3階層に到着することが出来た。
「ここ広すぎるだろ…」
事前にこのダンジョンが広くて道が複雑なのは聞いていたが、想像以上に道が入り組んでいたのと突然現れる魔物の対処に時間を取られ、3階層にくるまでこれだけの時間がかかってしまった。
魔物自体の強さはそこまででも無いのだが、やはりいつ現れるか分からないというのが非常に厄介だった。
「少し休むか」
「わかった」
どれだけ歩いても変わらない景色と突然現れる魔物に対して少しだけ精神的に疲れた俺たちは、壁を背にして腰を下ろす。
「それにしても、あまり他の冒険者と合わないな」
「あんなにいたのに不思議」
ここに来るまでの間いろんな道を通ってきた俺たちではあったが、他に見かけたパーティーは3組ほどで、入る前に入り口にいた人数を考えるとだいぶ少ないように感じる。
「みんな転移魔法で他の階に行ったのかもな」
他の冒険者に合わないのはそれはそれで楽で良いのだが、他のパーティーがこのダンジョンをどうやって攻略しているのか見てみたいと思っている俺としては、少しだけ退屈だった。
それから15分ほど休んだ俺たちは、攻略を再開するため立ち上がり、また入り組んだダンジョン内を進んでいくのであった。
それから数時間後、5階層に辿り着いた俺たちは、これからどうしようかと話し合う。
「今日はこのまま帰るか、それとももう少し進むか、どうする?」
「6階までの道を見つけて帰るのはどう?」
「悪くないな。そしたら次に来る時はすぐに6階層に行けるか」
しばらく考えた結果、今回はフィエラの提案通りにする事に決め、俺たちはまた歩き出した。
「フィエラ。ちょっと待て」
歩き出して少しすると、俺は魔力感知に隠し通路を発見したのでフィエラの事を呼び止める。
そして、見つけた隠し通路に手を触れて魔力を流し込むと、そこには先ほどまで無かった扉が現れた。
「これは?」
「おそらくモンスターハウスだ」
モンスターハウスとは、隠された部屋の中にたくさんの魔物が生息しており、その全てを倒すと宝箱が貰えるという特別な部屋だ。
宝箱が貰えるので当たり部屋だと思うものもいるが、中にいる魔物はどれも強敵で、しかも部屋から出るためには全ての魔物を倒すしかないため、負けた場合にはパーティーが全滅することになる。
「どうする?」
「せっかくだし入ろう。何が貰えるのか楽しみだ」
「わかった」
俺たちがモンスターハウスに入ると、背後で扉が閉まり部屋の中が明るくなる。
部屋の中はそこそこ広い作りで、壁は少しゴツゴツしていた。
「さて。何が出るかな」
俺はイグニードを片手に持って魔物が出てくるのを待っていると、周囲に丸い水の玉がいくつも作られて行き、それがどんどん大きくなって魚の形を形成して行く。
「まるで海の中にいるみたいだ」
思わず見惚れてしまいそうな美しさがあったが、魔物が俺たちに攻撃をしてきた事ですぐに気持ちを切り替える。
「フィエラ。どっちが多く倒すか勝負するか?」
「望むところ。負けた方が一つ言うこと聞く」
「おーけー。その条件乗った。んじゃ、カウントダウン行くぞ。3…2…1」
俺が数を数え終えると同時に、俺とフィエラは地面を蹴って二方向に分かれる。
(こいつら、一体一体は大したことないが、密集して攻撃してくるのがやばいな)
魚は群れで行動するものが多いため、小さい魚たちは一つの塊となって突撃してくる。
目と脳に身体強化をかけて隙間を縫って避けたりイグニードで切ったりするが、数が数だけになかなか全てを殺すことができない。
どう攻めようかと考えている間も、他の魚が鱗を飛ばしたり水の刃を飛ばしたりと俺を殺そうと隙なく狙ってくる。
「面倒だな。『不死鳥の炎』」
一体一体相手にするのが面倒になった俺は、炎で巨大な鳥を作り出すと、その鳥を魚の群れに向けて放つ。
水で出来た魚たちは炎の鳥が近づいただけで蒸発して行き、次々に魔石だけとなって地面に落ちていく。
「よし。これで120匹だな」
俺の周囲に魚の群れがいなくなったのを確認すると、フィエラの様子を見るために彼女がいる方へと目を向ける。
すると、彼女は部分獣化で手に鋭い爪を生やして爪撃を飛ばし、さらに氷蛇のガントレットの能力を付与して魚たちを凍らせて絶命させていた。
フィエラの戦闘もそれからすぐに終わり、俺は彼女のもとへ近づいて声をかける。
「おつかれ。何匹だ?」
「120」
「同じか。なら引き分けだな」
賭けは引き分けに終わったが、俺としては特にフィエラにして欲しいこともなかったため、宝箱があるはずの場所に向かおうとした。
しかし…
「違う。私の勝ち」
フィエラはそう言うと、突然俺に向かって爪撃を飛ばしてくる。
俺はそれを首を傾けて避けると、後ろで攻撃しようとしていた大きなクラゲ型の魔物が両断されて消滅した。
「あぶな。俺が死んだらどうするんだよ」
「大丈夫。その時は私もすぐに後を追うから。それに、エルなら避けるって信じてた」
フィエラの返答を聞くと、前にも思ったことだが、彼女の愛が日に日に増しているように感じるのは気のせいだろうか。
「お前と心中する気なんかねぇよ」
「残念。それより、私の勝ちだから言うこと聞いてね」
「…あまり変な事は勘弁してくれよ」
「大丈夫。そこまで大変じゃない」
最後に油断して負けたのは俺なので、この罰は甘んじて受け入れる事にして、今度こそ俺たちは部屋の中央に現れた宝箱のもとへ近づく。
「少し待ってな。『鑑定』」
俺は宝箱を開ける前に鑑定を使い、この宝箱が本物であるかを確認する。
稀にではあるが、ミミックという擬態を得意とする魔物が宝箱に扮して冒険者を食べる事があるため、こうした確認は重要なのだ。
「問題ない。開けていいぞ」
俺が許可を出すと、フィエラは尻尾を揺らしながら宝箱を開ける。その様はまるで餌をお預けされた犬のようで、彼女が狼である事を忘れそうになる。
「これは?」
「見せてみろ」
宝箱に入っていたのは緑色の宝石がついたイヤリングで、鑑定をしてみると風魔法が付与されたものだった。
「このイヤリングは付けた者に簡単ではあるが風魔法が使えるようにする物みたいだな。
あとは装着者の体を少し軽くして動きやすくするくらいか。風魔法は主にできるのが任意で風を吹かせたりするくらいか…ふむ。これ、お前にやるよ」
「いいの?」
「あぁ。これがあればお前のスピードはさらに早くなるだろうし、氷蛇のガントレットとも相性が良さそうだ」
氷蛇のガントレットはガントレット周辺に霜を出して触れた相手の動きを鈍くさせる事ができる。
その能力を使ってガントレットから霜を出し、その霜をこのイヤリングの風で飛ばすことができれば、効果範囲を広げる事ができて彼女の攻撃幅も広がる事だろう。
「ありがと」
彼女はそう言ってちょこちょこと俺の近くまで歩いて来ると、少し頭を下げて耳を俺の方に寄せてくる。
「なんだ?」
「付けて。ついでに耳も触っていいから」
「はぁ。仕方ないな」
耳を触って良いと言う言葉に負けてしまった俺は、彼女の耳にイヤリングを付けた後、しばらくの間もふもふを堪能するのであった。
その後モンスターハウスを出た俺たちは、特に何事もなくダンジョンの攻略を進めて行き、6階層に続く階段を見つけたところで5階にある転移魔法陣に乗り、その日の攻略を終えるのであった。
「ここ広すぎるだろ…」
事前にこのダンジョンが広くて道が複雑なのは聞いていたが、想像以上に道が入り組んでいたのと突然現れる魔物の対処に時間を取られ、3階層にくるまでこれだけの時間がかかってしまった。
魔物自体の強さはそこまででも無いのだが、やはりいつ現れるか分からないというのが非常に厄介だった。
「少し休むか」
「わかった」
どれだけ歩いても変わらない景色と突然現れる魔物に対して少しだけ精神的に疲れた俺たちは、壁を背にして腰を下ろす。
「それにしても、あまり他の冒険者と合わないな」
「あんなにいたのに不思議」
ここに来るまでの間いろんな道を通ってきた俺たちではあったが、他に見かけたパーティーは3組ほどで、入る前に入り口にいた人数を考えるとだいぶ少ないように感じる。
「みんな転移魔法で他の階に行ったのかもな」
他の冒険者に合わないのはそれはそれで楽で良いのだが、他のパーティーがこのダンジョンをどうやって攻略しているのか見てみたいと思っている俺としては、少しだけ退屈だった。
それから15分ほど休んだ俺たちは、攻略を再開するため立ち上がり、また入り組んだダンジョン内を進んでいくのであった。
それから数時間後、5階層に辿り着いた俺たちは、これからどうしようかと話し合う。
「今日はこのまま帰るか、それとももう少し進むか、どうする?」
「6階までの道を見つけて帰るのはどう?」
「悪くないな。そしたら次に来る時はすぐに6階層に行けるか」
しばらく考えた結果、今回はフィエラの提案通りにする事に決め、俺たちはまた歩き出した。
「フィエラ。ちょっと待て」
歩き出して少しすると、俺は魔力感知に隠し通路を発見したのでフィエラの事を呼び止める。
そして、見つけた隠し通路に手を触れて魔力を流し込むと、そこには先ほどまで無かった扉が現れた。
「これは?」
「おそらくモンスターハウスだ」
モンスターハウスとは、隠された部屋の中にたくさんの魔物が生息しており、その全てを倒すと宝箱が貰えるという特別な部屋だ。
宝箱が貰えるので当たり部屋だと思うものもいるが、中にいる魔物はどれも強敵で、しかも部屋から出るためには全ての魔物を倒すしかないため、負けた場合にはパーティーが全滅することになる。
「どうする?」
「せっかくだし入ろう。何が貰えるのか楽しみだ」
「わかった」
俺たちがモンスターハウスに入ると、背後で扉が閉まり部屋の中が明るくなる。
部屋の中はそこそこ広い作りで、壁は少しゴツゴツしていた。
「さて。何が出るかな」
俺はイグニードを片手に持って魔物が出てくるのを待っていると、周囲に丸い水の玉がいくつも作られて行き、それがどんどん大きくなって魚の形を形成して行く。
「まるで海の中にいるみたいだ」
思わず見惚れてしまいそうな美しさがあったが、魔物が俺たちに攻撃をしてきた事ですぐに気持ちを切り替える。
「フィエラ。どっちが多く倒すか勝負するか?」
「望むところ。負けた方が一つ言うこと聞く」
「おーけー。その条件乗った。んじゃ、カウントダウン行くぞ。3…2…1」
俺が数を数え終えると同時に、俺とフィエラは地面を蹴って二方向に分かれる。
(こいつら、一体一体は大したことないが、密集して攻撃してくるのがやばいな)
魚は群れで行動するものが多いため、小さい魚たちは一つの塊となって突撃してくる。
目と脳に身体強化をかけて隙間を縫って避けたりイグニードで切ったりするが、数が数だけになかなか全てを殺すことができない。
どう攻めようかと考えている間も、他の魚が鱗を飛ばしたり水の刃を飛ばしたりと俺を殺そうと隙なく狙ってくる。
「面倒だな。『不死鳥の炎』」
一体一体相手にするのが面倒になった俺は、炎で巨大な鳥を作り出すと、その鳥を魚の群れに向けて放つ。
水で出来た魚たちは炎の鳥が近づいただけで蒸発して行き、次々に魔石だけとなって地面に落ちていく。
「よし。これで120匹だな」
俺の周囲に魚の群れがいなくなったのを確認すると、フィエラの様子を見るために彼女がいる方へと目を向ける。
すると、彼女は部分獣化で手に鋭い爪を生やして爪撃を飛ばし、さらに氷蛇のガントレットの能力を付与して魚たちを凍らせて絶命させていた。
フィエラの戦闘もそれからすぐに終わり、俺は彼女のもとへ近づいて声をかける。
「おつかれ。何匹だ?」
「120」
「同じか。なら引き分けだな」
賭けは引き分けに終わったが、俺としては特にフィエラにして欲しいこともなかったため、宝箱があるはずの場所に向かおうとした。
しかし…
「違う。私の勝ち」
フィエラはそう言うと、突然俺に向かって爪撃を飛ばしてくる。
俺はそれを首を傾けて避けると、後ろで攻撃しようとしていた大きなクラゲ型の魔物が両断されて消滅した。
「あぶな。俺が死んだらどうするんだよ」
「大丈夫。その時は私もすぐに後を追うから。それに、エルなら避けるって信じてた」
フィエラの返答を聞くと、前にも思ったことだが、彼女の愛が日に日に増しているように感じるのは気のせいだろうか。
「お前と心中する気なんかねぇよ」
「残念。それより、私の勝ちだから言うこと聞いてね」
「…あまり変な事は勘弁してくれよ」
「大丈夫。そこまで大変じゃない」
最後に油断して負けたのは俺なので、この罰は甘んじて受け入れる事にして、今度こそ俺たちは部屋の中央に現れた宝箱のもとへ近づく。
「少し待ってな。『鑑定』」
俺は宝箱を開ける前に鑑定を使い、この宝箱が本物であるかを確認する。
稀にではあるが、ミミックという擬態を得意とする魔物が宝箱に扮して冒険者を食べる事があるため、こうした確認は重要なのだ。
「問題ない。開けていいぞ」
俺が許可を出すと、フィエラは尻尾を揺らしながら宝箱を開ける。その様はまるで餌をお預けされた犬のようで、彼女が狼である事を忘れそうになる。
「これは?」
「見せてみろ」
宝箱に入っていたのは緑色の宝石がついたイヤリングで、鑑定をしてみると風魔法が付与されたものだった。
「このイヤリングは付けた者に簡単ではあるが風魔法が使えるようにする物みたいだな。
あとは装着者の体を少し軽くして動きやすくするくらいか。風魔法は主にできるのが任意で風を吹かせたりするくらいか…ふむ。これ、お前にやるよ」
「いいの?」
「あぁ。これがあればお前のスピードはさらに早くなるだろうし、氷蛇のガントレットとも相性が良さそうだ」
氷蛇のガントレットはガントレット周辺に霜を出して触れた相手の動きを鈍くさせる事ができる。
その能力を使ってガントレットから霜を出し、その霜をこのイヤリングの風で飛ばすことができれば、効果範囲を広げる事ができて彼女の攻撃幅も広がる事だろう。
「ありがと」
彼女はそう言ってちょこちょこと俺の近くまで歩いて来ると、少し頭を下げて耳を俺の方に寄せてくる。
「なんだ?」
「付けて。ついでに耳も触っていいから」
「はぁ。仕方ないな」
耳を触って良いと言う言葉に負けてしまった俺は、彼女の耳にイヤリングを付けた後、しばらくの間もふもふを堪能するのであった。
その後モンスターハウスを出た俺たちは、特に何事もなくダンジョンの攻略を進めて行き、6階層に続く階段を見つけたところで5階にある転移魔法陣に乗り、その日の攻略を終えるのであった。
0
お気に入りに追加
250
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
転生少女は欲深い
白波ハクア
ファンタジー
南條鏡は死んだ。母親には捨てられ、父親からは虐待を受け、誰の助けも受けられずに呆気なく死んだ。
──欲しかった。幸せな家庭、元気な体、お金、食料、力、何もかもが欲しかった。
鏡は死ぬ直前にそれを望み、脳内に謎の声が響いた。
【異界渡りを開始します】
何の因果か二度目の人生を手に入れた鏡は、意外とすぐに順応してしまう。
次こそは己の幸せを掴むため、己のスキルを駆使して剣と魔法の異世界を放浪する。そんな少女の物語。
残滓と呼ばれたウィザード、絶望の底で大覚醒! 僕を虐げてくれたみんなのおかげだよ(ニヤリ)
SHO
ファンタジー
15歳になり、女神からの神託の儀で魔法使い(ウィザード)のジョブを授かった少年ショーンは、幼馴染で剣闘士(ソードファイター)のジョブを授かったデライラと共に、冒険者になるべく街に出た。
しかし、着々と実績を上げていくデライラとは正反対に、ショーンはまともに魔法を発動する事すら出来ない。
相棒のデライラからは愛想を尽かされ、他の冒険者たちからも孤立していくショーンのたった一つの心の拠り所は、森で助けた黒ウサギのノワールだった。
そんなある日、ショーンに悲劇が襲い掛かる。しかしその悲劇が、彼の人生を一変させた。
無双あり、ザマァあり、復讐あり、もふもふありの大冒険、いざ開幕!
悪役令嬢ですが最強ですよ??
鈴の音
ファンタジー
乙女ゲームでありながら戦闘ゲームでもあるこの世界の悪役令嬢である私、前世の記憶があります。
で??ヒロインを怖がるかって?ありえないw
ここはゲームじゃないですからね!しかも、私ゲームと違って何故か魂がすごく特別らしく、全属性持ちの神と精霊の愛し子なのですよ。
だからなにかあっても死なないから怖くないのでしてよw
主人公最強系の話です。
苦手な方はバックで!
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
騎士志望のご令息は暗躍がお得意
月野槐樹
ファンタジー
王弟で辺境伯である父を保つマーカスは、辺境の田舎育ちのマイペースな次男坊。
剣の腕は、かつて「魔王」とまで言われた父や父似の兄に比べれば平凡と自認していて、剣より魔法が大好き。戦う時は武力より、どちらというと裏工作?
だけど、ちょっとした気まぐれで騎士を目指してみました。
典型的な「騎士」とは違うかもしれないけど、護る時は全力です。
従者のジョセフィンと駆け抜ける青春学園騎士物語。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる