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死に戻り編
出発に向けて
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フィエラと別れて屋敷へと戻ってきた俺は、自室のベランダへと降り立ち中の様子を窺う。
幸いにも部屋の中には俺の分身体しかいなかったので、俺はすぐに部屋の中へと入った。分身体は作る時に込める魔力量で持続時間が決まるのだが、いつも五日分の魔力を込めて作っているのが今回は功を奏した。
俺は分身体に近づいて額を合わせると、三日間の記憶を自身の頭の中へと移していく。
(くっ。やっぱり記憶を移すと頭が痛くなるな)
これまでは、屋敷を出ても一日で帰ってきたから記憶を移す必要はなかったが、さすがに三日もいなかったとなると他者との記憶に齟齬が生じるため、この方法を使わざる終えなかった。
三日分の記憶を確認し終えると、特に問題がなかったことを確認した俺は服だけを着替えて廊下に出る。
(まずはお風呂に行こう)
数日間もお風呂に入れなかったので、体が気持ち悪くて仕方がなかった俺は、寝る前にお風呂へと向かう。
すでに時刻はお昼時なので、メイドや執事たちが忙しそうに動き回っているが、俺はそれらを無視してお風呂場へと向かうのであった。
お風呂から上がってぐっすりと眠った後、俺はペンを片手に今後の予定を紙に書いていた。
「まずは当初の目的だったダンジョンのクリアは達成できた。
次は旅に出ることだけど、本来は一週間くらい休んでから行くつもりだったんだけどなぁ。オーリエンスの言葉を信じるなら、少し急いだ方が良さそうだ」
彼女は今後、俺に様々な困難が降りかかると言っていた。それに力もつけろと言うからには、現段階では必要となる力に遠く及ばないと言うことだろう。
なら、少しでも早く旅に出て、今よりもさらなる力を手に入れる必要がある。
「となると、フィエラのことも考えて三日後がいいか。あとはこの予定を父上と母上に話して…」
今後必要となりそうなものや日程を紙に書きながら、俺は最短で強くなるための計画を練っていく。
「ルイス様。お食事の用意が整いました」
一通りの計画を立てるとすでに外は暗くなっており、ミリアが俺を夕食へと呼びにきた。
「わかった」
ミリアを連れて食堂へと入った俺は、まずはいつも通り父上たちと食事をする。
食事を終えて一息つくと、俺はいよいよ旅に出ることを二人に伝えることにした。
「父上、母上。お話がございます」
「どうした?」
「改まってどうしたの?」
「実は、本日『氷雪の偽造』の最終ボスを倒し、無事にダンジョンをクリアしました。なので、予定通り俺は旅に出ようと思います」
俺の話を聞いた二人の間には、しばらく沈黙が流れる。
「それは本当なのか?」
先に気を取り直したのは父上で、俺の話の真偽を尋ねてくる。
「はい。すでに魔石をギルドにて換金しました。確認していただいても構いません」
「…そうか。では、いつ旅に行くのだ?」
「三日後を予定来ています」
「三日後ですって?!」
俺が三日後に出ていくことを伝えると、母上はかなり驚いた表情をしていた。
「なぜそんなに急ぐ?もう少しゆっくりでもいいだろう?」
「そうよ!三日だなんてあまりにも早すぎるわ!」
確かに二人の言う通り、本来であればもう少しゆっくりするつもりだった。
しかし、今後の未来がそれを許してくれそうに無いことが分かった今、俺には一秒でも時間が惜しい。
「申し訳ありません。俺にはどうしてもやらなければならないことがあるのです」
俺がいつになく真剣に二人を見ると、父上と母上はこれ以上は言っても無駄だと感じたのか深くため息をつく。
「…わかった。必要なものがあればすぐに言いなさい。どんなものでも揃えよう」
「ありがとうございます」
認めてくれた二人に感謝を伝えると、俺は少しでも安心してもらうため、二人にも今後の予定を説明するのであった。
翌日。俺はフィエラに会いにいくため彼女の泊まっている宿屋へときていた。
彼女も今日は休みにしていたようで、部屋の中で尻尾の手入れをしていたところを食事に誘った。
注文した料理を食べながら、俺はフィエラにも昨日立てた旅の計画を話していく。
「フィエラ。急ですまないが、二日後に旅に出ようと思う。無理そうならお前は残ってくれても構わないがどうする?」
「いく」
「わかった。旅に必要なものは俺の方で揃ておくから、お前は個人的に必要なものを買うだけでいいぞ。それと、武器のメンテナンスもしておけよ」
「ん。了解」
「あと、すまないが明日はうちに来てくれ。父上と母上が会いたいそうだ」
「時間は?」
「前と同じでいい」
「わかった」
俺たちは食事を終えると、次は冒険者ギルドへと向かう。
ギルドではこれまでお世話になった人たちもいるため、挨拶をしにいくことにしたのだ。
ギルドに入るとちょうど受付にシーラさんがいたので、俺たちはまず彼女のもとへと近づく。
「あ、エイルさん!フィエラさん!今日はどうされましたか?」
「こんちには、シーラさん。今日はちょっとお話がありまして。今大丈夫ですか?」
「えぇ、問題ありませんよ。この時間は冒険者の方も少ないですから」
シーラさんを連れて近くのテーブルに移動した俺たちは、さっそく彼女に今日来た目的を話す。
「実は俺たち、しばらくここから離れて旅に出ることにしたんです。今日はその報告と挨拶に来ました」
「え!?それはまた急ですね!では、私も急いで準備を!」
彼女はそう言って席を立とうとするが、俺は彼女の行動の意味がわからず待ったをかけた。
「待ってくださいシーラさん。準備ってどういうことですか?」
「あれ、説明してませんでしたっけ?担当者となった受付嬢は、基本的にその冒険者の専属となりますので、その方が拠点を移す場合などは着いていく決まりなんです。
そうしないと、その方に何かあった時すぐに対応出来なくなりますから」
詳しく話を聞いてみると、冒険者の担当となった受付嬢が最優先にすべきなのはその冒険者で、担当している冒険者がいない時に限り他の受付業務をするそうだ。
そして、拠点を移す場合にはその冒険者へとついていき、新しい場所でも最大限の活動ができるようサポートする必要があるらしい。
「なるほど。規則については分かりました。ですが、申し訳ないのですが今回だけは俺たち二人だけで行こうと思います」
「え!どうしてですか?!」
俺はシーラさんに申し訳ないと思いながらも、今後の予定について語る。
今回は拠点を移すのではなく旅に出ることが目的なので、基本的に一つの国に留まる予定はなく、二年間で何度も移動を繰り返すこと。
その場合、シーラさんにかなりの負担がかかってしまうため、今回は連れていけないこと。
「…そういうことですか」
俺の話を聞いたシーラさんは少し残念そうな顔をしていたので、これまでお世話になったお礼も兼ねて、ある提案をする。
「ただ、二年後には一度こちらに帰ってきて、その後は皇都で活動する予定です。
なのでシーラさんさえ良ければ、その時は一緒に行きませんか?」
彼女にはこれまで、特例でのランクアップや担当としてすごくお世話になってきた。
それに、シーラさんは若いにも関わらず受付嬢としての能力も高いため、今後もサポートして貰いたいと思ったのだ。
「ありがとうございます!その時はぜひそうさせて貰います!」
シーラさんとの話が終わると、俺たちは次にヴォイドさんに挨拶に向かう。
本来であれば忙しくてなかなか会えない人なのだが、シーラさんが状況を説明して会わせてくれたのだ。
「久しぶりだね、エイルくん。それと初めまして、フィエラさん」
「お久しぶりです」
「どうも」
俺たちは軽く挨拶を済ませると、ソファーに座ってシーラさんにも話した旅に出る話をする。
「そうか。君たちみたいな強い子がいなくなるのは寂しいが、若いうちにいろいろと見て回るのもいいだろう。…そうだ、これを持っていくといい」
ヴォイドさんはそう言うと、机の引き出しから一つのカバンを取り出した。
それを見た俺は、思わず驚いて聞き返してしまう。
「これ、マジックバッグですよね。こんな貴重なものを…」
マジックバッグとは、SSランクのダンジョンでごく稀に手に入るアイテムで、空間魔法が付与された特殊なバッグだ。
そのため、見た目よりも多くの荷物をしまうことができる優れものなのだ。
「構わんよ。私はもう使うことがないからね。それなら、将来有望な君たちに使ってもらった方がいいさ」
「ありがとうございます」
ヴォイドさんから貴重なものを貰った俺は、ついでにこれまでの彼の経験を交えながら、今後の俺の旅について意見を聞くのであった。
フィエラと別れてから屋敷に帰ってくると、外はすっかり日が沈み暗くなっていた。
まだダンジョンでの疲れが残っていた俺は、ベットの上でゴロゴロしながら体を休めていると、ミリアがノックをして部屋へと入ってくる。
「ルイス様。今お時間よろしいでしょうか」
「んあ?なんだ?」
「一つ、お願いしたい事がございます」
「お願い?」
彼女が俺にお願いをするなど初めてのことなので、何だろうかと思いながら体を起こして向かい合う。
「私も旅に同行させて欲しいのです」
ミリアの言葉を聞いた俺は、驚きですぐに返事をする事ができず、部屋は沈黙に包まれるのであった。
幸いにも部屋の中には俺の分身体しかいなかったので、俺はすぐに部屋の中へと入った。分身体は作る時に込める魔力量で持続時間が決まるのだが、いつも五日分の魔力を込めて作っているのが今回は功を奏した。
俺は分身体に近づいて額を合わせると、三日間の記憶を自身の頭の中へと移していく。
(くっ。やっぱり記憶を移すと頭が痛くなるな)
これまでは、屋敷を出ても一日で帰ってきたから記憶を移す必要はなかったが、さすがに三日もいなかったとなると他者との記憶に齟齬が生じるため、この方法を使わざる終えなかった。
三日分の記憶を確認し終えると、特に問題がなかったことを確認した俺は服だけを着替えて廊下に出る。
(まずはお風呂に行こう)
数日間もお風呂に入れなかったので、体が気持ち悪くて仕方がなかった俺は、寝る前にお風呂へと向かう。
すでに時刻はお昼時なので、メイドや執事たちが忙しそうに動き回っているが、俺はそれらを無視してお風呂場へと向かうのであった。
お風呂から上がってぐっすりと眠った後、俺はペンを片手に今後の予定を紙に書いていた。
「まずは当初の目的だったダンジョンのクリアは達成できた。
次は旅に出ることだけど、本来は一週間くらい休んでから行くつもりだったんだけどなぁ。オーリエンスの言葉を信じるなら、少し急いだ方が良さそうだ」
彼女は今後、俺に様々な困難が降りかかると言っていた。それに力もつけろと言うからには、現段階では必要となる力に遠く及ばないと言うことだろう。
なら、少しでも早く旅に出て、今よりもさらなる力を手に入れる必要がある。
「となると、フィエラのことも考えて三日後がいいか。あとはこの予定を父上と母上に話して…」
今後必要となりそうなものや日程を紙に書きながら、俺は最短で強くなるための計画を練っていく。
「ルイス様。お食事の用意が整いました」
一通りの計画を立てるとすでに外は暗くなっており、ミリアが俺を夕食へと呼びにきた。
「わかった」
ミリアを連れて食堂へと入った俺は、まずはいつも通り父上たちと食事をする。
食事を終えて一息つくと、俺はいよいよ旅に出ることを二人に伝えることにした。
「父上、母上。お話がございます」
「どうした?」
「改まってどうしたの?」
「実は、本日『氷雪の偽造』の最終ボスを倒し、無事にダンジョンをクリアしました。なので、予定通り俺は旅に出ようと思います」
俺の話を聞いた二人の間には、しばらく沈黙が流れる。
「それは本当なのか?」
先に気を取り直したのは父上で、俺の話の真偽を尋ねてくる。
「はい。すでに魔石をギルドにて換金しました。確認していただいても構いません」
「…そうか。では、いつ旅に行くのだ?」
「三日後を予定来ています」
「三日後ですって?!」
俺が三日後に出ていくことを伝えると、母上はかなり驚いた表情をしていた。
「なぜそんなに急ぐ?もう少しゆっくりでもいいだろう?」
「そうよ!三日だなんてあまりにも早すぎるわ!」
確かに二人の言う通り、本来であればもう少しゆっくりするつもりだった。
しかし、今後の未来がそれを許してくれそうに無いことが分かった今、俺には一秒でも時間が惜しい。
「申し訳ありません。俺にはどうしてもやらなければならないことがあるのです」
俺がいつになく真剣に二人を見ると、父上と母上はこれ以上は言っても無駄だと感じたのか深くため息をつく。
「…わかった。必要なものがあればすぐに言いなさい。どんなものでも揃えよう」
「ありがとうございます」
認めてくれた二人に感謝を伝えると、俺は少しでも安心してもらうため、二人にも今後の予定を説明するのであった。
翌日。俺はフィエラに会いにいくため彼女の泊まっている宿屋へときていた。
彼女も今日は休みにしていたようで、部屋の中で尻尾の手入れをしていたところを食事に誘った。
注文した料理を食べながら、俺はフィエラにも昨日立てた旅の計画を話していく。
「フィエラ。急ですまないが、二日後に旅に出ようと思う。無理そうならお前は残ってくれても構わないがどうする?」
「いく」
「わかった。旅に必要なものは俺の方で揃ておくから、お前は個人的に必要なものを買うだけでいいぞ。それと、武器のメンテナンスもしておけよ」
「ん。了解」
「あと、すまないが明日はうちに来てくれ。父上と母上が会いたいそうだ」
「時間は?」
「前と同じでいい」
「わかった」
俺たちは食事を終えると、次は冒険者ギルドへと向かう。
ギルドではこれまでお世話になった人たちもいるため、挨拶をしにいくことにしたのだ。
ギルドに入るとちょうど受付にシーラさんがいたので、俺たちはまず彼女のもとへと近づく。
「あ、エイルさん!フィエラさん!今日はどうされましたか?」
「こんちには、シーラさん。今日はちょっとお話がありまして。今大丈夫ですか?」
「えぇ、問題ありませんよ。この時間は冒険者の方も少ないですから」
シーラさんを連れて近くのテーブルに移動した俺たちは、さっそく彼女に今日来た目的を話す。
「実は俺たち、しばらくここから離れて旅に出ることにしたんです。今日はその報告と挨拶に来ました」
「え!?それはまた急ですね!では、私も急いで準備を!」
彼女はそう言って席を立とうとするが、俺は彼女の行動の意味がわからず待ったをかけた。
「待ってくださいシーラさん。準備ってどういうことですか?」
「あれ、説明してませんでしたっけ?担当者となった受付嬢は、基本的にその冒険者の専属となりますので、その方が拠点を移す場合などは着いていく決まりなんです。
そうしないと、その方に何かあった時すぐに対応出来なくなりますから」
詳しく話を聞いてみると、冒険者の担当となった受付嬢が最優先にすべきなのはその冒険者で、担当している冒険者がいない時に限り他の受付業務をするそうだ。
そして、拠点を移す場合にはその冒険者へとついていき、新しい場所でも最大限の活動ができるようサポートする必要があるらしい。
「なるほど。規則については分かりました。ですが、申し訳ないのですが今回だけは俺たち二人だけで行こうと思います」
「え!どうしてですか?!」
俺はシーラさんに申し訳ないと思いながらも、今後の予定について語る。
今回は拠点を移すのではなく旅に出ることが目的なので、基本的に一つの国に留まる予定はなく、二年間で何度も移動を繰り返すこと。
その場合、シーラさんにかなりの負担がかかってしまうため、今回は連れていけないこと。
「…そういうことですか」
俺の話を聞いたシーラさんは少し残念そうな顔をしていたので、これまでお世話になったお礼も兼ねて、ある提案をする。
「ただ、二年後には一度こちらに帰ってきて、その後は皇都で活動する予定です。
なのでシーラさんさえ良ければ、その時は一緒に行きませんか?」
彼女にはこれまで、特例でのランクアップや担当としてすごくお世話になってきた。
それに、シーラさんは若いにも関わらず受付嬢としての能力も高いため、今後もサポートして貰いたいと思ったのだ。
「ありがとうございます!その時はぜひそうさせて貰います!」
シーラさんとの話が終わると、俺たちは次にヴォイドさんに挨拶に向かう。
本来であれば忙しくてなかなか会えない人なのだが、シーラさんが状況を説明して会わせてくれたのだ。
「久しぶりだね、エイルくん。それと初めまして、フィエラさん」
「お久しぶりです」
「どうも」
俺たちは軽く挨拶を済ませると、ソファーに座ってシーラさんにも話した旅に出る話をする。
「そうか。君たちみたいな強い子がいなくなるのは寂しいが、若いうちにいろいろと見て回るのもいいだろう。…そうだ、これを持っていくといい」
ヴォイドさんはそう言うと、机の引き出しから一つのカバンを取り出した。
それを見た俺は、思わず驚いて聞き返してしまう。
「これ、マジックバッグですよね。こんな貴重なものを…」
マジックバッグとは、SSランクのダンジョンでごく稀に手に入るアイテムで、空間魔法が付与された特殊なバッグだ。
そのため、見た目よりも多くの荷物をしまうことができる優れものなのだ。
「構わんよ。私はもう使うことがないからね。それなら、将来有望な君たちに使ってもらった方がいいさ」
「ありがとうございます」
ヴォイドさんから貴重なものを貰った俺は、ついでにこれまでの彼の経験を交えながら、今後の俺の旅について意見を聞くのであった。
フィエラと別れてから屋敷に帰ってくると、外はすっかり日が沈み暗くなっていた。
まだダンジョンでの疲れが残っていた俺は、ベットの上でゴロゴロしながら体を休めていると、ミリアがノックをして部屋へと入ってくる。
「ルイス様。今お時間よろしいでしょうか」
「んあ?なんだ?」
「一つ、お願いしたい事がございます」
「お願い?」
彼女が俺にお願いをするなど初めてのことなので、何だろうかと思いながら体を起こして向かい合う。
「私も旅に同行させて欲しいのです」
ミリアの言葉を聞いた俺は、驚きですぐに返事をする事ができず、部屋は沈黙に包まれるのであった。
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