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死に戻り編
メイドの心配事
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私の名前はミリアと申します。私の身分は平民となりますので、家名はございません。
私の両親は二人ともヴァレンタイン公爵家に仕える執事とメイドで、私はそんな二人に大切に育てられて来ました。
私は幼い頃からメイドとして働く母に憧れており、私が8歳の時に無理を言ってメイド見習いとして公爵家で働かせてもらえるようになりました。
私が幼かったこともあり、教えてもらえることは基本的なことばかりでしたが、掃除や洗濯、マナーや人に使える際の心得など覚えることはたくさんありました。
時には辛くてやめたくなる時もありましたが、それでも憧れの母のようになりたかった私は、諦めずに頑張りました。
それに、私には辞められないもう一つの理由がありました。
それは私の3つ下の男の子で、公爵家の嫡男であるルイス様でした。
私は歳が近いと言うこともあり、よく彼の遊び相手として遊ばせていただきました。
当時は細かい礼儀作法や身分の違いに詳しくはありませんでしたので、私はルイス様を弟のように可愛がっておりました。
ルイス様もまた、私のことを姉のように慕ってくれて、本当に楽しい時間を過ごしていました。
お話し相手になったり、追いかけっこをしたり、時にはルイス様とお花が綺麗な庭園を見て回ったこともあります。
その際、ルイス様が私に花冠を作ってくださったのは今でも大切な思い出です。
しかし、お互い歳を重ねて成長していくに連れ、身分の違いや正しい距離感を学んでいくと、次第に距離が離れていくようになりました。
いいえ。私が距離を置くようになったと言った方が正しいでしょうか。
私はメイドであり、ルイス様は次期公爵様です。いつまでも姉弟のように接するわけにもいきません。
最初のうちは寂しさも感じておりましたが、時間が経つに連れて慣れていき、数年後にはそれが普通になりました。
私が15歳になったある日、ルイス様に突然の変化がありました。
それまでのルイス様は、武術も魔法も素晴らしい才能をお持ちでしたが、訓練を嫌ってあまり練習はされておりませんでした。
しかしその日、いつものようにルイス様を起こしにいくと、体を起こしたルイス様が水魔法でクッションのようなものを作り出したのです。
水魔法でまず覚えるのは、水球《アクア・ボール》という簡単なものになりますが、それは魔力を水に変換し、飛ばすだけの簡単なものです。
ですが、ルイス様の水クッションは水に程よい弾力性があり、何よりすぐに消滅しないという緻密な魔力操作のもと成り立っておりました。
私はあまりのことに驚いてしまい、呆然としながらその光景を眺めておりました。
すると…
「ねぇ。早くしてくんない?いつまで待たせるわけ?」
少し怠そうな雰囲気を醸し出しながらルイス様が私に声をかけて来ます。
「も、申し訳ありません」
メイドとして主人をお待たせしてしまったのは良くないことですので、私は表情を改めて謝罪いたします。
その後、身支度を整えたルイス様でしたが、準備が終わるとまた水クッションに乗ってしまい、ふよふよと浮いてしまいます。
「あの。ちゃんと歩かれた方がよろしいかと」
「なんで?」
さすがにこのまま婚約者様に会いにいくのもどうかと思い声をかけましたが、何故か逆にルイス様に聞き返されてしまいました。
「その、婚約者様との初顔合わせですし、しっかりした方がよろしいかと」
とりあえずそうお伝えしますが、ルイス様は一向に水クッションから降りる様子はなく、どんどん応接室の方へと近づいていきます。
「別にどうでもいいよ」
ルイス様は本当に興味がなさそうにそう言うと、これ以上話しかけるなという雰囲気を醸し出していました。
(本当に、どうしてしまったのでしょうか)
長い間お側におりますが、ルイス様のこんな姿を見るのは初めてで、私の困惑は深まるばかりでした。
その後、顔合わせを終えたルイス様たちは、公爵様たちが話があると言うことで、ルイス様と婚約者のアイリス様で庭園を見て回ることになりました。
私と他数名の騎士やメイドも少し距離を置いて付き添いますが、お二人が会話をする様子は一切ありません。
(大丈夫でしょうか。すごく心配です)
私がルイス様のことを弟を心配する姉のような気持ちで見守っていると、アイリス様の方からルイス様に話しかけました。
アイリス様は自分との婚約が嫌なのかと尋ねますが、ルイス様は興味が無いとお答えになります。
そう言ったルイス様の表情に嘘は感じられず、彼からは本当に興味が無いことが伺えました。
話が終わると、ルイス様は庭園の中を歩いていき、それにアイリス様もついていきます。
庭園の会話以降、アイリス様はたびたびルイス様に話しかけますが、ルイス様は一言二言返すだけでお話が終わってしまいます。
その後もお二人の距離が縮まることはなく、結局アイリス様はそのままご自身の領地へと帰っていきました。
アイリス様との婚約が決まり半年が経ちました。この半年間、ルイス様は勉強やマナーの練習を行うことはなく、自室でだらけるか騎士に混ざって訓練をされているだけでした。
これまで訓練を嫌っていたルイス様が、自分の意思で訓練に臨むのは嬉しいことですが、お勉強はされなくて大丈夫なのかと不安になってしまいます。
そんなある日、私は公爵様から三週間後にアイリス様が来るので、そのことをルイス様に伝えるように言われました。
なので、ルイス様の朝の支度をお手伝いしながら、私はそのことをルイス様にお伝えします。
「三週間後、アイリス様がこちらの屋敷にいらっしゃるそうです」
私がそう言うと、ルイス様は嫌そうな顔をしながら水クッションに埋もれます。
(何故こんなにも嫌がるのでしょか)
アイリス様は同じ女性の私が見てもすごくお綺麗な方ですし、小まめにお手紙を送ってくださることからも、ルイス様のことを気に入っていることが分かります。
ルイス様はアイリス様が来られる理由について尋ねますが、それ以降お話しすることはなく、怠そうにして水クッションで浮いているだけでした。
それからあっという間に三週間が経ち、いよいよアイリス様が公爵邸へといらっしゃいました。
私はルイス様を応接室に案内し、中でお二人の紅茶を用意したりしますが、何故かアイリス様が怒っているように感じます。
(来る途中で何かあったのでしょうか)
ニコニコと笑っているはずなのですが、何故か圧を感じてしまうのです。
私はその後お二人のことを見守りますが、その途中でフィエラさんという女性の名前が出て来ます。
しかし、ルイス様はこのお屋敷からほとんど出たことがないため、そのような女性の知り合いはいないはずです。
ただ、これでアイリス様のご機嫌がよろしく無い理由も分かりました。
どうやらそのフィエラさんという方とルイス様に何らかの関係があると思っているようです。
(どなたでしょうか。少し気になりますね)
私がそんなことを考えていると、ルイス様は疲れたので部屋に戻ると言い自室へと向かわれるのでした。
アイリス様は公爵邸に来てからというもの、公爵様や奥様のお手伝いを積極的に行なっておりました。
そのためか、お二人ともアイリス様のことが気に入ったようで実の娘のように可愛がっていらっしゃいます。
(何だか、外堀を埋めているように見えます)
そんなある日、ルイス様とアイリス様がお二人で街に出かけることになりました。
最初は護衛も連れていくように言いましたが、ルイス様が「俺が一番強いからいらない」とおっしゃられて、結局お二人だけで出かけられました。
日が沈み始めた頃、ルイス様とアイリス様がお屋敷へと帰って来ました。
ルイス様はどこか疲れたような表情をしており、アイリス様は何故か負けられない戦いに挑むような表情をしておりました。
(一体何があったのでしょうか)
二人の様子が気にはなりますが、ただのメイドである私が聞けるはずもなく、私はお二人の後へとついていくのでした。
それからはとくに何事もなく時間が経ち、あっという間にアイリス様が帰る日になります。
アイリス様はルイス様たちに挨拶を済ませると、馬車へと乗り込みご自身の領地へと帰っていくのでした。
私の両親は二人ともヴァレンタイン公爵家に仕える執事とメイドで、私はそんな二人に大切に育てられて来ました。
私は幼い頃からメイドとして働く母に憧れており、私が8歳の時に無理を言ってメイド見習いとして公爵家で働かせてもらえるようになりました。
私が幼かったこともあり、教えてもらえることは基本的なことばかりでしたが、掃除や洗濯、マナーや人に使える際の心得など覚えることはたくさんありました。
時には辛くてやめたくなる時もありましたが、それでも憧れの母のようになりたかった私は、諦めずに頑張りました。
それに、私には辞められないもう一つの理由がありました。
それは私の3つ下の男の子で、公爵家の嫡男であるルイス様でした。
私は歳が近いと言うこともあり、よく彼の遊び相手として遊ばせていただきました。
当時は細かい礼儀作法や身分の違いに詳しくはありませんでしたので、私はルイス様を弟のように可愛がっておりました。
ルイス様もまた、私のことを姉のように慕ってくれて、本当に楽しい時間を過ごしていました。
お話し相手になったり、追いかけっこをしたり、時にはルイス様とお花が綺麗な庭園を見て回ったこともあります。
その際、ルイス様が私に花冠を作ってくださったのは今でも大切な思い出です。
しかし、お互い歳を重ねて成長していくに連れ、身分の違いや正しい距離感を学んでいくと、次第に距離が離れていくようになりました。
いいえ。私が距離を置くようになったと言った方が正しいでしょうか。
私はメイドであり、ルイス様は次期公爵様です。いつまでも姉弟のように接するわけにもいきません。
最初のうちは寂しさも感じておりましたが、時間が経つに連れて慣れていき、数年後にはそれが普通になりました。
私が15歳になったある日、ルイス様に突然の変化がありました。
それまでのルイス様は、武術も魔法も素晴らしい才能をお持ちでしたが、訓練を嫌ってあまり練習はされておりませんでした。
しかしその日、いつものようにルイス様を起こしにいくと、体を起こしたルイス様が水魔法でクッションのようなものを作り出したのです。
水魔法でまず覚えるのは、水球《アクア・ボール》という簡単なものになりますが、それは魔力を水に変換し、飛ばすだけの簡単なものです。
ですが、ルイス様の水クッションは水に程よい弾力性があり、何よりすぐに消滅しないという緻密な魔力操作のもと成り立っておりました。
私はあまりのことに驚いてしまい、呆然としながらその光景を眺めておりました。
すると…
「ねぇ。早くしてくんない?いつまで待たせるわけ?」
少し怠そうな雰囲気を醸し出しながらルイス様が私に声をかけて来ます。
「も、申し訳ありません」
メイドとして主人をお待たせしてしまったのは良くないことですので、私は表情を改めて謝罪いたします。
その後、身支度を整えたルイス様でしたが、準備が終わるとまた水クッションに乗ってしまい、ふよふよと浮いてしまいます。
「あの。ちゃんと歩かれた方がよろしいかと」
「なんで?」
さすがにこのまま婚約者様に会いにいくのもどうかと思い声をかけましたが、何故か逆にルイス様に聞き返されてしまいました。
「その、婚約者様との初顔合わせですし、しっかりした方がよろしいかと」
とりあえずそうお伝えしますが、ルイス様は一向に水クッションから降りる様子はなく、どんどん応接室の方へと近づいていきます。
「別にどうでもいいよ」
ルイス様は本当に興味がなさそうにそう言うと、これ以上話しかけるなという雰囲気を醸し出していました。
(本当に、どうしてしまったのでしょうか)
長い間お側におりますが、ルイス様のこんな姿を見るのは初めてで、私の困惑は深まるばかりでした。
その後、顔合わせを終えたルイス様たちは、公爵様たちが話があると言うことで、ルイス様と婚約者のアイリス様で庭園を見て回ることになりました。
私と他数名の騎士やメイドも少し距離を置いて付き添いますが、お二人が会話をする様子は一切ありません。
(大丈夫でしょうか。すごく心配です)
私がルイス様のことを弟を心配する姉のような気持ちで見守っていると、アイリス様の方からルイス様に話しかけました。
アイリス様は自分との婚約が嫌なのかと尋ねますが、ルイス様は興味が無いとお答えになります。
そう言ったルイス様の表情に嘘は感じられず、彼からは本当に興味が無いことが伺えました。
話が終わると、ルイス様は庭園の中を歩いていき、それにアイリス様もついていきます。
庭園の会話以降、アイリス様はたびたびルイス様に話しかけますが、ルイス様は一言二言返すだけでお話が終わってしまいます。
その後もお二人の距離が縮まることはなく、結局アイリス様はそのままご自身の領地へと帰っていきました。
アイリス様との婚約が決まり半年が経ちました。この半年間、ルイス様は勉強やマナーの練習を行うことはなく、自室でだらけるか騎士に混ざって訓練をされているだけでした。
これまで訓練を嫌っていたルイス様が、自分の意思で訓練に臨むのは嬉しいことですが、お勉強はされなくて大丈夫なのかと不安になってしまいます。
そんなある日、私は公爵様から三週間後にアイリス様が来るので、そのことをルイス様に伝えるように言われました。
なので、ルイス様の朝の支度をお手伝いしながら、私はそのことをルイス様にお伝えします。
「三週間後、アイリス様がこちらの屋敷にいらっしゃるそうです」
私がそう言うと、ルイス様は嫌そうな顔をしながら水クッションに埋もれます。
(何故こんなにも嫌がるのでしょか)
アイリス様は同じ女性の私が見てもすごくお綺麗な方ですし、小まめにお手紙を送ってくださることからも、ルイス様のことを気に入っていることが分かります。
ルイス様はアイリス様が来られる理由について尋ねますが、それ以降お話しすることはなく、怠そうにして水クッションで浮いているだけでした。
それからあっという間に三週間が経ち、いよいよアイリス様が公爵邸へといらっしゃいました。
私はルイス様を応接室に案内し、中でお二人の紅茶を用意したりしますが、何故かアイリス様が怒っているように感じます。
(来る途中で何かあったのでしょうか)
ニコニコと笑っているはずなのですが、何故か圧を感じてしまうのです。
私はその後お二人のことを見守りますが、その途中でフィエラさんという女性の名前が出て来ます。
しかし、ルイス様はこのお屋敷からほとんど出たことがないため、そのような女性の知り合いはいないはずです。
ただ、これでアイリス様のご機嫌がよろしく無い理由も分かりました。
どうやらそのフィエラさんという方とルイス様に何らかの関係があると思っているようです。
(どなたでしょうか。少し気になりますね)
私がそんなことを考えていると、ルイス様は疲れたので部屋に戻ると言い自室へと向かわれるのでした。
アイリス様は公爵邸に来てからというもの、公爵様や奥様のお手伝いを積極的に行なっておりました。
そのためか、お二人ともアイリス様のことが気に入ったようで実の娘のように可愛がっていらっしゃいます。
(何だか、外堀を埋めているように見えます)
そんなある日、ルイス様とアイリス様がお二人で街に出かけることになりました。
最初は護衛も連れていくように言いましたが、ルイス様が「俺が一番強いからいらない」とおっしゃられて、結局お二人だけで出かけられました。
日が沈み始めた頃、ルイス様とアイリス様がお屋敷へと帰って来ました。
ルイス様はどこか疲れたような表情をしており、アイリス様は何故か負けられない戦いに挑むような表情をしておりました。
(一体何があったのでしょうか)
二人の様子が気にはなりますが、ただのメイドである私が聞けるはずもなく、私はお二人の後へとついていくのでした。
それからはとくに何事もなく時間が経ち、あっという間にアイリス様が帰る日になります。
アイリス様はルイス様たちに挨拶を済ませると、馬車へと乗り込みご自身の領地へと帰っていくのでした。
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