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secret sleep10⚘おかえり。
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*
1時間30分後。私達は花の展望台が見えるムーンバックスで休憩することになった。
テーブルには石窯で焼き上げたフィローネとコーヒーが2つずつ並んでいる。
ワイン色のレンガの建物で店内は静かで落ち着いた雰囲気…。
「もう外真っ暗だね」
「秋は夜長だからな」
私は敷かれた花柄の紙に包んでフィローネを一口頬張ると琉くんはコーヒーを飲む。
「そういや、お前と再会したのは月籠高近くのムーンバックスだったな」
「うん」
「来月の今頃が待ち遠しいぜ」
「なんで?」
「お前が俺の姫になるから」
胸がきゅっと痛む。
そんな嬉しそうな顔しないで。
複雑な気持ちでフィローネを完食し、コーヒーを飲み干した後、ムーンバックスを出て……、30分後。
枝が散乱し、赤く色づいた裏の林道をバイクで通ると、花の展望台に着いた。
四角いベンチが一帯にあり、私と琉くんは芝生に寝転がる。
「星、綺麗っ…」
「ツーリングで族達がよく通って集まる人気スポットだからな」
「でも今日は土曜日なのに誰もいないね」
「あぁ、俺が圧力かけといたからな」
え……。
「展望台の方がもっと綺麗に見えるぞ、上がるか?」
「うん」
私達は起き上がると花の展望台まで歩いて行く。
花の展望台は二重螺旋構造になっており、上がり用通路の階段を上がっていくと頂上に着いた。
夜空の星々が満天に輝き、視界一面に絶景が広がる。
「わぁ、すごい綺麗…」
けど、寒い…。
琉くんは白のファーコートを脱ぎ、私の両肩にふわっとかける。
「着とけ」
「あ、ありがとう…」
「頭痛は大丈夫か?」
「うん、最近、調子いいみたい」
「……変だな」
琉くんはボソッと呟く。
「琉くん?」
「甘酒飲むか? 少しは温まるぞ」
「うん」
長袖Tシャツを着た琉くんはグレーのリュックから缶の甘酒を取り出し、私に手渡す。
自分の分も取り出し、お互いにプシュッと蓋を開け、缶同士を軽くぶつけ合った後、飲む。
「甘酒美味しいね」
「夜景も琉くんが言った通り、ほんとうに綺麗…」
「喜んで貰えて良かった」
「これでもデート初めてだからな」
え、初めて!?!?
「…あの、初めてが私で良かったんですか?」
私は恐る恐る尋ねる。
「いいに決まってんだろ」
「で、でも、私はお兄さんに勝手に決められた相手で」
「琉くんが本当に好きになった人を姫にした方がいいんじゃないのかなって…」
琉くんの顔が儚げになる。
「…俺と兄は両親から愛されずに育った」
え……。
「だから人を好きになる感覚も人の愛し方さえも分からねぇ」
「それでも兄があの日、俺の姫にするのを条件にお前を救った」
「あのまま殺しててもおかしくなかったのにな」
「っ…」
「俺は兄が選んでくれたお前を大事にしてやると心に刻んだ」
「そしてお前と関わっていく内に兄がなぜお前を選んだのかが分かった」
え?
「強い瞳」
「仲間を自分を犠牲にしてまで守ろうとする姿勢」
「今日も好きでもねぇ俺の為に時間を割いてくれた」
「それがすげぇ嬉しい」
琉くんが切なげに笑う。
琉くん……。
「だから」
持ってる缶に琉くんの缶がぶつかる。
あ、唇が近づいてきて……。
「キスされるかと思ったか?」
「まだしねぇよ」
琉くんに耳元で甘く囁かれ、かあっと顔が熱くなる。
「雪乃」
「お前が初めて本当に好きになった人だ」
「姫になったら、お前のぜんぶ貰うからな」
*
「琉くん、送ってくれてありがとう」
22時前。私はバイクで2時間かけて最初に待ち合わせした場所まで送ってもらった。
「ファーコートお返しします」
「あぁ」
「ん? 誰だよ、こんな時にラインしてきやがって…」
琉くんは両目を見開く。
「どうしたの?」
「俺達の写メ、白い鳥に拡散されてるって翼から」
!!
花城さん、彼ぴの琉くんとドライブデートという呟きと一緒に夕日をバックに停まったバイクで2人乗りした時の写メが貼ってあった。
アイコン的に同じクラスのツインちゃんが流したっぽい…。
まさかツインちゃんに見られてたなんて…。
「黒沢も見たかもしんねぇな」
私の顔が青ざめる。
そんな……。
「黒沢と言えば、そうだ」
「あいつに渡して欲しいもんがあったんだった」
私は琉くんにピアスを手渡される。
え、十字架のピアス?
「これは玉樹の十字架のピアスだ」
「2日前の深夜、闇十字が俺達氷浦に抗争をしかけてきやがった」
え……。
琉くんの顔の傷、闇十字と抗争したからだったの?
「玉樹は俺の大事な姫を誘拐した」
「だから潰した」
誘拐のことも知ってたんだ……。
「鬼雪からやれば潰されずに済んだかもしんねぇのに」
「飛び越えようとするからだ」
「…あ、雨降り出してきやがったな」
琉くんは、ぽんっと頭を叩く。
「今日は楽しかったぜ」
「姫、気を付けて帰れよ」
*
ザァー。
私は雨の中、傘もささずに一人で歩道を歩く。
冷たい…寒い。
宙くんに黙って琉くんとデートした。
闇十字が潰れたのは私のせい。
嵐くんの十字架のピアス、宙くんに渡せる訳ない。
私がこのまま一緒にいたら、
宙くんとの同居もバレて、
鬼雪も闇十字みたいに潰されてしまうかもしれない。
いやだ、そんなのは、絶対。
だったらもう、帰ろう。
……どこに?
もう帰る場所、どこにもない。
私は宙くんのマンションの近くで座り込む。
雨が街路灯に反射してキラキラと光る。
「雪乃っ!」
宙くん……。
「バイト…終わったの?」
「あぁ、今までどこ行ってたんだよ」
「……」
私が黙ると、
ふわっ。
宙くんはパーカーを脱いで私の両肩にかけ、フードを被せる。
そして手を差し出す。
「雪乃」
「一緒に家に帰ろう」
小5とは逆だ。
でも私はその手を掴めない。
「……帰れない」
「なんで?」
「……今まで、琉くんとデートしてた」
私は掌の嵐くんの十字架のピアスを見せる。
「闇十字、琉くんに潰された」
「私を誘拐したから」
「私のせい」
宙くんは私の掌から十字架のピアスを受け取った。
「そう」
「そうって…」
「実は闇十字が潰されてから耀に白坂の後をつけさせてた」
え……。
耀くんにデート見られてたの!?
「…白い鳥の事も聞いた」
宙くんは自分の両目を右手で隠す。
「デートか。普通に妬くわ」
私の胸がきゅっと痛む。
「闇十字を潰した理由がお前の為だったとはな」
「…………」
私は黙る。
「それで俺と別れる?」
「っ…」
「別れてどうすんの? お前、どこに帰んの?」
「それは…」
「お前はどこに帰りたいんだよ?」
そんなの、決まってる。
「……宙くんとこ」
宙くんは私をぎゅっと抱き締める。
「最初からそう言えよ」
「手、拒否んなよ」
「俺は掴んだのに」
「ごめん…なさい…」
「デートも誰にも言うなって脅されて言えなくてごめんなさい…」
「もう謝るな」
「宙くん」
私は宙くんの右手をぎゅっと掴む。
「私を今すぐ連れて帰って」
*
わしゃわしゃ。
私は玄関で持っていたタオルで宙くんの髪を拭く。
「おい、俺の髪拭くな。自分の拭けよ」
「私はパーカーのフードで濡れてないから大丈夫…くちゅんっ」
「くしゃみしてんじゃねぇか。貸せ」
宙くんは私のタオルを奪い、私の髪を拭く。
「…あの、宙くん」
「何?」
「同居前の続き、して欲しい」
「そんなおねだりの目で見んじゃねぇよ」
ドサッ……。
宙くんは唇を重ねる。
私の顎を持ち、少し口を開けさせると、また唇を塞ぐ。
あ……宙くんの甘い舌が入ってきて……。
宙くんはもう、優しく絡んで離さない。
不思議…幸せがあふれる。
宙くんが唇を離すと、
私達は強く抱き合う。
「宙くん、ただいま」
「雪乃、おかえり」
「もう絶対、離さねぇからな」
1時間30分後。私達は花の展望台が見えるムーンバックスで休憩することになった。
テーブルには石窯で焼き上げたフィローネとコーヒーが2つずつ並んでいる。
ワイン色のレンガの建物で店内は静かで落ち着いた雰囲気…。
「もう外真っ暗だね」
「秋は夜長だからな」
私は敷かれた花柄の紙に包んでフィローネを一口頬張ると琉くんはコーヒーを飲む。
「そういや、お前と再会したのは月籠高近くのムーンバックスだったな」
「うん」
「来月の今頃が待ち遠しいぜ」
「なんで?」
「お前が俺の姫になるから」
胸がきゅっと痛む。
そんな嬉しそうな顔しないで。
複雑な気持ちでフィローネを完食し、コーヒーを飲み干した後、ムーンバックスを出て……、30分後。
枝が散乱し、赤く色づいた裏の林道をバイクで通ると、花の展望台に着いた。
四角いベンチが一帯にあり、私と琉くんは芝生に寝転がる。
「星、綺麗っ…」
「ツーリングで族達がよく通って集まる人気スポットだからな」
「でも今日は土曜日なのに誰もいないね」
「あぁ、俺が圧力かけといたからな」
え……。
「展望台の方がもっと綺麗に見えるぞ、上がるか?」
「うん」
私達は起き上がると花の展望台まで歩いて行く。
花の展望台は二重螺旋構造になっており、上がり用通路の階段を上がっていくと頂上に着いた。
夜空の星々が満天に輝き、視界一面に絶景が広がる。
「わぁ、すごい綺麗…」
けど、寒い…。
琉くんは白のファーコートを脱ぎ、私の両肩にふわっとかける。
「着とけ」
「あ、ありがとう…」
「頭痛は大丈夫か?」
「うん、最近、調子いいみたい」
「……変だな」
琉くんはボソッと呟く。
「琉くん?」
「甘酒飲むか? 少しは温まるぞ」
「うん」
長袖Tシャツを着た琉くんはグレーのリュックから缶の甘酒を取り出し、私に手渡す。
自分の分も取り出し、お互いにプシュッと蓋を開け、缶同士を軽くぶつけ合った後、飲む。
「甘酒美味しいね」
「夜景も琉くんが言った通り、ほんとうに綺麗…」
「喜んで貰えて良かった」
「これでもデート初めてだからな」
え、初めて!?!?
「…あの、初めてが私で良かったんですか?」
私は恐る恐る尋ねる。
「いいに決まってんだろ」
「で、でも、私はお兄さんに勝手に決められた相手で」
「琉くんが本当に好きになった人を姫にした方がいいんじゃないのかなって…」
琉くんの顔が儚げになる。
「…俺と兄は両親から愛されずに育った」
え……。
「だから人を好きになる感覚も人の愛し方さえも分からねぇ」
「それでも兄があの日、俺の姫にするのを条件にお前を救った」
「あのまま殺しててもおかしくなかったのにな」
「っ…」
「俺は兄が選んでくれたお前を大事にしてやると心に刻んだ」
「そしてお前と関わっていく内に兄がなぜお前を選んだのかが分かった」
え?
「強い瞳」
「仲間を自分を犠牲にしてまで守ろうとする姿勢」
「今日も好きでもねぇ俺の為に時間を割いてくれた」
「それがすげぇ嬉しい」
琉くんが切なげに笑う。
琉くん……。
「だから」
持ってる缶に琉くんの缶がぶつかる。
あ、唇が近づいてきて……。
「キスされるかと思ったか?」
「まだしねぇよ」
琉くんに耳元で甘く囁かれ、かあっと顔が熱くなる。
「雪乃」
「お前が初めて本当に好きになった人だ」
「姫になったら、お前のぜんぶ貰うからな」
*
「琉くん、送ってくれてありがとう」
22時前。私はバイクで2時間かけて最初に待ち合わせした場所まで送ってもらった。
「ファーコートお返しします」
「あぁ」
「ん? 誰だよ、こんな時にラインしてきやがって…」
琉くんは両目を見開く。
「どうしたの?」
「俺達の写メ、白い鳥に拡散されてるって翼から」
!!
花城さん、彼ぴの琉くんとドライブデートという呟きと一緒に夕日をバックに停まったバイクで2人乗りした時の写メが貼ってあった。
アイコン的に同じクラスのツインちゃんが流したっぽい…。
まさかツインちゃんに見られてたなんて…。
「黒沢も見たかもしんねぇな」
私の顔が青ざめる。
そんな……。
「黒沢と言えば、そうだ」
「あいつに渡して欲しいもんがあったんだった」
私は琉くんにピアスを手渡される。
え、十字架のピアス?
「これは玉樹の十字架のピアスだ」
「2日前の深夜、闇十字が俺達氷浦に抗争をしかけてきやがった」
え……。
琉くんの顔の傷、闇十字と抗争したからだったの?
「玉樹は俺の大事な姫を誘拐した」
「だから潰した」
誘拐のことも知ってたんだ……。
「鬼雪からやれば潰されずに済んだかもしんねぇのに」
「飛び越えようとするからだ」
「…あ、雨降り出してきやがったな」
琉くんは、ぽんっと頭を叩く。
「今日は楽しかったぜ」
「姫、気を付けて帰れよ」
*
ザァー。
私は雨の中、傘もささずに一人で歩道を歩く。
冷たい…寒い。
宙くんに黙って琉くんとデートした。
闇十字が潰れたのは私のせい。
嵐くんの十字架のピアス、宙くんに渡せる訳ない。
私がこのまま一緒にいたら、
宙くんとの同居もバレて、
鬼雪も闇十字みたいに潰されてしまうかもしれない。
いやだ、そんなのは、絶対。
だったらもう、帰ろう。
……どこに?
もう帰る場所、どこにもない。
私は宙くんのマンションの近くで座り込む。
雨が街路灯に反射してキラキラと光る。
「雪乃っ!」
宙くん……。
「バイト…終わったの?」
「あぁ、今までどこ行ってたんだよ」
「……」
私が黙ると、
ふわっ。
宙くんはパーカーを脱いで私の両肩にかけ、フードを被せる。
そして手を差し出す。
「雪乃」
「一緒に家に帰ろう」
小5とは逆だ。
でも私はその手を掴めない。
「……帰れない」
「なんで?」
「……今まで、琉くんとデートしてた」
私は掌の嵐くんの十字架のピアスを見せる。
「闇十字、琉くんに潰された」
「私を誘拐したから」
「私のせい」
宙くんは私の掌から十字架のピアスを受け取った。
「そう」
「そうって…」
「実は闇十字が潰されてから耀に白坂の後をつけさせてた」
え……。
耀くんにデート見られてたの!?
「…白い鳥の事も聞いた」
宙くんは自分の両目を右手で隠す。
「デートか。普通に妬くわ」
私の胸がきゅっと痛む。
「闇十字を潰した理由がお前の為だったとはな」
「…………」
私は黙る。
「それで俺と別れる?」
「っ…」
「別れてどうすんの? お前、どこに帰んの?」
「それは…」
「お前はどこに帰りたいんだよ?」
そんなの、決まってる。
「……宙くんとこ」
宙くんは私をぎゅっと抱き締める。
「最初からそう言えよ」
「手、拒否んなよ」
「俺は掴んだのに」
「ごめん…なさい…」
「デートも誰にも言うなって脅されて言えなくてごめんなさい…」
「もう謝るな」
「宙くん」
私は宙くんの右手をぎゅっと掴む。
「私を今すぐ連れて帰って」
*
わしゃわしゃ。
私は玄関で持っていたタオルで宙くんの髪を拭く。
「おい、俺の髪拭くな。自分の拭けよ」
「私はパーカーのフードで濡れてないから大丈夫…くちゅんっ」
「くしゃみしてんじゃねぇか。貸せ」
宙くんは私のタオルを奪い、私の髪を拭く。
「…あの、宙くん」
「何?」
「同居前の続き、して欲しい」
「そんなおねだりの目で見んじゃねぇよ」
ドサッ……。
宙くんは唇を重ねる。
私の顎を持ち、少し口を開けさせると、また唇を塞ぐ。
あ……宙くんの甘い舌が入ってきて……。
宙くんはもう、優しく絡んで離さない。
不思議…幸せがあふれる。
宙くんが唇を離すと、
私達は強く抱き合う。
「宙くん、ただいま」
「雪乃、おかえり」
「もう絶対、離さねぇからな」
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