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secret sleep3⚘意識しすぎて、近づけない。
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しおりを挟むそして6限は終わり、望月先生が教室に入って来て、帰りのHRが始まった。
「――――GWに入るが」
「10日の校外学習の班もちゃんと考えておくようにな」
望月先生が教壇で言った。
10日に校外学習あるんだ…。
宙くんと一緒になれたら…。
でも人気者だから難しいかも…。
「花城さん」
「昨日行く予定だったけど休みで行けなかったから、今から宙達とムーンバックス行くんだけど大丈夫?」
鞄を右肩にかけたあかりちゃんが声をかけてきた。
「あ、大丈…」
“お前みたいなボサ頭は家でずっと籠もってればいいんだよ”
ふと国語の先生の言葉が脳裏に浮かび上がる。
私、一緒に行ってもいいのかな。
「あかり、先に行ってろ」
「俺、今日、日直だから」
「宙、日直って笑」
耀くんと春くんと美青ちゃんが笑う。
「おいコラ、笑ってんじゃねぇ」
「うん、分かった。先に行ってるねー」
あかりちゃんは耀くん達と教室から出て行く。
そして、周りのみんなも出て行き、ふたりきりになった。
「雪乃、6限の授業中、あいつに何言われた?」
「え?」
「正直に言え」
「…お前みたいなボサ頭は家でずっと籠もってればいいんだよ…って言われた」
「お前は花の城で閉じ籠もれない」
「眠れない姫だから」
「もう雪は溶けて春だ」
「ありのままの姿で花の城から出て、お前は変わっていける」
「どこまでも」
さっきまでの迷いが、まるで翼に変わって飛んでいく。
「っ…」
もう、泣かずにはいられない。
廊下から走ってくる足音が聞こえた。
宙くんはとっさに、
パサッ。
制服の上からパーカーを両肩にかけ、フードを被せる。
そして私の前に背中を向けて立つ。
廊下を2人の女子が駆けていく。
私は被せられたフードをぎゅっと右手で掴みながら号泣する。
黒沢から花城に戻った時、
また一人ぼっちに戻ったんだって絶望した。
だけど、
“お前は変わっていける、どこまでも”
宙くんが花城に光をくれた。
私、
宙くんと一緒に変わっていきたい。
*
「…あ、やっと来た」
20分後。ムーンバックスであかりちゃんが、ふわりとした口調で言った。
店内は大人な雰囲気で高級感があって、
ペンダントライトは、ぽんぽんと空中に浮いているかのようで可愛らしい。
あかりちゃんは私の服装を見る。
「花城さん、それ宙のパーカー?」
「あ、うん。寒いから着てろって言われて…」
ぽん。
突然、後ろから誰かが頭に手を乗せてきた。
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