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secret sleep2⚘眠らせないで。
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しおりを挟むそれ以上でもそれ以下でもない…。
宙くんの右手が口から離れた。
宙くんは体育館の着替え室に行き、耀くんが追いかけていく。
義理の妹だって言ってくれるの、すごく嬉しい。
はずなのに。
私は自分の胸に右手を当てる。
心がきゅっとして、痛い。
*
「宙、待てよ」
「授業中、寝てるフリしてずっと花城ちゃんのこと見てたよね?」
「義理の妹で大事だから?」
「それとも、他に何か“秘密”があるのかな?」
耀が尋ねると宙は怖い顔をする。
「なんもねぇよ」
*
「宙、マジお疲れ」
昼休み。屋上でパンを食べ終えて右膝を立てたまま寝た宙 くんに向かって春くんが言った。
私は今、みんなと売店で買ったパンを食べている。
宙くん、やっと女子達から解放されて眠れたみたい…。
「今日の帰り、みんなでムーンバックス寄ってかない?」
「期間限定でストロベリーとストロベリーチョコが出たの」
「あ、それ知ってる。私も飲みたい」
美青ちゃんが、あかりちゃんの話しに乗ると、
「俺も。飲んでみたいな」
春くんが続けて言う。
「よし、じゃあ、みんなで行こうか」
耀くんが、にっこり笑う。
「やったぁ~!!」
あかりちゃんが嬉しそうにはしゃぐ。
みんな楽しそうだな……。
…あ、どうしよう。
気分悪い。
「ちょっとトイレに行って来るね」
みんなが楽しく話している中、私は立ち上がって扉まで歩いて行き、屋上から出て行く。
*
10分後。1階の奥まで着いた私は立ち止まる。
目の前の教室の扉には立ち入り禁止と書かれた紙がテープで貼ってあって、
ほんとうは入っちゃいけないけど。
「失礼します」
ガラッ。
私は空き教室の扉を開ける。
誰もいないって分かっててもつい、「失礼します」って言っちゃうな…。
ここは元生徒会室。
今では使われてなくて空き部屋になってて、
4月の入学式以降、
ぼっちな私はクラスにいずらくて居場所を探してたら、
偶然この部屋の鍵が壊れてて入れて、
今ではこっそり使わせてもらってたりする。
私は扉を閉めて、廊下側の窓の前に座った。
そして予め置いてあるふわふわのグレーチェックの膝かけをかける。
やっぱりここ、落ち着くなぁ。
私は首のネックレスを白いシャツの中から取り出し、右手の平に乗せたまま見つめる。
“義理の妹だって”
“それ以上でもそれ以下でもねぇよ”
宙くんの言葉を思い出したら涙出てきちゃった…。
ガラッ。
空き教室の扉が開いた。
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