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secret sleep2⚘眠らせないで。

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 それ以上でもそれ以下でもない…。

 そらくんの右手が口から離れた。
 そらくんは体育館の着替え室に行き、耀ようくんが追いかけていく。

 義理の妹だって言ってくれるの、すごく嬉しい。
 はずなのに。

 私は自分の胸に右手を当てる。

 心がきゅっとして、痛い。



そら、待てよ」
「授業中、寝てるフリしてずっと花城はなしろちゃんのこと見てたよね?」
「義理の妹で大事だから?」

「それとも、他に何か“秘密”があるのかな?」

 耀ようが尋ねるとそらは怖い顔をする。

「なんもねぇよ」



そら、マジお疲れ」
 昼休み。屋上でパンを食べ終えて右膝を立てたまま寝たそら くんに向かってしゅんくんが言った。

 私は今、みんなと売店で買ったパンを食べている。

 そらくん、やっと女子達から解放されて眠れたみたい…。

「今日の帰り、みんなでムーンバックス寄ってかない?」
「期間限定でストロベリーとストロベリーチョコが出たの」

「あ、それ知ってる。私も飲みたい」
 美青みおちゃんが、あかりちゃんの話しに乗ると、

「俺も。飲んでみたいな」
 しゅんくんが続けて言う。

「よし、じゃあ、みんなで行こうか」
 耀ようくんが、にっこり笑う。

「やったぁ~!!」
 あかりちゃんが嬉しそうにはしゃぐ。

 みんな楽しそうだな……。

 …あ、どうしよう。
 気分悪い。

「ちょっとトイレに行って来るね」

 みんなが楽しく話している中、私は立ち上がって扉まで歩いて行き、屋上から出て行く。



 10分後。1階の奥まで着いた私は立ち止まる。

 目の前の教室の扉には立ち入り禁止と書かれた紙がテープで貼ってあって、
 ほんとうは入っちゃいけないけど。

「失礼します」

 ガラッ。
 私は空き教室の扉を開ける。

 誰もいないって分かっててもつい、「失礼します」って言っちゃうな…。

 ここは元生徒会室。
 今では使われてなくて空き部屋になってて、
 4月の入学式以降、
 ぼっちな私はクラスにいずらくて居場所を探してたら、
 偶然この部屋の鍵が壊れてて入れて、
 今ではこっそり使わせてもらってたりする。

 私は扉を閉めて、廊下側の窓の前に座った。
 そしてあらかじめ置いてあるふわふわのグレーチェックの膝かけをかける。

 やっぱりここ、落ち着くなぁ。

 私は首のネックレスを白いシャツの中から取り出し、右手の平に乗せたまま見つめる。

 “義理の妹だって”
 “それ以上でもそれ以下でもねぇよ”

 そらくんの言葉を思い出したら涙出てきちゃった…。

 ガラッ。
 空き教室の扉が開いた。
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