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チュート殿下 66 新たなる覚悟と宣戦布告
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考えてみると説明するのはすごく簡単なことで、生徒会長に生徒会に入るように言われたが断った。この一言で済む話なのだが……。
今回問題になるのは、生徒会長のクリフ・マークィス・ゲイル侯爵子息が、周りには知られないような時を狙って勧誘を仕掛けてきた事だろう。
俺はゲームの知識としてのクリフのことは知っているが、僕としてはそれこそ名前しか知らない人ということになる。知らない人ということの割にはいろいろ話してしまったような気もするが、その所はまぁ何とかごまかすことができるところだろう。
マーシュとクリフの父の宰相は、騎士団長と共に国王陛下の側近としてお互い友人関係だった、とゲーム設定ではなっていたが、ここでマーシュのことを生まれた時から、厳密には意識がはっきりした帯剣の儀のあの直後から見てきた俺としては、マーシュが国王陛下のそばの人たちと関係を持っている所は全く見たことがない。
あちらの方から関係を持とうと接触を図ろうとしているかどうかはわからないが、離宮にはあちら方面の人が出張ってくることは今までほとんどなかった、と記憶している。
立場的に事務的な何かで必要なことはあるかもしれないが……。
しかし、いくら生徒会長とは言え、一介の生徒が、腐っても王子の俺が一人きりで居る所を狙って会い来ることはできないだろう。きっとあの食えない元副校長で、現校長辺りが入れ知恵したことだと思うが、そうだとしたら、俺の生徒会長に対する態度は少しきつかったかもしれない。
マーシュも今日会った話をすると、クリフ・マークィス・ゲイル侯爵子息が、生徒会長といえ一人で俺の一人きりでいた時に会いに来たことを少し気にしているようだった。
ただ、初級学校というかこの王国の学校と呼ばれるところでは、生徒会の役員は本人の実力というよりも、実家の実力で選ばれる事がほとんどで、これはこの国ができた時から変わらないことの一つらしい。
今回俺が生徒会入りを拒んだことは、校長の顔を潰すことに他ならず、このまま何事もなく済むことは無いだろうとマーシュは言う。
『えぇーでも金輪際生徒会にはかかわりたくないんですけどぉ』
心の中だけで反論。
きっとどうにもならないことはわかっている。王子だ何だと言っても所詮俺はまだ10歳のガキなのだから。
明日になれば、見習い生徒会役員の名前にしっかり自分の名前が乗った名簿が張り出されているだろう。
手前味噌といわれようが、前期が終わったところの試験で、俺は一番取っちゃうだろうし……。
なんとなく誤魔化しながら身分だけの中途半端な殿下を演じて過ごした方が楽かなぁ、なんて考えていたけど、クリフに会って、ヴォーテックスのことを盗み見て、考え直した方がいいかなって。
魔力操作の授業のことにしても、周りが操作できなくて危ないから見学。裏を返せば俺に何の力もないから、避けることもできないグズと思われていることに他ならない!ネガティブ過ぎる……?
でも、結局そう言うことなんだろう。俺の今までの扱いと、俺の今までの行動からそう考えても仕方がないことだ。
だから、バカにされたまま、思われているような王子のまま行動すれば、楽なのかもしれないけど……。
そうだよ!あんな奴らにバカにされたままでいるなんて、許せなくなったんだよ!
それに、このままだと、ゲーム通りの中途半端な当て馬王子のまんまって事だろう?
キールの鑑定によると、俺が5歳になるまでボケッとしてあほの子認定されていたのは、おれの自我が目覚めていなかったことが第一の原因だが、そもそもが俺の魂という異物がアースクエイクの中に入り込んだことを、この世界、つまりゲームの神が排除しようとしていて、ゲームの中に入り込めないようにその存在を薄くするための処置だったのではないかということだ。
なんか難しいのだが、簡単い言えば、自分の駒でなくなりそうな俺を排除したいが、立場的に排除できないから、俺の自我を眠らせて、最後には排除しようとあの帯剣の儀の白い閃光になったのだと。
あの閃光は一種の治癒魔法、状態異常を治癒するような力の魔法であったのではないかとキールは言う。
ゲームの神にとって俺は異常状態であるから俺を排除するため。周りにいた人々にしてみれば、俺が中にいるアースクエイクは異物であるため、その異物の記憶が消されるように放たれたのだというのだが……。
ゲームの神の力より俺の方が勝っていたのか、俺にとっての異常状態が解除されて俺の自我が表層に上がり、今のアースクエイクが誕生し、ゲームにとっての異物入りの俺のことは、あの閃光を浴びた者たちの中でその存在が排除される形で効果が残り続けた結果、アースクエイク王子の今の境遇が出来上がったのではないか。
キールがキールたる鑑定スキルから、この世界を鑑定している途中の今の段階での答え。
俺がこの世界の異物だから、俺から生まれた?派生した?キールもまたこの世界の異物であり、この世界の規律から外れた存在であるから、この世界のことを調べ鑑定することができるようだ。
しかし、何と言ってもこの世界の神。今でも俺のことを飲み込み、元々のアースクエイクに戻そうと何かにつけて仕掛けてくると、キールは考えている。
一番簡単なのは、今の俺を消して、ゲームキャラのアースクエイクをその場に置くこと。
余りにも強引なこと、俺の存在そのものを消してしまうことは、俺が否、アースクエイクがこのゲームのチュートリアルでは必要不可欠なキャラであるから、一概にできない、みたい……。
今のところは、ゲームの神様も俺がどのように成長するかわからないので、とりあえずゲームの本筋、王立学園入学までは、俺の成長を妨害する方向で、自分の駒を動かしてくるだろうとキールは推測している。
今までは俺が引きこもっていることもあり、手が出せない状況だったのだろう。
あの閃光を放ったのは、結構ギリギリの線で、これからもあのくらいの介入があったとしても、そう度々はできないし、この5年間何もなく平穏で過ごせたのもあの出来事の反動だったのかもしれないとキールは考えているようだ。
この世界の神は、前世の神様より随分と近くにいるが、神は神。直接の介入はできない。
ただそれも、ゲームが始まるまでかもしれない。
今のゲームの神の『設定』から、ゲームプレイヤーに神の手が移れば、それこそ話は千差万別。
設定からこぼれない範囲で話は広がっていくのだから……。
その設定を俺は踏んづけて、蹴っ飛ばして生きていくつもりだがな!
今回問題になるのは、生徒会長のクリフ・マークィス・ゲイル侯爵子息が、周りには知られないような時を狙って勧誘を仕掛けてきた事だろう。
俺はゲームの知識としてのクリフのことは知っているが、僕としてはそれこそ名前しか知らない人ということになる。知らない人ということの割にはいろいろ話してしまったような気もするが、その所はまぁ何とかごまかすことができるところだろう。
マーシュとクリフの父の宰相は、騎士団長と共に国王陛下の側近としてお互い友人関係だった、とゲーム設定ではなっていたが、ここでマーシュのことを生まれた時から、厳密には意識がはっきりした帯剣の儀のあの直後から見てきた俺としては、マーシュが国王陛下のそばの人たちと関係を持っている所は全く見たことがない。
あちらの方から関係を持とうと接触を図ろうとしているかどうかはわからないが、離宮にはあちら方面の人が出張ってくることは今までほとんどなかった、と記憶している。
立場的に事務的な何かで必要なことはあるかもしれないが……。
しかし、いくら生徒会長とは言え、一介の生徒が、腐っても王子の俺が一人きりで居る所を狙って会い来ることはできないだろう。きっとあの食えない元副校長で、現校長辺りが入れ知恵したことだと思うが、そうだとしたら、俺の生徒会長に対する態度は少しきつかったかもしれない。
マーシュも今日会った話をすると、クリフ・マークィス・ゲイル侯爵子息が、生徒会長といえ一人で俺の一人きりでいた時に会いに来たことを少し気にしているようだった。
ただ、初級学校というかこの王国の学校と呼ばれるところでは、生徒会の役員は本人の実力というよりも、実家の実力で選ばれる事がほとんどで、これはこの国ができた時から変わらないことの一つらしい。
今回俺が生徒会入りを拒んだことは、校長の顔を潰すことに他ならず、このまま何事もなく済むことは無いだろうとマーシュは言う。
『えぇーでも金輪際生徒会にはかかわりたくないんですけどぉ』
心の中だけで反論。
きっとどうにもならないことはわかっている。王子だ何だと言っても所詮俺はまだ10歳のガキなのだから。
明日になれば、見習い生徒会役員の名前にしっかり自分の名前が乗った名簿が張り出されているだろう。
手前味噌といわれようが、前期が終わったところの試験で、俺は一番取っちゃうだろうし……。
なんとなく誤魔化しながら身分だけの中途半端な殿下を演じて過ごした方が楽かなぁ、なんて考えていたけど、クリフに会って、ヴォーテックスのことを盗み見て、考え直した方がいいかなって。
魔力操作の授業のことにしても、周りが操作できなくて危ないから見学。裏を返せば俺に何の力もないから、避けることもできないグズと思われていることに他ならない!ネガティブ過ぎる……?
でも、結局そう言うことなんだろう。俺の今までの扱いと、俺の今までの行動からそう考えても仕方がないことだ。
だから、バカにされたまま、思われているような王子のまま行動すれば、楽なのかもしれないけど……。
そうだよ!あんな奴らにバカにされたままでいるなんて、許せなくなったんだよ!
それに、このままだと、ゲーム通りの中途半端な当て馬王子のまんまって事だろう?
キールの鑑定によると、俺が5歳になるまでボケッとしてあほの子認定されていたのは、おれの自我が目覚めていなかったことが第一の原因だが、そもそもが俺の魂という異物がアースクエイクの中に入り込んだことを、この世界、つまりゲームの神が排除しようとしていて、ゲームの中に入り込めないようにその存在を薄くするための処置だったのではないかということだ。
なんか難しいのだが、簡単い言えば、自分の駒でなくなりそうな俺を排除したいが、立場的に排除できないから、俺の自我を眠らせて、最後には排除しようとあの帯剣の儀の白い閃光になったのだと。
あの閃光は一種の治癒魔法、状態異常を治癒するような力の魔法であったのではないかとキールは言う。
ゲームの神にとって俺は異常状態であるから俺を排除するため。周りにいた人々にしてみれば、俺が中にいるアースクエイクは異物であるため、その異物の記憶が消されるように放たれたのだというのだが……。
ゲームの神の力より俺の方が勝っていたのか、俺にとっての異常状態が解除されて俺の自我が表層に上がり、今のアースクエイクが誕生し、ゲームにとっての異物入りの俺のことは、あの閃光を浴びた者たちの中でその存在が排除される形で効果が残り続けた結果、アースクエイク王子の今の境遇が出来上がったのではないか。
キールがキールたる鑑定スキルから、この世界を鑑定している途中の今の段階での答え。
俺がこの世界の異物だから、俺から生まれた?派生した?キールもまたこの世界の異物であり、この世界の規律から外れた存在であるから、この世界のことを調べ鑑定することができるようだ。
しかし、何と言ってもこの世界の神。今でも俺のことを飲み込み、元々のアースクエイクに戻そうと何かにつけて仕掛けてくると、キールは考えている。
一番簡単なのは、今の俺を消して、ゲームキャラのアースクエイクをその場に置くこと。
余りにも強引なこと、俺の存在そのものを消してしまうことは、俺が否、アースクエイクがこのゲームのチュートリアルでは必要不可欠なキャラであるから、一概にできない、みたい……。
今のところは、ゲームの神様も俺がどのように成長するかわからないので、とりあえずゲームの本筋、王立学園入学までは、俺の成長を妨害する方向で、自分の駒を動かしてくるだろうとキールは推測している。
今までは俺が引きこもっていることもあり、手が出せない状況だったのだろう。
あの閃光を放ったのは、結構ギリギリの線で、これからもあのくらいの介入があったとしても、そう度々はできないし、この5年間何もなく平穏で過ごせたのもあの出来事の反動だったのかもしれないとキールは考えているようだ。
この世界の神は、前世の神様より随分と近くにいるが、神は神。直接の介入はできない。
ただそれも、ゲームが始まるまでかもしれない。
今のゲームの神の『設定』から、ゲームプレイヤーに神の手が移れば、それこそ話は千差万別。
設定からこぼれない範囲で話は広がっていくのだから……。
その設定を俺は踏んづけて、蹴っ飛ばして生きていくつもりだがな!
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