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チュート殿下 28 情報収集という名の散歩
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マーシュの完璧な防御によりこの離宮の中に忍び込む者は完璧に排除され、俺は快適に毎日過ごさせてもらっている。
その代わり、全く外部の情報も入ってこない状況に置かれているので、表向き俺は何も知らない8歳児として過ごしている。
毎朝天気のいい時は、中庭でストレッチを行うのだが、その時この前まで一緒に行っていたリフルも、ついにその時間に別の仕事をやらされるようになったようで、すぐ横に誰もいない状態でほっとかれる時間ができた。
この時間は「殿下のダンス」の時間と言われてるのは知っている。
……これはいい方、リフルなんかは「フラフラ踊りの時間」とか言ってるのを知ってる。
俺はこの時間を使って、思いついたことを魔法で現実化できるか試すことにした。
ゆっくりと太極拳モドキ、フラフラ踊りじゃないよ!を行う。
初めに行うのは、動いている僕の残像を、実像として認識させる魔法。すぐ近くの正面から見たら流石にばれるけど、建物の中からほかの仕事をしつつ確認する程度だったら騙せるぜ。だからゆっくりな動きなのもあるのよ。
そして、俺の残像を置いたところで、離宮の壁で作られている影に滑り込み気配を消す。
光あるところに影あり。
ってことなのか、光属性を持つものは闇属性使えるみたいなんだよね。ただし、その逆の闇あるとこと~はないみたいです。闇だけのことってあるでしょ。光だけは絶対ないけど。
闇属性と言っても使えるの影関係だけだけど。
俺が使えるのは、影移動っていうのかな、影の中なら移動できるし、影と影の間なら、連続していなくても移動できるってやつ。
まだ、出発点の影以外から影の外に出ることはできないのだけれど、影の中からなら、気づかれずにその場にいるように回りの様子を見聞きすることができるのだ。
午前中のまだ影が長い時間に、俺は離宮の外を散歩することにしたのだ。
勿論、情報収集が大目的。
散歩時間はまだ長い時間は無理なので、魔法的にも物理的にも、この近場しか行けないけれど、毎日訓練していけばもっと長距離行けると思うんだ。
特に行って見てみたいじゃない、学校とか。
ここから一番遠いんだよね。
マーシュがガチガチに守りを固めているこの離宮は別として、この王城は外から入ってくるものには警戒しているが、一度中に入ってしまったものや、元々中にいる人についての警戒はほとんど見られない。
だから、俺も探りたい放題なんだよ。
この離宮の近くには最近ほとんど普通の人は近づいて来なくなった。
来てもしょうがないからね。何にも知ることはできないから。
この前まで、この離宮に勤める者を誘拐しようとする者までいたみたいだけど、手堅い性格のマーシュは、俺の離宮に努めるものは、平民にしても腕っぷしが強いらしい。
それ以外でも、買収されるとか、ハニートラップに掛けられるとか、そうゆう可能性がありそうな人もこの離宮には配属されないようにしていたようだ。
権力に興味がなかったり、権力とは全く関係なく、自分の仕事に誇りをもってこの王城で働いている使用人たちは、前々からこの城に生まれた子供、つまり俺に対するこの城の偉い人達の態度に納得がいかない人が少なからずいたということだ。
それに、ずっと今の陛下が王子のころからそばで侍従として仕えていたマーシュの普段の態度が、貴族出身の使用人として鼻持ちならないようなことが全くなかったことで、親近感を持って、味方になってくれるものが多かったこともある。
それは、権力者たちは知らないことだ。
次代の王かもしれない、落とし胤の登場に城に勤める、所謂下級の使用人たちは、比較的冷静というか冷めていて、陛下やその周りの浮かれっぷりに冷たい視線を送っている。
この国でも浮気不倫は決して推奨されるものではなく、貴族にしても側室のようなものを持つには、いろいろな条件を満たさなければならないらしい。
王族はこれには当たらないが、今回の落とし胤は、側室の子供でもなく、あくまでも伯爵家令息なのだから。
流石にまだ陛下の執務室の影に潜むことはしていないが、執務棟と言われる政治の中枢が集まる建物にはボチボチ潜ませてもらってます。
その代わり、全く外部の情報も入ってこない状況に置かれているので、表向き俺は何も知らない8歳児として過ごしている。
毎朝天気のいい時は、中庭でストレッチを行うのだが、その時この前まで一緒に行っていたリフルも、ついにその時間に別の仕事をやらされるようになったようで、すぐ横に誰もいない状態でほっとかれる時間ができた。
この時間は「殿下のダンス」の時間と言われてるのは知っている。
……これはいい方、リフルなんかは「フラフラ踊りの時間」とか言ってるのを知ってる。
俺はこの時間を使って、思いついたことを魔法で現実化できるか試すことにした。
ゆっくりと太極拳モドキ、フラフラ踊りじゃないよ!を行う。
初めに行うのは、動いている僕の残像を、実像として認識させる魔法。すぐ近くの正面から見たら流石にばれるけど、建物の中からほかの仕事をしつつ確認する程度だったら騙せるぜ。だからゆっくりな動きなのもあるのよ。
そして、俺の残像を置いたところで、離宮の壁で作られている影に滑り込み気配を消す。
光あるところに影あり。
ってことなのか、光属性を持つものは闇属性使えるみたいなんだよね。ただし、その逆の闇あるとこと~はないみたいです。闇だけのことってあるでしょ。光だけは絶対ないけど。
闇属性と言っても使えるの影関係だけだけど。
俺が使えるのは、影移動っていうのかな、影の中なら移動できるし、影と影の間なら、連続していなくても移動できるってやつ。
まだ、出発点の影以外から影の外に出ることはできないのだけれど、影の中からなら、気づかれずにその場にいるように回りの様子を見聞きすることができるのだ。
午前中のまだ影が長い時間に、俺は離宮の外を散歩することにしたのだ。
勿論、情報収集が大目的。
散歩時間はまだ長い時間は無理なので、魔法的にも物理的にも、この近場しか行けないけれど、毎日訓練していけばもっと長距離行けると思うんだ。
特に行って見てみたいじゃない、学校とか。
ここから一番遠いんだよね。
マーシュがガチガチに守りを固めているこの離宮は別として、この王城は外から入ってくるものには警戒しているが、一度中に入ってしまったものや、元々中にいる人についての警戒はほとんど見られない。
だから、俺も探りたい放題なんだよ。
この離宮の近くには最近ほとんど普通の人は近づいて来なくなった。
来てもしょうがないからね。何にも知ることはできないから。
この前まで、この離宮に勤める者を誘拐しようとする者までいたみたいだけど、手堅い性格のマーシュは、俺の離宮に努めるものは、平民にしても腕っぷしが強いらしい。
それ以外でも、買収されるとか、ハニートラップに掛けられるとか、そうゆう可能性がありそうな人もこの離宮には配属されないようにしていたようだ。
権力に興味がなかったり、権力とは全く関係なく、自分の仕事に誇りをもってこの王城で働いている使用人たちは、前々からこの城に生まれた子供、つまり俺に対するこの城の偉い人達の態度に納得がいかない人が少なからずいたということだ。
それに、ずっと今の陛下が王子のころからそばで侍従として仕えていたマーシュの普段の態度が、貴族出身の使用人として鼻持ちならないようなことが全くなかったことで、親近感を持って、味方になってくれるものが多かったこともある。
それは、権力者たちは知らないことだ。
次代の王かもしれない、落とし胤の登場に城に勤める、所謂下級の使用人たちは、比較的冷静というか冷めていて、陛下やその周りの浮かれっぷりに冷たい視線を送っている。
この国でも浮気不倫は決して推奨されるものではなく、貴族にしても側室のようなものを持つには、いろいろな条件を満たさなければならないらしい。
王族はこれには当たらないが、今回の落とし胤は、側室の子供でもなく、あくまでも伯爵家令息なのだから。
流石にまだ陛下の執務室の影に潜むことはしていないが、執務棟と言われる政治の中枢が集まる建物にはボチボチ潜ませてもらってます。
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