碧落に君は消えゆく

 偉大な魔法師の一人と名高い〈白銀〉が、掟破りの魔法師として粛正された。
 ――その事件から十二年の時を経て、この物語は、大陸東部に広がる「水の国」から始まる。

 山奥の「書庫」で暮らす少年・アズサは、謎の獣に導かれ、奇妙な魔法の氷の中から一人の少女を助けた。
 しかし、目覚めた少女・ユキは、その身体を蝕む呪いによって精神を病んでしまっていた。アズサの懸命な看病もあり、ユキは次第に心を開いていくが、呪いを抑える魔法を使ったことで、彼女は全くの別人となり果ててしまう。

 それから数ヶ月後、穏やかな暮らしは一変。〈虚の狐〉と呼ばれる存在の襲撃を受け、アズサは自身の大きな秘密を知ることに。 
 そして、禁止魔法を扱う非道な〈狐〉の手と様々な思惑により、アズサとユキの二人は陰謀の渦巻く魔法の世界へと飛び込んでゆく――。

「僕は君と約束したんだ。君の『しあわせ』を探す約束を」

「あなたが望むなら、わたしはずっと、あなたの味方になる」

 二人は世界に何をもたらし、また世界は二人に何をもたらすのか――。


◇◇◇
*別サイトでも更新しています。公開済みの第二章までは、都度更新していく予定です。
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