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34.不得意なこと
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「あーまたここ間違えた……」
「え、どこが?」
「ここタタタンタ・ダンのリズムで踏み込むんだけど、タンの部分のとこ、少し右にずれちゃうの」
「……ライド、分かった?」
「全く」
「ここ動きすぎると次のバク転で踏み込みが浅くなっちゃって……ああもう! 身体に叩き込むしかないよね。ステップだけやるか。ライド、悪いけどもう少しだけ待ってて」
タタンタタンタ、タタンタタンターー
バク転までのステップを身体に叩き込み、ふわりと空を舞う姿をイメージする。
飛ぶときは腰の剣に手を添えて、着地と共に切り込むのである。
目の前に敵をイメージして両腕で力強く振るからこそ、バク転の前後はスムーズに行わなければならない。
「それは構わないが、いつからやってるんだ?」
「お昼食べ終わってからずっとだよ。ライドが来たら教えてって言われてた」
「もしかして三日前も魔物討伐から帰ってきてやってたのか?」
「魔物の動きの復習してからね。その後にライドと手合わせしてた」
「キャサリンのスタミナどうなってんだよ……。」
「すごいよね。僕なんてヘロヘロで帰ってきたのに……。もっと頑張らないと! まだしばらくかかると思うから、姉さんの練習が終わるまで僕の鍛錬に付き合ってよ。ちょっと激しめで」
「ああ、俺たちも負けてられないよな」
「二人ともごめん」
「ううん、僕としては助かってるくらいだから気にしないで。飲み物ここに置いておくからちゃんと水分補給もするんだよ?」
「ありがとう」
ライドとクアラを見送って、初めからステップの確認を行う。
ベーラの剣舞を練習しだしてから不思議と身体が軽く、力がみなぎってくる。
先ほどクアラが話していたように体力・持久力ともに増え、回復も早くなっている。
剣舞が楽しいということもあって、つい時間を忘れてしまうことも少なくはない。
だから昼食後からライドが来るまでと制限をつけていたのだが、今日はもう少し練習を続けることにしよう。
ここまで私がガッツリと剣舞を練習出来るのは、クアラの刺繍講座が一旦ストップしているから。
発端は一週間前。
アイゼン様からとある手紙が届いた。
「また遠征に行くことになってしまった」ーーと。
第一部隊の遠征がこうも続くことは珍しい。
クアラと共に首を傾げる私に、父さんは「魔の周期に備えてだな」と教えてくれた。そしてその晩、食事の後に私だけを部屋に呼び出した。
「話とはなんでしょう?」
「先ほどの魔の周期のことで、キャサリンに協力要請が来ている」
「私?」
「ロックウルフの単独討伐の腕を見込んで騎士団に協力して欲しいそうだ」
父さんの話によれば、近々魔の周期に入るらしい。
魔の周期とはざっくり言えば魔物が大量に発生する時期のこと。
普段よりも活発化する魔物から国民を守るため、騎士団を部隊ごとに遠征組と防衛組に分けた。
アイゼン様と兄さんの部隊は遠征に、父さんは防衛組に割り振られたのだそうだ。
そこまでは納得できた。
ただそこに『クアラ』への応援要請があった。
過去、騎士団所属や騎士団引退済の者以外に声がかかった例はなく、今回が初めての試みとなっているらしい。
話を受けた場合は週に三日ほど、父さんと共に王都城壁付近の警戒にあたることになるそうだ。
魔物を見つけ次第、撃破。
また警戒中に王都内で魔物の出現が報告された際にはそちらの討伐にあたるのだとか。
「強制ではないから、キャサリンが嫌なら断る。だが俺は今回の話はいい経験になると思う。誰かと結婚するにしても、しないにしても」
「受けたいと思います」
前例がないことに対する不安がない訳ではない。
それでも父さんとペアならボロを出すリスクも低く、何よりこんなチャンスきっとこの先二度とない。
不安よりも実戦経験を詰める期待感が優った。
「そうか、なら先方にもそのように返事を……」
「僕も行きたい!」
「クアラ!? 一体いつからそこに」
「姉さんだけ呼び出しがかかるってことは結婚の話じゃないかと思って、部屋の外で盗み聞きしてたんだ」
「クアラ、はしたないぞ」
「ごめんなさい。でも僕も行きたいんだ。三日のうち一日でもいい。僕も、強くなりたい」
「クアラ……。今回の判断はキャサリンに任せる」
「私が決めていいんですか?」
「今までも二人で決めてきただろう。なら今回もそうするといい。俺は父として全力でサポートするだけだ」
相手が指名したのは私なのだろう。
だが姉弟二人ともがクアラでキャサリンだ。
父さんがいればクアラが大けがすることもないだろう。
なら私がクアラが頑張ろうとする気持ちを摘み取ることはしたくない。
「クアラ、一緒に強くなろう!」
「姉さん、父さん、ありがとう! 僕、頑張るよ」
私達の意思が固まり、父さんは翌日騎士団に話を持ち帰った。
そして四日前から第三部隊にお邪魔させてもらっている。
今のところ私とクアラ、それぞれ一回ずつ参加している状態だ。
仕事始めと終わりの報告のみ、父さんと城に向かうがそれ以外は二人での行動だ。馬に跨がり、王都の周りをグルッと巡回しつつ、魔物の討伐を行う。
前回はゴブリンの群れと遭遇し、問題なく撃破した。
だが今後、個体数が多い・ゲートを発見したなどの理由で、その場に居合わせた者のみでの討伐が難しい事態に遭遇することもあり得る。
そんな場合は支給された発煙筒を使用し、待機している部隊の応援を待つらしいのだが、正直これの使い方がややこしい。
専用の着火剤を使用するのにコツがいる。
学園でも討伐演習の前には必ず発煙筒の使い方をマスターさせられるのだとか。
手先が器用なクアラはすぐに慣れたらしいが、私はライドにコツを教えてもらってようやく昨日火がつけられるようになった。
それでも出来れば発煙筒を使いたくはないと思うほどには時間がかかる。
さすがにこの年になって一番不得意なことに『着火』が加わるとは思ってもみなかった。ほんの少しだけ落ち込んではいる。
だがこれも剣舞と同じで、練習し続ければきっと上手くなるはず!
避けていてはいつまで経っても技術は向上しないのだ。
「え、どこが?」
「ここタタタンタ・ダンのリズムで踏み込むんだけど、タンの部分のとこ、少し右にずれちゃうの」
「……ライド、分かった?」
「全く」
「ここ動きすぎると次のバク転で踏み込みが浅くなっちゃって……ああもう! 身体に叩き込むしかないよね。ステップだけやるか。ライド、悪いけどもう少しだけ待ってて」
タタンタタンタ、タタンタタンターー
バク転までのステップを身体に叩き込み、ふわりと空を舞う姿をイメージする。
飛ぶときは腰の剣に手を添えて、着地と共に切り込むのである。
目の前に敵をイメージして両腕で力強く振るからこそ、バク転の前後はスムーズに行わなければならない。
「それは構わないが、いつからやってるんだ?」
「お昼食べ終わってからずっとだよ。ライドが来たら教えてって言われてた」
「もしかして三日前も魔物討伐から帰ってきてやってたのか?」
「魔物の動きの復習してからね。その後にライドと手合わせしてた」
「キャサリンのスタミナどうなってんだよ……。」
「すごいよね。僕なんてヘロヘロで帰ってきたのに……。もっと頑張らないと! まだしばらくかかると思うから、姉さんの練習が終わるまで僕の鍛錬に付き合ってよ。ちょっと激しめで」
「ああ、俺たちも負けてられないよな」
「二人ともごめん」
「ううん、僕としては助かってるくらいだから気にしないで。飲み物ここに置いておくからちゃんと水分補給もするんだよ?」
「ありがとう」
ライドとクアラを見送って、初めからステップの確認を行う。
ベーラの剣舞を練習しだしてから不思議と身体が軽く、力がみなぎってくる。
先ほどクアラが話していたように体力・持久力ともに増え、回復も早くなっている。
剣舞が楽しいということもあって、つい時間を忘れてしまうことも少なくはない。
だから昼食後からライドが来るまでと制限をつけていたのだが、今日はもう少し練習を続けることにしよう。
ここまで私がガッツリと剣舞を練習出来るのは、クアラの刺繍講座が一旦ストップしているから。
発端は一週間前。
アイゼン様からとある手紙が届いた。
「また遠征に行くことになってしまった」ーーと。
第一部隊の遠征がこうも続くことは珍しい。
クアラと共に首を傾げる私に、父さんは「魔の周期に備えてだな」と教えてくれた。そしてその晩、食事の後に私だけを部屋に呼び出した。
「話とはなんでしょう?」
「先ほどの魔の周期のことで、キャサリンに協力要請が来ている」
「私?」
「ロックウルフの単独討伐の腕を見込んで騎士団に協力して欲しいそうだ」
父さんの話によれば、近々魔の周期に入るらしい。
魔の周期とはざっくり言えば魔物が大量に発生する時期のこと。
普段よりも活発化する魔物から国民を守るため、騎士団を部隊ごとに遠征組と防衛組に分けた。
アイゼン様と兄さんの部隊は遠征に、父さんは防衛組に割り振られたのだそうだ。
そこまでは納得できた。
ただそこに『クアラ』への応援要請があった。
過去、騎士団所属や騎士団引退済の者以外に声がかかった例はなく、今回が初めての試みとなっているらしい。
話を受けた場合は週に三日ほど、父さんと共に王都城壁付近の警戒にあたることになるそうだ。
魔物を見つけ次第、撃破。
また警戒中に王都内で魔物の出現が報告された際にはそちらの討伐にあたるのだとか。
「強制ではないから、キャサリンが嫌なら断る。だが俺は今回の話はいい経験になると思う。誰かと結婚するにしても、しないにしても」
「受けたいと思います」
前例がないことに対する不安がない訳ではない。
それでも父さんとペアならボロを出すリスクも低く、何よりこんなチャンスきっとこの先二度とない。
不安よりも実戦経験を詰める期待感が優った。
「そうか、なら先方にもそのように返事を……」
「僕も行きたい!」
「クアラ!? 一体いつからそこに」
「姉さんだけ呼び出しがかかるってことは結婚の話じゃないかと思って、部屋の外で盗み聞きしてたんだ」
「クアラ、はしたないぞ」
「ごめんなさい。でも僕も行きたいんだ。三日のうち一日でもいい。僕も、強くなりたい」
「クアラ……。今回の判断はキャサリンに任せる」
「私が決めていいんですか?」
「今までも二人で決めてきただろう。なら今回もそうするといい。俺は父として全力でサポートするだけだ」
相手が指名したのは私なのだろう。
だが姉弟二人ともがクアラでキャサリンだ。
父さんがいればクアラが大けがすることもないだろう。
なら私がクアラが頑張ろうとする気持ちを摘み取ることはしたくない。
「クアラ、一緒に強くなろう!」
「姉さん、父さん、ありがとう! 僕、頑張るよ」
私達の意思が固まり、父さんは翌日騎士団に話を持ち帰った。
そして四日前から第三部隊にお邪魔させてもらっている。
今のところ私とクアラ、それぞれ一回ずつ参加している状態だ。
仕事始めと終わりの報告のみ、父さんと城に向かうがそれ以外は二人での行動だ。馬に跨がり、王都の周りをグルッと巡回しつつ、魔物の討伐を行う。
前回はゴブリンの群れと遭遇し、問題なく撃破した。
だが今後、個体数が多い・ゲートを発見したなどの理由で、その場に居合わせた者のみでの討伐が難しい事態に遭遇することもあり得る。
そんな場合は支給された発煙筒を使用し、待機している部隊の応援を待つらしいのだが、正直これの使い方がややこしい。
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手先が器用なクアラはすぐに慣れたらしいが、私はライドにコツを教えてもらってようやく昨日火がつけられるようになった。
それでも出来れば発煙筒を使いたくはないと思うほどには時間がかかる。
さすがにこの年になって一番不得意なことに『着火』が加わるとは思ってもみなかった。ほんの少しだけ落ち込んではいる。
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