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獄(シェラフィリア視点)
取引成立
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「――失礼」
場の注目を集め、ようやくミハエルが口を開く。
メイディア伯爵家での夜会で聞いた声とはまるで違う、優しさのかけらもない声。
どちらの彼が仮面で偽った姿なのだろうか。それを暴く日が今からとても楽しみだ。
「ささやかで平凡ながらも確かな幸せを得る生涯を送るだろうと思っていたのが、貴女のような地位もある美しい女性を伴侶に迎えられるという、身に余りある所業を前に緊張しているのです」
「お上手ですこと」
〝ささやかで平凡ながらも確かな幸せ〟とは間違いなく、リザレット・カルネリスとの間に築くはずだった家庭のを指しているのだろう。
でもそれは得られなかった。
シェラフィリアがこうして横やりを入れたからだ。それを気の毒だと思いはするが同情心は微塵も抱かない。跳ね返せるだけの力も度胸もないのが悪いのだ。
ミハエルが言葉の裏に隠した鋭い刃をたやすく躱し、シェラフィリアははにかむような笑顔を見せた。
それでミハエルが表情を和らげるはずもない。
逆により一層忌々しげに目を細めた。
「名門ラドグリス侯爵家ともあろう大貴族が、ずいぶんと大人げない手段を取られたようですね」
「まあ。何のお話かわたくしには分かりかねますわ。よろしければミハエル様のお考えをお聞かせになって」
「ミハエル」
「よろしいのよ、アインザック伯爵。もしもミハエル様がお父様――いえ、このラドグリス家に対して大きな誤解や思い違いをなさっていてはいけませんもの」
さすがに目に余ったのか、ミハエルの言動を諌めようとしたアインザック伯爵をシェラフィリアが窘める。
そこでミハエルの目が初めて父へと向けられた。
父はもちろん一切動じることなく視線を正面から受け止める。睨み合いとも言えない状況だが、アインザック伯爵が蒼白な顔でミハエルの肩に手を置いた。その手が震えているのは自らに不甲斐なさを感じているからなのか、父の怒りを買うことを恐れているのか、どちらだろうか。
ことの顛末はこうだ。
ラドグリス家はアインザック家の持つ販路の一つに圧力をかけ、流通を差し押さえた。
アインザック家の商売において重要な役目を担う販路ではなかったが、問題は販路の規模ではない。
名門ラドグリス家が、アインザック家に圧力をかけた。
その事実があかるみになればどうなるか。
結果は火を見るよりあきらかだった。
「ねえ、ミハエル様。何か気に病まれることがおありですの? でしたらどうぞ遠慮なく仰って下さって構いませんわ」
優しく微笑みかけたシェラフィリアをミハエルは蛇蝎のごとく嫌悪した目で見る。
この場ではもう取り繕うつもりはないということだろうか。だとしたらとても残念だ。
「言い出しにくいのならわたくしから言って差し上げましょうか。我がラドグリス家がアインザック伯爵家に圧力をかけた。そう疑っていらっしゃるのでしょう?」
シェラフィリアの言葉にミハエルではなくアインザック伯爵が顔色を変えた。
これまで静観していたラドグリス家が、出過ぎた杭にいよいよ制裁をくわえたと社交界に認識されてはいけない。
騒ぎに乗じてアインザック家を善しとはしない一部の貴族たちが、ここぞとばかりに我先にとラドグリス家の威を借りて妨害に乗り出すのは目に見えている。目障りな新参者を叩き潰す絶好の機会だ。見逃すような愚か者はいない。
事態が表沙汰になる前に、アインザック家は何としても販路の自由を取り戻す必要がある。だが彼我の力の差は比較するまでもなく歴然だった。
さしものアインザック伯爵でも狙いが分からずにいたことだろう。
ラドグリス家と敵対するということは、王家と敵対することにも等しい。
だから皆が商売仇になることは避けられなくても、厄介な事態を避けてラドグリス家の〝縄張り〟はできる限り荒らさないよう、最善の注意を払っている。アインザック伯爵家も例外ではなかった。何がラドグリス家の機嫌を損ねてしまったのか皆目見当もつかなくても仕方ない。
「では事実無根だと仰るのですか」
アインザック伯爵に向けて「分かっている」とばかりに軽く頷き、ミハエルが言葉を紡ぐ。
それに対して答えたのは父だった。
「あいにくと全くの偶然なのだよ」
「偶然、ですか」
ミハエルは当然、目上にあたるラドグリス侯爵の言葉であっても納得などしていない。
だが、これに関しては本当に偶然なのだ。
〝偶然〟父が新たに手を広げようとしていた事業の販路と重なった場所があった。だからラドグリス侯爵家を優遇してはくれないかと、父が〝お願い〟しただけだ。
具体的な対抗手段も得られぬまま、アインザック家が扱う販路の流通は滞りがちになって行く。
そうなれば周囲の関心が滞る原因へと向けられるのは自然な流れだ。
他の販路への飛び火を防ぎ、ダメージを最小限で抑える為には機能を失いつつある販路を切り捨てる以外にない。
分かってはいても実行に移すのは躊躇われたはずだ。
だが今回はそれで切り抜けられたとして、今後同じことがあった時にどうすると言うのか。いずれ真綿で首を締めるように、じわじわと販路を縮小するしか道はなくなってしまう。
手ぬるい手段だと甘く見ていたら取り返しがつかなくなるように仕向ける。それが〝貴族のやり口〟というものだ。
「シェラフィリア様が僕を見初めて下さったことも?」
ラドグリス家の仕業だという確たる証拠は何も掴めてはいない。直に取引を持ちかけるにも分が悪すぎる。
そんな矢先に、ラドグリス家名義で文書が届いた。
四男のミハエルを婿養子として迎えたいと。
ミハエルを名指しで指名した、それだけで伯爵は全ての事象に納得が行ったに違いない。ラドグリス家の令嬢にミハエルが見初められたことが理由だったのだと。
そして同時に、娘の望む結婚相手を得るという目的の為だけにここまでする、ここまでしてもラドグリス家の懐は何ら痛まないことにアインザック伯爵は恐れ戦いた。
だが逆に言えば、それだけの後ろ盾を手中に出来るということだ。
「ミハエル様ったら、お話を持ちかけたのは確かにこちらですけれど、あまり乙女の想いをあかるみになさらないで」
「大変申し訳ございません、シェラフィリアお嬢様。ミハエルもお嬢様を前に舞い上がっているのです。どうぞご寛大なお心でのお許しを」
「っ、父上」
頬に両手を添えて恥じらうシェラフィリアにアインザック伯爵は謝罪を述べる。
我ながら何てわざとらしいお芝居だろうか。心の中で笑ってしまう。
アインザック家にとって、これほど好条件な取引はそう滅多にあるものではない。
跡継ぎでもない四男のミハエルを結婚させる、そんな簡単な手段でラドグリス家ときわめて友好的な親族関係が築けるのだ。
たとえ流通経路に突如かけられた圧力がラドグリス家の仕業と見え透いていようと、ミハエルが幼馴染みの令嬢と恋仲になっていると知っていても、乗らない理由はなかった。
綺麗ごとだけで財と地位を得た貴族はいないのだ。
アインザック家だって例外ではない。
ミハエルが知らないだけか、若さ故の潔癖さで知らないふりをしているだけだ。
販路の一つを抑えられ、実家の危機を救うべく必死に奔走する青年と、その懸命な姿に心を打たれた大貴族の令嬢にロマンスが芽生え、激しい熱情のまま結婚する。
もちろんそれは、不可解な婚姻へ疑念を持つであろう周囲を黙らせる為に塗り固められた嘘だ。
それでも良かった。
シェラフィリアとてミハエルに恋をしたから欲したわけではない。
ただ手に入れられないことが悔しいだけ。
「正直に申し上げればわたくしは〝ささやかで平凡な幸せ〟というものは理解できませんけれど、でもミハエル様と幸せな家庭を築きたいと願ってはいますのよ」
「――それは意外ですね」
どこまでも冷ややかなミハエルの目は、すでにシェラフィリアを映してはいなかった。
場の注目を集め、ようやくミハエルが口を開く。
メイディア伯爵家での夜会で聞いた声とはまるで違う、優しさのかけらもない声。
どちらの彼が仮面で偽った姿なのだろうか。それを暴く日が今からとても楽しみだ。
「ささやかで平凡ながらも確かな幸せを得る生涯を送るだろうと思っていたのが、貴女のような地位もある美しい女性を伴侶に迎えられるという、身に余りある所業を前に緊張しているのです」
「お上手ですこと」
〝ささやかで平凡ながらも確かな幸せ〟とは間違いなく、リザレット・カルネリスとの間に築くはずだった家庭のを指しているのだろう。
でもそれは得られなかった。
シェラフィリアがこうして横やりを入れたからだ。それを気の毒だと思いはするが同情心は微塵も抱かない。跳ね返せるだけの力も度胸もないのが悪いのだ。
ミハエルが言葉の裏に隠した鋭い刃をたやすく躱し、シェラフィリアははにかむような笑顔を見せた。
それでミハエルが表情を和らげるはずもない。
逆により一層忌々しげに目を細めた。
「名門ラドグリス侯爵家ともあろう大貴族が、ずいぶんと大人げない手段を取られたようですね」
「まあ。何のお話かわたくしには分かりかねますわ。よろしければミハエル様のお考えをお聞かせになって」
「ミハエル」
「よろしいのよ、アインザック伯爵。もしもミハエル様がお父様――いえ、このラドグリス家に対して大きな誤解や思い違いをなさっていてはいけませんもの」
さすがに目に余ったのか、ミハエルの言動を諌めようとしたアインザック伯爵をシェラフィリアが窘める。
そこでミハエルの目が初めて父へと向けられた。
父はもちろん一切動じることなく視線を正面から受け止める。睨み合いとも言えない状況だが、アインザック伯爵が蒼白な顔でミハエルの肩に手を置いた。その手が震えているのは自らに不甲斐なさを感じているからなのか、父の怒りを買うことを恐れているのか、どちらだろうか。
ことの顛末はこうだ。
ラドグリス家はアインザック家の持つ販路の一つに圧力をかけ、流通を差し押さえた。
アインザック家の商売において重要な役目を担う販路ではなかったが、問題は販路の規模ではない。
名門ラドグリス家が、アインザック家に圧力をかけた。
その事実があかるみになればどうなるか。
結果は火を見るよりあきらかだった。
「ねえ、ミハエル様。何か気に病まれることがおありですの? でしたらどうぞ遠慮なく仰って下さって構いませんわ」
優しく微笑みかけたシェラフィリアをミハエルは蛇蝎のごとく嫌悪した目で見る。
この場ではもう取り繕うつもりはないということだろうか。だとしたらとても残念だ。
「言い出しにくいのならわたくしから言って差し上げましょうか。我がラドグリス家がアインザック伯爵家に圧力をかけた。そう疑っていらっしゃるのでしょう?」
シェラフィリアの言葉にミハエルではなくアインザック伯爵が顔色を変えた。
これまで静観していたラドグリス家が、出過ぎた杭にいよいよ制裁をくわえたと社交界に認識されてはいけない。
騒ぎに乗じてアインザック家を善しとはしない一部の貴族たちが、ここぞとばかりに我先にとラドグリス家の威を借りて妨害に乗り出すのは目に見えている。目障りな新参者を叩き潰す絶好の機会だ。見逃すような愚か者はいない。
事態が表沙汰になる前に、アインザック家は何としても販路の自由を取り戻す必要がある。だが彼我の力の差は比較するまでもなく歴然だった。
さしものアインザック伯爵でも狙いが分からずにいたことだろう。
ラドグリス家と敵対するということは、王家と敵対することにも等しい。
だから皆が商売仇になることは避けられなくても、厄介な事態を避けてラドグリス家の〝縄張り〟はできる限り荒らさないよう、最善の注意を払っている。アインザック伯爵家も例外ではなかった。何がラドグリス家の機嫌を損ねてしまったのか皆目見当もつかなくても仕方ない。
「では事実無根だと仰るのですか」
アインザック伯爵に向けて「分かっている」とばかりに軽く頷き、ミハエルが言葉を紡ぐ。
それに対して答えたのは父だった。
「あいにくと全くの偶然なのだよ」
「偶然、ですか」
ミハエルは当然、目上にあたるラドグリス侯爵の言葉であっても納得などしていない。
だが、これに関しては本当に偶然なのだ。
〝偶然〟父が新たに手を広げようとしていた事業の販路と重なった場所があった。だからラドグリス侯爵家を優遇してはくれないかと、父が〝お願い〟しただけだ。
具体的な対抗手段も得られぬまま、アインザック家が扱う販路の流通は滞りがちになって行く。
そうなれば周囲の関心が滞る原因へと向けられるのは自然な流れだ。
他の販路への飛び火を防ぎ、ダメージを最小限で抑える為には機能を失いつつある販路を切り捨てる以外にない。
分かってはいても実行に移すのは躊躇われたはずだ。
だが今回はそれで切り抜けられたとして、今後同じことがあった時にどうすると言うのか。いずれ真綿で首を締めるように、じわじわと販路を縮小するしか道はなくなってしまう。
手ぬるい手段だと甘く見ていたら取り返しがつかなくなるように仕向ける。それが〝貴族のやり口〟というものだ。
「シェラフィリア様が僕を見初めて下さったことも?」
ラドグリス家の仕業だという確たる証拠は何も掴めてはいない。直に取引を持ちかけるにも分が悪すぎる。
そんな矢先に、ラドグリス家名義で文書が届いた。
四男のミハエルを婿養子として迎えたいと。
ミハエルを名指しで指名した、それだけで伯爵は全ての事象に納得が行ったに違いない。ラドグリス家の令嬢にミハエルが見初められたことが理由だったのだと。
そして同時に、娘の望む結婚相手を得るという目的の為だけにここまでする、ここまでしてもラドグリス家の懐は何ら痛まないことにアインザック伯爵は恐れ戦いた。
だが逆に言えば、それだけの後ろ盾を手中に出来るということだ。
「ミハエル様ったら、お話を持ちかけたのは確かにこちらですけれど、あまり乙女の想いをあかるみになさらないで」
「大変申し訳ございません、シェラフィリアお嬢様。ミハエルもお嬢様を前に舞い上がっているのです。どうぞご寛大なお心でのお許しを」
「っ、父上」
頬に両手を添えて恥じらうシェラフィリアにアインザック伯爵は謝罪を述べる。
我ながら何てわざとらしいお芝居だろうか。心の中で笑ってしまう。
アインザック家にとって、これほど好条件な取引はそう滅多にあるものではない。
跡継ぎでもない四男のミハエルを結婚させる、そんな簡単な手段でラドグリス家ときわめて友好的な親族関係が築けるのだ。
たとえ流通経路に突如かけられた圧力がラドグリス家の仕業と見え透いていようと、ミハエルが幼馴染みの令嬢と恋仲になっていると知っていても、乗らない理由はなかった。
綺麗ごとだけで財と地位を得た貴族はいないのだ。
アインザック家だって例外ではない。
ミハエルが知らないだけか、若さ故の潔癖さで知らないふりをしているだけだ。
販路の一つを抑えられ、実家の危機を救うべく必死に奔走する青年と、その懸命な姿に心を打たれた大貴族の令嬢にロマンスが芽生え、激しい熱情のまま結婚する。
もちろんそれは、不可解な婚姻へ疑念を持つであろう周囲を黙らせる為に塗り固められた嘘だ。
それでも良かった。
シェラフィリアとてミハエルに恋をしたから欲したわけではない。
ただ手に入れられないことが悔しいだけ。
「正直に申し上げればわたくしは〝ささやかで平凡な幸せ〟というものは理解できませんけれど、でもミハエル様と幸せな家庭を築きたいと願ってはいますのよ」
「――それは意外ですね」
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