告白転機

風見 坂

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プロローグ

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 一定の割合で、人は恋に落ちると‘’とある病”にかかるらしい。
 恋は病というけれど、そう言うことじゃない。
 何十年も研究され続けたらしいけど、未だに原因は不明、治療法はただ一つ。
 好きな人に告白すれば、その病は治るらしい。
 ただ迷惑なのは、この病にかかる時の恋は本気な時だけで、告白を躊躇ってしまうらしい。

 結局のところ、皆大体告白をする。
 当たり前だけど、成功する人も失敗する人もいる。
 大体の人が告白する主な理由は、病気の症状が『発症から一年後、性転換する』というものだかららしい。

 さっきから、“らしい”と言っていたのは、今まで自分には無関係な事だと思って聞き流していたから。
 でも、無関係じゃなくなった。
 私もとうとう恋をした。
 そして、その病にかかってしまったのだ。

***

 この病について一通り調べた結果、以下のことを知った。

・一年以内にちょっとやそっとの事では冷めることの無い程、本気の恋に落ちた時、たまに発症する。
・告白されて、恋に落ちた場合は発症しない。
・発症後一年間告白しなければ性転換する。
・発症後、対象者に告白されるても治る。
・再発はまだ見られない。
・発症後、日常生活において他人に見られない所に、特有の紋様が浮かぶ。
・惚れにくい人ほどこの病にかかりやすい傾向にある。
・一種の特殊な精神病、もしくは同性愛が認められ始めたが為に起こった人類の進だという説がある。

 これから私はどうするべきなのだろうか……
 そう悩みつつ、今日も今日とて学校に行く。
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