告白転機

 同性愛に関する理解が世界的に広まり、日本でも遅れて同性婚が認められた。
 とはいえ、閉鎖的な日本ではまだ同性愛があまり良いふうに見られない中、世界中でとある病が発見され始めた。
 症状そのままに付けられた病名は“恋愛性性転換病”。
 その名の通り、この病に侵された者は性転換してしまうものであり、感染者の共通点は『本気の恋』をしているというものだった。
 しかし、感染経路や病原体は不明。
 そのため治療法もなく、一部の学者からは同性愛の一般化に伴う人類の進化ではないかとまで言われていた。
 多くの学者による研究が病の原因に関しての成果を上げぬまま数年が経った今、治療法がただ一つだけ発見され、それによりこの病に対する危機感は一気に小さなものへと変化していた。

 【好意の対象者への告白】

 これこそが唯一の治療法だった。
 そのため世間はこの病のことを、告白する機会の提供をするモノとしてみなし、告白転機と呼びだした。
 しかし、性転換してしまう者もある程度いたため、違和感緩和などに対しての政策もとられた。

 この話は、そんな病にかかった少女の青春ラブストーリーである。
 果たして彼女はこの告白転機を活かせるのか。
 是非ともお楽しみ下さい。
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