STONES

第零章 チュートリアル

プロローグ

　神は一部の人の前に突然顕れる。
　そして、ある提案を持ちかけてくる。

「君は神の遊戯の参加者として、俺に選ばれました。おめでとう！　神からの招待だし、参加するよね？」

　訂正、ある脅迫をしてくる。
　自分の思い通りに事が動くのが大前提だとでも言いたげな口調で、脅迫をしてくる。
　だが、神なのだから仕方がないことなのだろう。
　更に言うなら、神の遊戯へ参加するメリットを聞いて、人々は大体参加するため、余計にそうなってしまうのだろう。
　神の遊戯へ参加するメリットは1つ。

「神の遊戯で優勝した人は、俺達から些細なプレゼントとして、何でも1つ願いを叶えてあげるよ」

　願いを叶えてくれる。
　たった1つのメリット、だけれどとても大きなメリット。
　世の中そんなに甘くない、どうせデメリットもあるんだろう？
　そんな考えは無意味に等しい。
　何故ならば。

「神の遊戯では、異能力を使って他の能力者と殺し合いをしてもらいます。と言っても、遊戯内で死んでもこの事に関する記憶を消して、何事も無かったかのように生き返るからご安心を」

　神の遊戯で死んだとしても、神の遊戯に関する記憶が消された状態で、つまり、この事実がなかったことになった状態で、生き返る。
　つまるところ、今までの生活に戻る。
　ただそれだけだ。
　死ぬ前に苦しい思いをするのがデメリットだのなんだのという意見もあるだろうが、記憶が消えたらその苦しみもなかったことになる。
　つまりデメリットは無いに等しい。

　さてさて、人間というのは貪欲で強欲で傲慢。
　前述の通り、この条件を理解して参加しない者はほぼいない。
　そして、神の遊戯への参加に肯定的になったところで今回の異能力公開。

「今回与える異能力は、パワーストーンをモチーフにしたもの。200種以上あるとされるパワーストーンの中から好きなのを選んでね。ただし、選ぶのは早いもの順だよ」

　今回の異能力はパワーストーンをモチーフにしたもの。
　それぞれの石にそれぞれの意味がある。
　それを知った上で選ぶのが得策だが、早いもの順である限りある程度の妥協は必要となる。
　この話は、特に意味も知らない(？)ままに“アンデシン”を選んだ少年――江嵜えざき 槇まきの物語である。