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第三章―魔法国家フォルトゥナ 『遊翼の怪盗』
153-2.古代魔導具取締局
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「闇に紛れ、息を潜めながら奴らの尻尾を掴み、犯行の証拠を集めてから捕らえる。その後オレ達の身柄を伝えて種明かし、犯人は公の治安維持組織へと引き渡される。……場合によっては犯人を捕らえるよりも先に物品を差し押さえる必要が出ることもあるがな。基本的な流れはこうだ」
ディオンは机に置いていたブローチを懐へ戻す。
一つ息を吐いた彼は椅子を軋ませながら背凭れに体重を預けた。
「古代魔導具についても流れはそう変わらない。回収した物を魔導具の解析を得意とする機関へ移送させ、その後の処理を任せる。可能な物は解体し、解体不可、もしくは解体することが危険だと判断された物についても専用の魔導具の中に封じる」
「……ディオン様」
「おっと、すまねぇ」
対話の際も日常的に吸っているからなのか彼は自然な動きで机に置かれた煙草に手を伸ばす。
だがそれを嗜めるようにジルベールが口を挟み、ディオンはすぐさま煙草から手を離した。恐らくは煙がクリスティーナ達の気分を害す可能性を考えてのことだろう。
事実、クリスティーナは煙臭いのが得意ではない。故にジルベールの気遣いはありがたいものであった。
ディオンはお道化る様に両手を軽く上げてへらへらと笑う。
そして古代魔導具の解析を専門とする機関について詳細を語った。
「複雑な魔術を使用して底上げした耐久値、更に誤って稼働することがないよう凍結させる機能を兼ね備えた魔導具ってもんがあるんだ。更にそれらが保管された施設は常に国家魔導師が監視をしており、厳重な管理の元、その解体法が判明するまで半永久的に保管される」
彼はクリスティーナ達へ片目を瞑って見せる。
「……ま、要するに国で一番安心できる、古代魔導具特化の技術を備え持った機関があるってことだ。そこに任せているから回収した魔導具がオレ達の手元には残らない」
クリスティーナの危惧していた点、そして疑念の元となっていた点については殆ど明かされた。
多少は信用してもらえただろうかと呟きながらディオンは話しを一度切り上げる。
「これが法執行機関、古代魔導具取締局の実態だ。……あ、一応口外は避けてくれると助かるな」
彼はそう言うと笑みを深めたのだった。
ディオンは机に置いていたブローチを懐へ戻す。
一つ息を吐いた彼は椅子を軋ませながら背凭れに体重を預けた。
「古代魔導具についても流れはそう変わらない。回収した物を魔導具の解析を得意とする機関へ移送させ、その後の処理を任せる。可能な物は解体し、解体不可、もしくは解体することが危険だと判断された物についても専用の魔導具の中に封じる」
「……ディオン様」
「おっと、すまねぇ」
対話の際も日常的に吸っているからなのか彼は自然な動きで机に置かれた煙草に手を伸ばす。
だがそれを嗜めるようにジルベールが口を挟み、ディオンはすぐさま煙草から手を離した。恐らくは煙がクリスティーナ達の気分を害す可能性を考えてのことだろう。
事実、クリスティーナは煙臭いのが得意ではない。故にジルベールの気遣いはありがたいものであった。
ディオンはお道化る様に両手を軽く上げてへらへらと笑う。
そして古代魔導具の解析を専門とする機関について詳細を語った。
「複雑な魔術を使用して底上げした耐久値、更に誤って稼働することがないよう凍結させる機能を兼ね備えた魔導具ってもんがあるんだ。更にそれらが保管された施設は常に国家魔導師が監視をしており、厳重な管理の元、その解体法が判明するまで半永久的に保管される」
彼はクリスティーナ達へ片目を瞑って見せる。
「……ま、要するに国で一番安心できる、古代魔導具特化の技術を備え持った機関があるってことだ。そこに任せているから回収した魔導具がオレ達の手元には残らない」
クリスティーナの危惧していた点、そして疑念の元となっていた点については殆ど明かされた。
多少は信用してもらえただろうかと呟きながらディオンは話しを一度切り上げる。
「これが法執行機関、古代魔導具取締局の実態だ。……あ、一応口外は避けてくれると助かるな」
彼はそう言うと笑みを深めたのだった。
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