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~第四章~
80.とある新米刑事side
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学校側の許可を貰って四人の男子生徒のクラスメイトに聴き取り調査を行った。
クラスメイトの死にそれはショックを受けていると思っていたのだが。
『あ、亡くなったんですか』
『はぁ……あの四人というよりもオレフ王国出身者の生徒は一部を除いて評判は良くないです』
『オレフ王国の庶子の王女様にべったりだったから。親しい友人?さぁ?少なくともクラスには居ませんよ。というよりも王女様以外に興味がないという態度でした』
『挨拶くらいはしますけど。それ以外は……』
『寮での生活といっても個室ですから。プライベートがどうなっているのは知りません』
『まぁ王女様に無様な姿を見せたくなくて、必死に頑張っていたんじゃないんですか?護衛って話でしたけど婚約者候補だって噂もあったくらいですから』
『四人の事なら王女様の方が詳しく知っているんじゃないですか?』
男子生徒四人は極力王女と行動を供にしていたという話しが大半だった。
ただ王女の婚約者候補という話しが少し気にかかる。
もしかすると仲間内で潰し合いになった可能性だってある。
厄介な案件だ。
正直な話、今回の案件は不可解な点が多い。
生徒の話しを聞けば聞くほど犯人像が分からなくなる。
四人は魔術師としてはそこそこ優秀な生徒だったようだ。
だが、特別優秀と言う訳ではない。
寧ろ、不出来な王女様の方が悪い意味で目立っていた。
『あの王女のお守りは大変だと思いますよ。俺だったら無理ですね』
『王女?ああ……美人ですよ。性格だって明るいし良い子じゃないですか?ただねぇ、魔術師には向いてないと思いますよ。魔力コントロールそのものができてないんですから』
『王国でどういう扱いなのかは知りませんが、王族教育はされてないのは一目で解りますからね』
『王女と親しい人?どうでしょう……いるのかな?いつも取り巻きに囲まれているイメージしかありませんよ』
王女も王女で、学校に親しい友人がいなかった。
いない、というよりも「作れない状況」といった方がいいのかもしれない。少なくとも他の生徒が話しかけられるような環境ではなかったようだ。
『よほど大切なんでしょうね。この学校は身分を隠して留学してくる王族もいますが、彼女の場合一切隠していませんもの』
『オレフ王国の現国王夫妻はあまりいい噂はありませんわね』
『もしかすると国にいられない状況なのではと友人達と話していた事もありましたわ』
女子生徒は辛辣だ。
現実的というべきか。
それとなくオレフ王国の内情がヤバイことをほのめかしてくる。
一度事件を整理した方が賢明か。
クラスメイトの死にそれはショックを受けていると思っていたのだが。
『あ、亡くなったんですか』
『はぁ……あの四人というよりもオレフ王国出身者の生徒は一部を除いて評判は良くないです』
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『寮での生活といっても個室ですから。プライベートがどうなっているのは知りません』
『まぁ王女様に無様な姿を見せたくなくて、必死に頑張っていたんじゃないんですか?護衛って話でしたけど婚約者候補だって噂もあったくらいですから』
『四人の事なら王女様の方が詳しく知っているんじゃないですか?』
男子生徒四人は極力王女と行動を供にしていたという話しが大半だった。
ただ王女の婚約者候補という話しが少し気にかかる。
もしかすると仲間内で潰し合いになった可能性だってある。
厄介な案件だ。
正直な話、今回の案件は不可解な点が多い。
生徒の話しを聞けば聞くほど犯人像が分からなくなる。
四人は魔術師としてはそこそこ優秀な生徒だったようだ。
だが、特別優秀と言う訳ではない。
寧ろ、不出来な王女様の方が悪い意味で目立っていた。
『あの王女のお守りは大変だと思いますよ。俺だったら無理ですね』
『王女?ああ……美人ですよ。性格だって明るいし良い子じゃないですか?ただねぇ、魔術師には向いてないと思いますよ。魔力コントロールそのものができてないんですから』
『王国でどういう扱いなのかは知りませんが、王族教育はされてないのは一目で解りますからね』
『王女と親しい人?どうでしょう……いるのかな?いつも取り巻きに囲まれているイメージしかありませんよ』
王女も王女で、学校に親しい友人がいなかった。
いない、というよりも「作れない状況」といった方がいいのかもしれない。少なくとも他の生徒が話しかけられるような環境ではなかったようだ。
『よほど大切なんでしょうね。この学校は身分を隠して留学してくる王族もいますが、彼女の場合一切隠していませんもの』
『オレフ王国の現国王夫妻はあまりいい噂はありませんわね』
『もしかすると国にいられない状況なのではと友人達と話していた事もありましたわ』
女子生徒は辛辣だ。
現実的というべきか。
それとなくオレフ王国の内情がヤバイことをほのめかしてくる。
一度事件を整理した方が賢明か。
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