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~第四章~
69.サバスside ~魔術師育成学校1~
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第四章からはサバス(兄)を主人公にした物語となります。ヤバイ。本家主人公が更に存在感がなくなってしまう予感が……。それでも書く!主人公がモブ以下に落ちないように書きたい(無理かも……)。もしかすると長くなるかもしれませんが最後まで読んでくれると嬉しいです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
留学先の学校生活は順調だ。
寮生活は基本自分の事は自分でやらないといけない。今まで使用人たちがやってくれていたことの全てを、だ。
食事は寮の食堂を使えるが、それ以外は自分でやれ――という事だ。
生まれて初めて掃除をした。洗濯も……。
ここに来なければ絶対にしなかった。如何に自分が恵まれた環境に居たのかを実感した。使用人たちの有難さを身に染みて知った。貴重な体験だ。
魔術師育成学校。
辺鄙な山奥にある学校は周囲を強力な結界で張り巡らされていた。
知らない人間が見たら軍事施設か何かと間違われる案件だろう。
学校側から入学に関して説明を受けた。
何でも魔力暴走を抑え込むための処置だとか。……幼児じゃあるまいし。十代半ばで魔力コントロールの制御ができない奴はいないだろう、と盛大に心の中で突っ込んだ。
「「「「うわ~~~~~~っ!!!」」」」
……世界は広い。
目の前で凄まじい突風が舞い上がる。
俺は瞬時に結界を張ったからいいようなものの、結界を張るのが遅れた他の学生は突風に吹っ飛ばされていた。
鮮やかな色合いの髪を持つ小柄な少女。
恐らく彼女が突風を巻き起こした張本だ。本人もパニック状態で、周囲の視線は彼女に集まっているが彼女はパニック状態で気づいていない。
「おやめなさい!デイジー・オレフ!!」
女教師が声を張り上げる。
「その暴走した魔力を封じなさい!」
「うわあああああん!!」
デイジー・オレフと呼ばれた少女は泣き出した。彼女の放った魔力はそのまま竜巻の様に渦を巻く。
「落ち着きなさい!心を静めれば魔力はおさまります!!」
いや、無理だろ?
どう考えても少女は我を見失っている。
他の生徒たちは呆然と少女を遠巻きに見つめるだけだ。
「魔力をコントロールするんです!!」
この教師は結構ムチャを言う。
風が更に強くなった。周囲の木々がギシギシと音をたて、木の葉が舞い踊る。
竜巻はどんどん大きくなっていく。
このままでは……まずいな。
俺は最悪の事態に対処するため、少女に向かって走りだす。
「パッツィーニ!?戻りなさい!!」
教師の制止を振り切る。
「≪逆巻け風よ!≫」
俺は竜巻に向かって風の上位呪文を放つ。
風同士がぶつかりあい、大きな轟音が辺りに響く。
暫くすると辺りに静寂が訪れた。
少女は放心状態だ。何が起こったのか分かっていないらしい。
俺は少女に近づき「大丈夫か?」と声をかけた。
少女の顔を覗き込むと、茫然とした様子の少女は我に返ったようでパアッと表情を明るくさせた。そして目をキラキラさせて俺を見つめてきた。何だこの女は……。
「あ、ありがとう!ねぇ!今のは何!?あなた名前は!?」
矢継ぎ早に質問される。
「私はデイジー・オレフよ!あなた凄いわね!あっという間に竜巻を消しちゃった!」
興奮している様子の少女は「凄い凄い」を連発する。
「デイジー・オレフ!!!」
教師の怒鳴り声が響き渡り、その後、少女は教師に強制連行された。
これがデイジー・オレフとの出会いだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
留学先の学校生活は順調だ。
寮生活は基本自分の事は自分でやらないといけない。今まで使用人たちがやってくれていたことの全てを、だ。
食事は寮の食堂を使えるが、それ以外は自分でやれ――という事だ。
生まれて初めて掃除をした。洗濯も……。
ここに来なければ絶対にしなかった。如何に自分が恵まれた環境に居たのかを実感した。使用人たちの有難さを身に染みて知った。貴重な体験だ。
魔術師育成学校。
辺鄙な山奥にある学校は周囲を強力な結界で張り巡らされていた。
知らない人間が見たら軍事施設か何かと間違われる案件だろう。
学校側から入学に関して説明を受けた。
何でも魔力暴走を抑え込むための処置だとか。……幼児じゃあるまいし。十代半ばで魔力コントロールの制御ができない奴はいないだろう、と盛大に心の中で突っ込んだ。
「「「「うわ~~~~~~っ!!!」」」」
……世界は広い。
目の前で凄まじい突風が舞い上がる。
俺は瞬時に結界を張ったからいいようなものの、結界を張るのが遅れた他の学生は突風に吹っ飛ばされていた。
鮮やかな色合いの髪を持つ小柄な少女。
恐らく彼女が突風を巻き起こした張本だ。本人もパニック状態で、周囲の視線は彼女に集まっているが彼女はパニック状態で気づいていない。
「おやめなさい!デイジー・オレフ!!」
女教師が声を張り上げる。
「その暴走した魔力を封じなさい!」
「うわあああああん!!」
デイジー・オレフと呼ばれた少女は泣き出した。彼女の放った魔力はそのまま竜巻の様に渦を巻く。
「落ち着きなさい!心を静めれば魔力はおさまります!!」
いや、無理だろ?
どう考えても少女は我を見失っている。
他の生徒たちは呆然と少女を遠巻きに見つめるだけだ。
「魔力をコントロールするんです!!」
この教師は結構ムチャを言う。
風が更に強くなった。周囲の木々がギシギシと音をたて、木の葉が舞い踊る。
竜巻はどんどん大きくなっていく。
このままでは……まずいな。
俺は最悪の事態に対処するため、少女に向かって走りだす。
「パッツィーニ!?戻りなさい!!」
教師の制止を振り切る。
「≪逆巻け風よ!≫」
俺は竜巻に向かって風の上位呪文を放つ。
風同士がぶつかりあい、大きな轟音が辺りに響く。
暫くすると辺りに静寂が訪れた。
少女は放心状態だ。何が起こったのか分かっていないらしい。
俺は少女に近づき「大丈夫か?」と声をかけた。
少女の顔を覗き込むと、茫然とした様子の少女は我に返ったようでパアッと表情を明るくさせた。そして目をキラキラさせて俺を見つめてきた。何だこの女は……。
「あ、ありがとう!ねぇ!今のは何!?あなた名前は!?」
矢継ぎ早に質問される。
「私はデイジー・オレフよ!あなた凄いわね!あっという間に竜巻を消しちゃった!」
興奮している様子の少女は「凄い凄い」を連発する。
「デイジー・オレフ!!!」
教師の怒鳴り声が響き渡り、その後、少女は教師に強制連行された。
これがデイジー・オレフとの出会いだった。
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