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~第三章~
63.宰相(アンハルト王国)side
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非公式とはいえ、これは列記とした王族会議だ。
王女はその事に気付かなかったが、目の前で絶句している国王は気が付いている。この部屋に入った瞬間に体を強張らせていたのが何よりの証拠だろう。
自分達が裁かれる側だと瞬時に理解した筈だ。
膿は出さなければならない――
サビオ殿に仕事を押し付けていた多くの者達。
それは多岐に渡っている。
全員を処罰すればそれこそ国が回らない。
特に冷遇した者に限り、処罰のした。
ある外交官は、降格の上領地替えになった。
この男は他国から賄賂を貰っていただけでなく、情報を流して私腹を肥やしていたのだ。子飼いの者達も左遷させた。
ある文官は、国王への報告を捏造した。
命令を下したのは王太子だろうが、実行したのは文官だ。公文書偽造。重刑は免れない大罪だった。しかし文官は爵位が低い上に跡取りではない。引き継ぐ爵位がないのだ。だからといって罪を無かった事には出来ない。彼は降格され地方都市の職員として赴任になった。
その他にも、多くの文官が降格した。
爵位を剥奪され領地換えとなった。中には左遷先で事故に遭い亡くなった者もいる。
微罪の者でも重い処罰を受けた者もいれば、何のお咎めもされなかった者もいた。その差は大きい。
王太子殿下がサビオ殿に仕事を任せっきりで、碌に視察もせず書類も読まずにサインばかりしている事は関係者の間では周知の事実であったからな。
そのサビオ殿を隣国に追放した実行犯達。
近衛兵は秘密裏に処刑した。
彼等の家族には任務中での事故死と伝えている。
一番の元凶である王家が無傷であってはならない。特に王太子は廃嫡の上幽閉、国王には王女の婚姻後に退陣してもらう予定だ。他の王族から新たに王を選定する。それ以外にこの国を立て直す手立てがない。今の王家をそのままにしておくことは出来ない。
今回の件でパッツィーニ侯爵は王家を見限った。
辞表が提出されているのだ。
説得はもはや意味をなさないだろう。
この国屈指の魔術師である彼を手放すのは大きな痛手だがやむ得ない。
留学したという嫡男。
彼が帰国するまで代わりの魔術師長を選別しなければならない。
新しい王家ならば、きっと次期パッツィーニ侯爵は忠誠を誓ってくれる筈だ。
もっともそれは私の願望に過ぎないが。
それでも可能性はある。
王女はその事に気付かなかったが、目の前で絶句している国王は気が付いている。この部屋に入った瞬間に体を強張らせていたのが何よりの証拠だろう。
自分達が裁かれる側だと瞬時に理解した筈だ。
膿は出さなければならない――
サビオ殿に仕事を押し付けていた多くの者達。
それは多岐に渡っている。
全員を処罰すればそれこそ国が回らない。
特に冷遇した者に限り、処罰のした。
ある外交官は、降格の上領地替えになった。
この男は他国から賄賂を貰っていただけでなく、情報を流して私腹を肥やしていたのだ。子飼いの者達も左遷させた。
ある文官は、国王への報告を捏造した。
命令を下したのは王太子だろうが、実行したのは文官だ。公文書偽造。重刑は免れない大罪だった。しかし文官は爵位が低い上に跡取りではない。引き継ぐ爵位がないのだ。だからといって罪を無かった事には出来ない。彼は降格され地方都市の職員として赴任になった。
その他にも、多くの文官が降格した。
爵位を剥奪され領地換えとなった。中には左遷先で事故に遭い亡くなった者もいる。
微罪の者でも重い処罰を受けた者もいれば、何のお咎めもされなかった者もいた。その差は大きい。
王太子殿下がサビオ殿に仕事を任せっきりで、碌に視察もせず書類も読まずにサインばかりしている事は関係者の間では周知の事実であったからな。
そのサビオ殿を隣国に追放した実行犯達。
近衛兵は秘密裏に処刑した。
彼等の家族には任務中での事故死と伝えている。
一番の元凶である王家が無傷であってはならない。特に王太子は廃嫡の上幽閉、国王には王女の婚姻後に退陣してもらう予定だ。他の王族から新たに王を選定する。それ以外にこの国を立て直す手立てがない。今の王家をそのままにしておくことは出来ない。
今回の件でパッツィーニ侯爵は王家を見限った。
辞表が提出されているのだ。
説得はもはや意味をなさないだろう。
この国屈指の魔術師である彼を手放すのは大きな痛手だがやむ得ない。
留学したという嫡男。
彼が帰国するまで代わりの魔術師長を選別しなければならない。
新しい王家ならば、きっと次期パッツィーニ侯爵は忠誠を誓ってくれる筈だ。
もっともそれは私の願望に過ぎないが。
それでも可能性はある。
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