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17.ソニアside

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 私も結婚相手を探そうと思った。
 本音を言えば「ティエリー」の奥さんになりたい。「ティエリー」と結婚したい。でもそれは無理だとお母さんに言われた。「愛人でも無理よねぇ」って。だから仕方なく別の子で我慢しようと思う。お母さんが言うなら仕方ない事だもんね。

 それでも、少しでも「ティエリー」に似た人がいい。金髪で緑色の目。

 なのに……。


『いや~~、それは無理だよ』

 どうして?
 私の事、可愛いって言ってくれたのに。

『婚約者がいるからな~~』

 別れてくれたらいいじゃない!
 どうせ、「つまらない女」でしょ?!
 何時も言ってたじゃない!!

『あーー愛人なら、まあ何とかなる……かも?』

 なによそれ!!

『え?!妻になりたい!!?本気で言ってんの!?』

 なんで驚くの!




 結果は散々だった。
 いつものように「お願い」をしてもダメ。

 何故だか、私のよくない噂が学校で広がっているらしくて一緒に遊ぶのも大変みたい。だからかな?みんな、学校の外で会いたがる。

 “新しく仲良くなった男子達”も同じだった。
 みんな、婚約者との婚約をやめてくれない。
 なんで私を選んでくれないの?悔しくて仕方なかった。だってそうでしょう!?私の方が綺麗で可愛いのに!“全然タイプじゃない”男の子まで私は声をかけてあげたんだよ?! イラついた。すっごくイラついたの。


「君、大丈夫かい?」

 一人で木陰で泣いていると声を掛けられた。顔を上げると、金髪に緑の目をした美少年が心配そうに私を見てた。すごくカッコいい!それに「ティエリー」と同じ「色」をしてる!「ティエリー」みたいに緑色の綺麗な目。その目は今、私をちゃんとみてくれている、と思った。
 もっと知りたいって思ったの!だから「大丈夫」って、つい口走っちゃった。

「そう?なら良いのだけど」

 あ!行っちゃう!!
 ダメダメ!!ここで彼を逃したら一生後悔する!!

「あ、あの!!」

 私の呼びかけで始まった関係。
 その出会いはとても大きなものだった。


 私の一生を左右するもの。
 それだけじゃない。国を揺り動かす出会いだった。
 ただ、私はそのことに全く気付くことはなかった。

 


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