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25 第二王子の役割
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「小さいころからユリウス王子を傍で見てきました。王子に剣術や武術の基礎を教えたのも私です」
「ああ。そうだった。…あなたは、いつも厳しかった」
どこか思い出すようなユリウス。「貴殿」から「あなた」に変わった物言いに、ユリウスの心の変化が見て取れた。ヴォルスの表情も柔らかくなる。
「王子は筋がよかったですからね。私も力が入りました」
「ああ」
「そして、王子に剣術や武術を教えているうちに、自分に子供がいれば、こんな風なのかもしれない、などと、恐れ多くも思っていたのです」
「…」
「それに、母君からも頼まれていました。ユリウス王子を守ってほしいと」
「…何?」
突然出てきた名前にユリウスの声のトーンが一段下がる。
「母君は、この王宮の中では、ご自身が何もできないことをわかっていました。けれどあなたは第二王子。危険がいつも伴うお立場だ。だから、当時から軍の上層部にいた私に、あなたを託したのです。軍の上層部にいた私があなたの指導係となったのもそのためでした」
「…あなたとあの女が結託していると?もしや、私を担ごうとしているのもあの女の指図か?あの女とこの国を乗っ取るつもりなのか?」
嫌悪感を顕わに、唾を吐き出すように言った。けれど、ヴォルスは静かに首を横に振る。
「私はたかが軍人。政に興味はありません。まして、王の側室様と結託するなど、あろうはずがない。それに、母君もそんなことは望んでおられません」
「なら、どうして、あなたは私を王に、と声をあげるのだ?側室の子供に肩入れをするなど、あなたにとってはマイナスでしかない」
ユリウスの言葉に、ヴォルスは当時を当時を思い出す。この国のために強くあろうとしていたあの時、必死に頼み込んできた美しい人の姿を。
「ええ。確かにそうです。私に利点などありませんでした。でもどうしても断れなかったのです。当然のごとく、王妃様はいい顔をしなかった」
「なら、どうして…」
「母君は、地に頭をつける勢いで私に頭を下げました。あなたを守ってほしいと。せめて、あなたが自分で自分を守れるようになるまでは、と。…あなたを想う純粋な親心に私は打たれたのです。そして今は、心からあなたの方が王にふさわしいと思う。だからこそ、声をあげているのです」
ヴォルスの言葉に偽りはないように思えた。その表情はどこか優しい。
ユリウスには自分の知っている母親とヴォルスが語る母親が一致しない。ユリウスが知っている母親は、一度としてユリウスを見ようとしなかった。
ユリウスはヴォルスの顔を見ていられなくて、俯く。
「…あの人は、俺の事を気にしたことなど、一度もないと思っていた」
「確かに一般的な母親に比べれば、弱いかもしれません。けれど、あの方はあの方なりに、あなたのことを大切に思っておられます。そして、…王子はその気持ちを受け取ることのできるお方だ」
ヴォルスの言葉に、ユリウスは小さく頷いた。そして、静かに口を開く。
「…もし、あなたの言うことが本当なら。…少しでも大切にされていた、というのなら。…俺は、もう少し、自分のことを好きになれるかもしれないな」
ひとり言のように呟くその言葉がサーシャの胸に深く突き刺さる。
サーシャは、幼いころに両親を亡くした。けれど、サーシャはずっと愛されて育った。だから、自分を好きでいることができた。両親が愛してくれた自分を自分も愛そうと思えたのである。
けれど、ユリウスは違う。父親である国王のことを、ユリウスは一度も「父」とは呼ばない。それがどんな意味を示すのか、わからないはずがない。そして、母親を「あの女」と蔑む。愛されたい気持ちの裏返しなのだろうとサーシャは思った。
親に愛されなかったユリウスは、何を見本に自分を愛したらいいのだろう。「第二王子」という立場は、人を遠ざける。
ユリウスの冷たさの根幹に触れた気がして、サーシャは胸が苦しくなった。だから、ヴォルスが言うように、ユリウスが母親から愛されていたのならいいと心から思う。
「必要なら黒幕は、私が探りましょう」
「…え?」
突然の申し出にユリウスの反応は一瞬遅れた。
「…なぜ、あなたが?」
「ユリウス王子よりは自由に動けるでしょう。それに、…あなたが知りたくない事実もできてくるかもしれない」
「…確証はない。けれど、裏には王妃様がいる。…そうだろう?」
「…ええ」
「俺をよく思わない人物で、無味無臭の猛毒を何の障がいもなく用意できる人。それに、簡単に自害をするほど人を従わせることができる人物。…王妃様しかいない」
「…」
「そして、もしかしたら王や兄上もそれに関わっているかもしれない」
「そんな…」
信じられない言葉にサーシャからそんな声が漏れた。ヴォルスは小さく頷く。
「ええ。けれど、確証はありません。そして、探ってもつかめない可能性が高い。それでも調べますか?」
「当たり前だ」
「真実は時に知らない方が幸せなこともある」
ユリウスはまっすぐ見つめるヴォルスの視線を受け止めた。
「狙われたのが俺ならば、それでもいい。よくあることだと水に流すこともできる。けれど、…襲われたのはこいつだ」
「ええ」
「俺はこいつを守ると決めた。だから、俺は真実を知る必要があるし、それ相応の対処をする必要がある」
「お嬢さんのため、ですか。そのためなら、自分が傷つくことは厭わない、と」
ヴォルスの言葉にユリウスは肯定も否定もしなかった。
「…ヴォルス将軍、俺はあなたを信用してもいいのだろうか?」
ユリウスの問いかけに、ヴォルスは膝を折り、胸に手を当てる。それはこの国で忠誠を誓う儀式の一つであった。
「王子を裏切るようなことはしません。私の命に代えて」
低い声がそう告げる。まっすぐな言葉に、ユリウスは頷いた。
「わかった。俺は、あなたを信じる」
「ありがたき幸せ」
「だが、命はいらない。その命、この国のためにつかえ」
「…御意」
「ヴォルス将軍、…あなたは今でも俺に王位を継がせたいと思うか?」
「…」
「黒幕を探ること、それは、この国のバランスを崩しかねない。…それでも、あなたは、俺を王にと望むのか?」
黒幕に王妃や王、第一王子がいるとするならば、その誰かが罪のない女性を殺すことを指示したのならば、法の下、裁かれなければならない。確かにそれは、平穏なこの国のバランスを崩す行為だ。知らない方が幸せなこともある。そう言ったヴォルスは、けれど、すっと立ち上がり、深く頷いた。
「そんなあなただからこそ、王にふさわしいのです」
「…」
「あなたを想う親心からそう思うのではありません。国王は自国の民を守るために、非情にならなければならない時がある」
「…ああ」
「もしもこの国の平穏が作りものだとしたら、壊さなければならない。仮初の平穏などすぐに壊れてしまうから。けれど、壊すことには犠牲が伴う。…ユリウス王子、あなたは、それでも本当の平穏のために、それを壊すことのできる人だ。あなたは、この国のため、残酷になれる人です」
「…」
「国王は、優しく、けれど時に残酷である必要がある。だからこそ、私は、ユリウス王子が国王にふさわしいと思うのです」
そう言い切った。そんな言葉に、ユリウスは一度俯き、けれどすぐに顔を上げる。
「悪いな、ヴォルス将軍。…やっぱり、俺は、王位なんていらない」
「ユリウス王子…」
「優しさを兄上が、そして、残酷を俺が担おう。兄上が表で笑い、俺が裏で兄上を支える。俺はそれでいい。国王は、優しくあるべきだ。残酷さなど、いらない」
「…」
「国に残酷さが必要なら、それは秘密裏に行われるべきだ。そして、それを遂行するのは、俺でいい」
「王子、それは、…あまりにも。…あまりにも、悲しいではありませんか」
悲痛な声だった。苦しさを全身から伝える声。けれど、ユリウスは小さく笑みを浮かべた。
「ヴォルス将軍ともあろうお人が何を甘いことを。やはり、どこかに親心とも言うべき思いを抱いているようだ」
「…」
「将軍。俺はこの国のためなら、どんな役でも担うつもりだ。それは、…あなたが俺に教えてくれたことだろう?」
「…ユリウス王子」
「第二王子だから、側室の子だから、遠慮しているのではない。俺が生まれた理由は、そのためだと、心からそう思っているんだ」
「…」
「国王は兄上がなるべきだ」
今までのような言葉の冷たさは感じられなかった。心からそう思っているとばかりのユリウスに、ヴォルスは一度目を閉じる。そして、すぐに目を開けた。
「確かに、私の考えは甘かったですな。ユリウス王子、本当に立派になられた」
「…あなたのおかげだ」
「いいえ。私は何も。……かしこまりました。ユリウス王子の御意向、肝に銘じます」
「ああ。頼む」
「御意」
ユリウスの言葉に頭を下げると、ヴォルスは背を向けた。部屋を出るときに、深く頭を下げる。サーシャも慌てて頭を下げた。
扉が閉まる音がやけに大きく聞こえる。その音はどこか切なかった。
裏で残酷を担う、なんて、つらい人生だとサーシャは思う。それでも、ユリウスは笑った。作った笑顔ではない、本当の笑みで。
誰よりもこの国を想い、自分よりも他の誰かを大切にする、この人を守りたい、と思った。何ができるかわからない。何もできないかもしれない。けれど、傍にいたいとサーシャはただ、強く思った。
「ああ。そうだった。…あなたは、いつも厳しかった」
どこか思い出すようなユリウス。「貴殿」から「あなた」に変わった物言いに、ユリウスの心の変化が見て取れた。ヴォルスの表情も柔らかくなる。
「王子は筋がよかったですからね。私も力が入りました」
「ああ」
「そして、王子に剣術や武術を教えているうちに、自分に子供がいれば、こんな風なのかもしれない、などと、恐れ多くも思っていたのです」
「…」
「それに、母君からも頼まれていました。ユリウス王子を守ってほしいと」
「…何?」
突然出てきた名前にユリウスの声のトーンが一段下がる。
「母君は、この王宮の中では、ご自身が何もできないことをわかっていました。けれどあなたは第二王子。危険がいつも伴うお立場だ。だから、当時から軍の上層部にいた私に、あなたを託したのです。軍の上層部にいた私があなたの指導係となったのもそのためでした」
「…あなたとあの女が結託していると?もしや、私を担ごうとしているのもあの女の指図か?あの女とこの国を乗っ取るつもりなのか?」
嫌悪感を顕わに、唾を吐き出すように言った。けれど、ヴォルスは静かに首を横に振る。
「私はたかが軍人。政に興味はありません。まして、王の側室様と結託するなど、あろうはずがない。それに、母君もそんなことは望んでおられません」
「なら、どうして、あなたは私を王に、と声をあげるのだ?側室の子供に肩入れをするなど、あなたにとってはマイナスでしかない」
ユリウスの言葉に、ヴォルスは当時を当時を思い出す。この国のために強くあろうとしていたあの時、必死に頼み込んできた美しい人の姿を。
「ええ。確かにそうです。私に利点などありませんでした。でもどうしても断れなかったのです。当然のごとく、王妃様はいい顔をしなかった」
「なら、どうして…」
「母君は、地に頭をつける勢いで私に頭を下げました。あなたを守ってほしいと。せめて、あなたが自分で自分を守れるようになるまでは、と。…あなたを想う純粋な親心に私は打たれたのです。そして今は、心からあなたの方が王にふさわしいと思う。だからこそ、声をあげているのです」
ヴォルスの言葉に偽りはないように思えた。その表情はどこか優しい。
ユリウスには自分の知っている母親とヴォルスが語る母親が一致しない。ユリウスが知っている母親は、一度としてユリウスを見ようとしなかった。
ユリウスはヴォルスの顔を見ていられなくて、俯く。
「…あの人は、俺の事を気にしたことなど、一度もないと思っていた」
「確かに一般的な母親に比べれば、弱いかもしれません。けれど、あの方はあの方なりに、あなたのことを大切に思っておられます。そして、…王子はその気持ちを受け取ることのできるお方だ」
ヴォルスの言葉に、ユリウスは小さく頷いた。そして、静かに口を開く。
「…もし、あなたの言うことが本当なら。…少しでも大切にされていた、というのなら。…俺は、もう少し、自分のことを好きになれるかもしれないな」
ひとり言のように呟くその言葉がサーシャの胸に深く突き刺さる。
サーシャは、幼いころに両親を亡くした。けれど、サーシャはずっと愛されて育った。だから、自分を好きでいることができた。両親が愛してくれた自分を自分も愛そうと思えたのである。
けれど、ユリウスは違う。父親である国王のことを、ユリウスは一度も「父」とは呼ばない。それがどんな意味を示すのか、わからないはずがない。そして、母親を「あの女」と蔑む。愛されたい気持ちの裏返しなのだろうとサーシャは思った。
親に愛されなかったユリウスは、何を見本に自分を愛したらいいのだろう。「第二王子」という立場は、人を遠ざける。
ユリウスの冷たさの根幹に触れた気がして、サーシャは胸が苦しくなった。だから、ヴォルスが言うように、ユリウスが母親から愛されていたのならいいと心から思う。
「必要なら黒幕は、私が探りましょう」
「…え?」
突然の申し出にユリウスの反応は一瞬遅れた。
「…なぜ、あなたが?」
「ユリウス王子よりは自由に動けるでしょう。それに、…あなたが知りたくない事実もできてくるかもしれない」
「…確証はない。けれど、裏には王妃様がいる。…そうだろう?」
「…ええ」
「俺をよく思わない人物で、無味無臭の猛毒を何の障がいもなく用意できる人。それに、簡単に自害をするほど人を従わせることができる人物。…王妃様しかいない」
「…」
「そして、もしかしたら王や兄上もそれに関わっているかもしれない」
「そんな…」
信じられない言葉にサーシャからそんな声が漏れた。ヴォルスは小さく頷く。
「ええ。けれど、確証はありません。そして、探ってもつかめない可能性が高い。それでも調べますか?」
「当たり前だ」
「真実は時に知らない方が幸せなこともある」
ユリウスはまっすぐ見つめるヴォルスの視線を受け止めた。
「狙われたのが俺ならば、それでもいい。よくあることだと水に流すこともできる。けれど、…襲われたのはこいつだ」
「ええ」
「俺はこいつを守ると決めた。だから、俺は真実を知る必要があるし、それ相応の対処をする必要がある」
「お嬢さんのため、ですか。そのためなら、自分が傷つくことは厭わない、と」
ヴォルスの言葉にユリウスは肯定も否定もしなかった。
「…ヴォルス将軍、俺はあなたを信用してもいいのだろうか?」
ユリウスの問いかけに、ヴォルスは膝を折り、胸に手を当てる。それはこの国で忠誠を誓う儀式の一つであった。
「王子を裏切るようなことはしません。私の命に代えて」
低い声がそう告げる。まっすぐな言葉に、ユリウスは頷いた。
「わかった。俺は、あなたを信じる」
「ありがたき幸せ」
「だが、命はいらない。その命、この国のためにつかえ」
「…御意」
「ヴォルス将軍、…あなたは今でも俺に王位を継がせたいと思うか?」
「…」
「黒幕を探ること、それは、この国のバランスを崩しかねない。…それでも、あなたは、俺を王にと望むのか?」
黒幕に王妃や王、第一王子がいるとするならば、その誰かが罪のない女性を殺すことを指示したのならば、法の下、裁かれなければならない。確かにそれは、平穏なこの国のバランスを崩す行為だ。知らない方が幸せなこともある。そう言ったヴォルスは、けれど、すっと立ち上がり、深く頷いた。
「そんなあなただからこそ、王にふさわしいのです」
「…」
「あなたを想う親心からそう思うのではありません。国王は自国の民を守るために、非情にならなければならない時がある」
「…ああ」
「もしもこの国の平穏が作りものだとしたら、壊さなければならない。仮初の平穏などすぐに壊れてしまうから。けれど、壊すことには犠牲が伴う。…ユリウス王子、あなたは、それでも本当の平穏のために、それを壊すことのできる人だ。あなたは、この国のため、残酷になれる人です」
「…」
「国王は、優しく、けれど時に残酷である必要がある。だからこそ、私は、ユリウス王子が国王にふさわしいと思うのです」
そう言い切った。そんな言葉に、ユリウスは一度俯き、けれどすぐに顔を上げる。
「悪いな、ヴォルス将軍。…やっぱり、俺は、王位なんていらない」
「ユリウス王子…」
「優しさを兄上が、そして、残酷を俺が担おう。兄上が表で笑い、俺が裏で兄上を支える。俺はそれでいい。国王は、優しくあるべきだ。残酷さなど、いらない」
「…」
「国に残酷さが必要なら、それは秘密裏に行われるべきだ。そして、それを遂行するのは、俺でいい」
「王子、それは、…あまりにも。…あまりにも、悲しいではありませんか」
悲痛な声だった。苦しさを全身から伝える声。けれど、ユリウスは小さく笑みを浮かべた。
「ヴォルス将軍ともあろうお人が何を甘いことを。やはり、どこかに親心とも言うべき思いを抱いているようだ」
「…」
「将軍。俺はこの国のためなら、どんな役でも担うつもりだ。それは、…あなたが俺に教えてくれたことだろう?」
「…ユリウス王子」
「第二王子だから、側室の子だから、遠慮しているのではない。俺が生まれた理由は、そのためだと、心からそう思っているんだ」
「…」
「国王は兄上がなるべきだ」
今までのような言葉の冷たさは感じられなかった。心からそう思っているとばかりのユリウスに、ヴォルスは一度目を閉じる。そして、すぐに目を開けた。
「確かに、私の考えは甘かったですな。ユリウス王子、本当に立派になられた」
「…あなたのおかげだ」
「いいえ。私は何も。……かしこまりました。ユリウス王子の御意向、肝に銘じます」
「ああ。頼む」
「御意」
ユリウスの言葉に頭を下げると、ヴォルスは背を向けた。部屋を出るときに、深く頭を下げる。サーシャも慌てて頭を下げた。
扉が閉まる音がやけに大きく聞こえる。その音はどこか切なかった。
裏で残酷を担う、なんて、つらい人生だとサーシャは思う。それでも、ユリウスは笑った。作った笑顔ではない、本当の笑みで。
誰よりもこの国を想い、自分よりも他の誰かを大切にする、この人を守りたい、と思った。何ができるかわからない。何もできないかもしれない。けれど、傍にいたいとサーシャはただ、強く思った。
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