きゅんきゅんさせて

「何って、小説だよ!この恋愛小説有名なのに知らないの?」
 本の表紙を見せながらジェニファーは多少興奮気味にそう伝える。けれどレオナルドは興味なさそうに表紙を一瞥しただけだった。
「知らないよ、恋愛小説なんて。経済とか政治の本しか読まないからね、俺は」
「なんで!読んだ方がいいよ!キュンキュンするから!
「キュンキュン、ね」
「もう、この切なくて甘い感じがもう、ほんと、キュンキュンするの。本当に格好いいし!」


「キュンキュンさせればいいんだろ?」
「え?」
 レオナルドの言葉の意味が分からず、ジェニファーは彼を見る。気付けば想像よりも近くにレオナルドの顔があった。
「レ、レオナルド…?」
「レニー、だろ?」

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