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幽霊カサネ
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「三神先生、お久しぶりです」
今·····何か聞こえたか·····??
俺は今、職員室で明日の物理の小テストを作成していた。時計の針は午前二時を指していた。急な仕事だったので、こんな時間まで残るはめになってしまった。まぁ、早く帰っても家で一人なのは変わらないし、まぁいいのだが·····辺りを見回すが机が暗闇の中、並んでいるだけで誰もいない。
気のせい·····だよな·····
パソコンに目を戻そうとした
「なんで無視するんですか?!」
「誰だーーーーー!!!!この声は?!」
「忘れたんですか??私ですよ!わ・た・し!」
部屋中のライトがパッとついた。いきなり明るくなったため眩しく、目を細めた。ようやく目がなれ、声が聞こえた方を見ると机の上に座る少女が満面の笑みでこちらを見ていた。真っ白な着物に頭につけた天冠と菊の花·····この姿を見てこの少女が幽霊だと思わない奴は誰一人としていないだろう·····
「出たーーーーーー?!幽霊?!」
「幽霊って言うより前に私が誰か気づいてくださいよ!!」
「お前なんか知らないって!って、え??
お前ってまさか·····?!」
「カサネです!知らないなんて言わせませんよ!!」
「お前·····死んだはずじゃ·····?」
「だから幽霊なんですよ!!なんでもっと早く気づいてくれないんですか!私ってそんなに影、薄かったですか??」
幽霊カサネは怒ったように頬を膨らませた
「カサネ·····なんだな??」
「そう言っているでしょう!」
「皆、めっちゃ泣いてたぞ、お前の葬式で·····」
「·····そうでしたか·····」
「なんで死んだ?死んだらダメだろ·····」
「先生は私が死んで悲しいですか?泣きましたか?」
「悲しかったぞ、泣きはしなかったが·····」
「えーーーーーー?!なんで?!泣いてくださいよ!」
「俺の涙はもう枯れてるんだよ!」
「もう!先生の馬鹿!」
「教師に向かって何言ってんだよ、おい!」
幽霊カサネはクフフと手で口をおさえて笑っていた。元気そうだ·····
「で、何しに来たんだ?四十九日はとっくに過ぎたはずだぞ」
「先生~四十九日過ぎたら全ての幽霊が天国に行くと思ってるんですか~ないないな~い!」
「言い方がウザイぞ·····」
「ヘヘヘ、先生からかうのはやっぱり面白いです」
「このやろう·····」
はぁ·····と深いため息ついた、カサネは変わっていなかった。以前のままのカサネ·····俺は少し安心した。
「·····お前、なんで自殺なんてしたんだ·····?」
カサネは目を見開いた
「ジサツ??ジサツって自殺??」
「お前·····自殺じゃなかったのか?!」
「自殺じゃないですよ!私!」
「なんだって?!マジか!!」
「なんで私は自殺扱いに·····」
「だってお前、学校の屋上から落ちてただろ?!遺書だってあったぞ!」
「遺書なんて書いた覚えありませんよ!」
「遺書·····見るか??」
「見ます!!」
引き出しの中から封筒を取り出した
「ほれ、でもお前触れるのか?幽霊だろ?」
「私を普通の幽霊と思わないでください!私は触れます!物にも人にも!ほら」
カサネは俺の手をぎゅっと握った、冷たいと思っていた手は意外と温かく驚いた。本当はカサネは生きている·····そう思わずにはいられないほど·····
カサネは俺から封筒を受け取り、読み始めた
遺書
私は、生きることが辛くなりました。毎日繰り返される退屈な日々·····私は飽きてしまったのです
私を支えてくれた両親、友達、先生方には深く感謝しております。この死は私の問題であり、他の方々は全く関係ありません。天国で皆さんに会えることを楽しみに待っています。
カサネ
「···············何これ·····??」
「これがお前が握っていたものだ」
「·····嘘·····私、自殺に·····なってるの·····なんでこんなものが·····」
「これは·····他の誰かが書いたものってことか·····?」
「それしか有り得ません!だって私·····書いてないもん·····」
背筋がゾクッとした
「それならかなりヤバイことになったぞ·····お前は殺されたのか·····?」
「私、ここに来たのは私を殺した犯人を知りたかったからです!もう·····分かってると思ったのに·····」
「殺されたって·····?」
「屋上に呼び出されて·····誰もいなくて·····景色を眺めていたら後ろから·····押されたんです·····」
「顔は見たか?!」
「見てませんよ!」
「·····嘘だろ·····」
「先生、私を殺した人を私に見つけさせてください!」
「そんなこと·····出来るか??もう三ヶ月は経ってるぞ·····」
「お願いします!!」
「·····出来るだけ俺も手伝ってやるよ」
「!!ありがとうございます!!」
もしも本当にカサネを誰かが殺したのだとしたら許されることではない·····俺は、一人の幽霊生徒の殺人事件探しを手伝うことになった。
今·····何か聞こえたか·····??
俺は今、職員室で明日の物理の小テストを作成していた。時計の針は午前二時を指していた。急な仕事だったので、こんな時間まで残るはめになってしまった。まぁ、早く帰っても家で一人なのは変わらないし、まぁいいのだが·····辺りを見回すが机が暗闇の中、並んでいるだけで誰もいない。
気のせい·····だよな·····
パソコンに目を戻そうとした
「なんで無視するんですか?!」
「誰だーーーーー!!!!この声は?!」
「忘れたんですか??私ですよ!わ・た・し!」
部屋中のライトがパッとついた。いきなり明るくなったため眩しく、目を細めた。ようやく目がなれ、声が聞こえた方を見ると机の上に座る少女が満面の笑みでこちらを見ていた。真っ白な着物に頭につけた天冠と菊の花·····この姿を見てこの少女が幽霊だと思わない奴は誰一人としていないだろう·····
「出たーーーーーー?!幽霊?!」
「幽霊って言うより前に私が誰か気づいてくださいよ!!」
「お前なんか知らないって!って、え??
お前ってまさか·····?!」
「カサネです!知らないなんて言わせませんよ!!」
「お前·····死んだはずじゃ·····?」
「だから幽霊なんですよ!!なんでもっと早く気づいてくれないんですか!私ってそんなに影、薄かったですか??」
幽霊カサネは怒ったように頬を膨らませた
「カサネ·····なんだな??」
「そう言っているでしょう!」
「皆、めっちゃ泣いてたぞ、お前の葬式で·····」
「·····そうでしたか·····」
「なんで死んだ?死んだらダメだろ·····」
「先生は私が死んで悲しいですか?泣きましたか?」
「悲しかったぞ、泣きはしなかったが·····」
「えーーーーーー?!なんで?!泣いてくださいよ!」
「俺の涙はもう枯れてるんだよ!」
「もう!先生の馬鹿!」
「教師に向かって何言ってんだよ、おい!」
幽霊カサネはクフフと手で口をおさえて笑っていた。元気そうだ·····
「で、何しに来たんだ?四十九日はとっくに過ぎたはずだぞ」
「先生~四十九日過ぎたら全ての幽霊が天国に行くと思ってるんですか~ないないな~い!」
「言い方がウザイぞ·····」
「ヘヘヘ、先生からかうのはやっぱり面白いです」
「このやろう·····」
はぁ·····と深いため息ついた、カサネは変わっていなかった。以前のままのカサネ·····俺は少し安心した。
「·····お前、なんで自殺なんてしたんだ·····?」
カサネは目を見開いた
「ジサツ??ジサツって自殺??」
「お前·····自殺じゃなかったのか?!」
「自殺じゃないですよ!私!」
「なんだって?!マジか!!」
「なんで私は自殺扱いに·····」
「だってお前、学校の屋上から落ちてただろ?!遺書だってあったぞ!」
「遺書なんて書いた覚えありませんよ!」
「遺書·····見るか??」
「見ます!!」
引き出しの中から封筒を取り出した
「ほれ、でもお前触れるのか?幽霊だろ?」
「私を普通の幽霊と思わないでください!私は触れます!物にも人にも!ほら」
カサネは俺の手をぎゅっと握った、冷たいと思っていた手は意外と温かく驚いた。本当はカサネは生きている·····そう思わずにはいられないほど·····
カサネは俺から封筒を受け取り、読み始めた
遺書
私は、生きることが辛くなりました。毎日繰り返される退屈な日々·····私は飽きてしまったのです
私を支えてくれた両親、友達、先生方には深く感謝しております。この死は私の問題であり、他の方々は全く関係ありません。天国で皆さんに会えることを楽しみに待っています。
カサネ
「···············何これ·····??」
「これがお前が握っていたものだ」
「·····嘘·····私、自殺に·····なってるの·····なんでこんなものが·····」
「これは·····他の誰かが書いたものってことか·····?」
「それしか有り得ません!だって私·····書いてないもん·····」
背筋がゾクッとした
「それならかなりヤバイことになったぞ·····お前は殺されたのか·····?」
「私、ここに来たのは私を殺した犯人を知りたかったからです!もう·····分かってると思ったのに·····」
「殺されたって·····?」
「屋上に呼び出されて·····誰もいなくて·····景色を眺めていたら後ろから·····押されたんです·····」
「顔は見たか?!」
「見てませんよ!」
「·····嘘だろ·····」
「先生、私を殺した人を私に見つけさせてください!」
「そんなこと·····出来るか??もう三ヶ月は経ってるぞ·····」
「お願いします!!」
「·····出来るだけ俺も手伝ってやるよ」
「!!ありがとうございます!!」
もしも本当にカサネを誰かが殺したのだとしたら許されることではない·····俺は、一人の幽霊生徒の殺人事件探しを手伝うことになった。
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